帰国子女入試【大学入試】

「帰国枠入試 = 楽な入試」というイメージがあるかも知れませんが、実情は決してそうではありません。

確かに、大学入試では、帰国子女枠が一般入試枠と明確に区別されているため、一般受験と同じ勉強は必ずしも必要とはされません。毎年、早慶上智をはじめとする有名私立大学や、東京大学・京都大学・一橋大学などの難関国立大学で求められているものは、帰国子女としての英語力と大学で学ぶ上で必要な学力です。それらを証明するために、海外にいる間に受験しておかなければならない統一試験の対策には非常に長い時間がかかります。

特にSATはアメリカ人がアメリカの大学に提出するための試験であり、その英語のレベルはネイティブの人も勉強をした上で受験するほどのものです。そのため、日々の英語の勉強に精を出すのはもちろん、テスト対策のために少なくとも1年半は準備が必要です。

もちろん、それに加えて大学別の学力試験についても対策をしておかなければなりません。特に国語や小論文で必要とされる日本語の読解力や表現力は、一朝一夕には身につかないので、早くから意識して準備することが重要です。

①受験資格

学校教育12年間の課程を修了し、18歳に達していることが基本的な条件です。国公立大学では、「海外校で最終学年を含む、2年以上の在籍」を条件とし、中には3年としているところもあります。また、SATやIBなどの各国の教育制度下で実施される大学入学資格試験にて一定以上のスコアの獲得や、TOEFLなどの英語資格の提出義務がある学校もあります。私立大学の資格条件は国公立大学とほぼ同じで、帰国後の国内高校の在籍を認める、外国学校在籍を1年以上とするところなど様々です。資格条件に関しては、単位の認定などの問題もありますので、事前に各大学に問い合わせて確認するようにしましょう。

③選考方法

⑴学科試験

日本に帰国する必要がなく、書類審査だけで合否の決まるICUや上智大学国際教養学部、慶応大学SFCでは、統一テストの得点が合否のカギになります。帰国受験は、英語力を提示できるかどうかが大切ですから、 やはり統一テストの得点が最重要です。

東大・京大・慶応などは統一テストの点数が低いと合格は出来ません。特に慶応は、統一テストの得点で合否が決まります。最近の傾向では早稲田・上智もSATまたはTOEFLの得点が低い受験者は、 ほとんど合格していません。

MARCH(明治・青山・立教・中央・法政)は、 統一テストの得点が出ていない受験者が殺到しますから、その中で少し統一テストの点数が高ければ、 ほぼ合格する「すべりどめ」の大学です。つまり私立大学受験では、統一テストの点数が高ければ、 その他の科目は比較的に重要度が下がります。しかし、統一テストの得点が高くても、日本語力があまりない人は 日本語の勉強もする必要があります。

国立難関大学の東大・京大などの受験を考える人にとっては、まず慶應に合格することがステップになります。東大は統一テストで慶応合格点レベルの点数がが出ていないと、 書類選考で不合格になります。さらに現場のテストでも、京大などの小論文はかなり高度になりますから、 慶應合格の判明する9月末以降から約半年間で、みっちり文章力を練ることが合否のカギになります。

どこの大学を受験する場合でも、統一テストは一番重要なので 出来るだけ早く統一テストに向けての勉強をし、どんどんSAT ・TOEFLを受けていくことが大切です。早めから統一テストを受けていくことで、自分の目標を作ることができます。

⑵小論文

ほとんどの大学、学部で日本語(一部、在籍国での言語)での小論文が課されます。内容に関しても非常に高度な問題もあり、また深い思考の求められる出題が多くなっています。まずは、文章になれることから始め、自分自身の考えやを理路整然とした展開で表現できるようになる必要があります。

⑶学科科目

学科科目は大まかには、文系では小論文のみが多く、小論文に代えて英語または国語を課すところなどがあります。理系では小論文の他に数学・理科を課すところが多く、大学により数学の範囲や理科の科目数に違いがあります。

⑷面接

ほとんどの大学で面接が実施されます。面接は人物・適性・意欲・目的意識など学科試験でははかることのできない素養を把握することが狙いです。自分のこれまでの経験や今後の人生に対する考え方をどのような言葉や態度で表現するか、何を学びたいのかという自己目的力の高さを面接官にアピールすることが重要です。学科試験の代わりに、面接時の口頭試問で学力を問う学部もあるので、面接の内容は事前に確認しておく必要があります。

⑸AO入試

学科試験は行わず、受験生から提出された学習の成績・統一試験のスコア・小論文などを精査して評価したものと面接とで総合的に判定する形態です。近年多くの学校でこの方式が採られています。海外の学校に在籍して習得した語学力はもちろん、異文化の地で得られた経験・学習体験を積極的に示すことが必要です。ただし、帰国子女のみを対象としたものではありませんので、受験資格については各校に問い合わせして確認する必要があります。

③受験時期

4月出願のICU、5月出願の上智大学国際教養学部、6月出願の筑波大学などを皮切りに、8月出願の早慶上智から3月合格発表の東大・京大を初めとする多くの国立大学まで、1年中が帰国子女受験は行われています。

従って一般受験よりも多くの大学に併願が可能な受験形式となります。さらに、統一テストでの高得点者は、私立大の帰国受験が集中する9月に入る前から、およその合否が予測できるので、対策がたてやすく、より効率的に受験ができます。