TCK
MESSAGE 帰国子女の先輩たちの体験談

海外で生活してきた先輩たちの、当時の生活や心境をありのままに。

林 佑哉

林 佑哉さん

"自分を信じて、恥ずかしがらずにポジティブに!"

出身高校
早稲田大学高等学院
在籍大学
早稲田大学 基幹理工学部
海外滞在歴
アメリカ・テキサス (9歳-13歳/4年間))

ESLのクラスを辞退!触れる時間を増やすことが英語上達への近道!

Q:海外で生活されていたのはいつからいつまでですか?

小学4年生から中学2年生まで4年間、アメリカのテキサスに住んでいました。ほとんど日本人のいない地域で通っていた学校全体でも3人しかいませんでした。

Q:アメリカの現地の小学校での生活はいかがでしたか?

月曜日から金曜日は現地校に通い、土曜日は補習校に通っていました。日本の学校と比べると、宿題の量が多かったですね。成績のつけ方もテストの割合が60~70%で残りは課題点になります。テストの点数一発で成績が決まってしまう日本の制度よりも、僕はアメリカの方が好きでしたね。

Q:小学4年生の時に渡米されて、英語の問題があったと思うのですが、英語にはやはり苦労しましたか?

初めのうちは英語も出来ず、コミュニケーション能力を試されました。ただ、テキサスの人はとてもフレンドリーで、僕が英語を話せないことを理解して、身振り手振りジェスチャーで「遊ぼう遊ぼう」と誘ってくれたので、友達と遊ぶ中で少しずつ英語は習得していきました。最終的に英語の習得には1年くらいかかりました。

<小学5年生から6年生にかけて英語が話せるようになったことを覚えています。弟もそんな感じでしたね。特に何かを意識して勉強したわけではありません。家に帰っても英語のアニメや映画を見たり、元々興味のあったディスカバリーチャンネルを眺めたりしていました。/p>

勉強らしい勉強といえば、現地校でESL(※English as Second Languageの略:英語を母国語としない生徒向けの英語の授業のこと)の授業を受けていたくらいです。ESLのクラスでは簡単な英語の絵本で、イラストや単語を学習していたのですが、1年くらいたったころに、普通の子達と英語の授業を受ける方が英語力を伸ばせると感じたので、ESLの授業をやめ、現地の子供達と同じように授業を受けました。触れる時間が増えたので、やはり英語力は上がりましたね。

Q:話は少し飛躍しますが、海外で英語を学ばれた経験を持つ林さんは日本の英語教育についてどう思われますか?

まず第一に単語を詰め込みすぎですし、文法に固執することもあまり良いとは思いません。帰国した際に、高校受験の英語を見た際に、非常に違和感を感じましたし、何の役に立つのだろうとさえ思いました。

Q:林さん自身も英語の指導経験は豊富なようですね。指導する際に心がけていることはありますか?

大学二年生の時に、中学1年生の生徒に英語を教えていたのですが、その子は英語に対して、ひどく苦手意識を持っていました。なので、その生徒が好きだった遊戯王カードの英語版をネットで見つけ、最初は遊びながら英語に慣れさせました。きちんと発音出来たり、内容を理解できた時には褒めてやり、自信を持たせるようにしました。

英語の成長の伸びがはっきりと現れるまでには時間がかかりましたが、やはり急激の伸びが見えるようになりました。自分が見本となって発音を聞かせながら、恥ずかしがらずに発音させ、現地の発音を身につけられるように指導しました。「書くだけ」の勉強は絶対やらせないようにしました。英文を読ませたり、単語を発音させたり、口に出して勉強することは本当に大事だと思います。

毎日11時まで勉強し、念願の第一志望校合格!

Q:海外生活を終えて、帰国してからのお話を聞かせていただきますか?中2で帰国されて、すぐに受験ですよね。

中学校は地元の公立の学校に通っていました。中学2年生で帰国した時は、国語と数学が全くできませんでしたね。アメリカの学校では数学は上級者向けのクラスにいましたが、日本ではそうはいきませんでした。塾の入塾試験では英語はほぼ満点だった一方で、数学と国語は20点くらいでしたね。

そんな状態から勉強をスタートしたわけですが、先生にも恵まれ、2科目とも平均的な点数をとれるようにはなりました。数学は元々苦手意識もなく、得意だったので勉強量を増やすことで成績を伸ばすことはできました。苦手だった国語に関しては、漢字はひたすら毎日練習すること、古文は文法をしっかりと理解しパズルのように解くこと、文章力を向上させるために読書をすること、などを心がけていましたね。受験生時代は毎日11時ころまで友人と自習していましたよ。

Q:毎日11時ころまで!そこまでして行きたいと思えた志望校を決定するきっかけは何だったんですか?

志望校の学校の雰囲気を知るために行った学校の文化祭がきっかけになりました。他にも、実際に通学している知人から話を聞いたり、帰国子女のコミュニティで情報交換しあったりしていましたね。帰国子女同士のつながりは自然と出来上がるものですし、その関係性も強いですね。塾も帰国子女が多く集まる、という理由で選びました。

予想通り、生徒や先生にも帰国子女が多く、帰国子女という立場を理解した上で指導を行ってもらえたので非常に助かりました。今でもそこで出会った友人達とは仲良くしていますね。

Q:念願の第一志望校合格だったのですね。実際に入学してみてどうでしたか?

どんな人でも受け入れてもらえる、人と関わる上での壁を取っ払ってくれるような環境でした。自分からアクションを起こすことのできる積極的な人の多い学校だったと思います。人と関わろうという意識が強いんですよね。帰国生用の授業というものは特にありませんでしたが、同級生の英語のレベルは高かったように思います。大学受験を意識しなくてもよい環境で、期末前は勉強しましたが、その他は自由に各々が好きなことを楽しみ、まるで大学生のような生活でした。

大学進学の際にはもともと興味があったこともあり、理系の学部を選択しました。今はダイアモンドの性質を利用した開発のために、ダイアモンドに電気を通す実験に取り組んでいます。将来的にはものづくりに携わりたいな、と考えています。はっきりと意識していたわけではありませんが、アメリカの学校でのグループワークを通して、みんなで何かを作り上げるという経験から生まれた気持ちかもしれません。

アメリカの学校ではあらゆることでグループワークをさせられました。テキサスの歴史について調べて、ポスターを作ったことが印象的ですね。1人1人必ず、自分のパートがあって、自分で調べた部分は自分で発表しなければならないというルールつきでした。だからこそ、お互いに協力出来る部分は多くありましたし、チームのみんなと情報共有をしながら行いました。

アメリカの学校では、円形の机に4人くらいが一緒に座るような形をとります。どんな授業でもみんなで一緒にやる、という意識はすごく強かったですね。お互いに自分の意見をしっかり主張し合っていました。日本の学校によくある「班長」のような役割はなかったですね。無理矢理自分の役割を決めてかかる、日本のグループワークのやり方には多少なりとも違和感を感じています。

「出来る」と自分を信じて、一歩を踏み出すことが何より重要!

Q:海外での生活を経験されて、何かご自身の中で変わったなと思われる点はありますか?

人見知りをしないで誰とでも話せる性格になったな、と思います。アメリカでは、人見知りすることが馬鹿馬鹿しく思えるくらい、みんなフレンドリーなので。あとは日本食のありがたみを感じるようなったことですかね、本当に日本の食べ物はおいしいですよ(笑)

もちろん海外生活で培った英語力も大きな財産です。英語が出来ることで遊びにしても、今の研究にしてもそうですが、海外の文献やウェブサイトも閲覧できるようになり、情報収集の幅が広がったなと思います。あと、「英語が話せる」ということと「外国人と話せる」というのはまた別次元の話のように考えています。海外生活がなくても英語力は身につけようと思えば身につけられると思います。

ただ、「外国人と話せる」ようになること、というのは日本にいるだけでは身につけにくいのでないか、と思います。そうしてアメリカの学校で色々な国の友人を作り、Facebookなどを通して連絡を取り合えるつながりが出来たことは今後自分の強みになるのではないかと思っています。

Q:こんなサポートがあればいいのになと思うことや実際に林さんが受けたサポートの中で助かったと感じているものは何かありますか?

僕の場合は、自信を持たせてくれる先生との出会いは非常に大きかったですね。高校受験の時ですが、1対1で数学を指導してもらい、自分が納得できるまで教えてもらいました。その直後のテストで満点がとれたこともあり、「やればできるんだ」ということを身をもって体感しました。今でも新しいことに挑戦する時はまず「出来る」と思い込むことを心がけています。僕が指導する立場になってもそのスタンスは変わりません。どんな簡単な問題でも分かるまでとことん付き合って、とにかく褒めます。「やっても無駄だ」という考え方はさせません。

Q:最後に何か海外子女・帰国子女の後輩へのメッセージをよろしくお願いします。

これから海外へ行く人は、とにかく恥ずかしがらず、覚えた英語を使うことを心がけてほしいと思います。英語正しいかな、タイミング違うかなと思うような場面でも、積極的に使ってほしいと思います。逆に間違えているかもしれないと思い、使わないでいるといつまでたっても上達しないので。帰国間近な人、帰国した人は、日本語をとにかく磨いてほしいと思います。やはり日本人として日本語が出来た方が楽しいのは当たり前ですし、せっかく日本人に生まれ、日本語が話せるのであれば、日本の文化や知識を蓄えるとこれから海外の人々と接する関わる上でも強みになると思います。