TCK
BLOG TCK Workshop通信

海外在住のお子様や国内での指導を通して講師が感じた想いや、受験に関してのお役立ち情報を皆様にお届け致します。

TCKという概念

投稿日
2017年1月24日
投稿者
小山田 眞実
ブログテーマ
読書, 作文, 宿題

こんにちは。TCK Workshopの小山田です。ごく最近、弊社の社名にもあるTCKについて、友人と話す機会がありました。今回は、TCKについて私が思ってきたことについて、書きたいと思います。

早速ですが、みなさまは、弊社の事業について知って頂く以前に、TCK(Third Culture Kid)という概念について、聞いた事がありましたか?私がTCK Workshopと出会ったのは、なんと昨年の2月(偶然にもバレンタインデーでした)だったのですが、個人的にTCKという概念においては、高校2年生のころに出会いました。

その頃は、10年近いアメリカ生活を経て、入学した日本の私立高校で、年頃や環境の変化によりいろいろと複雑な心境を抱えており、一時期は、言葉にできないネガティブな気持ちが渦巻いていた時期がありました。アメリカ滞在中は、特に自分は「何人」という捉え方をすることなく生きていましたが(「マイノリティー」や「アジア人」という意識はせざるを得ませんでしたが)、日本に帰国してから、初めて、自国の文化、外国の文化の違いについて意識し、なかなか周りに馴染めない自分と異文化の狭間にいる、つかみどころのない感覚に、よく翻弄されていました。

そんな中、たまたまインターネット上で見つけたTCKについて知り、少しずつ知見を広げて行きました。学術的に、主に社会学の視点から提唱されており、すでにいくつもの研究対象になっているということにある種の安堵感を覚えました。「そうか、私は日本でもなく、アメリカでもなく、私のカルチャー(サード・カルチャー)っていうものを知らぬ間に作っていたんだ!」と初めて客観視し、気付くことが出来たのです。

いろいろと多感な時期だったことが主な要因だと思いますが、あるときはTCKの私を理解できる人は、TCKとしての経験を積んだ人だけだ、という大変狭まった考え方をしていたときもありました。

しかし、このような考え方は、特に高校生活の後半から今に至るまで、いろいろな局面で覆されてきました。それも、TCKでない人々から学んだことによる影響がほとんどです。

高校2年生のときに、一番心が通じ合い、腹を割って話せたのは、同じクラスの日本生まれ、日本育ちの子でした。 さらに、冒頭で述べた友人とは、仲の良い出身大学の先輩であり、帰国生ではないのですが、TCKという概念が前から気になっており、「どこか自分と共通する部分がある」ということを話してくれました。

もちろん、TCKである人達にしか解らないことはあります。このような社会的カテゴリー、また、似たような経験を共有できる人達の存在によって、私のように気持ち的に救われる人もいます。

ただ、自分とは違う経歴や経験をしてきた人でも、 似たような感覚や感性を持ち、生きて来た人というのは必ず存在し、不思議と心が通じ合うところがあるのです。

学術的には、「TCKは、自国の出身者よりも、他のTCK(国は問わない)といることで、居心地の良さを感じ、分かち合うことが多い」と言われていますが、ある意味私の経験からすると、このような提言はすべてではないと思っています。 「TCK」や「帰国子女」、「純ジャパ」、「外人」など、よく耳にする昨今ですが、このようなカテゴリーを超越する、根源的なものは確実にあります。

当然のことを言っているようですが、実際、このような本質的なことに気づくのに、私はかなりの時間と労力を要したように思います。もしどこかで、まさに今、TCKであることや慣れない文化の中で暮らしていて、苦しい気持ちを抱いているお子様がいるとするならば、 いずれは「開放」されるとお伝えしたいです。

TCKであるということは、どう考えても、社会的な特権であると同時に、それなりの苦難が伴います。人間である以上、試練は避けられません。

でも、大きく考えれば、各々が置かれた場所で、与えられたチャレンジに立ち向かうことで、開拓できることはあると思います。最終的に目指すのは、お互いの様々な違いを尊重し、分かち合い、共生できる社会です。特に今のご時世においては、より一層大事になってくることだと考えます。

いろいろとTCKであることについて思い巡らすと、最近はこのような結論にたどり着きます。 答えがあるようでないような、未だ明確な形はないように思いますが、、ある意味、この曖昧さが、私の日々の考えや仕事における原動力になっているような気がします。

長々と(一方的に)書かせて頂きましたが、ぜひ、どこかで、みなさまにとっての「TCK」について、お話を伺う機会が出来れば嬉しいです!