近年、日本国内でも注目されはじめている国際バカロレア(通称 IB)。実は、インターナショナルスクールなど国内でも取得可能な学校が年々増え、専用の入試環境も整いはじめています。

今回は、海外でIBディプロマを取得した帰国生が「IB(国際バカロレア)入試」を受ける際に注意すべきポイントについて詳しく解説します!

IB(国際バカロレア)入試とは

IB入試とは、IBディプロマを取得した学生に受験資格が与えられる入試制度全般を指します。

各大学の募集要項には、「スイス民法典に基づく財団法人である国際バカロレア事務局(以下IBO)が授与する国際バカロレア資格を有する者」と記載されている場合が多いです。

IB(国際バカロレア)入試の受験資格について

まず、日本国内の大学で実施されているIB入試には、大きく分けて以下の3種類があります。

  1. IBDPの国内取得者のみが受けられる入試
  2. IBDPの海外取得者のみが受けられる入試
  3. IBDPの取得者全員が受けられる入試

①の場合、募集要項には日本国内の高等学校または日本国内のインターナショナルスクールで国際バカロレア・ディプロマプログラムを修了した者」(慶應義塾大学 国際バカロレア資格取得者対象入学試験)と記載されています。

②の場合、募集要項には外国においてスイス民法典に基づく財団法人である国際バカロレア事務局から国際バカロレア資格を平成30(2018)年度に授与された者」(一橋大学 外国学校出身者入試)など、海外学校での取得という要件が付与されています。また、入試制度そのものが「外国学校出身者特別選抜(京都大学)」、「帰国生徒特別入試(大阪大学)」といったように、受験者を海外学校出身生のみに制限している場合もあります。

別項目での「海外学校出身者」などの指定や特別な言及がない場合は、③とみなすことができます。

海外IBディプロマ取得者は注意!

さて、海外でIBを取得した帰国子女が受験できる「IB入試」は、②と③のみです。

IB(国際バカロレア)入試と謳っているものの中で、①の国内IBディプロマ取得者を対象とした入試については、海外でのIB取得者(≒帰国子女)の受験資格はないということになりますので、注意が必要です。

つまり、HP上に「IB(国際バカロレア)入試」の記載があるから安心してはいけないということです。①のパターンで、IB資格を利用できない可能性があるかもしれませんので、しっかりと募集要項の中身まで確認することが必要です。

その場合、一般的な帰国子女入試などを受ける必要があり、他の英語資格、統一試験のスコアが求められる可能性も十分あります。気付いたタイミングによっては「時すでに遅し」となってしまうこともあり得ますので、事前の確認が何より重要になってきます。

①しか用意されていない学校の受験を検討するDP生のみなさんも、他の受験ルートが用意されている場合がほとんどですので、事前に調べていれば対策はいくらでもできます

志望校がIB受験に対応していなかった、自分にはIB入試の受験資格がなかったなどの理由で、急遽小論文やTOEFL・IELTSなどの試験対策が必要になってしまった場合、時間の許す限りでしっかりとした対策を練ることが必要になります。

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IB(国際バカロレア)入試受験時の注意

IB(国際バカロレア)は、政府主導で推進されている教育プログラムですので、IBスコアを利用して受験できる大学は毎年少しずつ増えてきています。しかし、IB入試は他の入試制度に比べて複雑になっている場合も多く、注意すべき点が多くあります。

IB(国際バカロレア)入試実施校の探し方

現在、日本においてIB(国際バカロレア)入試を実施している大学は約6~70校あります。

海外IBDP取得者は、IB入試だけでなく、外国学校卒業者(帰国子女)対象の入試制度を利用することも可能です。IBが注目されている中で、チャンスを最大限に生かすためにも、海外の高校を卒業する前から、少しずつ募集要項を検索するなどして、情報収集をしておくことが鍵となるでしょう。

その際、大切なことは「必ず一次情報にあたる」ということです。

前掲の文科省のHPは、リサーチの入り口としては便利ですが、更新された情報が反映されていない場合も多々あります。入試情報を探す場合は、必ず大学の公式HPにアクセスし、最新の募集要項から受験資格などを確認しましょう

IB(国際バカロレア)入試の科目要件

さらに、注意すべき点は、大学や学部ごとに課されている科目や点数の要件です。例えば、筑波大学の国際バカロレア特別入試では以下の要件が課されています

学群学部科目要件
人文・文化学群人文学類
比較文化学類
日本語
日本文化学類
歴史(HL), 地理(HL), 哲学(HL)から1科目
社会・国際学類社会学類歴史(HL),地理(HL),経済(HL),グローバル政治(HL)
数学(HL)から1科目
国際総合学類歴史(HL),地理(HL),経済(HL),ビジネスと経営(HL)
グローバル社会の情報技術(HL)
社会・文化人類学(HL),数学(HL)から1科目

このようにIB入試では、大学や学部によって細かい科目指定がされているケースが多くあります

IB入試の受験を検討する際には、まずは、ご自身の科目とレベル(SL/HL)の履修状況、さらに点数が各大学や学部が公表する受験資格を満たしているかを必ず確認するようにしましょう。

IB(国際バカロレア)最終スコア

どの入試制度を利用する場合でも、合否の分け目となるのが、Diplomaの最終スコアです。

特にIB入試を実施している大学は、IBを取得した学生を積極的に入学させたいと考えており、DPのスコアが大きく評価される傾向にあります。いうまでもないことではありますが、IB生にとって有利な制度を使いこなすためには、最終スコアをできるだけ伸ばすことが重要でしょう。

最後に

IB入試の要注意ポイント
  • 海外IBDP取得者は受験資格に要注意国内校出身者のみ海外校出身者のみ受験可能なIB入試もあり
  • 入試情報は必ず一次情報あたろう
  • 科目やスコア要件を確認し、受験可能な学校・学部を調べよう!

帰国することがわかっているのであれば、IBを履修し始めたときから、IB入試を意識して、情報収集をしておきましょう!

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