指導を通して感じた想いやお役立ち情報を皆様にお届け致します。
父の海外転勤をきっかけに、高校2年春から渡英。初めての海外滞在で、英語もままならぬ中、無謀と思われたが、周りの方々の支えを受けながら、IB Diploma 43点を取得。TCK Workshopでオンライン学生家庭教師として主に中高生の指導に携わる。
IB Diploma 43点、英検1級、TOEFLiBT 101点
ほとんどの帰国生入試で課される面接試験。皆さんはちゃんと対策できていますか?面接では、さまざまな角度から飛んでくる質問や面接官との相性、そして緊張など、色々なものと戦わなければなりません。
そんな面接試験も、きちんと準備をすることによって、自分に有利な状況を生み出すことができます。
今回は、実際に私が参考にしていた面接対策の基本となる考え方をご紹介します。年明けの面接に向けてこれから本腰を入れるぞ!という方々に、ぜひ読んでいただきたいです。
参考までに、私の国内の帰国子女受験を目指し始めてからなにをしていたのか、をタイムラインにしました!ぜひご覧いただき、面接対策をしていた前後でどんな対策や行動をしていたのか参考になれば幸いです!
基本的にどんな面接でも面接官が見ている最大のポイントは「あなたがどんな人か」ということです。そのためにがまず、自分自身をよく知り、あなたの人となりを、短い時間で、きちんと相手に伝える必要があります。
一般的に帰国子女面接は、30分程度で行われますので、その短い時間の中で、どんな経験をしてきて、それによってどんな価値観や興味を持っているのかを語れるようにしましょう。
例えば、私が実際に面接で聞かれた質問のなかに、こんなものがありました。
「海外に行く前と行く後で、あなたはどんな風に変わりましたか?またそれを示すようなエピソードを教えてください」
ここで聞かれていることはなんでしょうか?
「単に海外でどんな経験をしたのか」でもなく「今のあなたがどんな人か」でもありません。過去と現在の自分を比較して、その変化のきっかけとなった経験と結びつける...きっとその場で考えて答えるには、ちょっと大変な質問が、ポンっと飛んできます。
なぜ海外に行く決断をしたのか、そこでどんな経験をしたのか。自分の長所や短所、どんなことに興味があるのか。
これらの問いについて、時にはあなたをよく知る人の力を借りながらしっかりと分析して行くことが大切です。
次に欠かせないのは、受験する学校や学部に関する研究です。
面接官は、あなたの人間性と、学校の雰囲気や入学してほしい学生像と照らし合わせて、合否を決めます。ですから、学校の雰囲気を知っている受験生は、より入学後のイメージが湧いて、合格に近づく可能性が高まります。
例えば、各大学の募集要項に記載されている「アドミッションポリシー」に目を通したことはありますか?
このページには、どんな学生に来てほしいのか、帰国子女受験を利用して入ってくる学生にはどんな人であってほしいのか、が記載されています。よく読むと、各大学ごとに色々な違いがあって、大変おもしろいです。
さらに私は、各大学のホームページや学校案内の資料に目を通すだけでなく、平日のキャンパスを訪れて学生の雰囲気を実際に目で確かめていました。
主に一般受験の学生向けにはなりますが、学校主催のオープンキャンパスなどのイベントに参加して、どんな学びができるかを学部ごとに検討していました。
もし面接で「君のやりたいことって、他の大学でもできるよね?」と言われた時、あなたなら、なんて返答しますか?
もちろん、学びたい勉強の内容を熱く語るのもいいですが、それよりも、その大学の特色や教授陣の話、自分が実際に目で見た「生の情報」から、その学校への本気度を見せていくことで、面接官の心にグッと刺さる受験生になることができるはずです。
志望校合格において最も大事なことは、自分自身のこれまでの経験や価値観、そして大学の志望動機が誰にでもわかるような一つの線でつなげることです。
すなわち、上記①と②のプロセスを繰り返すことで、「本気でその大学に入りたい!」という気持ちを面接官を説得させるような形で言語化できるようになります。
自分がその大学に入って勉強している姿をどれだけリアリスティックに描けるかは、面接の時の態度や発言の端々に現れるものだからです。
ここでは具体的に例を使って、私が当時たどっていた思考プロセスを説明します。
まずは、以下のような軸を作ります。
海外滞在中、ギリシャの難民キャンプでボランティア経験を得た
ギリシャの難民キャンプでの経験から、難民の救済に関わる国際機関で働きたい
将来やりたいことを達成するには、国際的な人権問題を専門とする△△教授が在籍している〇〇大学で、その教授のもとで学びたい
課外活動では、難民を取材してメディアで発信している団体を作りたいor入りたい
そして、
コツ①:自己分析と、コツ②:大学調査をもとに、上記の①〜④のような軸をつくったら、次に、そう思う理由や根拠を探していきます。
ここでは、自分が面接官になったつもりで色々な質問を考え出して行きます。ここでのポイントは"WHY"を考えることです。
そして、面接官になったつもりで色々な質問を考え出して行きます。時には友人や家族など周囲の人に手伝ってもらいながら様々な質問に答え、どんどん自分の志望動機を肉付け・深堀りするというプロセスをふんで行きます。
このプロセスに終わりはありません。
例えば、途中で、知識や引き出しの少なさを実感することがあるかもしれません。その際は関連する本を読むなどして、またこのプロセスに戻ってきます。すると、本を読む前と後で、考え方が変わっている、ということも起こり得ます。もしかしたら、本当はこの学部じゃなくて、こっちかも!なんていう発見もあるかもしれません。
このように、丁寧な思考と入念な準備を繰り返すことで、それまではありきたりだった志望理由を「自分だけのオリジナリティー溢れるもの」にしていくことができます。だからこのプロセスに終わりはありません。
これまで、面接突破で絶対に必要なカギとなる考え方をご紹介しました。
あくまでこれは一つの考え方にすぎませんが、自分を客観視することや面接官の立場で質問を考えることは、面接の合格に繋がるだけでなく、自分がどんな大学生活を送りたいのかを考えるとても大切な時間になるはずです。
世の中でよく言われている「頻出質問攻略法」や「必勝面接攻略法」などを試す前に、まずは自分や志望校と向き合う時間を作ってみてください。
皆さんのIBライフがより素敵なものになりますように。