ライティングはTOEFLの中でも4番目、最後に取り組むセクションであり、スピーキングの直後に行われます。TOEFL iBTのこのライティングセクションでは、50分間で2つのエッセイを書くことが求められます。

TOEFLライティングセクション、まず一つ目のエッセイは、リーディング、リスニング、ライティング能力のすべてが試される複合的な課題、Integrated Essayです。文章を読み、講義を聞き、それらを踏まえて、インプットした内容に関連する質問に答える形でエッセイを書きます

2つ目のエッセイはIndependent Essayで、一般的な質問について、自らの考えや意見を記述するオピニオンエッセイです。

今回は、この2つ目のIndependent Essayについての勉強法・対策を紹介していきたいと思います。

また、どのようなエッセイでも、英語の小論文では「Introduction」「Body」「Conclusion」の型が基本になります。こちらの記事で、基本的なエッセイの型について解説をしておりますので、是非参考になさってください!

Independent Essayとは?

Independent Essayは、TOEFLのライティングで取り組む2つ目のエッセイです。アウトラインを計画してから書きおえるまでの目安は、おおよそ30分程度が目安です。

さて、ここからはIndependent Essayについて、出題形式や解答作成のコツについてお話してまいりますが、やはりエッセイを素早く上達させるポイントは、いかにしっかりと採点・添削ができるかという点にあります。問題集などに模範解答の用意はあるといっても、自己採点や自分での添削に限界を感じている方も多いのではないでしょうか。

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どんな問題形式で出題されるの?

トピックは教育、仕事、または生活に関連したものが多く、それらに対して意見を述べるように求められます。このエッセイには、「どんなふうに答えないといけないのか」という質問のパターンがあるので、下記ではこの点について紹介していきたいと思います。

詳しいエッセイの構成や書き方などは後半にて解説していきますので、まずは簡単な問題のパターンと出題例、それぞれの注意点のみ解説させていただきます。

Independent Essay 出題パターン
  • 賛成か反対かを問われる問題:最も出題率が高いパターン、初めに自分の立場を示す
  • 選択型の問題:ここでも初めに自分の立場を示しておくのがポイント
  • 自由記述型の問題:自由度が高い分難しい。一貫性を意識してアウトラインをしっかり書く

Agree or Disagree 賛成か反対か

これは最も出題率の高い質問形式です。

“Do you agree or disagree with the following statement? Children should not be allowed to use handheld devices. Use specific reasons and examples to support your answer”

「次の文に賛成か反対か。子供が小型機器を使用することを許可すべきでない。理由と例を用いて持論の根拠を示しながら述べてください」

*TOEFLでは日本語訳はありません

このように、賛成か反対かを聞く問題では、まず始めに自分の立場を示しましょうIntroductionで「賛成か反対か」を明確に述べ、それをサポートする理由を2~3個用意しましょう。Bodyでは持論を支えるための理由を、例などを用いながら述べていきます。最後にConclusionで、改めて自分の立ち位置を示して全体をまとめます

必ずしも自分の賛成反対と一致した解答を書く必要はありません。自分が「書きやすい」と思った方の立場を取って書き進めていきましょう。

Which do you prefer? 選択型

“There are many options for how students can take classes nowadays. Some students prefer in-person classes, and others prefer online classes. Which do you prefer? Use specific reasons and examples to support your answer”

「現在、生徒が授業を受けるには多くの方法があります。対面式の授業好む学生もいれば、オンライン授業を好む学生もいます。どちらが良いでしょうか?理由と例を用いて持論の根拠を示しながら述べてください」

*TOEFLでは日本語訳はありません

こちらもTOEFL試験でまま見る問題形式です。賛否式のパターンと同様、こちらもまずはしっかりとIntroductionにおいて自分の立ち位置を示しておくことが重要です。

自由記述型

“Everybody has challenges they have difficulty overcoming. These challenges are often related to school, family, or social life. What do you think is the best way to deal with such challenges?

「誰もが克服することが困難な課題を抱えています。これらの課題は、多くの場合、学校、家族、または社会生活に関連しています。こうした課題に対して、どのように向き合っていくのが最良だと思いますか?」

*TOEFLでは日本語訳はありません

このような問題に対しては、下記のような主張ができるでしょう。

  • – Asking someone more experienced for help
    ( 経験のある人に助けを求める)
  • – Use the internet to find more information about the problem
    (インターネットを使用して、問題に関する詳細情報を検索する)
  • – Discuss the issue with a friend
    (友達と問題について話し合う)
  • – Think about the problem yourself
    (自分で対処する)

問題が抽象的な分、解答の幅は広がりますが、その分しっかりと構成を練り一貫性のある文章を書く必要が出てきます。自由度の高いエッセイはその分難易度も上がりますので、書き始める前に「自分のエッセイの要点は何か」「この段落ではどんな内容を伝えたいのか」をしっかりと整理してから問題に取り組むようにしましょう。

Independent Essayで高得点を取るコツ

Independent Essayで高得点を取るために、以下のことを意識しましょう!

1. きちんとトピックに対応した主張ができているか

トピックから外れることなく、自分の主張をサポートするためのセンテンスが2〜3つ書けているか、きちんと確認しましょう。

2. 自分の主張をはっきり伝えられる段落構成になっているか

書く前にアウトラインを作成し、各段落でどのように自分の主張をサポートするのか整理し、詳しく説明するためにどんな具体例を書くのか考えましょう。アウトラインを決めてから書くことで、採点者にとってわかりやすいEssayになります

3. 幅広い語彙を使用し、文法と表現方法などのミスは最小限に

完璧な文法である必要はありませんが、当然、間違いが少ないほど良いので、文章が不正確になったり不明瞭になったりする文法間違いは避けたいところです。また、同じ単語を1つの段落で2回以上使用する重複表現は避けて、幅広い語彙を使用するようにしてください。

Writing:Independent Essay対策・勉強法とは?

Independent Essayを書いていく上で、どうのように書いていくのか、大事なこと・意識すべきことは何か、少しずつイメージが湧いてきたのではないかと思います。ここからは、それらの点を踏まえて「実際にどう勉強・対策していけばいいのか?」ということについて説明していきたいと思います

1. 時間を測って練習しよう!

通常のエッセイでは、意見をブレーンストーミングし、書き留めて校正する時間はたくさんあります。ただし、TOEFLの場合、すでに3時間を超える試験を受けた上でさらにIndependent Essayを構成し、作成し、見直さなければならず、時間は30分程度しかありません

時間配分が試験を左右するといっても過言ではありません。練習するときは、タイマーを30分に設定して、本番同様に取り組むようにしましょう。練習のときにできていないことが本番でできるはずもありませんね。

また、自分の主張をサポートする3つの理由が思い浮かばない場合は、2つの理由に焦点を当て、それらをきちんと説明し、適切な具体例を書き、きちんとトピックに結び付ける必要があります

なによりも「一貫性があるか」が大事なので、制限時間内に一貫性のある文章を構成する力をつけることを毎回意識しましょう。

2. 接続語を適切に使おう

エッセイを書くとき、文章、段落、アイデアを結びつけるために接続語を使用する必要があります。きちんと適切な場面で接続語を使えるようになると、文章に多様性をもたらし、より複雑な文章をスムーズに書くことができます

それぞれの使用方法を把握して、以下のような表を覚えておくと良いかと思います!

主な接続語
  • 追加:in addition, moreover, furthermore
  • :for example, for instance, such as
  • 逆説:however, in contrast, yet
  • 順序:first, second, third…, finally, lastly. thus, in summary, to summarize
  • 因果関係:Due to, Because of, Therefore, Thus

3. 本意でなくても、一貫性があればいい!

TOEFLのIndependent Essayでは、自分の考えを表さなくてはなりませんが、必ずしも「自分の考え」である必要はありません。

矛盾しているように思いますが、つまり「一貫性が保てるなら、自分の意見とは違っていてもいい」ということです。例えば、与えられたトピックに対して、賛成か反対か、自分の意見とはちがっていたも、もう一方の方がうまく一貫性を保つことができるなら、書いていることが自分の本意でなくても、そちらを選びましょう!エッセイにおいては、自分の本音であるか否かよりも、限られた時間の中で上手く書けそうか、あるいは書きやすそうかといった点を重視しましょう。

4. 書き始める前にアウトラインをまとめよう!

最初の1〜3分の時間を使ってアウトラインを作成し、アイデアやどんな具体例を書くのか、整理することをおすすめします。アウトラインができれば、あとは書くことに集中し、トピックに対して、まとまりのあるエッセイに仕上げることができるでしょう。

どんな文章(段落)構成で書けばいい?

TOEFLのIndependent Essayは4〜5の段落で構成し、一貫性のある文章で書きましょう、ということが一般的にいわれています。一貫性のある文章を書くためには、まず、下記のような文章構成のテンプレート通りにかけるように練習しましょう!

  • 序論
    • Thesis Statement(自分が一番言いたいこと)を述べる
    • Thesis Statement に対する自分の意見を明確に述べる
  • 本論①:自分の意見を支える一つ目の主張
    • Topic Sentence(その段落での主張をまとめた文章)
    • Topic Sentenceを考えや意見、そして例を用いて説明する
  • 本論②:自分の意見を支える二つ目の主張(本論①と異なるもの)
    • Topic Sentence(その段落での主張をまとめた文章)
    • Topic Sentenceを考えや意見、そして例を用いて説明する
  • 本論③(必要に応じて):自分の意見を支える三つ目の主張 OR 反対の意見
    • Topic Sentence(意見に関連する主張)
    • Topic Sentence を考えや意見、そして例を用いて説明する
  • 結論
    • 意見を異なる言葉で表現する(主張をまとめる)

5. はっきりとThesis Statementを書こう!

Essay全般において、Thesis Statement (自分が一番言いたいこと)が最も大切です。これは採点者が最初に目にするので、文法的に正しくてわかりやすい、はっきりした文章である必要があります。一般的に、3つのパターンがあります。

“Do you agree or disagree with the following statement? Face-to-face communication is better than other types of communication, such as letters, email, or telephone calls.”
「次の文に賛成か、あるいは反対か。Face-to-Faceのコミュニケーションは、手紙、電子メール、電話などの他のタイプのコミュニケーションよりも優れている。」
*TOEFLでは日本語訳はありません

という問題文について、書き方の例を見てみましょう。

主張してから理由を述べる

I agree with the statement that face-to-face communication is better than other types of communication, because it makes it easier to read someone’s tone and body language, allows one to get a direct response immediately, and it is easier to establish a relationship with someone.
(他のタイプのコミュニケーションよりも対面式のコミュニケーションの方が優れているという意見に賛成です。相手の口調やボディランゲージが読みやすくなり、すぐに直接反応を得ることができ、相手との関係を築きやすくなるからです。)
*TOEFLでは日本語訳はありません

理由を述べてから主張する

Because it is easier to read someone’s tone and body language, allows one to get a direct response immediately and makes it easier to establish a relationship with someone, I agree with the statement that face-to-face communication is better than other types of communication.
(相手の口調やボディランゲージを読みやすく、直接反応を得ることができ、相手との関係を築きやすくなるため、対面式のコミュニケーションは他のタイプのコミュニケーションよりも優れているという意見に賛成です。)
*TOEFLでは日本語訳はありません

先に反対意見を述べる

Although communicating by phone or email is convenient and can reach people in different parts of the world, I agree with the statement that face-to-face communication is better than other types of communication, because it makes it easier to read someone’s tone and body language, allows one to get a direct response immediately, and it is easier to establish a relationship with someone.
(電話やメールでのコミュニケーションは便利で、世界のさまざまな場所にいる人に繋がりますが、対面式のコミュニケーションは他のタイプのコミュニケーションよりも優れているという意見に賛成です。相手の口調やボディランゲージを読み、直接反応を得ることができ、相手との関係を築きやすいからです。)
*TOEFLでは日本語訳はありません

6. 書きながらトピックから外れてないか確認しよう

一貫性があっても、その文章がトピックに対応していなければ、そのEssayは評価されません

アウトラインを作成するときに「大丈夫!」と思っていても、書いている途中でトピックを繰り返し確認することで、トピックから外れないように注意してください

Independent Essay対策・勉強法
  • 練習時には時間を測り、本番さながらの緊張感をもって取り組もう
  • 接続詞を効果的に使おう
  • 自分の本来の意見よりも、書きやすさ、一貫性の保ちやすさの高い立場でエッセイを書こう
  • 書き始める前に、必ずアウトラインを作るようにしよう
  • Thesis Statementははっきり明確に!
  • トピックから逸れないように、細心の注意を払ってしっかりと確認していこう

最後に

以上、TOEFL iBTにおけるIndependent Essayのポイントをご紹介いたしました。リーディングやリスニング、スピーキングについての勉強法についても以下の記事で紹介しておりますので、是非参考にしていただければと思います!

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