IOP、個人口述プレゼンテーション (Individual Oral Presentation) は、Language A の授業で行われる Internal Assessment のひとつです。Internalとあるように、これはIOC同様、学内で評価される課題です。
IBのLanguage A、文学授業のシラバスのPart 4にあたる自由選択の中から、少なくともひとつの作品についてプレゼンを行い、テーマや発表の仕方など、すべて自分で決めていきます。
今回この記事では、以下の4点についてご紹介します!
- IOPとは?
- 何について話すの?準備に必要なもの
- どんな発表ができるの?
- アドバイス・コツ
IOPとは?
IB Language Aのガイドラインには、「自分の選んだ課題を通じて『Part 4:自由選択』の少なくとも1つの作品に関する知識と理解を示すことが求められる」とされています。
最終的な点数の振り分けで、IOPはJapanese A Literatureの全体スコアの15%を占めます。IOCと合わせて30%のスコアを最終試験前に抑えておくことができるので、しっかりと準備をして、高得点を狙いにいきたい課題です。
試験の内容は、10分から15分ほどのプレゼンテーションです。
ガイドラインには、以下のようなポイントで評価されます。
- 取り挙げた作品の知識と理解
- プレゼンテーション力
- プレゼンに適した言葉遣い
カリキュラムのPart 4:自由選択で選ばれ、授業で読んできた作品の中から、自分で好きなテーマや内容について語ることができます。作品は少なくとも1つ選ぶ必要があり、1つの作品について入念に語ってもいいですし、2つ選んでテーマや登場人物などを比較するプレゼンにしても大丈夫です。
最終的なIBの点数として評価される課題にしてはかなり自由度の高いものとなっているので、「プレゼンテーション=パワーポイント」のような固定観念にとらわれる必要はありません。
何について話すの?準備に必要なもの
簡単なIOPの評価基準や点数の振り分けについて説明したところで、いよいよ「IOPって何をするの?」という解説に入っていきます。
プレゼンで取り上げたい作品について自由にトピックを選び、それについて発表をするのですが、導入部分にもあるように、話す内容は自由です。
- 作品の文化的な設定や世界観と、それにまつわる物語内の出来事について
- テーマの分析
- キャラクターがどのように発展していくか
- 文体のテクニックやスタイル・書き方の分析
- さまざまな視点から物語内の出来事の分析
など、いくつかプレゼンできるトピックの例を挙げましたが、これ以外にも、想像力を働かせて、面白いプレゼンができそうならどんどん挑戦してみてもいいと思います!
最終的に、その発表を通して「自分の作品への理解・解釈」が、「しっかりと観客に伝わる」ことが大切なので、それが達成できるのであれば、基本的にはなんだって挑戦できます。
どんな内容でも、”IOP proposal form” という企画書を提出しなくてはいけないので、「この題材でこういうものをやってみたいんだけどな……」とアイデアがあれば、余裕を持って先生に相談してみることをオススメします。
発表の際には、プレゼンの内容を簡単にまとめた概要、Outlineと参考文献をまとめたWorks citedのページが必要となってくるので、プレゼンを準備する時はこの書類を決して忘れないように!
どんな発表ができるの?
扱えるテーマは先ほど説明しましたが、具体的にどのような「プレゼンテーション」(パフォーマンス)ができるのか、疑問に思う方も多いと思います。
具体例を出しすぎると逆にイメージが固まってしまってオリジナリティのあるアイデアが出なくなってしまうこともあるので、ここでは簡単な例だけご紹介します!
- 選んだ作品の中で一番重要だと考えたシーンをお芝居として再現する(発表後に選んだシーンの解説・説明も含)
- 選んだ作品が映像化・舞台化されているものだったら、原文とアダプテーションの重要なシーンを抜き出して比較
- 選んだ二つの作品に共通するテーマを選んで、同じテーマの描き方を比較
これらはあくまでひとつの例ですが、作品や作者に対する知識と理解、そしてそれがちゃんと人に伝わる、意味の通じているプレゼンか?というポイントをクリアしていれば大丈夫です!
テーマの分析や、IOCの練習としてコメンタリー風のプレゼンをすることも勿論可能で、そこではCriterion Aの知識・理解の点数や、語彙が丁寧だったらCriterion Cの点数も稼げますが、レポート発表のようなプレゼンになってしまうと、「観客を惹きつけるプレゼン」という評価の点数が稼ぎにくくなってきます。
また、創作力のある、クリエイティブなことをする時は表現が抽象的になってしまうこともあるので、そういう時は時間配分に気を配りながら、丁寧に解説することも必要となってきます。ペース配分が甘いと、せっかくプレゼンテーション力と表現力・語彙力で点数が稼げても、解説が足りずにCriterion Aの知識・理解の点が伸びないケースも出てきます。
どのようなプレゼン方法を選ぶにしろ、評価規準をバランスよくクリアできる方法をうまく考えることが一番大事なポイントですね!
アドバイス・コツ
最後に、IOPの全体的なアドバイス・コツをご紹介します!
トピック・テーマ選び
トピックの幅は広すぎてもダメですし、狭すぎても内容に深みが出てきません。
例えば、「〇〇の作品における権力というテーマについて」だと広すぎますよね?登場人物や、もっと広い設定、世界観の中にある権力の象徴など、15分の発表ですべてをカバーするのは難しそうです。
代わりに、「言葉の使い方によって、メインの登場人物たちの権力がどのように表現されているか」とすると一気にテーマが絞られ、何人かの登場人物と文中の発言や描写をピックアップすれば、15分のプレゼンに収めることができますね!
15分の発表は思っている以上に短く、評価の対象となっている【取り挙げた作品の知識と理解】【プレゼンテーション力】【プレゼンに適した言葉遣い】を意識した内容作り……と考えると、扱いやすいテーマ決めが重要になってきます。
さらに、文中から抜き出したいフレーズや例文があれば、それも厳選に厳選を重ねて、一番言いたいことが伝わる例を持ってくるようにするのも、大事なコツです。
プレゼンテーションの流れ
プレゼン全体の流れや、主張のひとつひとつをつなぐ言葉も、しっかり意識することでCriterion Cの【言葉遣い】の得点を上げることができます。聞いていて疲れない、混乱しない、分かりやすい発表を意識することが、なにより大切です!
最後に、とにかく発表の練習を重ねることで、どこで声のトーンを上げる!とか、どこで大きなジェスチャーをする!などのアイデアが出てきて、発表当日に焦ることがありません。月並みな言葉ですが、Practice makes perfect! 練習あるのみです。
まとめ
いかがでしたか?
IOPは自由度が非常に高い分、守りに出てしまうせいで堅苦しいプレゼンになってしまいがちです。
時間をかけてしっかりとテーマを練り、練習を重ねて高得点を狙っていきたいところですね!
しかし、IBの文学の授業は、レトリックや文章の分析への理解など、慣れたりコツを掴んだりするまでが大変だったりしますよね。その他にも、IBDPのカリキュラムに関する不安は拭えないかと思います。
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