国際バカロレアのEnglish A Literature、英文学の授業では、英語で書かれた文学作品(詩、小説、戯曲、翻訳作品など)を読み進め、分析をしながら“文学”というメディアが世界とどう繋がっているのかという大きなテーマを考えていきます。

英語に慣れていて、英文学が好きだったら、IBの英語はAクラスのLiteratureに挑戦してみよう、と考える人もいるかもしれません。

しかし、IBのEnglish A Literatureではどのような勉強法が一番科目に適しているのか、そして最終試験に向けてどのように準備を進めたらいいのか、分からないことも多いかと思います。

今回は、

  • IBのEnglish A Literatureを選択したけど、どんな風に日頃の勉強を進めて、どんな試験対策をするべきか分からない……
  • IBの英語文学の授業に興味はあるけど、試験がどんな感じか知っておきたい……!

と考えている生徒さんに向けて、以下の2点について、簡単にご紹介します!

IB English A Literatureについて
  • IB English A Literatureの勉強法
  • IB English A Literatureの試験対策法

IB English A Literatureの勉強法

まずは一番基本的な、日々の勉強のコツから紹介していきます!

ファイリングは丁寧に

教わったLiterary Deviceなどの文学的技法を、ひとつのノート・ファイルにまとめる

簡単なコツですが、これがあるとないとでは試験本番前の勉強量が大きく変わってきます。新しく教わった文学的技法があれば、それをまずノートに書き込んで、下に追記できる余白を作っておくと、その技法を使っているさまざまな例を記入することができます。

日頃からこのようにひとつのノートにまとめておくと、初めて読む作品でもすぐに「あっ今あの文学的技法を使ってこの主人公の感情を描写したな……」と気付くことができるようになります。

もちろん、書き込んだメモは定期的に振り返って復習することも大切ですよ!まとめただけで満足しないようにしましょう!

与えられた文献は全てきちんと読む

ありきたりなアドバイスですが、散々言われるということはそれだけ大切であるということでもあります。有名な文学作品にはそれぞれ解説サイトや、重要なテーマをまとめてくれている文献がたくさんありますが、課題文学に対する知識をすべてそこから引っ張ってくると、先生もすぐに気付きます。

IBの英文学の授業でなにより大切なのは課題文学に対する「知識」ではなく

もう一歩踏み込んだところにある深い理解や、作者の意図を汲み取ろうとする考察力

です。遅れが出ないように、授業中におこなわれるディスカッションには積極的に参加をして、なるべく早い段階で各作品に対する理解を深めていきましょう!

過去問をなるべく多く解いてみる

どんなに試験対策を進めて誰より勉強をしていても、試験本番の緊張感や、時間制限がある中でエッセイを書ききるという環境に慣れていないと、力を全部出し切ることは難しかったりしますよね。

試験慣れする、という意味でも、きちんと時間を計って過去問をたくさん解いてみる、という練習は強くオススメします。

また、自分の文学作品の分析や、解釈のアイデアが偏らないように、先生やクラスメイトに自分の書いたコメンタリー練習などを読んで、何度も添削してもらうのもひとつのアイデアですね。

とにかく大切になってくるのは、試験本番前に勉強してきたはずの文学作品を慌てて読み込むことのないように!というポイントです。日頃からきちんと課題図書を読み、分析することに慣れておくことがなにより大切になってくるのが、IBの文学科目です。

試験対策法

ここからは、IB本番の試験対策として、English A LiteratureのPaper 1とPaper 2対策についてご紹介します!

Paper 1 – コメンタリー

IBの英文学の最終試験には、Paper 1とPaper 2の、二つの筆記試験があります。

Paper 1は、初見の文学作品を分析してエッセイを書きあげることが求められます。初めて見る作品でも、きちんと作品内の大事な箇所を理解して、それらを指摘しながら詩の解説をしていけるスキルが試されます。

SL(スタンダード・レベル)とHL(ハイアー・レベル)の違いは、かける時間と書くエッセイの量です。

レベル時間内容
SL
Paper 1
1時間15分エッセイ1つ
HL
Paper 1
2時間15分エッセイ2つ

課題として与えられる文章はそれぞれ二つで、SLはその中からひとつ選んでエッセイを書く、という形になります。

分析する文章が散文でも韻文でも、大切になってくるのが、以下の5点です。

大事なポイント
  1. Purpose(目的)
  2. Content(内容)
  3. Tone・Mood(作品全体のトーン・ムード感)
  4. Stylistic device(文学的・修辞的技法)
  5. Structure(構成)

これらについてきちんと触れて、エッセイ全体にまとまりをつけていくことです。

書けそうなのであれば、上記にあるポイントを全部カバーしてもいいですし、自分で「この作品はムードや文学的技法についてたくさん書けそうだな」と感じたら、それともう一つほどテーマを選んで書くこともできます。

また、Paper 1のコメンタリーには、SL・HLともに”Guiding Question”があります。分析の手助けになってくれる質問で、これには答えても答えなくてもいいのですが、この質問に沿うようなエッセイを求めているのだな、と少し意識しておくといいでしょう!

Paper 2 – 比較エッセイ

Paper 2は、スタンダードのクラスも、ハイアー・レベルのクラスも同じ形式の試験を受けます。Paper 1は当日になって初めて見る作品を分析しますが、Paper 2では今まで勉強してきた作品の中から2作品を選び、出題された質問のひとつに沿って比較エッセイを書きます。

出題される“General questions”は4つあり、その中からひとつ選び、【1時間45分】でエッセイを書き上げます。

最大のアドバイスは、

先生がPaper 2対策として取り上げて、重点的に読む作品は必ず全て読み込むこと!

それぞれの作品の

  • 時代背景
  • テーマ
  • 作者の背景(作者の生きていた時代、執筆していた頃の時代背景)

などをしっかりと把握しておくことも大切です。文学的技法同様、ひとつのノートに勉強した作品の情報をまとめておくのもいいですね!

また、引用として使えそうな文章(重要なセリフや短いシーンなど)はなるべく暗記しておきましょう!エッセイに“quotes”があるとないとでは、成績が大きく変わってきます。本番のエッセイで書きたい作品の重要なセリフなどを、しっかり暗記しておくためには、早め早めの準備がなおのこと必要になってきますね。

お題となっている設問からブレることなく、たっぷりと引用文を使うことが、高得点を狙うカギです。

もちろん、ひとつのエッセイとして、構成は丁寧に!1時間45分もある時間をじっくりと使って、エッセイを書き切ることも大切です。最後の結論まで気を抜かずに、丁寧に書けば得点を積み重ねることができます!

まとめ

いかがでしたか?

とても簡単にですが、IBの英語A文学の授業の勉強法、そして試験対策をまとめてみました。文学、作者、時代背景、文学的技法などに対する知識・理解を日頃から深めていくことが大切なので、試験直前に課題作品を読み込むようなことは絶対にしたくありません。

しかし、IBの文学の授業は、レトリックや文章の分析への理解など、慣れたりコツを掴んだりするまでが大変だったりしますよね。その他にも、IBDPのカリキュラムに関する不安は拭えないかと思います。

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