はじめにー成蹊中学について

成蹊中学・高等学校は、個性の尊重、自立と自律を大事にする共学の中高一貫校であり、帰国生や留学生を今もなお、大勢受け入れています。

成蹊では、長い間の受け入れから、帰国生に対して様々なサポートをする国際学級ができているのは不思議ではありませんね。

今回はそんな成蹊中学・高等学校について、入試部長の方にお話を伺いました!

お話を聞いた人

坂井 史子

成蹊中学・高等学校 入試部長

家庭科教諭。慶応義塾大学文学部卒業。流通系の企業に勤務した後、日本女子大学大学院家政学研究科修了。2007年より成蹊中学・高等学校で教鞭をとり、2014年からは入試部長を務めている。国際学級の授業も受け持っており、世界各国からの帰国生と楽しく学習している。中学の家庭部と男子バスケットボール部の顧問。成蹊の好きなところは、たけのこ掘りができるところ。趣味は編み物と自転車。

100年以上の歴史を持つ「国際学級」

成蹊学園の国際学級は、1935(昭和10)年に海外勤務者子女のために設けられた「操要分教場」に始まります。その後、国の経済発展に伴い海外勤務者が増えたことを受け、成蹊中学校では全国に先駆けて1964年に国際特別学級(1995年に国際学級と改称)を設置しました。

現在は、中学1年生に定員15名の少人数クラスの国際学級を設けて、現地校とインターナショナルスクール出身者を受け入れ、中学2年生以降は一般学級に混入する形態をとっています。日本人学校出身者は、中学1年生から一般学級になります。

成蹊学園は小学校から大学までワンキャンパスの環境にあります。緑豊かな自然に囲まれた学習環境は「海外の学校と似ている」と言われることも多くあり、帰国生がのびのびと力を伸ばしていける環境が整っているとも言えるでしょう。

成蹊の英語教育

次に、成蹊中学・高等学校の英語教育について見ていきましょう。

【中学】希望選抜制の「帰国生英語特設クラス」

中学2年生から帰国生も一般学級に混入することに伴い、2,3年生には希望選抜制の「帰国生英語特設クラス」を設けています。国際学級の英語レベルをさらに伸ばしていくことを目指しています。

国際学級出身者は原則としてこの「帰国生英語特設クラス」に参加することができます。一般学級在籍の帰国生、それと同等の英語力を有する生徒、中学2年生に編入学する帰国生については、基準を満たせば参加することができます。一般学級の英語授業についても、クラスを2つに分割した少人数教育を行っています。

帰国生英語特設クラス 授業風景

【高校】海外大学を目指すための講座も受講可能

英語は3年間、必修6時間(週)を4時間・2時間に分割し、それぞれの担当者の指導を受けます。4技能の習得を目指し、1,2年生では外国人教員と日本人教員のチーム・ティーチングが週1回行われます。2クラスを3つに分割し、1年生は2段階、2,3年生は3段階のグレード別(習熟度別)のクラス編成を行っています。

さらに2,3年生の演習科目では外国人教員による帰国生向け英語「アドバンスト・イングリッシュ」を選択し、英語の使用を通した実践的な学習を深めることができます

また、課外授業として、「TOEFL講座」「SAT講座」「アカデミックスキル講座」なども受講できるようになっています。これらの講座を通じて、高校での留学準備、海外大学への進学準備に取り組んでいる生徒もいます。

生徒主体で留学生との交流を深める「SIA」

成蹊には海外から多くの留学生がやってきます。その留学生の要望や困りごとに応えるのが高校生の有志団体「SEIKEI International Alliance」です。

ランチ会や蹊祭での発表、日常的な関りを通じて、多くの帰国生が活躍しています。留学生との関りは、日本にいながらにして海外の記憶を呼び起こしてくれます。また、名門校との交流は成蹊ならではの貴重な経験です。

コロナ以降は留学生の人数は減りましたが、来てくれた留学生との交流だけでなく、友好関係のある学校とオンライン交流も行っています。

SEIKEI International Alliance 風景

70年以上の実績がある国際交流プログラム

成蹊中学・高等学校の70年以上の実績を誇る国際交流プログラムについて、紹介いたします。

アメリカ:セント=ポールズ=スクール

テン・スクールズの1校として全米に名を馳せているセント=ポールズ=スクールは、アメリカのニューハンプシャー州コンコードにあります。1949年以来、本校から留学生を派遣し、1976年からはセントポールズ校からの留学生も受け入れ、交換留学制度に発展しました。

奨学金が付与され1年目の現地での費用は免除されます。多くの留学生はそのまま海外大学へ進み、各界で活躍しています。

オーストラリア:カウラ=ハイスクール

オーストラリアのカウラ市は第二次世界大戦の時に捕虜収容所があった場所です。国際法で捕虜としての人権が保障されていたにもかかわらず、日本人捕虜の脱走事件があり、監視にあたっていたオーストラリア人と脱走した日本兵の多くがなくなりました。

カウラの人々にとっては不可解な事件でしたが、彼らは亡くなった日本兵の墓地を造り、日本人を理解しようとしました。そうすることで、再び戦争が起きないようにしたいと思ったからです。

このような経緯の中で、1970年以来州立カウラ高校と本校の交換留学制度がスタートし、50年を超える友好関係を築いています。

オーストラリア:カウラ=ハイスクール

短期プログラム

成蹊には多くの海外短期プログラムがありますが、帰国生におすすめなのは、イーグルブルック校、チョート・ローズマリー・ホール校、フィリップス・エクセター・アカデミー校のサマープログラムです。

いずれもアメリカの有名ボーディングスクールです。現地のサマースクールに参加することによって、英語力の伸長だけでなく、学問的なスキルを深めることができ、世界各国から集まる優秀な生徒との交流を深めることができます

成蹊中学・高等学校の大学進学実績

では、成蹊中学・高等学校大学進学実績を確認してみましょう。

国内大学の進学実績

高校卒業時の1学年の人数は約320名です。そのうち、成蹊大学に内部推薦制度で進学する生徒は約90名(約3割)です。残りの約230名(約7割)は、各自の目標を定めて他大学進学を目指します。

成蹊大学 キャンパス

帰国生の多くは、有名私大の国際関係学部や、国公立大学に合格しています。総合型選抜や推薦入試で大学進学を目指す帰国生も多く、優秀な実績を残しています。

2020年度2021年度2022年度
合計317315319
成蹊大学 内部推薦11494100
東京大学421
他国公立大学321920
早稲田大学433441
慶應義塾大学412224
上智大学313331
GMARCH112108101

海外大学の進学実績

海外大学への進学を目指す場合は、アカデミック・アドバイザーの個別指導を受けることができます。海外大学進学のための情報を提供し、応募に必要な知的訓練やエッセイ作成などの指導を行っています。

TOEFLやSAT/ACT受験に必要なノウハウは一朝一夕に身につくものではありませんが、希望すれば中学生から継続的な指導を受けることができます。アメリカ、イギリス、ドイツ、ハンガリー、チェコ、オーストラリア等の大学合格に実績があります

海外大学進学実績
  • アマースト大(米)
  • バブソンカレッジ(米)
  • マギル大(カナダ)
  • 清華大(中)
  • デンバー大学(米)
  • ハンガリー医科大 など

入試部の先生に聞いた!帰国生へのアドバイス

成蹊の帰国生受け入れの歴史は長く、帰国生を自然と受け入れる文化が根付いています。成蹊小学校にも国際学級が設置されており、中学校や高校からも多くの帰国生が入学してきます。

様々な帰国生受け入れ試験
  1. 中学:国際学級入試
  2. 中学:一般入試(帰国生枠)
  3. 中学:中2帰国生編入試
  4. 中学:国際学級入試(第1学年 9月編入試)
  1. 高校:帰国生入試
  2. 高校:高2帰国生編入試

この動画では、帰国生からよくいただく質問について、入試部の先生に答えてもらいました。

吉祥寺という立地にありながら、自然豊かなキャンパスを持ち、帰国生にとって最適な学習環境がそろっている成蹊。

ぜひ、足を運んでみてください。