IB(国際バカロレア)を取得した、または現在取得中の学生の皆さん、大学の帰国生入試の面接対策について、きちんと考えていますか?

両親の仕事の都合などで、中学や高校の数年を海外で過ごした、または海外の現地校やインターナショナルスクールを卒業した、という生徒の多くは、日本の大学を受験する際、帰国生入試を受けることとなるでしょう。

帰国生入試の大きな特徴は、多くの場合、じっくりとした面接審査が行われることです。面接は、自分の頑張ってきたことや、勉強してきたこと、経験を直接学校(面接官)にアピールすることのできる重要な場ですので、しっかりと準備をしておく必要があります。

IB取得者、またはこれから取得する方は、面接のためにどのような準備をして、本番ではどのようなポイントを抑えていけばいいのでしょうか?

ポイントは大きく3つに分けることができます。

IB入試、面接のコツ
  • なぜ、志望している大学とその学部がいいのか?
  • IBを通して、どのような事柄に力を入れて活動してきたか?
  • 海外で過ごしてきた日々をどう見て、どのように自分の経験したことを理解しているか?
  • 今後その知識や経験をどのように活用できるか?

これらのポイントをしっかりと抑えておくことで、有力な入学候補者として面接官の印象に残ることができます。

それでは、一つひとつ、じっくり見ていきましょう!

帰国入試を準備している大学のリサーチ

面接の準備の際、真っ先にするべきことは面接を受ける大学および志望学部についてのリサーチです。

これは帰国入試でも一般やAO入試の面接でも同じことで、「なんでここの大学なのか?」「なんでここの学部なのか?という問いに対してハッキリと答えなくてはなりません

自分のやりたい勉強だけ語っても、面接官に「それ、うちの大学じゃなくても出来るよね?」と言われてしまったらそこまでです。そこで踏ん張って、しっかりとその大学のその学部でないといけないことを力強く話せる力が必要です。

さらに、IB経験者は、IBを通して学んできたことをどのようにして志望大学の学部の勉強に活かせるかを語れると、より良い印象を残すことができます

加えて、IBで少しは勉強したけど深くは学べなかった分野や、IBでは出来なかったけど志望大学では出来る勉強に対する熱量も、面接の時に語ることができたら、熱意と「ちゃんと調べてきたんだな」ということが伝わるので、さらにポイントが高いですね。

しかし、志望している学部の勉強を、IBで全くできなかった、というケースもあるでしょう。IBは学校やそこに在籍している講師によって、提供される授業などが大きく変わってしまうので、環境によっては経済や心理学などの科目がやりたくても出来なかった、という生徒も多いかと思います。

そのような時は、自分がIB中にしっかりと出来た勉強の中から、志望する学部の勉強に繋げられそうなポイントを探します。

例えば、今現在IB取得中の人だったら、HistoryやEnglish Literature (Language and Literature)の課題の中で、社会学や心理学、文化人類学の科目に繋げられそうなレポート課題はないか、探してみるのも楽しいかもしれません

最終的に、以下のようなポイントをしっかりとカバーしていれば、まず良いスタートを切れるでしょう!

帰国生向け受験に向けての初期リサーチ
  • どのような勉強がしたいのか ー『この大学・学部でないといけない必要性
  • どのような勉強をしてきたか ー『それが志望する学部の勉強にどのようにつながるのか

IB(国際バカロレア)で活動してきたこと

一般の受験面接や、その先の就職活動の面接などでも、自分が自主的に取り組み、学んだことを説明できるようにしておくことが大切になってきます。

高校を通して頑張ってきた活動というテーマには、CASやEEのリサーチも含まれます。特に、2年間のIBDPの学びの集大成ともなるEEは、自分がパッションを持って取り組んだ論文となります。しっかりと学んだこと、経験したことを志望動機に繋げて、分かりやすく説明ができれば強い印象を残すことができます。

ここでも、この志望大学に入学できた際に、やりたい勉強などに話を繋げていくことができたら、より有利になります。

しかし、このEEやCASについて話す時、ひとつ気をつけなくてはいけない大事なポイントがあります。

それは、ただ最終的にやったこと、結果だけを話すのではなくて、ぶつかった壁や、大変だったことを交えながら話す、ということです。成功体験だけ語っても、アピールできることは「〇〇をした」という事実だけです。そんな時は、自分に以下のような質問を投げかけてみてください。

  • 困難が生じた時、どのように対処した?
  • なにが大変だった?
  • どうやってそれを乗り越えた?

このようなポイントを交えながら経験を語ることで、問題解決能力やIBのLearner Profileにもある、「ものごとを振り返って考察することができる」「視野・心の広い」人物であることをアピールすることができます。

ここでもまた、大学という環境で、こうした問題解決力をどのように活かすことができるか、という説明に繋げていければ一層印象的な生徒候補になれるでしょう!

IBを振り返る際のポイント
  • 主体性をもって取り組んだ活動としてはCASやEEも含まれる
  • 成功体験や結果だけでなく、その過程でぶつかった困難についても触れていこう
  • 最終的にこれらの経験をどう大学で活かしていきたいかまで話せると更に良し!

海外生活を振り返る

もうひとつ大きなポイントは、海外で過ごしてきた日々を、クリティカルな目線で振り返って、どう感じたかを再確認することです。

  • 海外にいた時にどんな景色を見たか、どんな文化に触れたか?
  • それはどのような歴史に繋がっているのか?
  • どのように日本とは異なる文化に繋がっていたか?
  • それを経験したことでどのように成長できたか?

海外に滞在していた時には、考えもしなかったかもしれない小さなことでも、後から振り返って「そういえばあの時に見たあれって……」と、新しく何かに気付くかもしれません。その気付いたことや、それに関係するような経験を、IBの勉強や、志望する学部で出来そうな勉強の分野に繋げることが出来ると、より良い解答となるでしょう

過去に経験したことと同じくらい、今起きてることを把握することも大切です。

日本に戻ってきたからといって、滞在していた国のニュースを全く見なくなるのはオススメしません。ジャンルも絞らず、幅広く社会、経済、政治について、当時住んでいた国の時事ネタやニュースを把握しておくことは、とても大事なポイントです。

これも、IBのLearner Profileである、KnowledgeableとThinker――知識を持って、考察ができる人、に繋がりますね。ここでも、現地で経験したことを、如何に志望する学部の勉強に上手く繋げていけるかが重要なポイントとなってきます。

個人的な話にはなりますが、私は小学校から高校にかけて、いくつもの国の学校に転校してきた経験があります。大学受験の面接対策は、一番長く住んでいた国については大まかな政治の動向、そして直近で住んでいた国については、詳細な政治や経済、社会問題などについて復習をして、毎日ニュースもチェックしていました。

特に政治や社会面で大きな動きが受験日の前に起こったら、面接の時に突っ込まれる可能性があるので「そんなことがあったんですか、知らなかったです……」とならないよう、しっかりと準備をしていきたいですね。

海外生活を振り返るうえでのポイント
  • 滞在国にて、どんな文化・歴史に触れたか? 志望学部に関連する事項があれば積極的に挙げていこう
  • 滞在国の最近の情勢や時事問題についてもしっかりリサーチしておこう

まとめ

IB経験者は、IBでしか経験できないことをたくさん経験しているので、それを大学への志望理由と繋げながら、唯一無二の体験を語れると良いですね!

もちろん、一番のアドバイスは自分に自信を持って、ハキハキと明るく、面接に挑むことです! 自分のことを知りたいと思って面接に呼んでもらっているのですから、しっかりと自分のアピールをしていきましょう。

しかし、面接の練習はやはり実際に緊張感をもって人と練習するのが一番ですし、IBDPのカリキュラムやIB受験に関する疑問なども尽きないのではないかと思います。

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