海外在住のお子様、または帰国生として日本での進学を目指すお子様にとって、IGCSE(International General Certificate of Secondary Education)は重要なステップです。特にMaths(数学)とScience(理科)は、多くの進路で基礎となる科目であり、その対策でどの教材を選ぶかが鍵となります。

IGCSE対策を始めたいけれど、どの教材を選べばいいか分からない

学校の教科書だけでは不十分で、補助教材を探している

といった悩みは多く聞かれます。最適な教材は「これさえあれば完璧」というものではなく、生徒本人の学習スタイルや目標によって異なります。

本記事では、IGCSE指導経験を持つ講師が、MathsとScienceの教材選びのポイントから、目的別のおすすめ教材、そして最も効率的な過去問(Past Paper)の活用法までを徹底的に解説します。


IGCSE教材選びで陥りがちな3つの悩み

多くの生徒が教材選びでつまずくのは、教材の質ではなく、生徒自身の目的と教材のレベルがミスマッチを起こしているためです。

1. 唯一のベスト教材は存在しない

最初に伝えたいのは、これというベストな教材は特にないということです。様々な教材がある中で、全てに良い点と悪い点があります。生徒本人の勉強の仕方や相性、そして「どういう目的で教材を買いたいのか」によって、どれを選ぶかは大きく変わってきます。目的は、概念をより分かりやすく理解したい、授業が難しすぎて簡潔に理解したい、練習を積みたい、学校の教科書とは別にサブとして使いたいなど、多岐にわたります。

2. 基礎理解か演習か、目的を明確にする

学校で特定の教科書を使わない場合、まずは基礎を網羅した教科書が必要になります。一方、授業内容が難しすぎる場合は、図や色が多く視覚的に分かりやすい補助教材を選び、基礎内容の理解を補充することが大切です。練習量を増やしたい場合は、トピック別で問題量が多いワークブックを選ぶなど、目的を明確にしましょう。

3. 紙かデジタルか、持ち運びの負担を考慮する

IGCSEの教材は分厚く、値段も高めです。特に多くの本を常に持ち運ぶ必要がある生徒にとっては、持ち運びが大変になります。近年はデジタルバージョンも増えているため、自分のアカウントでデータとして全て保管できるオンライン教材を利用することも賢明な選択肢です。

IGCSEの基本情報や学習計画について知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。 IGCSEとは?国際的評価と進学での有利性を解説 IGCSE対策|IGCSEでA/A*を目指すための勉強時間と習慣


現役講師が選ぶ目的別おすすめ教材と学習法

IGCSEの教材は多岐にわたりますが、指導経験から特におすすめできる出版社やリソースを「目的別」にご紹介します。

目的1: 基礎概念の定着と視覚的な理解を深めたい場合

✅ おすすめ教材:CGP(イギリスの大手出版社)

CGPはイギリスで非常に有名で、多くの学校や生徒が使用している定番教材です。難易度は特に難しくなく、基礎内容の理解が抜けている場合に最適な「ちょうどいいレベル感」です。図や色を多用しているため、パッと見て分かりやすい構成で、Scienceでは忘れがちな大事なキーワードに線が引かれており、視覚的な復習に役立ちます。また、10分間でできる小テスト(10 minutes Tests)といった教材もあり、基礎知識の確認に便利です。この教材は、基礎知識の補充や、授業内容を視覚的に簡潔に復習したい場合の補完的な役割として使うことがおすすめです。CGPの教材を探す際は、「CGP IGCSE Maths」「CGP IGCSE Science」などで検索してください。

IGCSEの対策を効果的に進めたい方へ、他の科目や試験ボードの比較についても解説しています。 IGCSE Physics/Biology/Chemistry高得点者が実践していた5つの学習法 IGCSE対策|CambridgeとEdexcelの違い|IGCSEの試験ボード比較

目的2: 応用力を養い、豊富な問題量で徹底演習したい場合

✅ おすすめ教材:Hodder、Oxford University Press (Oxford)、Pearson/Cambridge Official Textbooks

基礎を固めたら、次に必要となるのが応用演習です。

  • Hodder & Oxford(OUP): CGPよりはレベルがやや高めで、トピック別で問題が分類されており、自分の苦手な範囲が分かりやすいのが特徴です。Oxfordの教材は問題量がかなり多めで、難易度も高めの印象があるため、よりチャレンジングな問題に取り組みたい生徒におすすめです。
  • オフィシャル教材(Pearson/Cambridge): 試験実施団体が独自に出版している教材は、カリキュラム(Syllabus)に最も沿っているため、信頼性が高いです。解説や例題も分かりやすく、練習できる量も十分です。ただし、分厚く高価になりがちですが、オンラインバージョンがある場合は持ち運びの負担を軽減できます。

これらの教材は、学校の授業の進度に合わせてサブとして使用したり、集中的な演習を行いたい場合に役立ちます。「Hodder IGCSE Maths」「Oxford IGCSE Physics」「Cambridge IGCSE Official Textbook」などで検索してみてください。

英語力は十分なのに点数が取れないといった悩みを抱える生徒さんは、こちらの記事も参考にしてください。 英語力が足りないとIGCSEは無理?専門家が教える解決策と学習法 「英語は得意なのにIGCSEで苦戦…」その理由と対策とは?

目的3: 教科書・問題集以外の有用なオンラインリソースを活用したい場合

教科書や問題集以外にも、IGCSE対策に非常に有用なオンラインリソースがあります。

  • Save My Exams / KumuC: これらのサイトは、過去問(Past Paper)だったり、トピック別のメモが非常によくまとまっています。過去問演習や直前の要点確認に非常に便利です。
  • YouTube: 解説動画は、読むことが苦手な生徒にとって、視覚的に分かりやすく簡潔に説明しているため、理解を深めるのに非常に良いリソースです。「Crash Course」「Cognito」といったチャンネルがおすすめです。
  • 練習問題の検索: 特定のトピックで練習をしたい場合は、「[トピック名] questions」「[トピック名] worksheet PDF」などで検索すれば、多くの練習問題がオンラインで見つかります。
Save My Examサイトはこちら

最終試験で差がつく!「過去問」と「マークスキーム」の戦略的活用法

最も効率的で効果的な勉強法は、最終試験を意識した「過去問演習」です。ただ問題を解くだけでなく、その後の採点と分析に徹底的に時間をかける必要があります。

1. 正式な情報源の確認

過去問演習を始める前に、必ずExam Board(試験実施団体)、科目(Subject)、試験番号(Paper Number)を正しく理解し、公式なPast Paper(過去問)、Mark Scheme(採点基準)、Syllabus(シラバス)といったリソースを見つけ出しましょう。

2. 点数の「取り方」を学べるマークスキーム分析

過去問に取り組んだら、必ず自分で採点し、Mark Schemeを徹底的に分析してください。Mark Schemeは、単なる答え合わせではなく、「どう答えるべきか」「どう点数が与えられるのか」を学ぶための重要なツールです。

  • Maths(数学)での重要性: IGCSEのMathsでは、最終的な答えだけでなく、途中式(Working/Method)が非常に重要視されます。Mark SchemeにはM(Method Mark:方法点)とA(Answer Mark:答え点)が明記されており、たとえ最終的な答えが計算ミスで間違っていたとしても、正しい解法(式)が書かれていれば方法点を獲得できます。この途中式を意識して書くことが、安定した点数獲得につながります。
  • Science(理科)での重要性: Scienceでは、記述問題(Describe, Explain, Suggestなどを含む問題)において、Mark Schemeは論理を段階的に進めて説明することを要求します。ただ現象を描写(Describe)するだけでなく、「なぜ」そうなるのかという説明(Explain)まで、Mark Schemeに沿って構成する必要があります。
  • 知識の抜け漏れ発見: 教科書や授業のインプットだけでは気づかなかった、「こういう内容も書かなければ点数にならないんだ」という知識の抜け漏れを、Mark Schemeで初めて発見できます。積極的に分析することで、何が弱点なのかを早期に気づき、対策に活かすことができます。

過去問を「ただ解く」のではなく、「点数の取り方を分析する」という意識で臨むことで、IGCSEのスコアは飛躍的に向上します。

IGCSEのMathsで伸び悩む生徒さんは、その原因と対策をこちらの記事で深く掘り下げています。 IGCSE数学で伸び悩むのはなぜ?原因と解決法を徹底解説


TCK WorkshopのIGCSE対策を個別最適化

「どの教材を選べばいいか分かったけれど、それをどう使いこなせばいいか分からない」「マークスキームの分析を一人でやるのが難しい」と感じる生徒さんもいるでしょう。特に、海外在住の生徒さんや帰国生は、IGCSE指導のノウハウを持った講師を見つけることも容易ではありません。

TCK Workshopでは、IGCSE Maths/Scienceの専門的な指導経験を持つ講師が、生徒さんの学習状況、目的に合わせた個別指導を提供しています。

  • 最適な教材の選定と学習計画の策定: 生徒さんのレベルと目標に基づき、基礎教材から応用教材まで、最適な組み合わせを提案し、効率的な学習ロードマップを作成します。
  • マークスキーム徹底分析指導: 過去問演習後の採点・分析において、Mathsの途中式の書き方やScienceの記述問題の論理構成といった、点数に直結するテクニックを細かく指導します。
  • 苦手分野のピンポイント補強: 特定の単元で知識が抜けている場合、その部分に絞った集中講義と演習で弱点を克服します。

当社の個別指導では、海外にいても時差や場所の制約なく、質の高いIGCSE対策を受けることができます。

IGCSE対策を成功に導く第一歩

IGCSEの対策は、正しい教材と効率的な学習法を知ることから始まります。特に過去問の「マークスキーム分析」は、インプットした知識の抜け漏れを発見する「最高のきっかけ」となります。

受験準備の第一歩として、まずはお子様の現在の学習状況と目標を明確にしましょう。

  • 無料教育相談を受けて、お子様に最適な教材の選び方や学習プランの診断を依頼する
  • 体験授業で、実際にIGCSE専門講師による指導を体験し、点数の取り方を学ぶ

今すぐ一歩踏み出して、IGCSE高得点獲得に向けて最適な準備をスタートさせましょう!

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まとめ

  • IGCSEのベスト教材は「目的別」に異なる:基礎理解には「CGP」、応用演習には「Oxford」や「オフィシャル教材」など、目的に合わせて選ぶ。
  • デジタル教材も活用する:オンラインバージョンやデジタル版を積極的に利用し、教材の持ち運びや保管のストレスを軽減する。
  • 過去問とマークスキーム分析が最重要:Past Paperを解いた後は、必ずMark Schemeを分析し、「点数の取れる途中式や記述の仕方」を学ぶことが、高得点を取るための鍵。
  • 専門家のサポートで効率化:TCK Workshopでは、生徒の状況に応じた最適な教材選定と、点数直結の過去問分析を個別指導でサポート。