海外のインターナショナルスクールや、国内のIB認定校に通う生徒さんにとって、IBDP(国際バカロレア・ディプロマプログラム)の2年間は、まさに「知の総合格闘技」とも言える過酷な日々です。膨大な課題、難解な概念理解、そして迫りくる最終試験(Final Exam)。保護者の方からも「学校の授業だけで本当に足りるのでしょうか?」「塾に通わせるべきでしょうか?」というご相談を頻繁にいただきます。
結論から申し上げますと、IBDPにおいて外部のサポート(塾)を活用することは、最終スコアを底上げし、希望大学への合格を手繰り寄せるための非常に有効な手段です。しかし、一般的な「集団塾」が必ずしもIB生に適しているとは限りません。
本記事では、実際にIBDPで高得点を取得し、国内外の難関大学へ進学した先輩たちの「リアルな体験談」を紐解きながら、なぜIBDPには集団授業よりも「個別指導」が適しているのか、その理由と活用法を詳しく解説します。

TCK Workshop プレミアム講師。東京学芸大学附属国際中等教育学校、上智大学国際教養学部(FLA)卒業。フィリピン・ケニアでの滞在経験を持つ。 英検1級の圧倒的な英語力に加え、生徒一人ひとりの魅力を対話を通して引き出す自己PR・面接・エッセイ指導が武器。多くの帰国生が目指すキャリアを体現するロールモデルとして、学習指導とメンタルサポートの両面で絶大な信頼を得ている。
IBDPの学習がなぜ「学校だけ」では厳しいのか

IBDPは「時間管理」が命です。わからない箇所を自力で解決しようと何時間も悩むより、プロに聞いて15分で解決し、残りの時間をIAの執筆や睡眠に充てる方が、2年間の長丁場を乗り切る戦略として賢明です。外部のサポートは「時間を買う」投資だと考えてみてください。
IBDPが他のカリキュラム(A-Levelや日本の高校課程)と大きく異なる点は、その「科目選択の複雑さ」と「評価軸の多さ」にあります。生徒は6つの科目グループからHL(ハイヤーレベル)とSL(スタンダードレベル)を選択しますが、その組み合わせは生徒一人ひとり異なります。さらに、筆記試験の点数だけでなく、IA(内部評価)、EE(課題論文)、TOK(知の理論)といった、正解のない探究課題が最終スコアに大きく影響します。
学校の先生は当然サポートをしてくれますが、一人の先生が抱える生徒数は多く、個別のIAテーマに対して細部まで添削したり、生徒が躓いている特定の単元の「根本的な概念」まで戻って指導したりすることには時間的な限界があります。特に海外のインター校では、先生の指導スタイルが「自立学習」を前提としていることも多く、手厚い解説を期待して待っている間に授業についていけなくなるケースも少なくありません。
経験者が語る!IB学習の壁と乗り越え方
実際にTCK Workshopに在籍するIB経験者(元IB生)の講師たちが直面した壁と、それをどう乗り越えたのか、リアルな声をご紹介します。

IBの先輩たちが口を揃えるのは、「得意科目は自分で伸ばせるが、苦手科目は独学では限界がある」ということです。特にIAやTOKのエッセイは、自分一人で書いていると論理の飛躍に気づけません。第三者の客観的なフィードバックをもらう環境を作ることが、スコアアップの近道です。
理系科目では概念理解がないと太刀打ちできない
苦手科目は「基礎理解」と「外部の視点」で突破する IBの理系科目(Math, Physics, Chemistry, Biology)は、日本の教育のように「公式を暗記して当てはめる」だけでは太刀打ちできません。
実際にHLで物理と数学を取得した先輩は、「公式集の持ち込みが許可されているからこそ、公式を覚えることではなく、その公式がなぜ成り立つのかという『理解』と『導出』が求められていた」と語ります。学校の授業プリントだけでは理解が追いつかない場合、自分でオンライン上の教材を探したり、外部の先生に解説を求めたりして、「基礎の穴」を徹底的に埋める作業が必要でした。
文系科目はとにかく先生を捕まえる!
文系科目が得意で理系科目に苦手意識があった先輩は、放課後に先生を捕まえてマンツーマンで指導を受けることで克服しました。しかし、コロナ禍や先生の多忙さでそれが叶わない時期もあり、そうした時に「いつでも質問できる外部の存在」が重要だったと振り返ります。
英語が苦手でも「戦略」でスコアは取れる
帰国生の中には、英語力に自信がないままIBDPに突入する生徒さんもいます。English B(第二言語としての英語)を選択した先輩は、「2年間でネイティブ並みの英語力をつけるのは無理だと割り切り、IBの採点基準(Rubric)を徹底的に分析した」と言います。 具体的には、環境問題やテクノロジーなど「出題されやすいトピック」に絞って単語やフレーズを準備し、論理構成のパターンを身につけるという戦略です。このように、純粋な英語力勝負ではなく、IBという試験の「攻略法」を正しく学ぶことが、苦手科目での得点確保につながります。
IB対策において「個別指導」が「集団塾」より推奨される理由
塾を検討する際、「有名な集団塾」と「個別指導」で迷われることが多いですが、IBDPの特性を考えると、個別指導の方が圧倒的に効率的であると言えます。その理由は主に3つあります。
カリキュラムと進度がバラバラであるため
集団塾は、基本的に全員が同じテキスト、同じペースで進みます。しかしIBの場合、同じ「Math AA HL」を履修していても、学校によって「微積分から始める学校」もあれば「統計から始める学校」もあります。集団授業では、自分が今学校で習っている単元とは全く別の内容を解説される可能性が高く、学校の成績(Predicted Grades)を上げるための即効性が低くなってしまいます。個別指導であれば、学校の進度に完全準拠したサポートが可能です。
IA・EEのトピックが個性的すぎるため
IBのスコアを左右するIAやEEは、生徒が自由にトピックを選びます。「味噌汁の具材と栄養価の関係」を研究する生徒もいれば、「物理法則を用いたスポーツの解析」をする生徒もいます。これらに対し、集団授業で一律の指導を行うことは不可能です。個別指導であれば、生徒が選んだ特定のトピックに合わせ、その分野に知見のある講師が論理構成や実験データの扱い方について具体的なアドバイスを行うことができます。
スケジュール調整の柔軟性が必要なため
IB生は、CAS(課外活動)や学校のイベント、そして突発的な課題提出に追われています。毎週決まった曜日の決まった時間に塾に通うことが、物理的に難しい時期(Mock Exam直前など)があります。個別指導、特にオンラインの個別指導であれば、忙しい時期は回数を減らし、余裕がある時や試験前に増やすといった調整がしやすく、生活リズムを崩さずに学習を継続できます。
TCK WorkshopのIBDP対策
TCK Workshopは、海外生・帰国生専門のオンライン個別指導塾として、IBDP生の多様なニーズに「完全オーダーメイド」で対応しています。IBの学習は孤独な戦いになりがちですが、私たちはプロの講師陣が生徒一人ひとりの伴走者となり、最終スコアの最大化と志望大学合格をサポートします。

IBDPは「個」の力が試されるプログラムに見えますが、実は「チーム戦」です。学校の先生、友人、そして私たちのような外部の講師を上手に巻き込み、頼れる場所を複数持っておくことが、精神的な安定と成功につながります。まずは現状の悩みをお聞かせください。一緒に解決策を考えましょう。
日本語と英語の両言語によるハイブリッド指導
IBの概念は非常に抽象度が高く、特に理系科目やTOKの哲学的な概念は、第二言語である英語だけで理解しようとすると「わかったつもり」で止まってしまうことが多々あります。 TCK Workshopでは、IB経験者やバイリンガルのプロ講師が、必要に応じて日本語で概念を噛み砕いて解説します。「母語で深く理解し、英語でアウトプットする」というプロセスを経ることで、知識の定着率が飛躍的に向上します。もちろん、English Aなどの科目は完全英語での指導も可能です。
IA・EE・TOKの徹底添削と「客観的評価」
学校の先生(スーパーバイザー)からのフィードバックは重要ですが、回数が制限されていたり、先生の専門外であったりすることがあります。 私たちは、生徒様が執筆したIAやEE、TOKエッセイに対し、IBの採点基準(Rubric)に基づいた詳細な添削を行います。「論理構成に矛盾はないか」「エビデンスは適切か」「TOK的な知識の問いが含まれているか」など、第三者のプロの視点でブラッシュアップを行うことで、提出直前までクオリティを高め続けることができます。
大学受験を見据えた戦略的ロードマップの作成
IBのスコアメイクと並行して進めなければならないのが、大学受験対策です。 「日本の医学部に行きたいが、IBの試験日程と入試が被りそうだ」 「イギリスの大学に出願するために、HL科目のスコアをあと1点上げたい」 「SATやTOEFLも同時に対策したい」 こうした複雑な進路の悩みに対応できるのも、個別指導ならではの強みです。生徒様の志望校に必要な要件から逆算し、どの時期に何に注力すべきか、優先順位を明確にした学習計画を提案します。
オンラインだからこそ実現する「世界中どこでも」のサポート
TCK Workshopはオンライン完結型の指導ですので、通塾の移動時間はゼロです。睡眠時間を削りがちなIB生にとって、自宅から接続してすぐに授業を受けられ、終わったらすぐに休める環境は大きなメリットです。世界中どこに住んでいても、日本時間の早朝から夜まで、生徒様のライフスタイルに合わせて受講いただけます。
TCK Workshopでは、無料教育相談を実施しています。お子様の現在の学習状況、HL/SLの科目選択、そして目標とする大学の情報を詳しくお伺いし、IB経験者や指導経験豊富なプロ講師の視点から、最適な学習戦略や個別指導プランを具体的にご提案いたします。
この無料相談を通じて、お子様の「現在の実力」と「目標とのギャップ」を正確に把握し、不安を解消するための最初の一歩を踏み出しましょう。
まとめ
・IBDPは科目選択や進度が個々に異なるため、集団塾よりも柔軟な「個別指導」が適している。
・苦手科目は「基礎概念の理解」に時間を割き、IAやEEは「第三者の客観的視点」を取り入れることが高得点の鍵となる。
・IB経験のある先輩たちも、学校外のサポート(個別指導やオンラインリソース)を戦略的に活用して壁を乗り越えている。
IBDPは大変なプログラムですが、そこで得たスキルは大学進学後も大きな財産となります。一人で抱え込まず、ぜひプロの力を借りて、充実したIBライフと希望の進路を掴み取ってください。
こちらのページでは、TCK WorkshopのIB指導について詳しく解説しています。

