グローバル化が進む現代において、お子様の進路選びで英語教育の充実は外せない要素となっています。特に海外での生活経験がある帰国生のご家庭や、将来的に世界を舞台に活躍したいと考える生徒様にとって、都立高校の国際教育がどのように進化しているかは非常に気になるところではないでしょうか。
東京都教育委員会は、Global Education Network 20(GE-NET20)や英語教育推進校(GE-NET EE)といった独自の枠組みを設け、公立校の枠を超えたハイレベルな語学教育を展開しています。本記事では、英語教育に定評のある都立高校の特色を、専門的な視点から表を用いてわかりやすく比較・解説します。

TCK Workshop プレミアム講師。横浜国立大学教育人間科学部卒業、University of Otago(NZ)への交換留学を経て、東京大学大学院総合文化研究科に2年在籍。 小学校および中高英語の教員免許を持つ「教育のプロフェッショナル」。教育学に基づいた科学的なアプローチで、AP Japaneseや日英小論文、難関校受験対策まで、アカデミックな指導を専門とする。
入試情報は変更される可能性があるため、出願前には必ず各校の公式サイトで最新の募集要項をご確認ください。
進化を続ける都立高校の国際教育ネットワーク:GE-NET20


GE-NET20指定校は、単に英語の授業時間が多いだけでなく、JET青年(外国語指導助手)の複数配置やオンライン英会話の導入など、インプットとアウトプットのバランスが非常に優れています。お子様の興味が学問的な探求にあるのか、それとも文化交流にあるのかによって、選ぶべき学校のグループが変わってきます。
東京都教育委員会は、東京グローバル人材育成指針に基づき、先進的な国際教育を推進する20校をGlobal Education Network 20(GE-NET20)として指定しています。この20校は、それぞれの強みを活かした3つのグループに分かれて活動を展開しており、目指す将来像に合わせた選択が可能です。
GE-NET20指定校のグループ別特色
| グループ名 | 教育の重点ポイント | 主な指定校(計20校) |
| 学問・探究グループ | 英語をツールとして活用し、論文作成や研究発表などのアカデミックな学びを深める。 | 日比谷、白鷗、深川、富士、西、戸山、大泉、八王子東、南多摩中等、武蔵野北 |
| 対話・理解グループ | 留学生との交流や異文化理解を通じ、自己の確立や国際感覚を養う。 | 小石川中等、三田、三鷹中等、国際、飛鳥、立川国際中等、小平 |
| 実地・協働グループ | 国内外の他者と、ものづくりや地域貢献などの協働作業を通じて社会課題に取り組む。 | 農産、大田桜台、千早 |
これらの学校では、JET青年(外国語指導助手)が複数配置されていたり、海外大学進学に向けた手厚い支援体制が構築されていたりと、従来の都立高校のイメージを覆すような充実した環境が整っています。
2025年度から始動する英語教育推進校GE-NET EEの役割

新設される英語教育推進校は、スピーキングとリスニングの強化に特化した指導が行われます。進学指導重点校も多く含まれているため、高い偏差値を目指しながらも「使える英語」を身につけたい生徒様にとって、理想的な環境といえるでしょう。
令和7年度(2025年度)より、生徒の英語によるコミュニケーション能力をさらに引き上げるため、新たに30校が英語教育推進校(GE-NET EE)に指定されました。この制度の最大の特徴は、ICTを活用したオンライン英会話や、習熟度別の少人数授業を徹底することで、一人ひとりの発話機会を劇的に増やしている点にあります。
英語教育推進校(GE-NET EE)の指定校一覧
| 学校区分 | 指定校名 |
| 進学指導重点校 (最も進学指導に注力している7校) | 日比谷、戸山、青山、西、八王子東、立川、国立高校 |
| 進学指導特別推進校 (重点校に準ずる上位7校) | 小山台、駒場、新宿、町田、国分寺、国際、小松川高校 |
| 進学指導推進校 (地域の拠点となる15校) | 竹早高校、江北高校、上野高校、城東高校、調布北高校、日野台高校、昭和高校、小金井北高校、多摩科学技術高校など |
| その他 | 両国高校、小岩高校、杉並高校、狛江高校、田園調布高校、桜修館中等、成瀬高校、松が谷高校、翔陽高校、保谷高校、福生高校、武蔵高校・附属中 |
英語スピーチコンテストやディベート大会の開催、さらには英語合宿や短期留学といった体験的学習の機会も提供されるため、机上の学習に留まらない、生きた英語を学ぶことが可能です。
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専門的に英語を極めるための選択肢と帰国生受け入れ


都立国際高校や外国語コース設置校は、周囲の生徒も英語に対して非常に高い意識を持っています。帰国生入試を実施している学校は、海外での経験を「宝物」として評価してくれる環境ですので、安心して自分の背景を活かした学びを継続できます。
より専門的に、あるいは帰国生としてのバックグラウンドを活かして学びたい場合、特定の学科やコースを持つ学校が選択肢に上がります。特に都立国際高校は、公立校として初めて国際バカロレア(IB)ディプロマプログラムの認定を受けた、国際教育のパイオニア的存在です。
専門コースおよび帰国生受け入れ校の比較
| 学校名 | 特色・コース | 帰国生受け入れ(2024年度参考) |
| 都立国際高校 | 国際科(IB認定校)。生徒の約3割が帰国生や外国人生徒。 | 現地校25名 / 日本人学校15名 |
| 都立三田高校 | ユネスコスクールとして国際交流が盛ん。港区に位置する伝統校。 | 18名 |
| 都立竹早高校 | 進学指導推進校。自習室や竹早塾など学習支援が極めて手厚い。 | 13名 |
| 都立日野台高校 | 叡智・情操・健康を目標に、SDGsに絡めた探究学習を推進。 | 13名 |
| 都立松が谷高校 | 外国語コース。少人数授業やALTとの協働が中心。 | (外国語コースあり) |
| 都立小平高校 | 外国語コース。第二外国語の選択も可能。 | (外国語コースあり) |
| 都立深川高校 | 外国語コース。100年の伝統と国際探究を融合。 | (外国語コースあり) |
都立国際高校では、毎年多くの生徒が海外大学へ進学しており、SATやTOEFL対策といった、通常の都立高校ではカバーしきれない専門的なサポートも期待できます。
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英語教育に強い都立高校へ合格するための戦略的アプローチ

都立高校の英語教育が高度化する中で、入試や入学後の学習において求められる力も、単なる暗記から「思考力・表現力」へとシフトしています。ここでは、合格を勝ち取り、入学後にその環境を最大限に活かすための具体的な戦略をお伝えします。
英語4技能のバランスと外部試験の活用
多くの都立高校では、英検やTOEFLなどの外部試験の結果が、入試の評価や入学後の習熟度別クラス編成に大きな影響を与えます。
特に注目すべきは、2025年度から導入される英検準2級プラスです。これは、準2級と2級の間のギャップを埋めるために新設される級で、無理のないステップアップを可能にします。英語に強い都立高校を目指すなら、中学生のうちに英検2級以上、上位校や国際高校を目指すなら準1級の取得を目標にすることをおすすめします。ただし、資格取得そのものをゴールにせず、そこで培った語彙力や読解力を、自分の意見を伝えるための「武器」として磨く意識を持つことが大切です。
ライティングと論理的思考の養成
国際高校の入試や、帰国生入試のエッセイでは、論理的な文章構成力が問われます。日本の公立中学校の教育ではパラグラフ・ライティングの訓練が不足しがちですので、早いうちから一つのテーマに対して「主張・理由・具体例・結論」という構成で書く習慣を身につけておくのが良いでしょう。特にSDGsや多文化共生といった現代的なテーマについて、自分の言葉で英語で語れるようにしておくことは、推薦入試の面接対策にも直結します。
海外大学進学と国内大学進学の選択肢を広げる
高校選びの際は、卒業後の進路指導の実績を詳細に確認することをお勧めします。GE-NET20の対話・理解グループに属する学校や都立国際高校は、海外大学への進学ノウハウが蓄積されており、SAT対策やカウンセリング体制が整っています。一方で、日比谷や青山といった進学指導重点校は、国内の難関国立大学や私立大学への合格力を養いつつ、高度な英語運用能力を身につけるカリキュラムが組まれています。お子様がどのような環境で、どのような将来を描きたいのかを親子でじっくり話し合い、学校のカラーとのマッチングを見極めることが、後悔しない進路選択に繋がります。
2026年以降の入試を見据えた準備の進め方
これから受験を迎える生徒様にとって、東京都が導入している中学校英語スピーキングテスト(ESAT-J)への対応は避けて通れません。ペーパーテストの対策だけでなく、日頃からALTやJET青年と積極的に会話し、英語で反応する瞬発力を養っておくことが、入試においても入学後の授業においても大きなアドバンテージとなります。英語ができることを目的とするのではなく、英語を使って何を学び、どう世界と繋がりたいかを明確に持つことが、学習意欲を維持する鍵となります。
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まとめ
- 都立高校の国際教育はGE-NET20やGE-NET EEの導入により、以前よりもはるかに多様で専門的なものへと進化している。
- 都立国際高校をはじめとする4校が帰国生受け入れに注力しており、海外経験を活かした入試制度が整っている。
- 松が谷、小平、深川などの外国語コースでは、専門的な語学学習に加え、異文化理解や社会探究を深めることができる。
- 合格には、英検などの資格取得に加え、論理的なエッセイライティング力やスピーキング力を早期から磨いておくことが不可欠である。
合格へのロードマップをTCK Workshopと共に
英語教育に強い都立高校への合格は、グローバルな世界へ踏み出すための大きな一歩です。しかし、その入試は単なる言語能力だけでなく、生徒様一人ひとりの背景や思考の深さを問うものへと進化しています。TCK Workshopでは、世界中どこからでも、帰国生入試や都立高校入試に特化した専門的な指導を受けることが可能です。
お子様の現状を把握し、志望校とのギャップを埋めるための最適な学習プランを提案させていただきます。まずは、無料の教育相談を通じて、合格に向けた第一歩を踏み出してみませんか。

