海外での生活が続き、お子様が次のステップとしてアメリカやカナダの私立中学、あるいは高校への進学を考え始めたとき、必ずと言っていいほど耳にするのがSSATという試験です。しかし、いざ調べてみるとSATという似た名前の試験が出てきたり、レベルが複数あったりと、何から手をつければ良いのか戸惑われる保護者様も少なくありません。
特に、現地のトップ校やボーディングスクール(全寮制私立校)を目指す場合、SSATのスコアは合否を左右する重要な鍵となります。本記事では、SSATの基本的な仕組みからSATとの明確な違い、そして志願先の学校でスコアがどのように活用されるのかについて、専門的な視点から詳しく解説します。2026年現在の最新情報を踏まえ、お子様の進路選択にお役立てください。

TCK Workshop プレミアム講師。英国滞在歴20年以上。小・中・高から大学(King’s College London)、大学院(University College London)に至るまで、すべての教育課程をロンドンで修了した「英国教育のスペシャリスト」。 GCSE / A-Levels などの英国カリキュラム指導はもちろん、IB DP Biology等の理数科目、さらに英国大学への出願(UK University Application)サポートまで、現地の実体験に基づいた最高レベルの指導を提供する。
入試情報は変更される可能性があるため、出願前には必ず各校の公式サイトで最新の募集要項をご確認ください。
SSATの基本概要とレベル別の対象学年


SSATは、単なる学力テスト以上の意味を持っています。お子様が英語という言語を使って、どれだけ深く考え、問題を解決できるかというポテンシャルを学校側へ伝えるための大切なツールです。まずはその構成を正しく理解し、お子様に合ったレベルから準備を始めましょう。
SSAT(Secondary School Admission Test)は、主にアメリカやカナダの私立中学・高校への入学を希望する生徒を対象とした世界共通の学力試験です。世界各地の学校が、志願者の基礎学力を同じ物差しで測るために利用しており、日本の中学・高校受験における学力試験に近い役割を担っています。
この試験は、受験時の学年に合わせて以下の3つのレベルに分かれています。
学年別レベルと対象
お子様の現在の学年に応じて、受験すべきレベルが指定されています。
| レベル名 | 対象学年(米国式) | 対象学年(日本式目安) |
| Elementary Level | Grades 3-4 | 小学3年生〜4年生 |
| Middle Level | Grades 5-7 | 小学5年生〜中学1年生 |
| Upper Level | Grades 8-11 | 中学2年生〜高校2年生 |
アメリカの私立中学校へ出願する場合はMiddle Level、私立高校へ出願する場合はUpper Levelのスコアが求められるのが一般的です。学年によって試験の難易度や範囲が調整されているため、まずは志望校がどのレベルのスコアを求めているかを確認することをおすすめします。
SSATとSATの決定的な違いとは?


名前が非常によく似ているため混同されがちですが、SSATは高校入試、SATは大学入試と覚えるのが一番シンプルです。今の目標がどこにあるかによって、準備すべき内容が全く異なりますので、早めに整理しておきましょう。
保護者様が情報を探している際、SAT(Scholastic Assessment Test)という名前もよく目にするかと思います。どちらも標準化された試験ですが、その目的や対象は大きく異なります。
SSATとSATの比較
以下の表で、それぞれの主な違いを確認してみましょう。
| 比較項目 | SSAT | SAT |
| 主な目的 | 私立中学・高校への入学選考 | 大学への入学選考 |
| 対象学年 | 3年生〜11年生 | 主に11年生〜12年生 |
| 試験科目 | 数学Section1、数学Section2、読解、語彙、エッセイ、実験 | 英語(読解・文法)、数学 |
| 運営団体 | The Enrollment Management Association | College Board |
| 難易度の傾向 | 学年に応じた基礎力と語彙力を重視 | 大学教育に必要な高度な論理的思考 |
SSATは、より早い段階で私立の教育環境に飛び込もうとする生徒たちの基礎力を測るためのものです。一方でSATは、大学での高度な学問に耐えうる論理的思考力があるかを試す試験です。将来的にアメリカの大学を目指す場合はいずれSATを受けることになりますが、中等教育(中学・高校)への進学を考えているのであれば、取り組むべきはSSATです。
またSSATとSATは名前は似ていますが運営母体が異なります。そのため申し込みサイトもアカウントも別々に管理しなくてはいけません。
【関連記事】SATでハイスコアを取るスケジュールについて知りたい方はこちらもご覧ください。
なぜSSATが必要なのか?志望校での活用メリット


学校側は、単に点数だけを見ているわけではありません。SSATのスコアを通じて、お子様の今の学力だけでなく、将来の伸びしろや思考の深さを探っています。特にエッセイは点数がつかないからこそ、お子様の個性を伝える絶好のチャンスになります。
SSATのスコアは、学校側が合否を判定する際の重要な要素の一つとなります。しかし、日本の入試のように点数だけで足切りされるという性質のものではありません。ここでは、スコアがどのように使われ、何が評価されるのかを詳しく解説します。
他の出願書類を補完する共通の指標
海外の私立校入試では、学校の成績表(GPA)、先生からの推薦状、課外活動の記録、そして面接など、多角的な視点で合否が決まる包括的な評価が行われます。
その中でSSATは、学校や地域によって基準が異なる成績表を補完する役割を果たします。例えば、ある学校での5段階評価の4が、別の厳しい学校での4と同じ価値なのかを判断するのは困難です。SSATという共通のテストの結果を見ることで、学校側は、この生徒は確かに高い数学的素養を持っている、と客観的に判断できるようになります。
パーセンタイルという独特の評価基準
SSATのスコアレポートでもっとも注目されるのが、パーセンタイル・ランクという指標です。これは、過去3年間に同じ学年で受験した生徒たちの中で、自分がどの位置にいるかを示す数字です。
(2022-2023年度から、SSATのパーセンタイル計算では性別は考慮されなくなりました。)
例えば、80パーセンタイルという結果であれば、受験生全体の中で上位20パーセントに入っていることを意味します。名門校であればあるほど、このパーセンタイルの基準が高くなる傾向があり、現地校の優秀な生徒たちと肩を並べて学ぶ準備ができているかが見られています。
ライティング・サンプルの価値
SSATにはエッセイを書くセクションがありますが、この部分は数値化されたスコアには含まれません。しかし、書かれた内容はそのまま志望校の入試担当者へと送られます。
出願時に提出するエッセイは、時間をかけて推敲したり、誰かの助言を受けたりすることが可能ですが、SSATのライティングは、その場で自分の力だけで書き上げたものです。学校側は、お子様がどのような言葉を使い、どのように論理を組み立てるのかという、ありのままのアカデミックな素顔をここから読み取ります。

「採点されないなら適当でいいや」と考えてしまうのは一番もったいないです!入試担当者は、何百人ものスコア表を見る中で、ふと目に留まる「キラリと光るエッセイ」を待っています。綺麗な手書き文字で、論理的かつ自分らしい意見が書かれていれば、数字以上の強いインパクトを残せますよ
TOEFLや英検との使い分け
帰国子女受験やインターナショナルスクール受験を考えている場合、TOEFLや英検を優先される方も多いでしょう。これらはあくまで英語がどれくらいできるかを測るテストです。それに対しSSATは、英語を使って現地の生徒と同じ土俵でどれだけ学力を発揮できるかを問うテストです。
英語力がある程度身についてきた段階で、次のステップとしてSSATに挑戦することで、よりハイレベルな学校への選択肢が広がります。
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受験のタイミングと最新の実施状況について

SSATは、1年に受験できる回数が試験形式によって決まっています。一般的には、ペーパーテストやコンピュータ受験を組み合わせて受験することになりますが、出願締め切りの時期から逆算して計画を立てることが重要です。
理想的な受験時期
アメリカやカナダの私立校の多くは、1月や2月に出願の締め切りを設定しています。そのため、10月から12月の間に少なくとも一度は本番を受け、納得のいくスコアを手に入れておくのが理想的です。
- 準備期(5月から8月)
現在の実力を知るために模擬試験を受け、苦手分野を把握しましょう。
- 第一次受験(10月・11月)
本番の雰囲気に慣れ、目標とのギャップを確認することをおすすめします。
- 最終受験(12月)
出願に向けてベストスコアを目指します。
2020年以降、自宅で受験できるSSAT at Homeという選択肢も定着しましたが、地域によって実施状況が異なります。常に公式サイト(SSAT.org)で最新のスケジュールを確認し、余裕を持って席を確保するようにしましょう。
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まとめ
SSATは、お子様が世界中の優秀な生徒たちと共に学ぶための第一歩となる試験です。
- SSATはアメリカやカナダの私立中学・高校への入学に必要な共通試験である
- 大学受験用のSATとは、対象学年も目的も異なるため注意が必要
- スコアは学校成績を補完する客観的な指標として使われ、パーセンタイルが重視される
- 点数のつかないエッセイも、学校側に実力を伝える重要な資料になる
- 出願時期に合わせて、10月から12月の間にベストスコアが出せるよう準備を進めるのがおすすめ
TCK WorkshopではSSAT対策を行っています
TCK Workshopでは、SSAT対策に精通した講師が、お子様一人ひとりの強みと弱点に合わせた個別指導を行っています。海外にいながら日本語・英語によるの専門的なサポートを受けることで、効率的にスコアを伸ばすことが可能です。
SSATの準備をどこから始めれば良いか、今の学力で目標校に届くのかなど、不安をお持ちの方はぜひ一度無料教育相談にお申し込みください。お子様の未来を拓くための具体的なプランを、一緒に考えていきましょう。
TCK Workshop・Field Across のボーディングスクール留学サポート
TCK Workshopでは、北米ボーディングスクール留学サポートを専門とするField Acrossと提携し、留学を目指すご家庭に向けて、次のようなサポートを提供しています。
Field Across
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- 入学前のサポート:留学するまでに必要な事務手続きや書類サポート、学校選びから受験、そして入学までを多角的にサポートいたします。
- 入学後のサポート:在学中の学校との日々のやり取りや日常生活・勉強面でのご相談まで、日本のご家族と現地の留学生を相互にサポートいたします。
TCK Workshop
- 経験豊富なバイリンガル講師がTOEFL・Duolingo・SSAT対策の個別指導を実施。合格に必要なスコア取得を全面サポートいたします。
- 出願エッセイ・面接練習の個別指導も実施可能。生徒様の魅力や想いを最大限に引き出すお手伝いをいたします。
- 現地生活を見据えた長期的な学習サポートも実施中。留学前から留学中、そして留学後まで、生徒様のメンタリングと学習計画によって伴走します。
SSATの概要やSATとの違い、そしてその重要性についてご理解いただけたでしょうか。前編では試験の枠組みを中心にお伝えしましたが、次回の後編では、実際にどのような問題が出題されるのか、セクション別の具体的な内容と高得点を取るための対策法を深掘りしていきます。

