海外のインターナショナルスクールに通う生徒さんにとって、IGCSEは中等教育の集大成となる非常に重要な資格です。14歳から16歳までの2年間で取り組むこのカリキュラムは、その後のAレベルやIBDP(国際バカロレア)へと続く土台となります。中でもMath(数学)は、理系文系を問わず、将来の選択肢を広げるために避けては通れない必須科目です。
IGCSE Mathは、正しい学習計画と対策を行えば、決して攻略が難しい科目ではありません。しかし、学校の進度だけに頼ってしまうと、最終試験直前に範囲が終わらずに慌ててしまうというケースも少なくありません。本記事では、IGCSE Mathで最高評価であるGrade 9(A*相当)を確実に手に入れるための、2年間の勉強計画と具体的な対策方法を詳しく解説します。

講師:豊田 鈴
TCK Workshopでトッププロ講師として指導と教育相談を担当しております。幼少期の3年間をアメリカで過ごし、帰国後は日本カリキュラムで学んできました。
講師として、日本カリキュラムの国語と英語、算数・中学数学や、志望校別の英語エッセイ・日本語作文、志望理由書、面接対策を担当しております。またHistory系の科目のサポートをさせていただくこともあります。
これまでの学習や指導の経験を活かし、皆さまの現状をふまえた最適な提案をさせていただきます!些細なことでもかまいません。どうぞお気軽にご相談くださいませ!
TCK Workshopの無料学習相談では、お子様の通う学校のエグザムボードに合わせたオーダーメイドの学習計画を提案しています。IGCSE Mathの先取り学習や、苦手単元の克服について、プロの講師が現在の学力を診断し、最適な対策をアドバイスいたします。
IGCSE Mathの基礎知識とエグザムボードの違い

「うちはケンブリッジ式の学校だから、全ての科目がケンブリッジだろう」と思い込むのは禁物です。学校によっては科目ごとに異なるエグザムボードを採用しているケースもあるため、必ず事前に学校の先生に確認しましょう。
IGCSE(International General Certificate of Secondary Education)は、イギリスの義務教育修了試験をモデルにした国際的な資格です。140カ国以上の学校で採用されており、大学進学の際の基礎的な資格として世界中で認められています。
Mathの対策を始める前にまず確認すべきなのが、「エグザムボード(試験運営団体)」です。代表的なものにCambridge(ケンブリッジ)やEdexcel(エデクセル)がありますが、ボードによって問題の傾向や形式、さらには科目番号が異なります。
また、Mathには「Core(コア)」と「Extended(エクステンデッド)」という2つのレベルが存在します。Coreは基礎的な内容で、取得できる最高グレードに制限(一般的にGrade 5まで)があります。一方、大学進学を目指す生徒の多くが受験するExtendedは、Grade 9までの全スコアを目指すことが可能です。アジア圏の生徒や、将来的に理系・経済系への進学を考えている場合は、Extendedを選択して高得点を狙うのが一般的です。
主要なエグザムボードを比較
| 項目 | Cambridge (CAIE) | Edexcel (Pearson) |
| 特徴 | 記述式が多く、思考力を問う傾向 | 問題数が多く、計算の正確性が求められる |
| グレード表記 | 9-1 または A*-G | 9-1 が主流 |
| 主な受験層 | 世界各国のインター校 | 英国国内および一部の海外インター |
2年間の学習タイムラインと先取りの重要性


先輩たちから「試験直前まで範囲が終わらなかった」という話を聞いたことはありませんか?そうしたリスクを避けるために、夏休みや冬休みを活用して、次のセメスターで習う内容を自習しておくことをおすすめします。
IGCSEは通常、Year 10からYear 11(あるいはGrade 9からGrade 10)の2年間かけて学習します。学校での一般的なスケジュールは、2年目の春に全ての範囲を終え、5月から6月にかけて最終試験(本試験)に臨む形です。
しかし、ここで注意が必要なのが「学校の進度」です。インターナショナルスクールの中には、試験の数週間前になっても全範囲を教えきれない学校や、駆け足で終わらせてしまう学校が珍しくありません。余裕を持って試験に臨むためには、学校の授業を待つのではなく、自分から「先取り学習」を進める姿勢が重要です。
特に1年目は基礎固めに集中し、2年目の12月までには全範囲のインプットを終わらせるのが理想的です。そうすることで、年明けの1月から本試験までの期間を、最も重要な「過去問演習」に充てることができるようになります。
IGCSE Mathの学習範囲と難易度

IGCSE Mathは、単に「公式を覚える」だけでなく、「英語で問題を理解し、論理的に解答を導く力」が試されます。まずは2年間の全体像を把握し、余裕を持ったスタートを切ることが、合格への一番の近道です。
IGCSE Mathで扱う内容は、日本の数学でいうと中学1年から高校1年くらいまでの範囲に相当します。難易度そのものは、日本の義務教育レベルの数学と比較すると、驚くほど高いわけではありません。むしろ、広範囲からバランスよく出題されるため、苦手分野を作らないことが高得点の鍵となります。
学習する主な分野は以下の通りです。
- Number(数と計算)
- Algebra(代数・方程式)
- Shape and Space(図形・空間)
- Probability and Statistics(確率・統計)
日本の学校からインターに転校したばかりの生徒さんであれば、計算力や概念の理解においては優位に立てる場合が多いです。ただし、問題文が全て英語であるため、「数学用語の英語表現」に慣れる必要があります。例えば「Prime number(素数)」や「Simultaneous equations(連立方程式)」といった言葉を瞬時に理解し、英語で論理的に解答を記述する練習が欠かせません。
Grade 9を勝ち取るための具体的な勉強法
IGCSE MathでGrade 9(最高評価)を取るためには、単に「解ける」だけでなく、「ミスなく効率的に解く」能力が求められます。そのためには、インプットとアウトプットのサイクルを正しく回すことが大切です。
1. 質の高い教材でインプットを深める
学校の先生がスライドやプリントしか使わない場合、解説が断片的になりがちです。自習用に信頼できるリビジョンブックを1冊用意しましょう。イギリスで非常に有名な「CGP社」の教材は、要点が簡潔にまとまっており、復習に最適です。また、オンラインリソースの「Save My Exams」や「Maths Genie」を活用すると、トピック別の練習問題に手軽に取り組むことができます。
【関連記事】IGCSE Math/Scienceのおすすめ教材についてはこちらもご覧ください。
2. 過去問演習(Past Papers)の徹底
ある程度のインプットが終わったら、できるだけ早く過去問に取り掛かりましょう。IGCSEの素晴らしい点は、過去何年分もの試験問題が公開されていることです。最低でも過去5〜7年分のペーパーを解くことで、出題パターンの傾向や時間配分を体に叩き込むことができます。
3. マークスキーム(採点基準)の理解
問題を解いた後は、必ず「Mark Scheme」を確認してください。これは単なる解答集ではなく、「どこで点数が与えられるか」を示す指示書です。イギリス式の試験では、最終的な答えが間違っていても、正しい公式や手順(Method)を書いていれば「Method Mark」がもらえます。逆に、暗算で答えだけを書いてしまうと、いくら正解でも満点が得られないことがあります。途中式を丁寧に書く習慣をつけることは、得点力を安定させる最大のポイントです。
IGCSEからその先のIB・Aレベルへ


IGCSEでの高得点は、単なる通過点ではなく、将来の自分を助けるための「貯金」です。この時期に数学の基礎体力をしっかりつけておくことで、大学受験に向けた上位カリキュラムでも自信を持って学習を進めることができます。
なぜIGCSE MathでGrade 8や9を目指すべきなのでしょうか。それは、その後に控えるAレベルやIBDP(国際バカロレア)との間に、非常に大きな難易度のギャップが存在するからです。
IGCSEまでは「真面目に授業を受けて宿題をこなせば取れる」レベルですが、AレベルやIBの数学は、より抽象的で高度な思考力が求められます。IGCSEの段階で基礎がぐらついていると、進級した途端に授業についていけなくなり、「IGCSEでは余裕だったのに……」と後悔する生徒さんが毎年後を絶ちません。
特に文系志望であっても、IBDPでは数学が必修ですし、Aレベルでも数学を選択しておくことが大学進学時の強力な武器になります。今のうちに「自分は数学ができる」という自信を育んでおくことが、将来の進路選択の幅を大きく広げてくれるでしょう。
TCK WorkshopのIGCSE対策
IGCSE Mathの学習を進める中で、「学校の進度が遅くて不安」「特定の単元だけどうしても理解できない」「英語での記述方法がわからない」といった悩みに直面することもあるでしょう。TCK Workshopでは、世界中のインター生をサポートしてきた経験豊富なバイリンガル講師が、オンラインでマンツーマン指導を行います。
- 学校のカリキュラムに合わせた先取り指導
お子様が通う学校の使用教材やエグザムボードを把握した上で、学校の授業が「復習」になるようなペースで先取り学習をサポートします。 - 過去問徹底演習と添削指導
実際の過去問を使用し、マークスキームに基づいた厳密な添削を行います。点数を落としやすい記述の癖を見抜き、回答テクニックを伝授します。 - 英語と数学の壁を同時に解消
数学の概念そのものが分からないのか、英語の表現が壁になっているのかを的確に診断します。日本語で本質的な概念を理解し、それを英語で表現できるようにトレーニングすることで、効率的に学習を進められます。
自分一人で抱え込まず、早めに専門家のサポートを受けることで、学習の質は劇的に変わります。特に試験まで1年を切っている場合や、現在の成績に不安がある場合は、早急に対策を開始することをおすすめします。
まとめ
IGCSE Mathで成功を収めるためのポイントを改めて整理します。
- エグザムボードと受験レベル(Core/Extended)を早めに確認し、目標を明確にする
- 学校の進度に依存せず、休暇期間などを利用して計画的に先取り学習を進める
- 教科書だけでなく、定評のあるリビジョンブックやオンライン教材を積極的に活用する
- 過去問演習を繰り返し、マークスキームを理解して「途中式で点を稼ぐ」技術を身につける
- IGCSEの基礎固めが、その後のIBやAレベルでの成功に直結することを意識する
IGCSE Mathは、正しい方向で努力を続ければ必ず結果が出る科目です。2年間の道のりは長いように見えますが、一歩ずつ着実に進んでいきましょう。
TCK Workshopでは、IGCSE対策からその先の大学受験までを見据えたトータルな学習支援を提供しています。現在の学習状況に不安がある方や、より高いスコアを目指したい方は、ぜひ一度無料学習相談にお申し込みください。
参照
この記事は、こちらのウェビナーを基に作成しています。TCK Workshop主催のウェビナーでは、指導経験豊富な講師が実際の指導を通して蓄積した帰国生の受験、英語学習などについての情報を、それぞれの時期に合わせて毎週お伝えしておりますので、ぜひご覧ください。


