IBで学び始めたけど、何に役立つの?と思っている方へ
「IB をやってるけど、日本の大学に進学する時、本当に得になるの?」と感じている方、多いと思います。英語力や探究活動など IB の国際バカロレアらしい側面は魅力的だけど、「一般入試に比べてどのくらい有利か」「何を準備すればいいか」がわからなければ、不安ですよね。
この前半記事では、IB(DP)を国内大学受験で使うメリットをできるだけ具体的に、そしてどう活かすか/準備すればよいかを解説します。
後半記事では、IBを使って出願できる日本国内大学をご紹介します。
メリット:IB を持っていると日本国内大学受験で“武器”になる5つの理由

以下、IB 生・取得見込みの方向けのメリットを整理します。自分の状況と照らし合わせながら、「これは私にも使えるな」と思うポイントをチェックしてみてください。
メリット 1:多面的評価が活きる
IB のカリキュラムには、「EE(Extended Essay/課題論文)」「TOK(Theory of Knowledge;知の理論)」「CAS(Creativity, Activity, Service;創造性・活動・奉仕)」などが含まれていて、試験のスコアだけでなく、探究力・批判的思考・自己管理・社会関与など、多様な能力を育てます。
これらは最近の多くの大学入試で「入試での作文・小論文・面接・活動報告」など多面的に評価される制度と親和性が高いです。
メリット 2:帰国生・国際バカロレア生にとって出願の選択肢が多い
IB を持っていることで、「IB 入試」「帰国生入試」「国際系入試」「英語学位プログラム」など、複数の出願形態を検討できます。たとえば、私立大学では帰国生枠やAO 入試において IB を出願要件や有利条件にしているケースがあり、IB のスコア・成績・活動記録などが有利に働くことがあります。これにより、選択肢が広がり、併願戦略を柔軟に立てやすくなります。
メリット3:幅広い学部・大学で制度が整ってきている
かつては国際教養・語学系など国際系学部に限定されていた IB 入試が、理系・医学系・工学系など多くの分野へ拡がっています。たとえば、筑波大学の「国際バカロレア特別入試」では医学群・理工系学群など多くの学類で実施されており、選択科目(HL/SL)や履修科目の条件を満たせば、このような専門性の高い分野でも十分挑戦できます。 筑波大学
メリット4:倍率や受験負荷の軽減
一般選抜(学力試験+共通テスト)方式は受験生数が多く、競争が激しいことが多いです。一方、IB 入試や総合型選抜・帰国生入試などでは「書類+面接+小論文」などが中心の選抜が多く、受験生数が限定されることもあります。このため、競争率が比較的落ち着いているケースもあり、IB生にとってメリットになります。
メリット5:国際的視点・英語力の証明として使いやすい
IB の中で HL/SL で英語科目を履修していたり、English A や B で一定評価を得ていれば、それ自身が英語力の証明になる場合があります。大学によっては、TOEFL や英検など英語試験のスコアを別に求めるところもありますが、IB の英語科目の成績や英語での研究・発表経験があることで、その部分を補完できることがあります。
入試活用法:IB の強みを最大限に活かす3ステップ

メリットをただ知っているだけでは十分ではありません。以下に IB 生が国内大学入試でその強みを具体的に活かすためのステップ・方法を整理します。
ステップ 1(IB履修前)|出願制度・募集要項の徹底リサーチ
- 大学ごとに “IB 入試”“帰国生入試”“国際系 AO・総合型選抜” のどれを設けているかを調べる
同じ大学でも学部・年度で制度が変わることがあります。最新の募集要項を大学の公式サイトで確認することが不可欠です。 - 出願要件(IB スコア、履修科目、EE/TOK/CAS 等の提出物)を確認する
専門系学部を志望する場合は科目要件の確認が重要です。専門性の高い学部を目指すなら、数学・理科・言語(英語)等の HL を選ぶ必要があることが多いです。大学ごとに HL 科目の要件があるかどうか調べ、それに合わせて履修を組みましょう。 - 日本語力や日本語科目の不足を補う
IB は英語教育主体であることが多いため、日本の入試で出る日本語(国語)や日本語表現、読解力に不安がある人は、日本語の演習を別途行う必要があります。特に帰国生の場合、このギャップを埋めておくことが合格の鍵になります。
ステップ 2(IB履修中)|IB スコア・ EE / TOK / CAS の質を高める
- スコア (45点満点) の目標設定
出願する大学・学部が目安として求めている IB スコアを確認し、それを目指すこと。医学部などでは高スコアを要求することが多いため、余裕を持った目標を立てるのが安全です。 - Extended Essay(EE)を単なる課題としてではなく “大学での研究力・思考力の証明” として活用する
テーマ選び、資料の使い方、論理構築を重視する。日本語・英語での要約やプレゼン能力を問われる大学もあるので、英語/日本語両面での発信力も意識。 - TOK や CAS を「活動内容の証明」「自己表現の場」として磨く
面接や志望理由書で「学びのスタイル」「あなたが世界/社会にどう関わりたいか」を語るとき、これらの活動は強力なバックアップになります。
ステップ 3(受験準備)|書類審査・面接・小論文の準備
- 出願時期と選抜時期を把握する
IB 入試では、一般入試より早期に提出書類や結果の確認が必要な場合があります。出願期間や締切を逆算して準備しましょう。 - 志望理由書・活動報告書を具体的に書く
自分が IB で学んだ経験(探究活動、EE テーマ、クラスでの討議等)を具体例とともに述べ、それが大学でどう活きるかを結びつける。 - 面接や口述試験の練習
口述試験・面接が選考の一部になることも。論理的思考・英語コミュニケーション・自己主張のバランスが問われるため、模擬面接・練習問題は早めに始める。 - 小論文対策
一般選抜とは違うテーマが出ることもあり、「社会・国際問題」「倫理」「探究学習を通じて見た課題」など、IB の授業で扱ってきたようなテーマが問われることが多い。普段から書く習慣をつけ、構成力・論証力を高めておく。
入試制度活用の注意点と向き合い方

IB を使うことにメリットは多いですが、知らないと“思わぬ落とし穴”になることもあります。以下の点に注意を。
- 取得見込みかどうかが認められるか
大学によっては「IB ディプロマ取得者のみ出願可」として、取得見込み者を認めないところもあります。10月募集で取得見込み者も認めるなど募集時期によって扱いが異なります。 - 日本語関連の力を怠らないように
日本の大学入試では日本語での読解・小論文・面接での表現力が不可欠。IB の英語活動が強みになる一方で、日本語力が弱いと足を引っ張る可能性あり。特に帰国生や海外在住の生徒はこの部分を意識的に強化しましょう。 - 変更・制度の見直しがある
新学習指導要領・大学入試制度の改変・各大学の入試制度見直しなど、毎年情報が更新されるため、「去年のやり方」が来年も同じとは限りません。必ず最新版の募集要項を確認しましょう。
まとめ(前半部分)
IB(DP)を取得・取得見込みの生徒にとって、日本国内大学受験には以下のような明確なメリットがあります
IBの大学受験におけるメリット
- 探究力・思考力・主体性など、多面的評価される能力が既に鍛えられている
- 共通テスト中心の学力試験だけでは測れない強い側面を持っている
- 複数の出願方式を持つ大学が増えており、選択肢が広い
- 幅広い学部で IB 入試を導入する大学が増え、専門性の高い分野にも挑戦できる
- 受験負荷や競争の形態を工夫できる(倍率・方式の違いを活かせる)
ただし、そのメリットを十分に活かすためには、制度の調査、文書・活動の質、出願準備、日本語力などを意図的に高める必要があります。「IB を持っている=合格が確約されるわけではない」が、「IB を正しく活用できれば大きなアドバンテージになる」のは確かです。
後半記事では、IBを使って出願できる日本国内大学をご紹介します。
TCK Workshop の IB 対策:あなたの“今”を支えるサポート

ここまでのメリット・活用法は「理論」です。では、実際にどう動くか…?
TCK WorkshopのIB対策を活用して、大学受験への道を開きましょう。TCK Workshopの個別指導や特別講座を活用して、国内、海外有名大学に毎年約50名が大学に入学しています。
TCK WorkshopのIB対策オンライン個別指導は、対応科目は非常に幅広く、English A / Japanese A / Economics / Psychology / Physics / Chemistry / Biology / Maths AA / AI など、主要グループ科目をほぼ網羅。授業形式やスケジュールも、個別指導なので柔軟に対応することができます。
こんな方におすすめ
あなたがもし以下のような状況なら、今この瞬間から IB 入試 / 出願準備を本格的に始めることをおすすめします。
- 10〜11年生で、IB Final Exam のための科目選び/ HL vs SL のどちらを取るか迷っている
- EE・TOK または IA の課題を抱えていて、「ここからどう質をあげるか」がわからない
- 帰国のタイミングが近づいていて、日本の大学受験制度をよく知らない
- IB の成績は悪くないが「過去問・模擬試験での得点」が伸び悩んでいる
こういう方は、TCK のような IB 対策を専門とする指導を入れて準備を固めることで、不安が少なく自信をもって入試本番を迎えられます。
関連記事
以下の記事も、IB 生・帰国生が大学受験で有利になる戦略や具体的な勉強法を詳しく扱っています。あわせて参考にしてください。