はじめに

帰国生入試において、学力試験や英語資格スコアと並んで重視されるのが「面接」です。
「志願書はしっかり準備したけれど、面接でどう答えればいいのかわからない」「子どもが緊張して本番で力を出せるか不安」——こうした声を多くのご家庭から聞きます。

本記事では、帰国生入試の面接で落ちないために必ず押さえておきたい5つのチェックポイントをわかりやすく解説します。


面接の基本理念と目的

まず大前提として、「面接に唯一の正解はない」ということを知っておきましょう。どのような回答が“正しい”と決まっているわけではなく、受験生の個性や背景をどう言葉にするかが重要です。

面接の目的は大きく分けて4つあります。

  • 人柄を知る:志願書や試験では見えない意欲や雰囲気を確認する
  • 志願理由の一貫性:本人が本当に行きたいのか、書類の内容と口頭の回答が一致しているかを確認する
  • コミュニケーション力:多様な生徒が集まる学校で、協働できる力があるかを見る
  • 学校との相性:校風や教育方針に適応できるかを測る

つまり、面接官は「この子が入学後に活躍できるかどうか」を見ています。


面接で落ちないためのチェックポイント5選

1. 志願書と面接内容の不一致

もっとも避けたいのが、志願書に書いた内容と面接での回答が食い違うこと。保護者や先生に大部分を書いてもらった志願書では、本人の言葉で語れず質問に詰まってしまうケースがあります。
→ 対策:自分の言葉で少しずつでも書く練習を。日本語でも英語でもかまいません。

2. 説明の長さが不適切

自分の経験を長々と話して結論がぼやける、逆に短すぎて伝わらない——どちらもマイナスです。
→ 対策:「結論→理由→具体例→まとめ」の流れで練習し、1〜2分程度で収まるようにしましょう。

3. 回答の丸暗記

暗記した文章を一語一句そのまま言うと、想定外の質問に対応できず、感情も乗りにくいです。
→ 対策:書き言葉はNG。エピソードの要点(日時・状況・行動・学び)を頭に入れ、自由に組み合わせてその場で話せるように。

4. 具体性不足

「グローバルだから惹かれた」といった抽象的な答えでは説得力に欠けます。
→ 対策:「グローバル」「多様」「積極的に」といった言葉を自分の中でどう理解しているのかをアウトプットする。学校研究で得た具体的な情報(プログラム名、部活動、帰国生比率など)を入れて語る。

5. 受け身の姿勢

「親に勧められたから」「英語ができるから」だけでは受け身の印象に。
→ 対策:入学後にやりたいことと将来の夢を結びつけることで、能動性を示しましょう。


効果的な回答のテンプレート

質問への答えはこの4段階で話せるようにしてみましょう。

例題『海外生活で最も頑張ったことは何ですか?』

  1. 結論をシンプルに

    例:「海外生活で最も頑張ったのは国際交流クラブでの活動です」

  2. 背景・動機を説明

    例:「交流クラブには、言語の壁を感じ、友達を作るために参加しました」

  3. 具体的な行動を示す

    例:「副リーダーとして交流イベントを企画・運営しました」

  4. 学びや今後につなげる

    例:「文化を共有することで友情が生まれると学びました。今後は…」

この流れを意識すれば、答えに一貫性具体性が加わります。


    学校研究と志望理由の作り方

    面接で具体性を出すには、学校研究が不可欠です。海外在住で直接訪問できない場合も、以下の手段があります。

    • 学校の公式ホームページ
    • オンライン学校説明会
    • 生徒や先生による紹介動画

    これらを家族で一緒に見て、気になる特徴をメモしましょう。複数校を比較することで、自分に合う学校が見えてきます。その上で「なぜこの学校か」を具体的に語れるようにすると説得力が高まります。


    能動的な姿勢を示す

    面接で高評価を得るためには、「自分がどう動きたいか」を語ることが大切です。

    サッカー部でのキャプテン経験を活かし、ディスカッション授業で意見をまとめる役割を果たしたい

    英語スピーチコンテストに挑戦し、発信力をさらに高めたい

    将来は環境問題に関わりたいので、学校のボランティア部に参加して活動を広げたい

    このように、自分の経験→学校での挑戦→将来のビジョンをつなげると、能動的で前向きな印象になります。


    面接当日の心構えと直前準備

    • 体調を整える:直前は休養を取り、疲労を溜めない。
    • 準備をやり切る:緊張をなくすのではなく、準備で自信をつける
    • 緊張時の対応:「少し考えさせてください」「どういう意味ですか?」と素直に聞く。

    面接官は受験生が緊張していることを理解しています。誠実さと素直さが伝わる姿勢を心がけましょう。


    まとめ

    帰国生入試の面接では、志願書との一貫性・回答の具体性・能動的な姿勢が合否を分けます。

    • 丸暗記ではなく、自分の言葉で語る
    • 学校研究をもとに具体的に話す
    • 入学後の目標や将来の夢を能動的に示す

    この3点を意識すれば、本番でも安心して臨めるでしょう。


    TCK Workshopのサポート

    TCK Workshopでは、帰国生入試のための個別面接対策をオンラインで提供しています。志願書作成から模擬面接まで、一人ひとりの背景に合わせて指導し、自信を持って本番に臨めるよう伴走します。

    まずはお気軽に無料教育相談をご利用ください。

    どんなことでもOK!まずはお悩みをお聞かせください。
    無料学習相談はこちら
    経験豊富な学習相談員が対応!

    関連記事