「IBDP(国際バカロレア)って、とにかく大変らしい…」 そんな噂を聞いて不安になっていませんか?
IBが「大変」と言われる理由の一つは、やるべきことの多さと、専門用語の難しさにあります。「EE」「IA」「TOK」「CAS」……聞き慣れないアルファベットが並び、いつ何をやればいいのか分からないままスタートしてしまうと、後で大変な思いをすることになります。
特に、海外のインターナショナルスクールや現地校(9月入学・5月試験)の場合、日本の学校とは全く違うスケジュールで動くため、先を見通す力が不可欠です。
この記事では、新DP生(および保護者様)のために、IB特有の用語を解説しながら、2年間のスケジュールをわかりやすく整理しました。

TCK Workshop プレミアム講師。英国滞在歴20年以上。小・中・高から大学(King’s College London)、大学院(University College London)に至るまで、すべての教育課程をロンドンで修了した「英国教育のスペシャリスト」。 GCSE / A-Levels などの英国カリキュラム指導はもちろん、IB DP Biology等の理数科目、さらに英国大学への出願(UK University Application)サポートまで、現地の実体験に基づいた最高レベルの指導を提供する。
こちらのスケジュールはあくまで概観です。細かいスケジュールなどは学校によって変わる可能性があるので、学校の案内を必ず確認してください。
まずはここから!IB攻略のための「用語の基礎知識」
スケジュールを見る前に、頻出する「IB用語」を押さえておきましょう。これを知っているだけで、学校の説明がぐっと分かりやすくなります。
1. 科目のレベル:HLとSL
IBでは6教科を選択しますが、それぞれレベルを決めます。
- HL (Higher Level / ハイヤーレベル): 専門的で高度な内容。240時間の学習。3〜4科目選択。
- SL (Standard Level / スタンダードレベル): 標準的な内容。150時間の学習。2〜3科目選択。

大学の学部によっては「MathはHLでの履修が必須」などの条件があるため、科目選択は慎重に行う必要があります。
2. コア(Core)の3要素
教科の勉強とは別に、全員が必ずやらなければならない3つの活動です。
- EE (Extended Essay / 課題論文): 自分の好きな科目を一つ選び、4000語(英語の場合)の論文を書く活動。「ミニ卒論」のようなイメージです。
- TOK (Theory of Knowledge / 知の理論): 「知識とは何か?」「どうやってそれを知ったのか?」を哲学的に考える授業。展示(Exhibition)とエッセイで評価されます。
- CAS (Creativity, Activity, Service): 創造的活動、運動、奉仕活動(ボランティアなど)。点数にはなりませんが、これをクリアしないと卒業できません。
3. IA (Internal Assessment / 内部評価)
最終試験(テスト)だけでなく、授業内で行うレポートや口頭試験も成績に含まれます。これをIAと呼びます。テスト一発勝負ではないので、コツコツ努力する生徒には有利ですが、締切が重なると地獄を見ます。
【概観】DP2年間の全体像(9月入学・5月試験モデル)
海外校(または9月始まりの国内インター)の場合、大きな特徴は以下の2点です。
- DP1とDP2の間の「夏休み」が天王山(ここでサボると間に合わない)
- DP2の秋に「大学出願」と「課題提出」が重なる
それでは、時期ごとの詳細を見ていきましょう。
DP1(1年目):基礎固めと「種まき」の時期

(Grade 11 / Year 12)
まだ試験は先ですが、ここでどれだけ準備できるかが2年目の明暗を分けます。
8月〜12月:IBの生活に慣れる
まずは授業のスピードと、IB特有の「自分で考えて探求するスタイル」に慣れましょう。
- 科目選択の最終決定: HLとSLの組み合わせを確定します。「授業についていけない」「大学の要件と違った」という場合は、早めにコーディネーター(先生)に相談して変更しましょう。
- CAS(課外活動)スタート: 長期的なボランティアやクラブ活動の計画を立てて記録を始めます。後回しにすると卒業直前に焦ります。
1月〜3月:EEとIAの「テーマ決め」
いよいよ「コア」の活動が本格化します。
- EE (課題論文) の準備: どの科目で書くか、どんなテーマにするかを決めます。
- 例:「経済」を選び、「ファストファッションが地元の小売店に与える影響」を調べる、など。
- 人気の先生(スーパーバイザー)はすぐに埋まってしまうので、早めの交渉が必須です!
- IA (内部評価) の準備: 理科系科目では、実験のアイデア出しや予備実験が始まります。
4月〜6月:最初の山場「TOK展示」と「学年末テスト」
DP1の終わりには、重要なイベントが待っています。
- TOK展示 (Exhibition): 「対象物」を3つ選び、それを通してTOKの概念を説明するプレゼンテーションのような課題です。これは最終成績の33%を占めます。
- End of Year Exam (学年末試験):【超重要】
- 単なる期末テストではありません。この成績は、秋の大学出願で使う「Predicted Grade(予測スコア)」のベースになります。
- 海外大を目指す場合、このテストの結果が合否に直結すると考えて、本気で取り組んでください。
【最重要】Summer Break(夏休み):6月下旬〜8月中旬

〜勝負の分かれ目の夏を制する〜
海外校の夏休みは約2ヶ月あります。 「休みだ!遊ぼう!」と思って何もしないと、DP2が始まった瞬間にパンクします。先輩たちが口を揃えて「夏休みが一番大事」と言うのはこのためです。
- EE (論文) の執筆: 夏休み中に「First Draft(初稿)」、つまり一度最後まで書き上げることが目標です。
- IA (レポート) の下書き: 文系・理系問わずIAの下書きを進めます。
- 大学リサーチ: 志望校を決め、Personal Statement(志望動機書)やエッセイの構想を練り始めます。

DP2の秋(2年目の最初)は、本当に時間がありません。夏休みに「貯金」を作っておけるかどうかが、最終スコア(そして睡眠時間)を左右します。
DP2(2年目):怒涛の出願ラッシュと最終試験

(Grade 12 / Year 13)ここからはノンストップで進みます。時間管理が命です。
8月〜10月:最も過酷なシーズン
新学期早々、ピークが来ます。「勉強」と「出願作業」のダブルパンチです。
- EE (論文) 最終提出: 多くの学校で9月〜10月に締切があります。
- Predicted Score (PS) 決定: 先生が「この生徒は最終試験でこれくらい取るだろう」と予測したスコアがつきます。これで大学に出願します。
- 大学出願 (University Application):
- Early Entry: オックスフォード・ケンブリッジ大学、医学部、アメリカのEarly Actionなどは10月中旬が締切です。
- IA (レポート) 修正: 先生からのフィードバックをもとに、レポートを完成形に近づけます。
11月〜1月:IA完成と口頭試問
- IO (Individual Oral / 口頭試問): English A(国語)やEnglish B(英語)などで実施される、先生との対話形式のテストです。一発勝負なので入念な練習が必要です。
- Regular Decision: アメリカやカナダなどの一般出願(1月締切)に合わせてエッセイを仕上げ、出願します。
- IAの最終提出: 全科目のレポートを書き上げ、提出します。これで筆記試験以外のタスクはほぼ終了です!
2月〜3月:Mock Exam(模擬試験)
- Mock Exam: 本番(5月)と全く同じ形式・時間割で行う模擬試験です。
- 体力的にも精神的にもハードですが、今の自分の実力を知る最後のチャンスです。
- この結果を見て、本番までの残り1ヶ月で「何を復習すべきか」を分析します。
5月:Final Exam(最終試験)
いよいよ本番です。約3週間にわたり、世界中のIB生と同じ日・同じ時刻に試験を受けます。ここまで積み上げてきた努力をすべてぶつけましょう!
まとめ
日本の高校受験や大学受験と大きく違うのは、「一発勝負のテスト勉強」だけではダメだという点です。
- 論文を書く(EE)
- レポートを書く(IA)
- 課外活動をする(CAS)
- 大学の志望動機書を書く
これらを同時進行でこなさなければなりません。だからこそ、DP1のうちから、そして夏休みの間にIAやEEをどれだけ進められるかが重要なのです。
「やることが多すぎてパンクしそう…」そんな時は
IBDPは、一人で抱え込むにはあまりにもタスクが多すぎます。特に、「英語での論文執筆」や「専門科目の概念理解」につまずくと、他の科目まで手が回らなくなってしまいます。そんな時は、IB専門のプロを頼ってください。
TCK WorkshopのIBDP対策
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IBDPは大変なプログラムですが、そこで得たスキルは大学進学後も大きな財産となります。一人で悩まず、ぜひプロの力を借りて、充実したIBライフと希望の進路を掴み取ってください。
次回の記事
次回は国内生(IB一条校)に通う生徒さん向けに11月試験を想定した場合のスケジュールをご紹介します!

