関西圏で帰国生入試を検討する際、必ず候補に挙がるのが同志社国際中学・高校立命館宇治中学・高校です。どちらも非常に人気が高く、充実した教育環境を整えていますが、校風やカリキュラムには大きな違いがあります。「自由な校風がいいけれど、学習面は大丈夫?」「部活動も頑張りたいけれど、帰国生としての居心地はどう?」といった不安を抱える保護者様や生徒様も多いのではないでしょうか。

本記事では、帰国生指導の専門家としての視点から、両校の生徒数、帰国生の割合、学費、そして具体的な授業内容や進路までを徹底的に比較します。それぞれの学校がどのようなお子様に向いているのか、そして合格を勝ち取るためのポイントについても詳しく解説します。お子様にとって最良の選択をするための参考にしてください。

相吉先生

講師:相吉晃太朗

TCK Workshop プレミアム講師。横浜国立大学教育人間科学部卒業、University of Otago(NZ)への交換留学を経て、東京大学大学院総合文化研究科に2年在籍。 小学校および中高英語の教員免許を持つ「教育のプロフェッショナル」。教育学に基づいた科学的なアプローチで、AP Japanese日英小論文難関校受験対策まで、アカデミックな指導を専門とする。

    この記事は、TCKworkshop主催のウェビナーを基に作成しています。TCKworkshop公式Youtubeチャンネルでは、指導経験豊富な講師が実際の指導を通して蓄積した帰国生の受験、英語学習などについての情報をお伝えしておりますので、ぜひご覧ください。

    入試情報は変更される可能性があるため、出願前には必ず各校の公式サイトで最新の募集要項をご確認ください。

    同志社国際と立命館宇治の基本データ比較

    まずは、学校の規模や帰国生の受け入れ状況を整理しましょう。

    比較項目同志社国際中学・高校立命館宇治中学・高校
    生徒数(中学)401名551名
    生徒数(高校)815名1201名
    帰国生の割合約3分の2(約66%)約4分の1〜5分の1(約20〜25%)
    学校所在地京都府京田辺市京都府宇治市
    制服の有無なし(私服)あり
    寮の有無あり(高校生のみ)あり(高校生のみ、既存の寮に合わせて2026年に校内の寮【RUDが新設
    相吉先生

    同志社国際は日本で最も帰国生が多い学校の一つであり、校内の雰囲気も非常に国際色豊かです。一方、立命館宇治は「日本の学校」としての規律を大切にしながら、特定のコースで高度な国際教育を展開しています。まずはお子様が「日本の制服を着て学校生活を送りたい」のか、「海外のような自由なスタイルを継続したい」のかを話し合ってみることをおすすめします。

    校風と学習環境の違い

    同志社国際:多様性を尊重する「自由」の文化

    同志社国際の最大の特徴は、全校生徒の約3分の2が帰国生という圧倒的な多様性です。制服がなく髪型も自由なため、海外の現地校やインターナショナルスクールから戻ってきたお子様が、違和感なく溶け込みやすい環境が整っています。

    授業面では、国語、数学、理科、社会などの主要科目が日本語の習熟度別に分かれています。日本語の読み書きに不安がある生徒へのサポートが手厚く、海外生活が長いお子様でも安心してキャッチアップできるよう工夫されています。また、英語教育は6段階(中学)または4段階(高校)のクラスに分かれており、最上位クラスではネイティブ講師によるハイレベルなディスカッションやグループワークが行われます。

    立命館宇治:日本の伝統と国際教育の融合

    立命館宇治は、同志社国際に比べると「日本の学校」らしい規律を重んじる側面があります。制服があり、校則も明確に定められているため、日本らしい学校生活に憧れを持つお子様に選ばれることが多いです。

    学習面では、コース制が非常に明確です。特に高校のIB(国際バカロレア)コースや中学のIPコースは、理数科目も英語で学ぶため、高い英語保持能力が求められます。一方で、IG(総合)コースでは帰国生向けの取り出し授業(国・数・社)が1年間用意されており、日本のカリキュラムへのスムーズな移行を支援しています。ICT教育にも力を入れており、全生徒がPCを所有して主体的に学ぶ姿勢を養います。

    相吉先生

    立命館宇治は関西で最初にIBDP認定を受けた一条校です。立命館国際はIBを採用しており、同志社国際ではIBを採用していない点も大きな違いです。

    学校の場所

    立命館宇治

    京都府宇治市広野町八軒屋谷 近鉄大久保駅から徒歩10分

    同志社国際

    京都府京田辺市多々羅都谷 JR同志社前駅から徒歩10分

    2校の位置関係

    学費の比較

    保護者様にとって気になる学費についても確認しておきましょう。

    学校・コース名入学金年間授業料その他諸経費初年度合計(概算)
    同志社国際(中・高同じ金額)100,000円850,000円130,000円1,080,000円
    立命館宇治中(IC)120,000円638,000円291,000円1,049,000円
    立命館宇治中(IP)120,000円638,000円+IPコース費150,000円=788,000291,000円1,079,000円
    立命館宇治高(IG)120,000円638,000円291,000円1,049,000円
    立命館宇治高(IB)120,000円638,000円+IBコース費750,000円=1,388,000円291,000円1,679,000円
    相吉先生

    立命館宇治のIBコースは、国際バカロレアの教育課程を実施するため諸経費が高くなる傾向にあります。寮に関しては、同志社国際の寮費は、2026年に新設される立命館の新寮よりは安く、立命館宇治の既存の寮よりは高くなっています。

    部活動と進路の特色

    部活動への取り組み

    同志社国際は生徒の8割が部活動に参加しており、アメリカンフットボール部など強豪チームも存在しますが、全体としては「自由に楽しく」活動する雰囲気があります。

    立命館宇治は部活動が非常に盛んで、柔道、陸上、野球、チアリーダー部など、全国大会レベルの部活が多数あります。推薦入試で入学するスポーツ推薦の国内生も多いため、ハイレベルな環境でスポーツに打ち込みたいお子様には非常に刺激的な環境です。

    卒業後の進路

    どちらも大学附属校であるため、系列大学への進学が主流です。

    • 同志社国際:85%以上が同志社大学・同志社女子大学へ内部進学します。
    • 立命館宇治:約87%以上が立命館大学へ内部進学します。

    他大学や海外大学を目指す場合は、立命館宇治のIBコースが強みを持ちますが、同志社国際からも毎年一定数の生徒が外部の難関国公立・私立大学へ挑戦しています。


    帰国生が合格を勝ち取るための戦略的ソリューション

    相吉先生

    志社国際と立命館宇治は、どちらも「英語ができるだけ」では合格が難しい学校です。同志社国際なら抽象度の高いテーマを扱う英語エッセイ、立命館宇治のIBなら数学の英語試験など、コースによって対策すべきポイントが大きく異なります。今、お子様に足りないのは「語学力」なのか「論理的思考力」なのかを見極めることが、合格への最短距離となります

    志望校に合わせた試験形式の選択

    両校とも、入試形式が多岐にわたります。同志社国際ではA選考(語学資格重視)とB選考(小論文・科目試験)があり、多くの帰国生が英検準1級以上のスコアを武器にA選考での合格を目指します。一方、立命館宇治では、2026年度から入試方式の変更があり、最新の募集要項を細かくチェックすることが不可欠です。

    まずは、現時点での語学スコア(英検、TOEFL、SATなど)を確認し、どの方式が最もお子様の強みを活かせるかを検討しましょう。例えば、英検1級を保持していても、日本語での作文が苦手な場合は、英語小論文のみで受験できる枠を狙うのが得策です。

    同志社国際 試験科目(中高とも受験方式は同じ):

    A選考〈専願〉: 資格、書類審査、面接(保護者同伴・日本語)
    A選考〈併願〉: 作文、書類審査、面接(保護者同伴・日本語)
    B選考〈併願〉:教科試験(国語・算数および理科・社会・英語のいずれか3教科)各50分、各100点の合計点

    立命館宇治 試験科目 

    中学

    【IPコース】国際バカロレア・コース

    自己推薦:小論文(英語)、算数(英語)、個人面接(保護者1名同伴)
    一般:小論文(英語)、算数(英語)、個人面接(保護者1名同伴)

    【ICコース】国際教養コース

    自己推薦:標準テスト(国語・算数)、個人面接
    SA推薦:標準テスト(国語・算数)、個人面接

    一般(A日程): 4科目型→国語・算数・理科・社会 3科目型→国語・算数・理科
    内申型:国語・算数・理科・社会

    一般(B日程):国語・算数

    高校

    【IGコース】国際教養コース

    推薦A・B:小論文(英語)、数学(英語)、個人面接
    専願:国語、英語、数学、理科、個人面接

    【IMコース】海外大学進学コース

    推薦A:国語、英語、数学、個人面接(英語での面接を含む)
    専願:国語、英語、数学、個人面接(英語での面接を含む)


    【IBコース】国際バカロレアコース

    推薦A:小論文(英語)、数学(英語)、個人面接(保護者1名同伴)
    専願:小論文(英語)、数学(英語)、個人面接(保護者1名同伴)

    英語エッセイの対策

    同志社国際の英語エッセイは、単なる日常会話レベルではなく、社会的なトピックに対して自分の意見を論理的に展開する力が問われます。「なぜそのように考えるのか」という根拠を、具体的な事例とともに示す練習を繰り返すことが重要です。

    立命館宇治のIBコースを目指す場合は、課題文型の小論文が課されます。文章を読み解き、筆者の意図を把握した上で、自分の考えをアカデミックな表現でまとめる訓練が必要です。これらは独学での対策が難しいため、プロの添削を受けて「減点されない書き方」を身につけることをおすすめします。

    数学・算数の英語受験対策

    立命館宇治のIP/IBコース入試では、算数や数学を英語で解く試験が行われます。日本のカリキュラムとは解法や用語が異なるため、現地校で学んだ知識を「試験形式」に適応させる必要があります。「Equation(方程式)」や「Prime Number(素数)」といった用語を英語で正しく理解し、記述式の問題でプロセスをしっかり説明できる力を養いましょう。

    TCK Workshopによる専門的な個別指導

    TCK Workshopでは、同志社国際や立命館宇治の入試に精通した講師が、世界中のどこからでも受けられるオンライン個別指導を提供しています。

    1. 語学資格取得プログラム
      英検準1級・1級、TOEFL、SATのスコアアップを最短で目指します。入試で有利になる資格を早期に取得することで、直前期にエッセイ対策へ集中できる環境を作ります。
    2. 学校別エッセイ・小論文対策
      同志社国際の抽象テーマや、立命館宇治の課題文型対策など、志望校の傾向に合わせた添削指導を行います。自分の考えを「論理的」かつ「説得力のある」言葉で表現する力を鍛えます。
    3. 帰国後の学習フォロー
      合格はゴールではなくスタートです。入学後に日本語での授業についていけるか不安な方のために、国語や数学の日本語による先取り学習もサポートしています。

      お子様の現在の英語力や学習状況に合わせて、最適な受験戦略を一緒に考えてみませんか。TCK Workshopでは、無料教育相談を通じて、志望校合格に向けた具体的なアドバイスを提供しています。

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    ミスマッチを防ぐための学校見学

    最後に、一時帰国の際にはぜひ学校説明会やオープンキャンパスに足を運んでみてください。先生方の話し方、在校生の表情、カフェテリアの雰囲気など、ネットの情報だけでは分からない「肌感覚」が、お子様のモチベーションを大きく左右します。特に寮生活を検討されている場合は、寮の設備やルールについても直接確認することをおすすめします。

    合格の鍵は、お子様の特性と学校のカラーを正しくマッチングさせ、そこに向けて戦略的に準備をすることです。TCK Workshopは、その一歩一歩を全力でサポートいたします。

    まとめ

    同志社国際と立命館宇治、それぞれの違いと対策のポイントをまとめました。

    • 同志社国際は「自由」と「多様性」が魅力。帰国生が多数派の環境で、日本語サポートも充実している。
    • 立命館宇治は「日本らしい規律」と「高度な国際教育(IBなど)」の両立が特徴。部活動も非常に盛ん。
    • 学費は立命館宇治のIBコースを除けば大きな差はないが、諸経費や寄付金の有無を確認しておく必要がある。
    • 入試対策は、語学資格の早期取得に加え、志望校特有のエッセイや数学(英語)への専門的な対策が不可欠。
    • お子様が「どのような環境で輝けるか」を第一に考え、実力とのギャップを埋めるための学習プランを立てることが重要。

    参照

    同志社国際 学校データ
    立命館宇治 学校データ
    立命館宇治 募集要項