神奈川県内で帰国生やそのご家庭から絶大な支持を集める学校の一つに、県立横浜国際高等学校があります。2008年の開校以来、国際教育の先駆けとして歩んできた同校は、2019年には神奈川県内の公立高校として初めて国際バカロレア(IB)認定校となりました。海外での生活を経て日本での進学を考える際、せっかく身につけた英語力を維持したい、多様性を尊重する環境で学びたいと願うのは自然なことです。横浜国際高校は、まさにそうした期待に応えてくれる環境が整っています。

本記事では、横浜国際高校の教育カリキュラムや帰国生へのサポート体制、そして合格を勝ち取るための入試対策について、専門的な視点から詳しく解説します。

豊田先生

講師:豊田 鈴

TCK Workshop トッププロ講師。同志社大学グローバル地域文化学部卒業。 バイリンガル講師としては非常に珍しく、古文・漢文まで指導可能な「国・英のスペシャリスト」。 英語エッセイや志望理由書の添削はもちろん、帰国生が最も苦労する「日本語の古典」を分かりやすく解きほぐす指導に定評がある。
また、学習指導の枠を超えた「丁寧な学習相談・カウンセリング」も多くの保護者から絶賛されている。

    入試情報は変更される可能性があるため、出願前には必ず各校の公式サイトで最新の募集要項をご確認ください。

    横浜国際高校の基礎情報

    横浜国際高校は、横浜市南区の静かな高台に位置し、淡い水色とピンクの校舎が印象的な学校です。世界市民として自立し、国際社会のリーダーとして活躍する人材の育成を目標に掲げています。

    所在地やアクセスなどの基本情報を表にまとめました。

    項目内容
    所在地〒232-0066 神奈川県横浜市南区六ツ川1丁目731
    電話番号(045)721-1434
    アクセス京急弘明寺駅徒歩20分、またはバス利用で約13分。JR戸塚駅からバスで約31分
    生徒数各学年約185名、全校約550名(男女比およそ3対7)
    帰国生割合全校の約1割程度
    設置コース国際科 / 国際バカロレア(IB)コース
    入試制度海外帰国生徒特別募集、転編入学制度あり
    豊田先生

    横浜国際高校は、帰国生が全体の1割を占めており、多様な背景を持つ生徒たちが自然に溶け込める校風があります。自由な雰囲気の中でも、自律して学ぶ姿勢が求められる学校です。

    進化し続けるカリキュラムと探究学習の強み

    横浜国際高校の最大の特徴は、高度な英語教育と多彩な第二外国語、そして自分で問いを立てる探究学習にあります。かつては語学のスペシャリスト育成に重点を置いていましたが、現在は学力向上進学重点校エントリー校として、幅広い教養を持つジェネラリストの育成を目指しています。

    多彩な言語教育と理系への広がり

    国際科では、英語に加えてフランス語、スペイン語、ドイツ語、中国語、ハングル、そして公立高校では非常に珍しいアラビア語から一つを選択し、3年間で3つの言語を身につけることを目指せます。また、数年前からカリキュラムが見直され、2、3年次には理系科目の選択肢も増えました。これにより、従来の文系進路だけでなく、医学部や東京工業大学といった難関理系大学への進学実績も伸びてきています。

    自分で問いを立てる探究の時間

    同校では探究活動を教育の核としています。先生から与えられた問題を解くだけでなく、生徒自らが社会の課題や疑問を見つけ、解決策を模索します。この過程で培われる課題発見能力は、AI時代において非常に価値のあるスキルとなります。また、これらの活動実績は大学入試の総合型選抜においても強力な武器となり、実際に3割から4割の生徒がこの制度を利用して進学しています。

    国際バカロレア(IB)コースの特色と魅力

    横浜国際高校のIBコースでは、日本語と英語の両方で学ぶデュアル・ランゲージ・ディプロマ・プログラム(日本語DP)を採用しています。

    帰国生の強みを活かすEnglish Aの設置

    IBコースの大きな特徴は、英語を第二言語として学ぶEnglish Bだけでなく、英語を母語レベルで学ぶEnglish Aを選択できる点にあります。海外のインターナショナルスクールや現地校で高度なリテラシーを身につけてきた帰国生にとって、その力を落とすことなく、さらにアカデミックなレベルへと引き上げることができる環境は非常に貴重です。

    理系科目も充実したIBカリキュラム

    公立校のIBコースとしては珍しく、物理、化学、生物の3科目を上級レベル(HL)で学べる体制が整っています。理数系に強い興味を持つ生徒にとっても、IBのフレームワークの中で深く専門性を追求することが可能です。

    合格を勝ち取るための実践的アプローチ

    横浜国際高校の入試を突破するためには、単なる語学力だけでなく、思考の深さと表現力の両面を磨く必要があります。ここでは、具体的な対策のポイントを整理して解説します。

    豊田先生

    IBコースの独自検査や作文では、自分の考えを論理的に組み立てる力が試されます。普段からニュースや社会問題に対して、なぜそう思うのかという理由を考える習慣をつけておくと良いでしょう。

    海外帰国生徒特別募集の構造を理解する

    まず、国際科IBコースの入試形式を正確に把握しておくことが大切です。どちらのコースも、国語、数学、英語の学力検査に加え、日本語面接と日本語作文が課されます。IBコースを志望する場合は、これに加えて特色検査(自己表現検査)が行われる点が大きな違いです。

    学力検査については、神奈川県の一般入試と同じ問題が使用されます。記述式問題も含まれますが、マークシート形式が主流であるため、正確に文章を読み取るリテラシーを鍛えておくことが求められます。特に英語は、現地校出身者であっても文法問題や精読問題で取りこぼしがないよう、日本の公立入試の傾向に慣れておくと安心です。

    日本語作文と面接での自己表現

    日本語作文では、提示されたテーマに対して自分の経験や考えを論理的に述べる力が評価されます。帰国生にとって、日本語で抽象的な概念を説明するのは難しい場合もありますが、構成案(プロット)を立ててから書き始める練習を繰り返すことで、伝わりやすい文章になります。

    面接では、多様なバックグラウンドを持つ生徒が集まる校風の中で、自分がどのように貢献し、成長したいかを具体的に伝えることが期待されています。海外生活で得た独自の視点や、困難を乗り越えた経験などを整理しておくことで、説得力のある受け答えが可能になります。

    IBコース独自の英語ライティング対策

    IBコースの特色検査では、自分の考えを150語から200語程度の英語で記述する問題が出題されます。これは単に流暢な英語が書けるかどうかではなく、論理の一貫性や、根拠に基づいた主張ができているかがポイントとなります。

    IB(国際バカロレア)の教育理念にも通じる、問いを立てる力やクリティカルシンキング(批判的思考)が反映された解答を目指すことが望ましいです。パラグラフ・ライティングの形式を守り、トピックセンテンス、根拠、結論という構成を意識して、時間内に書き切る訓練を取り入れてみてください。

    理系進学を見据えた学習計画

    近年、横浜国際高校では理系進学者が増えているという背景があります。IBコースでも理科3科目がHLで開講されているため、入学後にこれらの高度な内容を英語や日本語で学ぶことになります。入試対策の段階から、数学や理科の基礎概念をしっかりと理解しておくことで、入学後の学習がよりスムーズに進むはずです。

    帰国生のフォロー体制と編入制度

    横浜国際高校は、入学後のサポートも手厚いことで知られています。

    日本語と教科の個別対応

    日本語に不安がある帰国生に対しては、国語、数学、社会、理科といった主要科目において、個別の日本語指導が行われる場合があります。1クラス5〜6名程度の少人数で対応し、生徒の習熟度に合わせて通常授業へ移行できるよう配慮されています。

    自由な校風と個性の尊重

    校則が厳しくなく、制服の代わりに標準服(ブレザー)があるのみで、普段は私服登校が可能です。髪型や服装についても個性が尊重されており、海外から戻ってきた生徒が違和感なく学校生活をスタートできる環境が整っています。

    転編入制度の活用

    海外からの帰国時期が合わない場合でも、転編入試験を受けるチャンスがあります。神奈川県教育委員会の転編入学情報センターを通じて相談することになりますが、横浜国際高校の帰国転編入試験は面接と作文が中心です。筆記試験がない分、これまでの学習の積み重ねや、同校で学びたいという強い意欲が重視されます。

    豊田先生

    編入試験は情報収集が合否を分けます。神奈川県特有の制度を正しく理解し、早めに準備を始めることで、希望の時期に合わせた復学や進学が実現しやすくなります。

    【関連記事】帰国子女の高校編入、どう対策するべき?条件や制度についても理解しよう!

    まとめ

    • 公立校初のIB認定校であり、日本語DP(デュアル・ランゲージ)により英語Aも選択可能。
    • 探究学習(SR・PR・DR)を重視しており、総合型選抜や海外大学進学に強い。
    • 帰国生入試は学力検査のほかに日本語作文・面接があり、IBコースは英語記述の特色検査が鍵となる。
    • 語学のスペシャリストだけでなく、近年は理系進路にも力を入れているジェネラリスト育成校である。

    TCK Workshopによる横浜国際高校対策

    TCK Workshopでは、横浜国際高校の入試特性を熟知したプロ講師が、お子様の状況に合わせたマンツーマン指導を行っています。

    IBコース特色検査(英語記述)対策

    150〜200語の制限時間内での論理的ライティングを徹底指導します。IBの評価基準を意識した構成力を養います。

    日本語作文・面接のブラッシュアップ

    海外生活で少し離れてしまった日本語の記述力を回復させ、入試で評価される構成力を身につけます。

    帰国転編入試験のサポート

    面接や作文といった、数値化しにくい試験科目の対策を、プロの視点で行います。

      合格への第一歩として、まずは無料教育相談でお子様の現在の実力と志望校のギャップを確認してみることをおすすめします。

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      参照

      神奈川県立横浜国際高等学校 公式サイト
      令和8年度(2026年度)神奈川県公立高等学校入学者選抜の概要(神奈川県教育委員会)