国際バカロレア(IBDP)の最終試験が近づくにつれ、多くの生徒が「残り数ヶ月でどこまでスコアを伸ばせるのか」という不安を抱え始めます。特に5月試験(May Exam)を目指す受験生にとって、1月から4月までの過ごし方は、最終的なディプロマ取得や大学合格に直結する非常に重要な期間です。

IBのスコアは、単なる知識量だけでなく、各科目の試験形式(ペーパー)に対する戦略的なアプローチと、徹底した時間管理によって大きく左右されます。現在の学習状況が思うように進んでいなくても、正しい手順で対策を行うことで、限られた時間の中で得点を最大化することは十分に可能です。

本記事では、最新のIB試験の傾向を踏まえ、直前3ヶ月でスコアを効率的に引き上げるための学習計画と、試験本番で実力を出し切るための攻略法について、TCK Workshopの知見をもとに詳しく解説します。

真下先生

講師:真下 太史

 TCK Workshop プレミアム講師。英国滞在歴20年以上。小・中・高から大学(King’s College London)、大学院(University College London)に至るまで、すべての教育課程をロンドンで修了した「英国教育のスペシャリスト」。 GCSE / A-Levels などの英国カリキュラム指導はもちろん、IB DP Biology等の理数科目、さらに英国大学への出願(UK University Application)サポートまで、現地の実体験に基づいた最高レベルの指導を提供する。

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    IB試験の最新傾向と目標スコアの設定

    真下先生

    最新の統計データを分析すると、科目ごとに「7を取りやすい層」と「苦戦しやすいポイント」が明確に見えてきます。自分の選択科目の傾向を把握し、現実的かつ挑戦的な目標スコアを設定することから対策を始めましょう。

    IBDP 2025年5月試験 全体統計

    統計項目 データ詳細
    世界全体平均スコア 30点台前半
    パスレート(合格率) 約80.0%
    評価形式の現状 本試験(External Assessment)重視の通常形式

    主要科目のグレード7取得率比較

    対象科目 レベル グレード7 取得率
    Physics(物理) HL 約19.0%
    Mathematics AA(数学AA) HL 約16.0%
    Biology(生物) HL 8.6%
    Mathematics AI(数学AI) SL 4.0%

    IBO(国際バカロレア機構)が公表している2025年5月試験の統計データによると、世界全体の平均スコアは30点台前半で推移しており、パスレート(合格率)は約8割となっています。コロナ禍の一時期は内部評価(IA)の比重が高まり、スコアが高めに出る傾向もありましたが、現在は本試験(External Assessment)の結果が重視される本来の形式に完全に戻っています。

    科目別の統計を見ると、例えば生物(Biology HL)では最高評価のグレード7を取得する割合が8.6%程度であるのに対し、物理(Physics HL)では19%近い生徒が7を取得しているなど、科目によって難易度や評価の傾向が異なることがわかります。また、数学(Mathematics AA HL)でも上位層の約16パーセントが7を取得していますが、数学が苦手な生徒が選びやすいAI SLでは7の取得率がちょうど4.0%というデータもあります。

    これらのデータは、単に科目が難しいかどうかだけでなく、受験生の層や試験対策の浸透度も示唆しています。目標とする大学が求めるスコアから逆算し、どの科目で何点を取るべきかという「スコアメイク」の視点を持つことが、直前期の学習において極めて重要です。

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    直前3ヶ月でスコアを最大化する具体的な学習戦略

    ここからは、最終試験で高得点を獲得するために欠かせない、具体的な対策ステップについて詳しくお伝えします。IBの最終スコアの約8割は最終試験の結果で決まるため、IAやTOK、EEなどの課題提出が一段落するこの時期からの集中力が勝負を分けます。

    基礎知識の穴埋めとインプットの再構築

    真下先生

    過去問を解き始める前に、まずは教科書やリビジョンガイドを使って知識の抜け漏れを確認しましょう。土台が不安定な状態で演習を繰り返しても、応用問題で点数が伸び悩んでしまうからです。

    本格的な試験対策の第一歩は、各科目のシラバス(学習範囲)に基づいた基礎の再確認です。学校の授業で配布されたスライドや教科書を読み直し、概念の理解が曖昧な箇所を特定しましょう。特にサイエンス系や数学の科目は、基礎的な定義や定理を正確に理解していないと、難易度の高い問題に対応できません。

    効率的な復習のためには、教科書を読むだけでなく、内容を自分の言葉で要約したり、マインドマップを作成したりして、アウトプットを意識したノート作りをすることをおすすめします。

    文字だけで理解しにくい部分は、教育系の動画コンテンツなどを活用し、視覚的にイメージを定着させることも有効な手段です。

    過去問演習とマークスキームの徹底活用

    基礎が固まったら、次に進むべきはパストペーパー(過去問)の演習です。IB試験には特有の問題形式や「コマンドワード(指示語)」が存在します。「Explain(説明せよ)」「Describe(記述せよ)」「Evaluate(評価せよ)」といった言葉が何を求めているのかを正確に理解しなければ、知識があっても得点に結びつきません。

    過去問を解く際は、必ずマークスキーム(採点基準)を手元に置き、自分の回答がなぜ正解なのか、あるいはなぜ減点されたのかを詳細に分析してください。IBの採点は非常に厳格であり、特定のキーワードが含まれていないだけで得点を失うことがあります。マークスキームを読むことで、採点官がどのようなポイントに加点しているのかという「加点ポイント」の感覚を養うことができます。

    真下先生

    過去問はただ解くだけでは意味がありません。間違えた問題が「知識不足」によるものか、それとも「問題形式への不慣れ」によるものかを切り分け、同じ間違いを繰り返さないための復習に時間をかけることが大切です。

    各ペーパーの配点比率に基づいた得点戦略

    IBの各科目には、複数のペーパー(試験)が設定されています。たとえば数学(AA HL)であればペーパー1から3まであり、それぞれ時間配分や配点比率(ウェイティング)が異なります。

    例:数学(Mathematics AA HL)試験構成と配点比率

    試験項目(Component) 試験形式 配点比率
    Paper 1 計算機使用不可 30%
    Paper 2 計算機使用必須 30%
    Paper 3 問題解決・探究型 20%
    Internal Assessment (IA) 探究レポート 20%

    戦略的にスコアを伸ばすためには、どのペーパーが自分の得意・不得意に合致しているか、そしてどのペーパーの配点が高いかを把握することが欠かせません。配点比率が高いペーパーで1点の上積みをすることは、全体のスコアを押し上げる上で非常に効率が良いからです。

    また、試験本番の環境を想定し、タイマーを使って制限時間内に解き切る練習も積み重ねましょう。特にHL科目の場合、2時間以上の長時間にわたる試験も珍しくありません。集中力を維持する体力や、解ける問題から確実に解いていくといった、実戦的なタイムマネジメント能力を磨くことが、本番でのスコア最大化に繋がります。

    まとめ

    IB最終試験までの残り3ヶ月は、これまでの努力を形にするための最も濃密な時間です。以下のポイントを意識して、日々の学習に取り組んでみてください。

    ・最新の統計データを確認し、自分の立ち位置と目標スコアを明確にする

    ・1月中に基礎知識の総復習を終わらせ、演習のための土台を作る

    ・過去問演習ではマークスキームを徹底的に読み込み、採点基準を把握する

    ・各ペーパーの配点比率(ウェイティング)を理解し、戦略的に得点を稼ぐ

    ・試験日程から逆算した計画を立て、2月から3月を演習のピークにする

    TCK WorkshopのIB対策

    もし、自分一人での学習計画に不安を感じたり、特定の科目の過去問解説が必要だと感じたりした場合は、外部のサポートを検討することも一つの有効な選択肢です。特に学校で試験対策(Exam Preparation)が十分に行われない場合、プロの講師による指導を受けることで、短期間で劇的にスコアが向上するケースも多くあります。

    TCK Workshopでは、IB試験を熟知した講師陣が、お子様の目標スコア達成に向けたオーダーメイドの個別指導を提供しています。

    まずは無料教育相談でお子様の現在のスコア状況を分析し、最適な対策プランを一緒に作成しましょう。

    残りの数ヶ月、体調管理に気を配りながら、ベストな状態で試験当日を迎えられるよう応援しています。

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