IBの文学授業の最終試験には、Paper 1とPaper 2の、二つの筆記試験があります。Paper 1は、初見の文学作品を分析してエッセイを書きあげることが求められ、Paper 2ではクラスで勉強していた文学作品ふたつを取り上げて、比較エッセイを書きます。
Paper 1では、初めて見る作品でも、きちんと作品内の大事な箇所を理解して、それらを指摘しながら詩の解説をしていけるスキルが試されます。(※試験の内容や細かいガイドラインは年度ごとに細かく変わっていくことがあるので、自分の学年度のシラバスや教科のガイドラインはしっかりと確認しておくようにしましょう!)
ここでは、IBの文学の授業全般で役に立つ、コメンタリー対策をご紹介します!
IB試験のコメンタリーとは?
SL(スタンダード・レベル)とHL(ハイアー・レベル)の違いは、基本的には試験にかける時間と書くエッセイの量です。SLのPaper 1試験は、1時間15分という時間の中で、エッセイをひとつ書き上げます。HLのPaper 1試験は、2時間15分かけてエッセイをふたつ仕上げます。
課題として与えられる文章はそれぞれ二つで、SLはその中からひとつ選んでエッセイを書く、という形になります。
分析の時のコツ
分析する文章が散文でも韻文でも、大切になってくるのが、以下のポイントにきちんと触れて、エッセイ全体にまとまりをつけていくことです。
- Purpose(目的)
- Content(内容)
- Tone・Mood(作品全体のトーン・ムード感)
- Stylistic device(文学的・修辞的技法)
- Structure(構成)
そして、常に下記のような質問を自分に投げかけながら、さらにエッセイを掘り下げて自分の考えをまとめていきます。
- 作者はなにについて語っているのか?
- 全体的なテーマは?
- 作者はなぜこのテーマを選んだのだろう?
- 他のテーマじゃダメだったのか?
このようにアイデアをまとめていくことで、構成を上手く練ることができます。また、作品が書かれた時代性を把握することが可能なら、それを考慮して分析を進めることも大切になってきます!
コメンタリーに深みを与える
初めて見る作品で、まず確認すべきは
- 登場人物
- テーマ
- プロット(内容)
です。
しかし、これについて書くだけでは、作品の表面をさらっと撫でるだけで終わってしまいます。ここで重要になってくるのが
その表面部分からどれだけ深掘りしていくか
というポイントです。
登場人物やテーマ、内容に対して、まず【どのように?】という質問を投げかけると、文学的技法の分析ができます。作者はどのようにして登場人物を描いているか?どのようにしてテーマを読者にわかりやすく届けているか?という疑問に答えることで、一歩深い分析になりますね!
さらに、【どのように?】の後に【なぜ?】という問いかけを加えれば、作者の意図や、それを受けて読者にどのような印象を与えるか、という点に触れることができます。
このように作品を掘り下げていくことで、充実したコメンタリーを作成することができます。
コメンタリーのアドバイス
最後に、もう少しだけコメンタリーにおけるアドバイスをご紹介します!
ひとつは、文中の言葉を用いることです。引用として文中から言葉を抜き出して、しっかりと作品を参照しながらコメンタリーを作ると、より説得力のある文章になってきます。
引用を使って自分の解釈の裏付けをする、というようなコメンタリーは必然的にポイントが高くついてくるので、IBの文学授業のコメンタリーで好成績を狙っているのなら、必ず文中の言葉を使っていきましょう!
また、コメンタリーの評価規準を確認すると、以下のポイントが重要視されていることがわかります。
- 理解と解釈
- 作者の文学的選択の分析
- 構成
- 言葉遣い(語彙力)
本番の試験でもこの点に特に注意して丁寧に分析を進めていくと、より成績の向上が期待できますね!
また、Paper 1のコメンタリーには、SL・HLともに”Guiding Question”があります。分析の手助けになってくれる質問で、これに関しては「この質問に沿うようなエッセイを求めているのだな」と少し意識しておくのがいいでしょう。
まとめ
いかがでしたか?
IBの文学の授業のコメンタリーは、日頃から文学の分析に慣れていることが一番の試験対策になってきます。文学、作者、時代背景、文学的技法などに対する知識・理解を日頃から深めていくことが大切なので、試験直前に課題作品を読み込むようなことは絶対にしたくありませんね。
しかし、”literary devices”や”analysis”と言っても、急には分かりませんよね。英語ネイティブの人でも、コツを掴むまでに時間がかかったりもします。その他にも、IBDPのカリキュラム全般に関する不安は拭えないかと思います。
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