2026年1月21日、TOEFL iBTは劇的な進化を遂げました。試験時間の大幅な短縮や、受験者の能力に合わせて問題が変化するアダプティブ方式の導入など、これまでの対策が通用しなくなるような根本的な変更が行われています。

帰国生入試や海外大学進学を目指す皆さんにとって、この変更がどのような影響を与えるのか、不安に感じている方も多いのではないでしょうか。そこで今回は、TCK Workshopの講師が実際に新形式のTOEFLを受験してきました。最新の試験を直接体験してわかったリアルな感想と、これからスコアを伸ばすための具体的なポイントを詳しく解説します。

産屋敷先生

講師:産屋敷二コラ
TCK Workshop 特別講師。カナダ生まれ、Capilano University(カナダ)、南山大学卒業。指導経験豊富なバイリンガル講師として、英検・TOEFL・IELTSなどの英語資格対策から、SAT/SSAT、IB French ab initioといった海外カリキュラムまで、幅広い言語教育と帰国生受験対策を専門とする。

    この記事は、TCKworkshop主催のウェビナーを基に作成しています。TCKworkshop公式Youtubeチャンネルでは、指導経験豊富な講師が実際の指導を通して蓄積した帰国生の受験、英語学習などについての情報をお伝えしておりますので、ぜひご覧ください。

    産屋敷先生

    実際に試験を受けてみて、まず驚いたのがスピード感です。以前のような長丁場の試験ではなくなりましたが、その分1問1問への集中力がより重要になっています。

    2026年最新のTOEFL新形式FASTとは

    産屋敷先生

    今回の改定のキーワードであるFASTは、単に試験が短くなっただけではなく、より正確に今の実力を測るための進化だと感じました。

    今回の改定のキーワードであるFASTは、以下の4つの要素の頭文字を取っています。

    要素意味詳細
    F (Fast)迅速試験結果が最短72時間以内に返却され、試験時間も約85分に短縮。
    A (Adaptive)適応受験者の正答率によって、次に出てくる問題の難易度が変わる方式。
    S (Simple)簡潔試験構成がシンプルになり、心理的なハードルが低くなった。
    T (Target)標的個々のレベルにターゲットを絞った正確なスコア測定が可能。

    特に注目すべきは、リーディングとリスニングに導入されたアダプティブ方式です。最初のモジュールでの正答率が、その後のスコアや問題の難易度を左右するため、序盤からミスを減らすことが高スコアへの鍵となります。一方で、基礎が固まっていない段階でも、自分に合ったレベルの問題で確実にスコアを積み上げられるようになったという側面もあります。

    セクション別の変化と講師の所感

    産屋敷先生

    多くの講師がこれは手強いと感じたのがスピーキングの新形式です。単なる英語力だけでなく、瞬間的な記憶力や情報処理能力が試されていると感じました。

    Reading

    リーディングセクションは、パッセージの長さが以前よりもコンパクトになりました。1つの文章につき5問程度の出題となり、SATの形式に近い印象を受けます。内容自体は従来通りのアカデミックなものですが、文章が短くなった分、読むストレスはかなり軽減されています。

    Listenning

    リスニングセクションも同様に、アダプティブ方式が採用されています。モジュール1の結果によって、モジュール2で出る問題が調整されます。大学のレクチャーなどは残っていますが、日常的なやり取りが減り、より効率的にアカデミックな聞き取り能力を測る構成になっています。

    Writing

    ライティングセクションでは、メール作成とディスカッション形式の問題が出題されます。特にメールは、与えられたブレットポイント(箇条書きの指示)に対して、いかに的確で簡潔な返信を書けるかが重要です。関係代名詞などで無理に文を長くするよりも、構造的にわかりやすく、伝わりやすい文章を書くことが評価に直結します。

    Speaking

    そして、最も変化が大きかったのがスピーキングです。新しく導入されたリッスンアンドリピート(聞いてそのまま繰り返す)形式は、ネイティブ講師でも自信満々で答えられた人はいないと言うほど、独特の難しさがあります。聞こえてきた英文を即座にコピーして発音する能力は、これまでのサマリー形式とは全く異なる脳の使い方が求められます。

    効率的なスコアアップを実現するための戦略

    産屋敷先生

    新形式は対策がしやすい試験になったとも言えます。セクションが細分化されたことで、自分の苦手な部分をピンポイントで強化する計画が立てやすくなりました。

    新形式のTOEFLで目標スコアを達成するためには、以下の4つの戦略を意識することをおすすめします。

    アダプティブ方式への対応とモジュール1の重要性

    産屋敷先生

    最初のモジュールでいかに正確に答えるかが、最終的なスコアの天井を決めると感じました。まずは標準的な問題を確実に正解する力をつけましょう。

    アダプティブ方式では、最初のモジュール1で高い正答率を出すことで、より高いスコア帯を目指せる難易度の高いモジュール2へと進むことができます。そのため、基礎的な語彙力や文法力を固め、序盤の比較的易しい問題で取りこぼしをしない訓練が不可欠です。

    逆に、モジュール1でつまずいてしまうと、どれだけモジュール2を完璧にこなしても、高スコアに届かない仕組みになっています。まずは英検準1級レベルの基礎を固め、落ち着いてモジュール1に臨めるように準備を進めるのが良いでしょう。

    アカデミックな背景知識と教養の習得

    産屋敷先生

    リーディングパッセージの内容は、英語力というよりも背景知識があるかどうかで理解度が大きく変わります。理系・文系問わず幅広い読書が効果的です。

    リーディングやリスニングの文章が短くなったとはいえ、扱われるテーマは歴史、科学、芸術など多岐にわたります。講師が実際に受験した際も、文化的なトピックや科学的な発見に関するパッセージが出題されました。これらは、現地校やインターナショナルスクールのGrade 5からGrade 10程度までの理科や社会の授業で扱う内容と密接に関係しています。

    英語そのものの勉強だけでなく、これらの分野の教養を深めておくことが、内容の推測を助け、結果として解答スピードを上げることにつながります。特に専門用語に慣れておくことは、新形式の短いパッセージを素早く正確に読み解く上で非常に有効です。

    スピーキングの新形式リッスンアンドリピート対策

    産屋敷先生

    この問題はもはやスポーツに近い感覚です。完璧を目指して沈黙するよりも、聞こえた部分をリズム良く発音し続ける粘り強さが必要です。

    リッスンアンドリピートは非常に難易度が高いですが、対策の余地はあります。聞こえてきた英文を一時的に記憶し、即座に再現する訓練として、リプロダクションやシャドーイングを日々のルーティンに取り入れることをおすすめします。最初は2〜3語の短いフレーズから始め、徐々に文を長くしていく練習が効果的です。本番では、たとえ全文が思い出せなくても、聞こえたキーワードやフレーズを繋げて発音し、部分点を狙う姿勢が重要になります。

    ライティングにおける簡潔で論理的な文章構成

    産屋敷先生

    メール形式の問題では、相手に配慮しつつも結論から述べる実用的なライティングが求められます。複雑な構文を無理に使う必要はありません。

    メール作成問題では、指示された3つのポイントを過不足なく盛り込むことが求められます。ここでのコツは、一文を長くしすぎないことです。接続詞や関係代名詞で文を繋ぎすぎると、論理構造が不明瞭になり、減点の対象になりやすいです。短くクリアな文章を積み重ね、相手が一読して意図を理解できる構成を目指しましょう。

    また、ディスカッション形式の問題では、従来通り自分の意見を論理的に展開する力が必要です。テンプレートを活用しつつも自分の言葉で具体例を挙げられるように練習することが推奨されます。

    【関連記事】TOEFLの変更点への対策について詳しく知りたい方はこちらもご覧ください。

    自宅受験(ホームエディション)の注意点と会場受験の推奨

    産屋敷先生

    自宅受験はリラックスできると思われがちですが、実際には技術的なトラブルや厳格なルールによるストレスが想像以上に大きいです。私たちは強く会場受験をおすすめします。

    今回の講師による受験では、自宅で受けるホームエディションも試しましたが、その過程は非常に困難なものでした。事前のセッティングでは、部屋の壁に何も貼ってはいけない、耳が常に見えていなければならない、カメラの配置を細かく指定されるなど、物理的な準備だけで多大な労力を要します。

    さらに深刻なのがシステムトラブルです。試験中に画面がフリーズしたり、突然シャットダウンしたりすることがあり、その際のプロクター(試験監督)とのやり取りは全て英語で行わなければなりません。講師が実際に体験した際も、15分以上放置されるケースや、同じルームチェックを何度もやり直させられるケースがありました。このような環境下で本来の実力を発揮するのは非常に難しいため、特別な事情がない限りは、設備の整った試験会場での受験を選択するのが最も確実だと言えます。

    まとめ

    TOEFL iBTの新形式は、以下のポイントを押さえることで攻略の道筋が見えてきます。

    • 2026年1月からの新形式FASTにより、試験時間が短縮され、アダプティブ方式が導入された
    • リーディングはコンパクトになり、ライティングは実用的なメール形式が追加された
    • スピーキングのリッスンアンドリピートは、音の再現訓練が不可欠な難関セクションである
    • アカデミックな背景知識を身につけることが、リーディングとリスニングの得点源になる
    • システムトラブルを避けるため、自宅受験よりも会場受験を選択するのが賢明である

    TCK Workshopの新形式TOEFL対策春期講習

    TCK Workshopでは、この新形式に完全対応した『New TOEFL Kickstart 4days』という4日間の特別講座を開講しています。この講座では、実際に新形式を受験したプロ講師が、リーディングからスピーキングまで全てのセクションの体験を通じ、最新の攻略法を伝授します。

    対象別に2つのコースを設けており、1つ目は広尾学園や広尾学園小石川のインターナショナルコース(AG)を目指す生徒さんのための特別編です。これらの学校ではTOEFL 90点以上で英語試験が免除される特典があり、その基準を突破するためのコツを短期間で習得できます。

    2つ目は、大学入試でスコアを活用したい高校生向けのコースです。従来の試験よりもスコアアップがしやすいと言われる新形式のメリットを最大限に活かす指導を行います。

    講師全員が2026年2月以降に実際に受験し、研究を重ねた内容を提供しているため、安心して対策を任せていただけます。

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    TCK Workshopでは、今回受験した講師陣がその経験を活かし、新形式に特化した個別指導も提供しています。まずは無料教育相談にて、お子様の現在のレベルに合わせた最適な学習プランをご提案させていただきます。体験授業で、新形式TOEFLに特化した指導を体験してみることをおすすめします。

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