海外での生活の中で、急な本帰国が決まったり、あらかじめ駐在期間が終わる時期が見えてきたりした際、真っ先に頭に浮かぶのがお子さんの編入先の学校選びではないでしょうか。中学編入試験は、一般的な中学受験とは異なり、欠員募集という形で行われることが多いため、情報収集や対策の立て方が非常に特殊です。

本記事では、中学編入を検討されているご家庭に向けて、失敗しない学校の選び方や科目別の具体的な対策方法、そして合格から逆算した理想的なタイムラインを詳しく解説します。慣れない環境での受験準備は大変なことも多いですが、今のうちから正しい知識を蓄えておくことで、お子様の個性を最大限に活かせる学校選びが可能になります。

豊田先生
学習相談員

講師:豊田 鈴

TCK Workshopでトッププロ講師として指導と教育相談を担当しております。幼少期の3年間をアメリカで過ごし、帰国後は日本カリキュラムで学んできました。
講師として、日本カリキュラムの国語と英語、算数・中学数学や、志望校別の英語エッセイ・日本語作文、志望理由書、面接対策を担当しております。またHistory系の科目のサポートをさせていただくこともあります。
これまでの学習や指導の経験を活かし、皆さまの現状をふまえた最適な提案をさせていただきます!些細なことでもかまいません。どうぞお気軽にご相談くださいませ!

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    中学編入先の選び方と判断基準

    豊田先生

    編入試験は募集人数や時期が不安定だからこそ、まずは学校が求めている生徒像と、お子様の現在の強みがマッチしているかを見極めることから始めましょう。

    中学編入を目指す際、まず基準にしたいのが試験内容のタイプです。大きく分けて、国語・算数・英語の3科目型と、英語エッセイ・日本語作文などの2科目型に分かれます。これに加えて、帰国生編入の場合はほとんどの学校で面接が実施されます。

    学校選びでは、単に偏差値を見るだけでなく、帰国後の学習環境がどのようになっているかを確認することが重要です。例えば、授業の多くを英語で行うイマージョン教育を取り入れている学校もあれば、日本のカリキュラムに沿ってしっかりと土台を固める学校もあります。進学実績についても、海外大学への進学に強いのか、あるいは国内の難関大学への合格実績が豊富なのか、お子様の将来のゴールを見据えた指標を持つようにしましょう。

    さらに、文部科学省から認定を受けているスーパーグローバルハイスクールや国際バカロレア(IB)認定校、スーパーサイエンスハイスクールなどの特色も判断材料になります。実際の校風や学校行事などは、ホームページの確認だけでなく、可能であれば一時帰国の際に見学へ行くことをおすすめします。

    中学編入の主な候補校カテゴリー

    区分学校名の例
    関東エリア渋谷教育学園渋谷 / 広学園 / 慶應義塾湘南藤沢(SFC) / 三田国際 / かえつ有明 / 聖学院
    関西エリア関西学院千里国際 / サレジアン国際 / 同志社国際 / 立命館宇治
    TCK Workshop合格実績広尾学園 / 渋谷教育学園渋谷 / 三田国際 / かえつ有明 / 開智日本橋(旧・日本橋女学館)

    科目別の中学編入試験対策

    豊田先生

    編入試験は「欠員補充」の意味合いが強いため、学校側は即戦力として授業についていける学力があるかを厳しくチェックしています。各科目の基礎を疎かにしないことが大切です。

    ここでは、具体的な科目別の対策方法について詳しく解説します。編入試験は学校ごとに傾向が大きく異なるため、志望校に合わせたアプローチが必要です。

    3科目受験における英語・数学・国語のポイント

    3科目型を採用している学校では、日本の検定教科書レベルの基礎学力が備わっているかどうかが問われます。

    英語の対策については、学校のカリキュラムによって難易度が劇的に変わります。日本式の英文法を中心に出題する学校もあれば、国際クラスのようにハイレベルな読解力を求める学校もあります。例えば広学園のAGコースのように、トフル90点以上で英語試験が免除されるようなケースもあるため、英語資格の取得は早めに進めておくのが良いでしょう。

    数学(算数)に関しては、一貫して日本のカリキュラムベースで出題されます。私立の中高一貫校は進度が速いため、中2の編入試験であっても、実質的には中3の内容までカバーしておく必要があります。特に海外の学校に通っている場合、日本の数学の解法や用語に慣れていないことがあるため、体系数学などの教材を用いて日本の進度に追いつくための学習が欠かせません。

    国語は、漢字や語句といった知識事項と、論理的な読解力が求められます。海外生活が長いと漢字の習得が遅れがちですが、こればかりは日々の積み重ねが必要です。もし国語の記述が極端に苦手な場合は、作文を重視する2科目型の学校を併願校として検討するのも一つの方法です。

    2科目受験とエッセイ・作文の攻略法

    2科目型(英語エッセイ・日本語作文)の試験は、文章を通じて自分の考えを論理的に伝える力が求められます東京学芸大学附属国際中等教育学校などの人気校で多く見られる形式です。

    英語エッセイでは、短い課題文を読んでから自分の意見を述べるタイプや、特定のトピックに対して自由に記述するタイプがあります。大切なのは、パラグラフ・ライティングの構成を完璧にマスターしておくことです。採点者が一度読んで内容が理解できるような、クリアで論理的な構成を目指しましょう。また、社会的なトピックや時事問題が出題されることもあるため、日頃から英語のニュースに触れる習慣をつけておくと安心です。

    日本語作文では、提示されたテーマに対して自分の海外経験を具体的に盛り込んで書くことが求められます。抽象的な問いに対して抽象的な言葉で返してしまうと、評価に繋がりづらくなります。自分の具体的なエピソードを交えながら、多角的な視点で意見を展開する練習をしましょう。この際、自分の考え、理由、具体例、結論の順で構成するOREOなどのフレームワークを意識することをおすすめします。

    学校成績と書類審査の重要性

    編入試験では、当日の筆記試験だけでなく、現在在籍している海外の学校での成績表が非常に重視されます。特に2科目型の学校や難関校では、学業成績が一定の基準に達していないと合格が難しくなるケースもあります。試験対策に集中するあまり、現地の学校の成績を落としてしまわないよう注意が必要です。日頃の小テストやプロジェクト課題にも全力で取り組み、良好な成績を維持する努力を続けましょう。

    志望校のレベルと試験内容の傾向

    難易度グループ特徴・傾向該当する学校の例
    難関・人気校高い学力と英語力の両方が必須。英語はTOEFL高得点レベルが目安。渋谷教育学園渋谷、広学園(AGコース)、東京学芸大学附属国際
    中堅・特殊校帰国生の理解が深く、日本のカリキュラムにも一定の配慮がある。聖学院、三田国際、日本橋女学館、かえつ有明
    併願校英語力を重視し、国数については帰国生の状況を考慮してくれる。文化学園大学杉並、目白研心、啓明学園、東方女子

    中学編入試験の科目別特徴まとめ

    英語:資格試験の早期取得が鍵

    志望校のレベル(一般クラスか国際クラスか)に応じた対策が欠かせません。英検やTOEFLなどの資格を早めに取得しておくと、試験免除や加点の対象になるケースが多く、受験を有利に進めることができます。

    数学:日本のカリキュラムへのキャッチアップ

    私立中高一貫校は学習進度が非常に速いため、日本の教科書に沿った対策を急ぎましょう。現在の学年よりも先の範囲を先取りしておくことで、入学後の授業にもスムーズについていけるようになります。

    国語:基礎知識と論理的な読解力

    漢字や語句といった知識事項の基礎固めは毎日コツコツ続けたいポイントです。海外生活で不足しがちな論理的読解力を養い、日本語で正しく理解し、表現する力を磨いていきましょう。

    作文:経験を言語化するフレームワークの活用

    海外での貴重な経験を、自分の言葉で具体的に伝える練習を繰り返します。論理的な構成を作るには、OREO(意見・理由・具体例・結論)などのフレームワークを活用して書く習慣をつけるのが有効です。

    合格から逆算した理想的な対策タイムライン

    豊田先生

    準備期間は長ければ長いほど良いですが、少なくとも1年前から動き出すことで、英語資格の取得や苦手科目の克服に余裕を持って取り組めます

    編入試験に向けた準備は、帰国のタイミングに合わせて柔軟に組み立てる必要があります。ここでは、9月編入を想定した標準的なスケジュールをご紹介します。

    1年前から半年前:リサーチと基礎力の底上げ

    まずは志望校の候補をいくつかピックアップし、学校ごとの試験科目を調べましょうこの時期は英語資格の取得に注力することをおすすめします。英検やTOEFLのスコアを持っておくことで、自分の英語力を客観的に把握できるだけでなく、出願時の大きな武器になります。

    また、国語や数学(算数)の基礎学習もこの時期からスタートさせます。海外にいると日本の学習進度が見えにくいため、市販のドリルなどを活用して、自分の学力と志望校が求めるレベルとのギャップを確認しておきましょう。

    半年前から3ヶ月前:苦手分野の克服と演習

    各学校の募集要項が公開され始める時期です。学校によっては個別に対応してくれることもあるため、早めに問い合わせを行うのが良いでしょう。この時期は、数学の図形や国語の記述など、自分が苦手とする分野に集中して取り組みます。

    また、志望校の過去問や類似問題を用いた演習を開始します。中学編入試験は過去問の公開が限られていることも多いため、似た傾向を持つ学校の問題を解くことも効果的な練習になります。

    3ヶ月前から直前:実戦演習と面接の準備

    いよいよ仕上げの時期です。時間配分を意識しながら演習を繰り返し、本番の形式に慣れていきます。同時に、面接の対策も本格化させましょう。面接では「なぜこの学校を選んだのか」「海外での経験をどう活かしたいか」といった質問が定番です。自分の考えを自分の言葉でハキハキと話せるよう、模擬面接などを通じて練習を重ねることをおすすめします。

    一人ひとりに寄り添った中学編入対策を一緒に考えませんか?

    編入試験は準備が特殊な分、早めのアクションが合否を分けます。TCK Workshopの無料学習相談では、お子様の現状に合わせた最適な編入対策プランを個別にご提案しています。海外にいながらでも、今の実力と志望校のギャップを埋める具体的なステップをプロと一緒に確認し、自信を持って試験に臨める準備を始めましょう

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    まとめ

    中学編入試験を確実に成功へ導くために、あらかじめ押さえておきたい重要ポイントをあらためて整理しました。お子様が自信を持って新しい環境へ踏み出せるよう、今できることから一つずつ準備を始めていきましょう。

    ・試験科目(3科目型か2科目型か)を早めに確認し、対策を絞り込む。 

    ・数学は日本のカリキュラム進度を確認し、先取り学習を含めて対応する。 

    ・英語エッセイや日本語作文は、型を意識して自分の経験を言語化する。 

    ・海外での学校成績(GPA)を維持し、書類審査での評価を高める。 

    ・1年前から計画的に学習を進め、英語資格などの武器を揃えておく。

    参照

    東京学芸大学附属国際中等教育学校 募集要項 PDF (公式)

    この記事は、こちらのウェビナーを基に作成しています。TCK Workshop主催のウェビナーでは、指導経験豊富な講師が実際の指導を通して蓄積した帰国生の受験、英語学習などについての情報を、それぞれの時期に合わせて毎週お伝えしておりますので、ぜひご覧ください。

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