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指導を通して感じた想いやお役立ち情報を皆様にお届け致します。

はじめに

この記事を書いた人
岡留 智史 TCK Workshop プレミアム講師

大学生時代から始めた家庭教師が天職だと感じ、国内の受験指導に加えてインターナショナルスクールに通うお子様の理数専門家庭教師として十数年に渡り指導を続けている。

  • 漢字の読み書きはどれくらいできていればいいの?
  • 英語はどれくらいできていればいいの?

というご相談はよく頂きますが「計算力ってどれくらい身についていればいいの?」という質問はあまり頂きません。

漢字も英語もゴールがないように、計算力だってゴールはありません。漢字と英語と同じくらい計算力は人生にとって重要なスキルだと私は考えています。

計算ドリルを使って頑張って計算練習を続けている多くの学生は小学生で、中学生になってからは学校の勉強をして自然と計算力が身につくからといった理由で計算の練習自体はあまりしていないようです。

また、計算練習のような単調な反復練習を子供が嫌がりだすのも中学校に入ってから。

嫌なら辞めればいいと、ほとんどの人は計算練習をすることを止めます。確かに数学を勉強していれば計算練習も兼ねているので大きな問題はないとは思います。ですが、多くの学生が計算力が仇になって希望の大学にいけなかった、なんて話は数えきれないほどいるわけです。

どこで差が生まれてしまうんでしょう。

中学数学での基礎計算力が命運を分ける!

小さい頃から公文やソロバンや塾や家庭教師をつけているかどうか。

確かにこれらを小さい頃からしている人で計算得意な人が多いのは事実です。ちなみに、私は公文もソロバンも家庭教師も小学校の間は経験していません。

持論ですが、「大学入試時にどうなっているか」という観点だけで言うならば「中学数学」もしくは海外であれば「Algebra & Geometry」を、どれだけ根詰めて勉強したかが決定打だと考えています。

小学生の間に身につけられる計算力は、中学校になってからでも十分に間に合います。むしろ中学校から習う「方程式」をどれだけ理解して上手に扱えるかが重要で、この過程で1,2年かけて人並みの計算力を身につけていくわけです。これが上手くできる人はたいがい大学入試時に数学で嫌な苦労はしません。

中学校の数学のベースがありその上にその先の数学の学習が成り立っているわけですから、ここがボロボロだとそれ以降は当然できるようにはなりません。

最低限必要な計算力は身につけた上で電卓を使おう!

海外であれば、中学生の頃から電卓を使用することを前提に問題が作られている(←これが問題なんです。なぜ高校からにしないのか…納得のいく説明に出会ったことはありません。)ため、多くのお子様は「計算は時間の無駄」「計算は最低限できれば良い」と感じることでしょう。

何より親が大人になって「計算力は別に大してなくても苦労しない」と実感しているからこそ、子供に計算練習をさせても…と思いがちで、「好きなら続ければ?それより英語勉強してよ」という冷めた目で見ていないでしょうか。

どこでどんな職業につくかにもよりますが、英語より数字に強いことが求められることは少なくありません。ずば抜けた暗算力や計算センスを磨くんだ!と言いたいのではなく「最低限の計算力は数学が嫌いだろうが苦手だろうが身に着けておこうよ」という話です。

  • 17+19が暗算でできない
  • 9×12が暗算でできない
  • 0.1×100が電卓が無いとわからない
  • ½ +⅓ が暗算でできない
  • ½ +⅓ が暗算でできない

こんなレベルのことを言っているのです。

目標から逆算してやるべきことを考えよう!

「いやぁ、これは私もできないよ。」っていうお母さんお父さんもいらっしゃいます。大人はいいんです。(あまり使いたくない言葉ですが。)勉強が本業であり「大学に行きたい!」と言っている高校生が上記のような簡単な計算がすぐできないのは問題ですよね。

でも実際に指導していると、小学生ではなく、高校生ができていないんです。現地校やインターに通っている学生でできない人はたくさんにいます。普通にいるので、今では何も驚くことではないんですが…

当然ですが、このような学生はSAT Mathの準備の時に相当苦労します。

私が日本の受験生を指導していた時、大学生になろうという意思のある高校3年生は偏差値40-50の生徒でも多少遅くても上のような計算が覚束ない人には出会ったことはありませんでした。

海外のカリキュラムで数学を教え始めてからはこの常識は覆りました。

これらができない高校3年生に幾度となく出会ってきました。もちろん、ゴリゴリに特訓してできるようになってもらいました。誰もができるようになるんです。というより、これくらいはできないとSAT Mathですら危うい。

彼らを責めるつもりはないのですが、やはり子育てっていう視点で考えると色々考えてしまいますよね。うまーくやり過ごせば本当に分数の計算できないまま高校3年生くらいにはなれちゃうんです。SATやACTで痛い目には会うわけですがスコアが悪くてもいける大学はいくらでもあるわけですから、確かに青ざめるほどの問題でもないのかもしれません。

計算が苦手だから頭が悪い、ということは絶対にありません。そんなことではなく、特にアメリカのように計算をしなくて良い環境とカリキュラムの編成が子供にとって望ましいかどうかということです。

ただ、海外どこでも通用するくらいの数学の能力がある子達がアメリカにも大勢いることも事実。理解のある親御様のほとんどが家庭教師などをつけて学校とは別で算数や数学を学ばせていることを見ればやはり学校だけの勉強では目指している目標には届かない、といった暗黙の了解があるようです。

そう、目標が高い場合は絶対に。

「日本の数学は考える力が身につかない」などと言う人たちに物申す。

ここからは毒舌でいきますが…

「日本の数学はクレイジーだ。ロボットのように反復練習をしているだけで、考える力や思考力は彼らにはない。もっと海外みたいにクリエイティブで自分で探求心や考える力を身に付けないと」なんて言う生徒や親もたまにいますが、私からすると「ふざけるな」です。

他の国で小学生があたりまえにできるような計算も覚束ない人は、これまでにそうなるくらいの努力しかできなかった人間で、理数における探求心や自分で考える力や創造力も大したことないんです。

また、海外の数学では計算よりも途中過程を説明するExplainとかWhy...とかShow that...などといった問題が多いわけですが計算ができない代わりにこういった能力に高いのか?というと、計算できない生徒はこういった問題もできません。

過去に1000名近くと算数や数学の学習をお手伝いしていますが、計算力が著しく低いけど数学や理科で自分の考えを説明したり表現することが逆にとても長けている、といったパターンは0です。(他の科目や能力に秀でているというのはよくあります。ここでは数学に限った話です。)

一つ一つの過程を理解し説明する練習は計算練習で身につくんです。ですから、Explainといった問題も結局計算力がないとできないんです。

「海外では過程を説明する力を重視していて細かい計算ができるできないは関係ない」と言う人いませんか?どこの誰が言い出したのかわかりませんが、これは私は完全に否定しています。数学は全世界共通です。海外でも計算力が一定以上あることが前提で答の正確性だけでなくそれ以外の評価軸をもっているのです。

日本でも同じです。特に日本の大学入試で記述式の数学問題は、答えが正確であることが最重要なのに加えて、記述もかなり高いレベルを求められますし、難関校であれば何より問題が(これはクレイジーと言われてもしょうがないと思うくらい)難しいです。

海外で学んだ生徒も日本で学んだ生徒も思考力の高い人間はやはり皆一定の計算力を備えているといえます。優秀な生徒様も多く見てきましたが、先に挙げたような計算は瞬殺です。

計算力は努力と学習習慣の賜物なので数学が得意苦手とは別の問題です。やったらやった分だけ絶対にできるようになる、学習の中の達成難易度は最も低層の部分で誰もができるようになるものなんです。

そう。だから計算は最低でも小数、分数、そして(超)簡単な方程式は暗算でもできるくらいの計算能力が最低限身に着けて欲しいと思います。

海外で中学校数学をさぼると、小学校の時は気にならなかった計算力も驚くほどに錆びつきます。そして、前述の、

  • 17+19が暗算でできない
  • 9×12が暗算でできない
  • 0.1×100が電卓が無いとわからない
  • ½ +⅓ が暗算でできない
  • ½ +⅓ が暗算でできない

になります。

海外現地校やインターで中学校の数学がやたらゆったりだなー…と感じている場合は黄色信号です。アメリカのカリキュラムはHonorsやAPでも取っていない限りは高2までゆったりでレベルは決して高くありません。気づけば手遅れってなる作りです。(それに比べてIGCSEは日本に近しいレベルだったり学年ごとの難易度の傾斜が上手に作られています)

大学準備見据えて中学の間は数学に力入れることは後々何倍になって返ってくるくらい価値のあることであると思います。

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