はじめに:SATとは

「うちの子、英語は得意なはずなのに、SATの英語だけスコアが伸びないんです…」
海外で育った、あるいはインターナショナルスクールに通っている生徒を持つ保護者の方から、よくいただくお悩みです。
英語環境で生活してきたからこそ、「読めるはず」「できるはず」と思っていたSAT英語で、予想以上の苦戦を強いられる——実はこれ、珍しいことではありません。
この記事では、なぜ帰国子女や英語バイリンガルの子たちがSAT Englishでスコアが伸び悩むのか、その原因と具体的な対策方法を、指導現場での実例を交えながら分かりやすく解説します。
SAT Englishが伸びない3つの主な原因
早速、帰国子女や英語バイリンガルの子たちがSAT Englishでスコアが伸び悩むのか、その原因と具体的な対策方法を解説していきます。
原因①:文脈を論理的に読む練習が不足している
SATのReadingセクションでは、ただ単語が分かっていても、ただ流し読みしても、正解にはたどり着きません。
実際、TOEFLで100点以上を取れるような生徒でも、SAT Readingには苦戦することがあります。その理由は、SATが単なる英語力を超えて、論理的な読解力、批判的思考力、いわば“国語的な力”を問う試験だからです。
問われているのは、「なぜこの選択肢が正しくて、他の選択肢は間違っているのか」を説明できる“論理的根拠”です。ただの言い換え問題ではなく、構造の理解、文脈の把握、筆者の主張と論調を精密に読み取る必要があります。
つまり、学校の読書やリーディングと違って、SATではすべての設問に対して「正解する根拠」を明示できなければなりません。
原因②:「なんとなく」読む癖が抜けていない
バイリンガルの生徒、そして英語を第二言語として学んできた日本人学生によくあるのが、意味は何となく分かるけれど、細部まで読み込む習慣がないというケース。
「たぶんこういう意味だろう」で答える癖が抜けず、選択肢の“微妙な違い”に対応できずに失点してしまいます。
特に選択肢が全部正しそうに見える「主旨問題」「語彙文脈判断問題」などで差がつきます。さらに、アカデミックなリーディングに慣れていない生徒にとっては、「論理的に読む」ということ自体が難しく感じられることもあります。
「読書は大好きで、たくさん読んでます」という生徒の多くが好んで読んでいるのは小説や物語系の作品です。もちろんそれも素晴らしい経験ですが、SATで求められるのは「アカデミックな文章を、構造的に、批判的に読む力」。つまり、読書が好き=読解力が高いとは限らないのです。
文学的な読解やストーリー中心の読み物とは異なり、SATでは事実・意見・論証の区別や因果関係の理解、筆者の意図を見抜く力が求められます。
要は、「SATはSATのための勉強をちゃんとする必要がある」ということなのです。
原因③:語彙力の深さと精度が足りない
SATでは“precise”(正確)な理解が求められます。
たとえば、「support」という単語一つ取っても、「同意する」「証拠を示す」「好意的に描写する」など、文脈に応じて多彩に意味が変化します。
こうした“使われ方のニュアンス”を把握する語彙力は、日常英語ではなかなか鍛えられません。そもそもSATの語彙は、高校3年生までに受ける英語試験の中でも最難関レベルとされています。
つまり、“自然に身につく”なんて考えは甘い。やるしかないんです。つべこべ言わずに、とにかく毎日反復。筋トレと同じで、今日覚えたものは明日もやる、明後日もやる、を繰り返して、ようやく定着していきます。
根性論に聞こえるかもしれませんが、語彙に関しては本当に“やったもん勝ち”。ここに近道はありません。
SAT English対策の実際のご相談事例

英語が得意なはずの娘が、Readingで足踏み(香港・高校2年)
「英検1級も持ってるのに、SATのReadingは正答率が6割前後で頭打ち」というお母様の声。過去問を一緒に解いてみると、「読みの目的があいまい」「選択肢を“なんとなく雰囲気”で選んでいる」ことが明らかに。本文の構成を意識すること、設問ごとに根拠のある読み方を訓練することで、2ヶ月で正答率が7割台へと上昇。

語彙力はあるが、設問のパターンに慣れていない(アメリカ・高校3年)
読解スピードも速く、語彙レベルも高かったが、SAT独特の設問構成(“Which choice provides the best evidence for the previous question?”など)に苦戦。
設問構成のパターンを徹底的に分析し、タイプ別に「読み方の手順」を定着させる演習を行った結果、Readingセクションで100点以上アップ。
SAT English対策の解決策:読み方と考え方の「型」を身につける
- 読解のステップを明確にする
SAT Englishでは、「まず何を読んで、何に注目して、どこから解くか」という順序が大切です。そして、さらに大切なのが「どんなトピックが出題されるのか」を事前に知っておくことです。
たとえば、SAT Readingでは、出題される文章のジャンルも多様ですが、それと同じくらい重要なのが「設問の種類」を把握することです。
Vocabulary in Context(文脈語彙)、Literal Comprehension(字義的理解)、The Big Picture(筆者の主張や目的)、Paired Questions(エビデンスを探す設問)など、設問形式にはある程度のパターンがあります。
このような出題パターンに慣れておくことで、読むべき箇所や注目すべき表現が自然と見えてくるようになります。
背景知識や文脈の理解に加え、「どんな種類の問いが出るのか」を事前に知っておくことも、スコア向上の近道です。
- 設問を先に読む(設問のタイプを把握)
- 該当箇所を正確に読む(エビデンスを探す)
- 選択肢をひとつずつ消去法で吟味
この「読み方の型」を習慣にすることで、迷いが減り、スピードも正確さもアップします。
- 語彙は“意味”より“使い方”を覚える
単語を覚えるとき、「この単語はこういう意味」だけで終わっていませんか?
SATでは、「どのような文脈で使われるか」が問われます。Quizletなどのツールを使って、例文とセットで覚える、同義語や反意語と関連づけるなど、記憶を深くする方法が効果的です。
- 曖昧な読み方を“可視化”して修正
「なんとなく読んでいた」読み方を可視化するために、解いた問題にはすべて、「なぜこの選択肢を選んだか」を書き出すようにします。
これは非常に地道ですが、「自分の読み方の癖」や「思い込みのパターン」が浮き彫りになり、修正がしやすくなります。
ただし、これを自分一人でやろうとすると、実はなかなか難しいものです。だからこそ、家庭教師や専門の先生と一緒に徹底的に練習していくことをおすすめします。客観的な目でフィードバックをもらいながら進めることで、格段に伸びが変わってきますよ。
保護者の皆様へ:こんなサポートが喜ばれています
TCK Workshopでは、SAT Englishにお悩みのご家庭に、以下のようなサポートを提供しています:
- 読解ステップと設問パターンを丁寧に教えるオンライン個別レッスン
- コーチングプラン:自習管理と定期カウンセリング
- 小集団授業:SAT Bootcamp
- 夏期講習や冬期講習:短期集中で10-20時間の集中レッスン
特に多いのは「家庭では何がどこまでできているのか見えづらい」というお声。だからこそ、目標とギャップを明確にしてマンツーマンで徹底的に出来ないことを出来るように指導をしています。
TCK WorkshopのSAT対策 受講生の声

「英語に自信があったのにReadingは歯が立たなかった。でもTCKのロジカルな解説で点数が安定し、最終的に1450点を突破できました」(バンコク在住 高校生)

「うちの子はMathが苦手でしたが、英文問題に慣れるトレーニングが効き、30点以上スコアが伸びました!」(シンガポール在住 保護者)
TCK Workshopを活用してSAT対策を万全に!
英語が得意だからこそ見落としがちな“SATならでは”の読み方と考え方。そのポイントに気づけるかどうかで、スコアは大きく変わります。
今のお子さまの読み方が「なんとなく」になっていないか、少し立ち止まって一緒に考えてみませんか?
TCK Workshopでできること
個別指導で弱点克服
模試を活用した実践的な対策
英語と数学の両面からサポート

私自身もTCK WorkshopにSAT対策を見てもらいました。宿題として問題を解き、授業内で先生に分からない問題の解説、それから次回同じタイプの問題を間違えないようにするためにはどうするかを考えていくことでどういった種類の問題を間違える傾向にあるかなどと、客観的に自分の状況を整理してくださるため、ものすごく勉強効率が上がり、一回一回の解く問題が全てスコアアップにつながっている授業をしてくださったおかげで1300点台から1450点まで伸ばすことができました。
帰国子女としての強みを最大限に活かし、志望大学への合格を目指しましょう!