帰国子女の受け入れに熱心で、先進的な国際教育を提供するサレジアン国際学園は、海外在住・帰国生のご家庭にとって非常に人気の高い学校です。しかし、その入試は世田谷校と赤羽校で出題傾向が大きく異なり、それぞれに合わせた戦略的な対策が合否を分けます。「英検があれば大丈夫?」という単純なものではなく、問われるのは「英語で何を思考し、表現できるか」という知識と探究力です。特に2025年度入試に向けては、この違いを正確に把握し、お子様の強みを活かす対策を早期に進めることが重要となります。

本記事では、サレジアン国際学園の入試を専門的に分析し、世田谷校は「探求」、赤羽校は「理数」が鍵となる理由を深掘りします。合格を勝ち取るための具体的な対策と、TCK Workshopのサポート体制についても詳しく解説いたします。

この記事について

この記事は、TCKworkshop主催のウェビナーを基に作成しています。TCKworkshop公式Youtubeチャンネルでは、指導経験豊富な講師が実際の指導を通して蓄積した帰国生の受験、英語学習などについての情報をお伝えしておりますので、ぜひご覧ください。

英語力だけでは通用しないサレジアン入試の構造的課題

サレジアン国際学園の入試対策を始める帰国生が抱える最大の懸念は、「高配点のエッセイ」への対策です。入試は一般的に「英語筆記」と「エッセイ」の組み合わせですが、以下の構造的な課題が存在し、英語力が高い生徒でもつまずきやすい傾向があります。

産屋敷
先生

英語力が高いからこそ、「エッセイ対策は大丈夫」と油断してしまうケースが目立ちます。しかし、サレジアンが求めるのは、英語を使って世界の課題を解決する思考力です。特に世田谷校はエッセイの配点が低く見えても、実質的な合否の鍵を握るため、早期に専門知識のインプットを開始することをおすすめします。

1. 英検免除による英語筆記の「軽視」

世田谷校では、英検2級以上を持っている場合、英語筆記(配点100点)が免除され、エッセイ(配点50点)のみに集中できるという優遇措置があります。この制度を利用する方は多いですが、これは英語筆記の得点差がつかなくなる分、エッセイの比重が相対的に増大することを意味します。英検準1級や1級の合格保証を使っていても、エッセイの内容が伴わなければ、不合格となるケースが実際に発生しています。合格を確実にするためには、英語資格の有無に関わらず、エッセイ対策に最重点を置く必要があります。

2. エッセイテーマの専門性

世田谷校は環境問題・SDGs、赤羽校は算数・理科・社会といったアカデミックなトピックが指定されます。これは、単に「英語で書ける」ことではなく、「指定された専門トピックについて、深い知識と論理的な分析に基づいた意見を英語で論じる能力」を問うものです。海外での学習経験を活かし、アカデミックな探究の習慣を身につけておくことが重要です。

3. 赤羽校の特殊な英語筆記形式

赤羽校は世田谷校と異なり、英語筆記で記述式の文法問題や、文の書き換え・時系列整理といった正確な英語の運用能力を問う問題が多く出題される傾向があります。現地校・インター校出身で会話は得意でも、体系的な文法学習をしていなかった生徒は、ここで思わぬ失点を招きがちです。感覚的な英語力に頼るだけでなく、正確な文法知識に基づいた減点されない英語力を確立しましょう。

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サレジアン国際学園合格戦略:世田谷は探求、赤羽は理数対策を徹底

サレジアン国際学園の入試で成功するためには、志望校の特性に合わせて、英語のインプットを「探究テーマ」と「理数・社会の専門知識」に振り切る戦略が必要です。特に配点の高いエッセイで差をつけるための具体的な戦略を詳述します。

産屋敷
先生

世田谷校・赤羽校ともに、エッセイは非常に重要ですが、対策の方向性が大きく異なります。世田谷校は「環境問題に対する社会的探究」、赤羽校は「理数・社会概念の英語での学術的解説」と明確に捉え、お子様がどちらの探究に強いかを判断して対策を進めることが成功の秘訣です。

1. 世田谷校:環境問題とSDGsに特化した「深い探究力」の養成

世田谷校のエッセイ(配点50点)は、「内容」で合否が決まると言っても過言ではありません。出題テーマが「環境問題」や「SDGs」に絞られているからこそ、その分野における深い知識と、論理的かつ具体的な解決策を提案する力が求められます。

知識のインプット:ニュースと専門資料の活用

まず、CO2削減策や環境汚染の原因など、出題されやすいトピックに関する知識のインプットを徹底することをおすすめします。単にニュースを見るだけでなく、国連のSDGsレポートや国際的な環境団体の資料など、信頼性の高い情報源に触れることが重要です。特定の環境問題に対し、「経済的側面」「社会的側面」「倫理的側面」など、複数の視点から分析する訓練を行いましょう。また、「カーボンニュートラル (Carbon Neutral)」「持続可能な開発 (Sustainable Development)」といった、論理構成に不可欠なアカデミック・タームを英語と日本語の両方で正確に理解し、エッセイで使いこなせるようにすることが求められます。

アウトプット:4ステップで深めるエッセイ構築法

知識をアウトプットする際、以下の4ステップで「浅い意見」から「深い洞察」へと進化させることが重要です。

  1. 問題提起: 現在の環境問題の核心は何かを明確にしましょう。
  2. 原因分析: その問題の根本的な原因を、社会的・経済的な背景から掘り下げましょう。
  3. 解決策の提案: 具体的な解決策を複数提案し、それぞれのメリット・デメリットを比較検討しましょう。特に「どういった戦略(Strategy)で環境問題を解決していくか」という具体性が合否を分けます。
  4. 結論と展望: 提案した解決策が持続可能な未来にどう貢献するか、展望を示すことが大切です。

探究的な英語学習の基礎となるアカデミック・ライティングの対策については、こちらの記事もぜひご確認ください。

関連記事: 話せる英語でも書けない?帰国子女が直面するTOEFLライティングの盲点 https://www.tckwshop.com/tckblog/40762-2/

2. 赤羽校:「アカデミックイングリッシュ」と正確な記述対策

赤羽校は、カリキュラムでSTEAM教育を重視している背景から入試でも理数・社会科目のトピックが課されます。

理数・社会の「アカデミック・ターム」強化

エッセイで出題される算数・理科・社会のトピックに対応するためには、現地校の教科書などで使われる専門用語を英語で理解していることが必須です。例えば、算数であれば「素数 (Prime Number)」「方程式 (Equation)」、理科であれば「光合成 (Photosynthesis)」「遺伝子 (Gene)」といった用語を、概念を含めて英語で説明できなければなりません。現地校で使用していた理数系科目の教科書を読み直し、重要概念を英語で説明する練習を繰り返すことをおすすめします。また、帰国生は英語の用語を知っていても、その概念を日本語で正確に理解できていない場合があるため、日頃から両言語での概念確認が必要です。

英語筆記:文法・記述対策の徹底

赤羽校の英語筆記では、正確な文法知識と記述形式での英語運用力が問われます。穴埋め形式だけでなく、誤文訂正や文の構成といった問題に対応するため、文法ルールの体系的な理解が不可欠です。「一人称から三人称への書き換え」や「出来事を時系列に並べ替える」問題は、文脈の理解と正確な構文で文章を構築する力を試します。流暢な会話力とは異なる、アカデミック・ライティング能力の基礎を問われていますので、文法・記述対策を強化することが重要です。

赤羽校対策の鍵となる、理数系科目の英語での学習法については、こちらの記事も参考にしてください。

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「英語は話せるのに書けない…」TCK Workshopが教える4つの得点アップ戦略 https://www.tckwshop.com/tckblog/42320-2/

TCK Workshopのサレジアン国際学園 特別講座

TCK Workshopでは、サレジアン国際学園の入試特性に合わせて、「知識と論理構成」に焦点を当てた専門性の高い個別指導を提供しています。

1. 世田谷校特化型:SDGs探究&エッセイ戦略指導

環境問題に関する最新情報をインプットし、論理的な枠組みで具体的な解決策を提示するエッセイ作成指導を専門に行います。「採点官が何を求めるか」を熟知したプロ講師が、生徒の意見を深みのある論述へと昇華させます。

2. 赤羽校特化型:STEAMアカデミックイングリッシュ強化

現地校の学習経験を活かしつつ、算数・理科・社会の専門用語と概念を英語で正確に表現する力を養います。また、文法・記述対策にも重点を置き、減点されない正確な英文運用能力を徹底的に鍛えることが可能です。

3. 英検2級・準1級 早期取得プログラム

エッセイ対策に時間を最大限に充てるため、英語筆記免除の権利を早期に獲得できるよう、英検のスコアアップを目標とした短期集中対策も並行して実施します。

効率的な対策を求めるご家庭へ

TCK Workshopのサレジアン国際学園対策は、特に以下のようなお悩みや目標を持つ方々に最適です。

  • 英検スコアは持っているが、エッセイのテーマが難しく、対策の方向性に悩んでいるご家庭
  • 現地校・インター校出身で、日本の入試で問われるアカデミックな知識や文法・記述力に不安を感じているご家庭
  • 海外在住中で、世田谷・赤羽それぞれの入試対策を、地理的な制約なく専門家に依頼したいご家庭

合格の鍵は、英語力のアドバンテージを活かしつつ、エッセイの内容で圧倒的な差をつけることです。この「内容重視型の対策」を体系的に行うことをおすすめします。

今すぐ行動!合格へのロードマップを作成

サレジアン国際学園の入試は、戦略的な早期対策が不可欠です。特にエッセイ対策で求められる知識のインプットと論理的思考力は、時間をかけて養うべきものです。

受験準備の最初の一歩として、まずは無料教育相談をご利用ください。お子様の現在の学習状況、英語資格の有無、そして志望校(世田谷・赤羽)の特性に合わせたオーダーメイドの学習プランをご確認いただくことをおすすめします。

今すぐ一歩踏み出して、サレジアン国際学園合格に向けた対策を始めましょう!

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まとめ

  • サレジアン国際学園の入試は、形式的な英語力ではなく「英語+内容」(探究力・知識・思考力)が合否を分ける。
  • 世田谷校は環境問題・SDGsに関する深い探究力と具体的戦略が問われるため、知識のインプットと論理的なアウトプットの練習が必須。
  • 赤羽校は算数・理科・社会の専門トピックが中心であり、アカデミック・タームの理解と、正確な文法・記述による英語の運用能力が合否を分ける。
  • 英検2級以上の取得は、英語筆記免除でエッセイ対策に時間を充てるための戦略的な手段として活用することをおすすめする。