2024年4月に開校したばかり開智所沢中等教育学校は、埼玉県の所沢という広大な立地を活かし、新しい時代の教育を実践する場として大きな注目を集めています。特に2025年度の入試では、国際生入試と一般入試を合わせたのべ出願者数が15,000人を超えるなど、その期待値の高さは目を見張るものがあります。

海外での生活を経験し、多様な価値観を身につけたお子様にとって、新設校でありながら開智学園の伝統的な探究教育を受け継ぐこの学校は、非常に魅力的な選択肢となるはずです。本記事では、帰国生が同校で学ぶメリットや、入試に向けた具体的な対策について、TCK Workshopの視点から詳しく解説します。

鈴木先生

講師:鈴木 優里

TCK Workshop プロ講師。立教大学文学部卒業、愛知大学大学院中国研究科修了。幼少期から計6年間を中国とインドで過ごした帰国子女。自身の海外経験とアイデンティティに寄り添う指導を信条とし、英検対策から中高受験、小論文、志望理由書の添削まで幅広く担当する。日中二ヶ国語を操る言語能力と、大学院での研究経験に裏打ちされた深い洞察力を活かし、海外経験という「個人の財産」を強みに変える温かくも緻密な受験サポートを専門とする。

    入試情報は変更される可能性があるため、出願前には必ず各校の公式サイトで最新の募集要項をご確認ください。

    開智所沢中等教育学校の基礎情報

    まずは学校の全体像を把握するための基本情報を表にまとめました。

    項目内容
    所在地埼玉県所沢市松郷169
    アクセスJR武蔵野線 東所沢駅 徒歩約12分、西武線所沢駅より路線バスあり
    生徒数中等1・2年生あわせて約700名(2025年度時点)
    男女比6:4
    帰国生割合約10%
    設置コースGSC(Global Scholars Class)、特待、本科
    英語クラスAdvanced/Bridging, Core, Developingの3レベル編成
    認定・資格国際バカロレア(IB)MYP候補校(2025年6月時点)

    探究学習と国際標準の学びが拓く未来

    鈴木先生

    帰国生の皆さんは、海外で自分の意見を求められる環境に身を置いてきた方が多いでしょう。開智所沢が大切にしている探究のプロセスは、そうした皆さんの強みをそのまま評価し、さらに伸ばしてくれる場所であると感じています。

    開智所沢の教育の柱は、開智学園が長年培ってきた探究的な学びです。単に教科書の知識を覚えるのではなく、自分たちで問いを立て、調査し、分析して発表するというサイクルを重視しています。これは、海外の現地校やインターナショナルスクールで主流となっている教育スタイルと非常に親和性が高く、帰国後も違和感なく学びを深められる環境が整っています。

    国際バカロレア(IB)MYP候補校としての専門的なアプローチ

    同校は国際バカロレア(IB)の中等教育プログラム(MYP)候補校として、世界標準の教育カリキュラムの導入を進めています。IB教育では、単なる暗記ではなく概念を理解し、それをどう社会に活用するかを考えます。

    例えば美術の授業では、ただ絵を上手に描くだけでなく、なぜその表現を選んだのか、どのようなリサーチを経て作品に至ったのかを論理的に説明することが求められます。ルーブリックを用いた達成度評価を取り入れており、制作のプロセスそのものが評価の対象となります。こうした評価軸は、お子様が自分の成長を多角的に捉えるきっかけとなり、論理的思考力を養う大きな助けになるでしょう。

    哲学対話と多様性の尊重

    週に数回行われる哲学対話の授業も、同校ならではの特徴です。1つのテーマについて粘り強く話し合い、他者の意見に耳を傾けることで、柔軟な思考を養います。日英バイリンガルの教員も多く、時には英語と日本語が入り混じる自然な形で対話が進むこともあります。海外生活で培った多様な視点を持つ帰国生にとって、自分のアイデンティティを大切にしながら周囲と高め合える、理想的な学びの場と言えるかもしれません。

    【関連記事】これから中学受験の準備を始める方は、まず全体のスケジュール感を把握することをおすすめします。こちらの記事では、帰国生が直面する課題と対策のロードマップを紹介しています。


    英語力の維持・向上とGSCクラスの役割

    鈴木先生

    せっかく身につけた英語力を日本に帰ってからどう維持するかは、ご家庭にとって最大の懸念事項ですよね。開智所沢では、英語を「勉強する対象」としてだけでなく、他の教科を学ぶための「ツール」として使う環境があるのが素晴らしい点です。

    2025年度より、国際生入試に合格した生徒が中心となるGSC(Global Scholars Class)がスタートしています。このクラスは、高い英語力を保持し、さらにアカデミックなスキルを磨きたい生徒にとって最適な環境です。

    習熟度別の英語教育とAIツールの活用

    英語の授業は週に7時間確保されており、生徒の習熟度に合わせて3つのレベルに分かれています。

    1. Advanced / Bridging:国際生が中心で、英語で批判的思考や議論を行うクラス
    2. Core:一般生とともに基礎から応用までをバランスよく学ぶクラス
    3. Developing:これから本格的に英語を武器にしていきたい生徒向けのクラス

    また、同校ではAI・ICTツールの活用にも積極的です。スタディポケットというツールでは、AIが直接答えを教えるのではなく、生徒との対話を通じて解き方のヒントを与えます。英語学習においてはELSTを使用し、AIによるリアルタイムの発音分析やリテラシー教育を行うことで、テクノロジーを使いこなす力を養います。

    専門分野を英語で学ぶ環境

    英語の授業だけでなく、美術や技術といった教科でも英語が使われる機会があります。日英バイリンガルの先生方が多いため、生徒が自然に英語で発信できる雰囲気が醸成されています。英語資格試験(英検やTOEFLなど)のスコアアップも大切ですが、それ以上に「英語で何を学ぶか」という姿勢を育むことができるでしょう。

    【関連記事】特にライティングにおいて、現地校での経験がありながらアカデミックな書き方に不安を感じている方は、以下の記事を参考にすることをおすすめします。


    国際生入試を突破するための具体的な戦略

    鈴木先生

    開智所沢の入試は、単なる知識の切り売りではなく、お子様のこれまでの経験をどう言葉にするかが鍵を握ります。特にオンライン型や2回目以降の入試では、思考の深さが問われるため、早めの準備が安心に繋がります。

    開智所沢の国際生入試には、オンライン型と来校型の2つのスタイルがあり、それぞれに対策のポイントが異なります。

    来校型入試と英語得点保証制度

    第1回の来校型入試では、E方式(国算英)とJ方式(国算)の選択が可能です。ここで特筆すべきは、英語の得点保証制度です。実用英語技能検定(英検)などの資格を保持している場合、級に応じて点数が保証されます。

    2025年度の例では、英検2級で70点、準1級で85点、1級で100点の換算となっていました。英語のスコアを確保できていれば、その分を国語や算数の対策に充てることができます。国語は基礎的な漢字や読解、算数は計算や図形といった基礎力が重視されるため、丁寧な学習を継続することが大切です。

    エッセイライティングと口頭試問の対策

    第2回、第3回の国際生入試では、英語のエッセイライティングや口頭試問・面接が課されます。エッセイでは、与えられたテーマに対して自分の意見を論理的に構成する力が問われます。

    また、面接(口頭試問)では、英語での学習経験に加えて、算数的な要素を含む問題解決や社会的な事象への関心について質問されることもあります。これらはまさに同校が掲げる探究学習への適性を見ていると言えるでしょう。日頃から身の回りのニュースについて親子で話し合い、自分の考えを整理する習慣をつけておくことが重要です。

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    多様な進路と帰国生への手厚いフォロー

    鈴木先生

    新設校ということで進学実績を心配される声もありますが、開智グループの豊富な実績に基づいた進路指導が期待できます。国内大学の推薦入試から海外大学への挑戦まで、生徒一人ひとりの個性に合わせたサポートが行われる予定です。

    開校から間もない同校には、まだ卒業生の実績はありません。しかし、同じ学園内の他校では、東京大学をはじめとする最難関国公立大学や、早慶上智などの有名私立大学、そして海外の名門大学へ多くの生徒を送り出しています。

    メンタル面と学習面のダブルサポート

    帰国生にとって、日本の学校生活に馴染めるかどうかは大きな不安要素です。開智所沢では、全生徒を対象とした補講を実施しており、個別の理解度に応じた丁寧な指導を行っています。

    また、教員と生徒の距離が非常に近いことも同校の魅力です。放課後の時間を活用し、学習の悩みだけでなくメンタル面のケアにも力を入れています。学年を超えて交流できるサークル活動(EA)も充実しており、e-sports部やボカロ同好会など、生徒の好奇心から生まれた多様な活動が活発に行われています

    総合型選抜や海外進学への強み

    探究学習で培われる「課題発見能力」や「プレゼンテーション能力」は、現在の大学入試で主流になりつつある総合型選抜(旧AO入試)において非常に強力な武器となります。また、IBプログラムやGSCクラスでの学びは、海外大学を目指す生徒にとっても大きなアドバンテージとなるでしょう。英語力と得意分野を掛け合わせ、自分だけのキャリアを構築できるよう、学校と教員が親身になって伴走してくれる環境があります。


    まとめ

    開智所沢中等教育学校は、帰国生が持つ国際的な感覚をそのままに、日本での高い学力と探究心を養える稀有な環境を提供しています。

    • 探究サイクルを重視した教育で、自ら問いを立て解決する力を育むことができる
    • IB MYP候補校として、世界標準の思考力と評価軸に基づいた学びが得られる
    • 習熟度別クラスやGSCクラスにより、帰国後も英語力を伸ばし続けることが可能
    • 入試には英語得点保証制度があり、戦略的な受験準備が進めやすい
    • メンタルケアや学習サポートが手厚く、教員と生徒が共に学校を創り上げる雰囲気がある

    開智所沢への入学を目指すなら、英語力の向上はもちろん、自分自身の経験や強みを言語化する準備を始めていきましょう。TCK Workshopでは、お子様の状況に合わせた最適な受験対策を提供しています。

    TCK Workshopでは、開智所沢中等教育学校の国際生入試に特化した指導や、英語力の維持・向上を目的とした個別レッスンを行っています。まずは無料教育相談にて、お子様の現在の状況やこれからの目標についてお聞かせください。経験豊富なプロ講師が、合格までのロードマップを一緒に作成いたします。

    無料教育相談にて、お子様にぴったりの学習プランをご提案するのがおすすめです。 実際の授業を体験して、開智所沢対策への一歩を踏み出してみることをおすすめします。

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    参照

    開智所沢中等教育学校 公式サイト
    2025年度 生徒募集要項(中学)
    開智学園グループ 広報ニュース