SAT本番まで残り1ヶ月。これまでの学習の成果を形にするための、最も大切な時期がやってきました。「あと少しスコアを伸ばしたい」「どうしても苦手なセクションがある」と焦りを感じている方も多いかもしれませんが、正しい戦略で取り組めば、1ヶ月という短期間でもスコアを底上げすることは十分に可能です。

本記事では、デジタルSATに移行した最新の傾向を踏まえ、英語(Reading & Writing)と数学(Math)の両セクションで、残り1ヶ月から1点でも多く積み上げるための具体的な対策法を解説します。College Boardの公式ガイドラインや、数多くの帰国生を指導してきた経験に基づいた、実践的なステップを確認していきましょう。

産屋敷先生

講師:産屋敷二コラ
TCK Workshop 特別講師。カナダ生まれ、Capilano University(カナダ)、南山大学卒業。指導経験豊富なバイリンガル講師として、英検・TOEFL・IELTSなどの英語資格対策から、SAT/SSAT、IB French ab initioといった海外カリキュラムまで、幅広い言語教育と帰国生受験対策を専門とする。

    この記事は、こちらのウェビナーを基に作成しています。TCK Workshop主催のウェビナーでは、指導経験豊富な講師が実際の指導を通して蓄積した帰国生の受験、英語学習などについての情報を、それぞれの時期に合わせて毎週お伝えしておりますので、ぜひご覧ください。

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    SAT英語:文法とメインアイデアの攻略で土台を固める

    産屋敷先生

    英語のスコアが500点付近で伸び悩んでいる場合、まずは「知っているかいないか」で点数が決まる文法セクションを完璧にすることをおすすめします。ここを固めるだけで、読解に割ける時間と心の余裕が大きく変わります。

    基礎文法ルールの徹底習得

    英語セクションの後半に登場する文法問題は、短期間で最も得点に結びつきやすい部分です。特にパンクチュエーション(句読点)のルールは、多くの受験生が見落としがちなポイントと言えます。ピリオド、コンマ、セミコロン、コロンの使い分けをCollege Boardの公式練習問題を通じて再確認しましょう。

    また、主語と動詞の一致や代名詞の一致といった基礎文法も重要です。これらの知識は文法問題だけでなく、複雑な構造を持つ読解文を正確に読み解くための武器にもなります。コンマが多い一文に出会ったとき、どこが主節なのかを瞬時に見抜けるようになると、読解スピードが格段に向上します。

    語彙力の底上げとメインアイデアの把握

    デジタルSATでは文章が短くなった分、一文の密度が高まり、高い語彙力が求められるようになりました。残り1ヶ月でも、毎日20〜30語の英単語学習を継続することをおすすめします。「TOEFL iBT 3800」などのアカデミックな単語集を活用し、最後までやり抜く姿勢が大切です。

    読解練習においては、各パッセージの「メインアイデア(主題)」を捉える練習を繰り返しましょう。物語文を除き、論理的な文章には全体の内容を総括する一文が必ず含まれています。設問で「What is the main purpose of the passage?」と問われた際に、迷わず正解を選べるよう、短い文章の中から核心を突くキーワードを見つけ出す訓練を積み重ねていくのが良いでしょう。


    SAT数学:デスモスの活用と戦略的な時間管理

    産屋敷先生

    数学は英語に比べてスコアアップの即効性が高い科目です。計算ミスを防ぐために「デスモス(Desmos)」というグラフ計算機の機能をどこまで使いこなせるかが、高得点への分かれ道になります。

    アルジェブラの基礎とデスモスの習熟

    数学セクションの約35%を占めるのがalgebra(代数)です。一次方程式や不等式、直線のグラフといった、日本の中学校レベルの内容を完璧に解けるようにすることが、600点の壁を超えるためのスタートラインとなります。

    デジタルSATでは、全てのセクションで計算機の使用が認められています。内蔵されているグラフ計算機「デスモス」の機能を最大限に活用しましょう。例えば、二つの数式の交点を求める問題や、放物線の最大値・最小値を求める問題などは、手計算よりもデスモスでグラフ化する方が、視覚的に素早く正確に解答を導き出せます。自分にとって「手計算の方が早い問題」と「デスモスを使うべき問題」の基準を、今のうちに明確にしておくことをおすすめします。

    応用問題への対応

    700点以上のハイスコアを目指すなら、二次関数や指数関数、三角関数といった応用分野(Advanced Math)の理解を深める必要があります。これらの問題は一見複雑に見えますが、出題パターンは限られています。

    特に注意したいのが、問題文の文脈を正しく読み取ることです。数式としては正しく解けていても、問題が「xの値」を聞いているのか「x+5の値」を聞いているのかを見誤ると、1問のミスが大きな失点に繋がります。計算が終わった後に、もう一度「問題は何を問うているか」を確認する癖をつけるようにしましょう。

    【関連記事】Digital SATやAdaptive testについてはこちらもご覧ください。

    残り1ヶ月でスコアを最大化する集中トレーニング

    産屋敷先生

    この時期に最も避けるべきは「ただ問題を解いて終わり」にすることです。なぜ間違えたのか、その原因を深掘りする「誤答分析」こそが、本番でミスをしないための唯一の方法です。

    スコア別・直前期の学習アプローチ

    現在のスコア状況に応じて、注力すべきポイントを切り替えましょう。

    • 500点未満の場合
      まずは文法と代数の基礎を徹底的に復習します。難しい問題に手を出すよりも、正答率が50%程度の問題を確実に正解できるようにすることが、最短のスコアアップに繋がります。
    • 500点〜600点台の場合
      週に2回程度の模擬試験(Bluebook等)を取り入れ、時間配分を体に叩き込みましょう。このレベルの方は「解けるはずなのに間違えた」というケアレスミスを減らすだけで、50点以上のアップが期待できます。
    • 700点以上を目指す場合
      ハードモジュール(難易度の高い後半セクション)の対策に集中します。特に1800年代の文学作品や、複数のデータを用いた複雑な数学問題など、高難易度の問題に触れる機会を増やしましょう。

    徹底した五等分析とミスのパターン化

    間違えた問題を集めた「間違いノート」を作成することをおすすめします。単に正解を確認するだけでなく、「単語を知らなかったのか」「文法ルールを誤解していたのか」「計算ミスか」「問題の読み落としか」と、失点の理由を分類してみてください。

    自分のミスの傾向が見えてくると、本番で同じような状況になったとき「あ、ここはミスしやすいポイントだ」とブレーキをかけることができます。正解した問題についても、「たまたま合っていた」のか「根拠を持って選べたのか」を振り返ることで、実力はより強固なものになります。

    本番を想定した時間管理術

    デジタルSATはアダプティブ方式(モジュール1の成績でモジュール2の難易度が変わる仕組み)を採用しています。モジュール1で確実に高得点を取るためには、一問にかけられる時間を厳密に守る必要があります。

    数学であれば1問約1.5分、英語であれば文法問題をスピーディーに終わらせて読解に時間を残すなど、自分なりの「勝ちパターン」を構築しましょう。また、見直し時間を最後に5〜10分確保できるよう、解けない問題は潔く飛ばして後で戻るという判断力も、この1ヶ月で養っておきたいスキルです。

    まとめ

    SAT本番までのラスト1ヶ月、スコアを伸ばすためのポイントをまとめました。

    • 文法の徹底復習: パンクチュエーションなどのルールを固め、英語の土台を作る。
    • デスモスの活用: 数学ではグラフ計算機を使いこなし、正確さとスピードを両立させる。
    • 五等分析の実施: 間違えた理由を分析し、自分専用の対策を立てる。
    • 時間配分の確立: 模擬試験を通じて、本番同様の環境で解く練習を積む。
    産屋敷先生

    最後にものを言うのは、自分の積み上げてきた努力を信じるメンタルです。イレギュラーな問題に直面しても焦らず、基礎に立ち返って一つひとつの問題を丁寧に処理していきましょう。皆様の努力が最高の結果に繋がるよう、心から応援しています。


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