弊社で、最もお問い合わせをいただくことの多いSAT対策。

米国大学進学において、その重要性は低下しつつあると言われていますが、依然としてSATを受験する学生は多く、特に国内の帰国子女受験においては未だに重要視されています

「SAT対策をこれから始めよう」という皆様に向けて、今回は、簡単な全体像と試験対策に必要な心構えや実際の学習法をお伝えしようと思います。

今回は下記のような章立てでお話ししていこうと思います。

SATの重要度はどれくらい?

SATは米国College Boardが主催する統一試験で、米国大学進学や日本国内における帰国子女受験の出願の際にスコアを提出します

SATの他に、高校生の学習達成度を測るテストとして、ACTという統一試験もあります。アメリカの高校生は、SATかACTのいずれかを受けて、そのスコアを出願大学に提出します。これらはいずれも、とくに留学生を対象としているものではなく、あくまでもアメリカの高校生が受けることを想定して作られています

SATはよく日本の大学入学共通テスト(旧センター試験)にたとえられますが「SATが何点以上あれば、どこかの大学に必ず合格する」という性質のものではありません。とはいえ、SATにも志望する大学によって取得しておきたい得点の目安は存在します。

米国大学も国内大学も、SATのみならず、様々な材料を元に、総合的・多角的に評価し、合否を判断します。学校の成績やエッセイ、推薦状などと並んで合否を判断する為の一つの材料、というのがSATの位置付けです。

SATのスコアが少しくらい低くても、他の材料がすぐれていれば合格のチャンスはありますし、逆にSATでいくら高いスコアをとっても他の材料に魅力が欠けていれば不合格になります。

SATはあくまで大学入試の一要素に過ぎないという位置付けを頭に入れたうえで、優先順位を考えていく必要があるでしょう。

SAT試験の位置づけ
  • 米国大学への出願・帰国子女受験の際に利用
  • ただし、あくまでも入学評価の一つの要素に過ぎない
  • SATが良くても不合格になることもあれば、SATが悪くても合格することもある

試験構成について

SATの構成
  • EnglishMath各2セクションずつの合計4セクションでできている
  • EnglishとMathはそれぞれ200~800点で点数が出る。全体の合計は400~1600点!
  • 試験は全セクション合わせて3時間

SATの試験内容および構成は以下の通りになっています。

問題数制限時間
English(Reading)52問65分
English(Writing & Language)44問35分
Math(計算機不可)20問25分
Math(計算機可)38問55分

試験はすべて合わせて3時間、English・Mathともに最低200点~最高800点の間で採点され、合計400~1600点のスコアが最終的な結果となります。

Readingセクション

長文の読解問題が出題されます。分野は

  • 人文科学
  • 社会科学
  • 自然科学
  • 物語

などのトピックが出題されます。文体の古い文章の出題や、paired passageと呼ばれる二つの文章の比較、図表などが盛り込まれた文章読解など、そのパターンは多岐にわたります。元々はアメリカの学生向けの試験ですので、Readingセクションは特に語彙のハードルが非常に高く、英語のネィティヴスピーカーでさえ「SAT Vocabulary」と呼ばれるSATの頻出単語をわざわざ勉強して試験に臨むほどの難易度となっています。

Writing and Languageセクション

文章やパラグラフの文法的間違いや文章そのものの内容を問う問題で、Readingパートよりも文章レベル、語彙レベルは落ちますが、普段あまり意識しないような文法事項も多く問われます。とはいえ、文法事項など対策を立てやすい分野が主なので、SATの中ではしっかりと準備をすることで安定した点数を獲得しやすいパートです。

Mathセクション

計算機の使用が認められていないSection3計算機が利用できるSection4の2つのセクションから構成されており、それぞれのセクションで4つの選択肢から選ぶmultiple choice方式自ら解答欄に答えを記入するgrid-in方式の2つの形式があります。広範囲の分野から出題されますが、難問揃いということはなく、基本〜中級レベルの難易度です。

学習の始め方・進め方

まずは一度試験問題に取り組み、現在の自分の実力を知り、目標点数を定めましょう自分が今、何点で、何点を目指したいかということによって、取るべき学習法は大きく変わってきます

目標点数を決めたら、English、Mathそれぞれの科目で何点を取るかを決めます。日本人の生徒さんによくあるのが、Mathで点数を稼ぐケース。1400点を目指すにしても、Math800、English600なのか、Math750、English650なのかでそれぞれ求められるレベルが異なってきます

また、Sectionの違いが計算機の利用の有無しかないMathと異なり、EnglishはSection1のReadingとSection2のWriting&Languageで求められる能力も大きく異なります。どこで点数を稼ぎたいか、自分の苦手分野はどこなのか、という点によってそれぞれ対策方法も異なります

まずはそれぞれのセクション毎の自分の目標点数を決め、それに沿った対策をとるように心掛けましょう。次のセクションでは、English、Mathについてそれぞれの学習方法・対策を詳しく説明していきます。

SAT学習で意識すべきこと
  1. まずは一度試験問題に取り組み、現在の自分の実力を知ろう
  2. English、Math、それぞれの科目での目標スコアを決めよう
  3. Englishの得点をあげるパターンとMathの得点をあげるパターンでは難易度も対策も異なる

さて、ここからは各項目ごとの対策法についてお話していきたいと思いますが、English・Mathを問わず、重要なのは問題演習です。しかし、せっかく行った問題演習も解いて終わりでは身につきません。解いてできなかった問題を、しっかりと理解し、復習し、解けるようにするのが大切です

しかし、問題演習をして自己採点をしてみても、何故間違えているのか分からない・解説を読んでも理解できないということもあると思います。難しいものほど、分からないものほど、放っておいてはいけません。弊社TCK Workshopでは、経験豊富な講師陣が皆さまの学習を精一杯サポートし、一問一問、しっかりと丁寧に解説いたします!

一人ひとりに合った勉強法やSAT対策についても、無料学習相談にてご案内させていただきますので、どうぞお気軽にお問い合わせください。

\無料でプロ講師に相談/
学習相談はこちら
\TCKでSAT対策/
SAT対策はこちら

Englishの対策方法

前述の通り、EnglishはReadingWritng&Languageの2つのパートにわかれており、それぞれ問題文の難易度やタイプも異なります。配点は各400点満点です。

問題数制限時間
English-Reading52問65分
English-Writing & Language44問35分
SAT Englishの対策
  • Writing&Laguageセクションは勉強しただけスコアを伸ばしやすい!
  • 難易度の高いReadingセクションは、地道な語彙・文章読解演習でコツコツと!

まずはWriting&Languageセクションでスコアを伸ばす

Readingセクションがいわゆる読解問題中心なのに対し、Writing&Languageセクションは出題のおよそ半分が文法問題で、本文の理解がなくとも問題部分の前後数行の把握だけで解くことができます

その性質の違いから人によって得意不得意がわかれる部分ではありますが、英語のネイティブスピーカーでない限り、勉強したことが成果に繋がりやすいのはWriting&Languageのセクションです。

三単現のsなどの基本的な文法から普段あまり習わないような文法内容まで出題されますが、出題される問題の傾向はある程度絞られており、4~5回分過去問を練習しさえすれば、「またこのパターンか」と思えるようになるはず。

SATに出題される文法事項の「なぜ」をまずは押さえてしまいましょう。SATの参考書の中には、出題されるパターン別に解法を整理してくれているものもあり、その解法の良し悪しはあるにせよ、出題される問題をパターンとして認識しておくことは非常に重要です。

パターンとして認識した上で、自分なりに習得した解き方を当てはめ問題を解く、ということが習慣化されることにより、語学の試験の成績は安定し、向上します。

海外経験が長い人によくありがちな、「なんとなくこれが正解」「これは絶対に何かおかしい」という問題の解き方をしていると、いつまでたっても自分の感覚に頼ってしまって、うまくいくときもあれば、うまくいかないときもある、ということになってしまいます。うまくいく場合はそれでも構いませんが、そんな状態で試験に臨むのは非常にリスキーです。

Writing&Languageのセクションでは、どのような文法のロジックで正解/不正解が導かれているのかを正確に理解できるようにしましょう

学ばなければいけない文法事項も決して多くはありません細かく分類しても30個程度のパターン問題なので、やらない手はありません。冒頭でもお伝えした通り、かけた時間分だけ着実に成果に繋がりやすいのはWriting&Languageのセクションです。

Writing&Languageの学習
  • ノンネイティブスピーカーは、Writing & Languageセクションでスコアが伸びやすい
  • 30パターンほどの出題傾向を掴めば、感覚に頼らず安定したスコアが出せる

Readingセクションは段階的な学習を

一方で、Readingセクションは高難度な語彙レベルに加え、英文自体の難易度も上がります。考えて見れば当然ですが、SATは米国の高校生のための統一試験なので、語彙や英文の難しさはもちろん、文章内容もある程度難しくなってきています。(日本語が話せるからといって、日本の国語の問題で満点が取れないのと同じです。)

Readingも質問内容に一定のパターンはあり、こちらもそれぞれのパターン毎に解き方を学ぶことが重要なのはWriting&Languageと異なりません。しかし、Readingに関してはそれ以前に英文内容が分からなければ話になりません。

英検準1級レベル、TOEFL Reading20点が取得できないレベルだと、正直「手も足も出ない」状態になってしまうくらい、Readingパートの英文は難解です。Writing&Languageと比べて点数を伸ばしていくのに間違いなく時間がかかるパートですし、出来る学習法も「地道な単語学習」「日常的な読解演習対策」とありきたりな方法で、これといった近道はありません。(もしこんな近道がある、というアイデアがある方はぜひ教えてください。)

まずはTOEFL Readingの25点安定くらいの力をつけてやっとSAT Readingの挑戦権を得られる、くらいの心算で、土台となる語彙力、読解力を地道に伸ばしていきましょう

Readingの学習
  • Writing & Language同様、出題パターンを知ろう
  • SAT Readingの学習に近道はなし「地道な単語学習」「日常的な読解演習対策」が大事!
    • 目安として、TOEFL Reading で25点を安定して取れるならばSAT Readingに挑める

Mathの対策方法

次に、Mathについて見ていきましょう。SAT Mathは簡単」「700点以上は当たり前など、色々と耳にすることも多いのではないでしょうか。

実際に日頃からたくさんの生徒様方とSATの学習をしている私からお伝えしたいのは、

「SAT Mathで高得点を取ることは決して簡単ではない。しかし必ず取り組んだ分だけ報われる試験でもある」

ということです。

SAT Mathで満点を取ることは簡単ではない

確かに出題される問題自体は決して難易度が高いわけではありませんし、Algebra1, GeometryとAlgebra2の一部程度の出題ですので、範囲としても決して広くはありません。

実際SATの学習を開始する11thや12thの時点ではPre CalculusやCalculus、あるいはAPなどに取り組んでいる生徒さんも多く、普段学校で取り組んでいる問題レベルからするとSATの問題レベルは非常に簡単に見えることと思います。

しかし、どんなテストでも満点を取ることは決して簡単なことではありません。

SAT Mathでは、25分で20問を解くSection3、55分で38問を解くSection4それぞれ1問あたり1~2分で処理していくだけの反射神経は求められますし、750点以上のスコアをMathで取ろうと思うと、全58問中3問程度しか間違えてはいけないということになります

限られた時間の中、試験会場に漂う緊張感の中で取り組む試験では、気づかないうちにケアレスミスをしてしまうこともあるでしょう。「今回は満点だったと思ったのに、2問間違えてしまった」というような生徒さんのお声をたくさん聞いてきました。

SAT Mathが簡単と多くの人に言われる理由は、ある程度の問題数をこなせば、58問中50問正解のレベルには到達しやすいからだと思います。実際に私が生徒の皆さまにオススメするMathの参考書がありますが、その参考書を1冊やりきった生徒さん方は確実に全員700点を超えています

ただ、700点から800点満点までの残り100点は決して簡単ではありません

制限時間、緊張感、ケアレスミスなど様々な阻害要因を乗り越えてやっと750点以上~満点というスコアが見えてくるのです。

現実的な目標として「750点」

長々とお話してきて、何が伝えたいかというと、

「確かにMathは満点を狙えるので、そこを目指すのは非常に良いことですが、満点を当たり前の目標設定にすることはやめましょう

ということです。最後の最後は運も絡んできてしまう部分は否めません。目標点数としては750点での設定がMathに関しては現実的かと思います。あくまでSATはEnglishとMath合計でのスコアが最終結果として提出されます。Mathだけに頼りきりにならないように、バランスよく勉強を進めていきましょう。

Mathで満点800点をとりたい気持ちはわかりますが「800点を取るぞ」という気持ちは持ちつつ、目標点数としては750点くらいの現実的な設定をしておくことをオススメします。

SAT Mathの学習
  • 高得点を取ることは決して簡単ではないが、取り組んだ分だけ報われる試験でもある
  • 「800点満点を取るぞ!」という意気込みはそのまま、現実的な目標設定として「750点」とするのがおすすめ

まとめ

SATに関しては、色々な噂を聞くかもしれませんが、大多数の生徒様にとっては決して楽な試験ではありませんし、高得点を取るのも決して容易ではありません。

特にEnglishは難易度が高く、TOEFLで100点前後を取得している生徒さんでさえ、600点の壁が超えられないことは珍しくありません。

SAT Englishは決して当たり前のように700点オーバーが取れる試験ではありませんし、Readingなど対策に時間がかかるパートもありますので、まずは模擬試験に挑戦してみて、自分の実力を知るところから始めましょう。何事もそこからスタートです。

弊社TCK Workshopでは実力チェックを元に、どのような学習方法で進めて行くべきかを無料体験授業でご案内しています

  • 「現時点での実力を知りたい」
  • 「今後どのような学習法で進めていけば良いかを知りたい」

という方は、是非一度お問い合わせください!

\無料でプロ講師に相談/
学習相談はこちら
\TCKでSAT対策/
SAT対策はこちら