海外での学習や、刻一刻と近づく帰国。お子様の教育環境をどのように整え、どの学校を目指すべきか、不安を感じていらっしゃる保護者様は非常に多いものです。2026年度の受験報告会では、長年多くの帰国生を志望校合格へと導いてきたベテラン講師が、皆様から寄せられた具体的な質問に対して、一つひとつ丁寧にお答えしました。今回はその中でも、高校から大学受験に関する質問に対する回答をご紹介します。

岡留先生

講師:岡留 智史

TCK Workshop代表取締役、特別講師。ニューヨーク、サンフランシスコに滞在したのち帰国生の名門校である東京学芸大学附属高校に入学。早稲田大学の創造理工学部を卒業。TCK WorkshopではIB math、SAT、A-levels Physicsなど海外カリキュラムの理数科目の指導を中心に指導を担当。

    TCK Workshopの無料学習相談では、お子様の現状を詳しく伺い、最新の入試動向に基づいた個別戦略を提案しています。プロの学習アドバイザーと一緒に、お子様にぴったりの受験プランを立ててみませんか。

    広尾学園インターナショナルクラス編入への挑戦

    広尾学園高校1年生の9月編入試験を検討していますが、数学の進度が非常に早く、高校1年生ですでに数IIや数Bを扱っていると聞いて驚いています。やはり普通の県立高校のカリキュラムと比べるとかなり早いのでしょうか。受験を諦めるべきか悩んでいます。

    岡留先生

    確かに広尾学園のような進学校は、一般的な公立校に比べて1年ほどカリキュラムが早く進んでいると考えた方が良いでしょう。高校1年生の段階で、すでに中学の内容を終え、高校2年生相当の内容に入っています。

    やはり、追いつくのは難しいのでしょうか。

    岡留先生

    諦めるのはまだ早いです。確かに進度は早いですが、試験自体はオーソドックスな基礎問題が中心となる傾向にあります。数II・Bといっても、1学期の中間試験程度までの範囲をしっかり固めておけば、対策は十分に可能です。1年分の先取り学習であれば、適切な指導を受ければ数ヶ月でキャッチアップできる範囲内ですので、ぜひ前向きに検討することをおすすめします。

    カリキュラムの速さと対策のポイント

    都内の難関私立校の多くは、高校3年生で受験対策に集中できるよう、カリキュラムを前倒しで進めています。広尾学園もその一校ですが、これは特別に異例な速さというわけではなく、進学校としては標準的なペースと言えます。国語に関しても、中学3年生相当の基礎力があれば合格ラインに届くケースが多いです。入学後に苦労する部分はあっても、まずは基礎を徹底して合格を勝ち取ることが先決です。

    実績がなくても大丈夫?活動報告書と自己PRの真実

    高校受験の活動報告書についてですが、スポーツやボランティアなどで目立った実績がありません。やはりアピール不足になるのではないかと不安です。今から何か始めた方が良いでしょうか。

    岡留先生

    安心してください、特別なトロフィーは必須ではありません。例えば、早稲田本庄やICU高校のような活動報告書を重視する学校を受ける場合でも、大切なのは実績の有無ではなく、その経験を通じて何に気づき、どう変化したかというプロセスです。

    それでも、何か書けることを増やした方が良いでしょうか。

    岡留先生

    もし時間に余裕があるなら、ボランティアや地元のコミュニティに顔を出してみるのは良い経験になります。ただ、それは書くためではなく、お子様の視野を広げるために取り組んでみてください。

    実績よりも、本人の内面の成長を見るということですね。

    岡留先生

    その通りです。私たちは数多くの自己PRカードを添削してきましたが、一見大したことないと思っている日常の出来事の中にも、素晴らしいストーリーが隠れています。現地校での苦労や、異文化の中でどう振る舞ったか。それを他者の視点で深掘りしていけば、立派なアピールポイントになります。形にこだわりすぎず、今の現地生活を精一杯頑張ることに集中しましょう。

    活動報告書で評価される経験の深掘り術

    多くの帰国生が誤解しがちなのが、活動報告書には華々しい実績が必要だという点です。しかし、学校側が知りたいのは、受賞歴そのものではなく、その過程でどのような壁にぶつかり、それをどう乗り越えたかという人間性の部分です。たとえ控えめな性格のお子様であっても、海外という慣れない環境で学校に通い、友人と交流し、課題をこなしていること自体が、実は大きな挑戦の連続です。

    自己PRカードを作成する際は、まずは時系列で自分の経験を書き出し、その時々の感情の動きを丁寧に振り返ることから始めましょう。なぜその行動をとったのか、その結果何を学んだのか、という内省を深めることが重要です。

    もし、これから新しい活動に取り組むのであれば、継続できるものを選びましょう。単発のイベント参加よりも、数ヶ月続けたボランティアや部活動の方が、そこから得られる気づきは深くなります。また、日本の学校では経験できない現地ならではの文化体験や交流も、面接での非常に興味深い話題になります。大切なのは自分らしさを言葉にすることであり、他人の物差しで実績を作る必要はありません。

    【関連記事】ICU高校の自己PRカードについてはこちらもご覧ください。

    PBL型授業と大学一般入試の両立

    最近、PBL(プロジェクト・ベースド・ラーニング)を重視する学校が増えていますが、こうした授業に時間を取られてしまうと、大学受験の一般入試で不利になることはありませんか。

    岡留先生

    学校は塾ではない以上、受験に特化した勉強時間とPBLの時間はトレードオフになる側面は確かにあります。しかし、PBLを通じて養われる思考力や批判的能力は、最近の大学入試、特に総合型選抜や推薦入試のエッセイなどで非常に役立ちます。

    一般入試での学力が落ちてしまう心配はないのでしょうか。

    岡留先生

    PBLに取り組んだからといって、学力が低下することはありません。むしろ、深い思考力が身につくことで、難解な問題への対応力が向上することもあります。ただし、暗記やパターン学習が必要な一般入試対策については、学校に頼り切るのではなく、自分で時間を確保して効率的に進める姿勢が求められます。

    新しい学びと受験学力のバランス

    現在の大学入試は、従来の一般入試だけでなく、推薦や総合型選抜など多様化しています。PBLに力を入れている学校は、生徒の主体性や問題解決能力を育てることを重視しており、これはAO入試などにおいて大きなアドバンテージとなります。一方で、医学部や難関理工系学部を一般入試で目指す場合は、学校のプログラムと並行して、自分自身で受験科目の対策を積み上げることが重要です。

    大学の英語学位プログラムと卒業後のキャリア

    大学受験で、英語で授業を行う学部(英語学位プログラム)と日本語の学部で迷っています。選ぶポイントを教えてください。また、9月卒業になると就職活動で不利になりますか。

    岡留先生

    選ぶポイントは、「なぜ英語で学びたいのか」という目的意識です。英語を伸ばすために英語プログラムに入るのではなく、英語を使って何を学びたいのかが明確であれば、英語学位プログラムは非常に魅力的な環境です。

    卒業後の就職活動が心配です。

    岡留先生

    就職活動については、全く心配いりません。現在、多くの大手企業や外資系企業は通年採用を行っており、9月卒業の学生を積極的に受け入れています。

    具体的にはどのようなスケジュールで進めるのですか。

    岡留先生

    最も多いのは、4月入社の学生と同じタイミングで就活を行い、「内定は4月入社として、実際の入社時期を数ヶ月遅らせる」というパターンです。キャリアフォーラムなども活用すれば、海外にいても効率的に就活を進めることができます。

    英語プログラムの魅力と将来性

    英語学位プログラムには、留学生やインター出身者、帰国生が多く集まるため、自分らしくいられるコミュニティを形成しやすいという魅力があります。また、海外大学への留学を検討している場合、英語での学習スタイルに慣れていることは大きな強みになります。卒業後のキャリアにおいても、グローバルな視点を持つ人材としての評価は高く、入社時期の調整も会社の交渉で解決できるケースがほとんどですので、スケジュールを過度に恐れる必要はありません。

    【関連記事】英語学位が取れる大学についてはこちらもご覧ください。

    まとめ

    帰国時期の検討: 高校受験なら中3での帰国が有利ですが、大学受験を見据えて現地校を卒業する道も強力な戦略です。

    編入試験の対策: 難関校は進度が早いものの、基礎を固めた数ヶ月の先取り学習で十分に合格を狙えます。

    活動報告書のコツ: 華やかな実績より、日々の経験から「何を学び、どう成長したか」という過程が評価されます。

    3科目受験の活用: 英語力が不安な場合は、国語・数学を強化した3科目型に絞ることで合格率を高められます。

    大学卒業後の進路: 英語学位プログラムや9月卒業でも、企業の通年採用が進んでいるため就職活動に不利はありません。

    帰国生受験に、たった一つの正解はありません。しかし、お子様の個性を活かした「最良の選択」は必ずあります。TCK Workshopでは、世界中のどこにいてもオンラインで、お子様の状況に合わせた具体的なアドバイスを提供しています。具体的な不安を解消し、自信を持って一歩を踏み出すために、ぜひ無料学習相談をご活用ください。

    この記事は、TCKworkshop主催のウェビナーを基に作成しています。TCKworkshop公式Youtubeチャンネルでは、指導経験豊富な講師が実際の指導を通して蓄積した帰国生の受験、英語学習などについての情報をお伝えしておりますので、ぜひご覧ください。

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