はじめに――茗溪学園高校について

1979年に創立された茗溪学園中学・高等学校(以後、茗溪学園高校)は、創立以来数多くの帰国生を受け入れてきた学校で、例えば2021年の入試結果では合格者数の半数以上が帰国子女となっています。40年間にわたって帰国生を受け入れてきてたというだけあって、茗溪学園は、帰国後の学生や保護者に対してどのようなサポートが必要なのかをしっかりと考えている学校です。

今回は、そんな茗溪学園高校

  1. 帰国生支援体制
  2. 大学進学実績
  3. 入試情報

についてまとめて紹介していきたいと思います!

茗溪学園高校の帰国生支援体制

まずは茗溪学園高校帰国生支援体制をみていきましょう。

茗溪学園高校は帰国生受け入れの歴史が長いため、帰国生のニーズや不安をよく理解しています。帰国子女が安心して楽しい学校生活を送れるよう、学校全体で様々な対策を行っています。

今回は、

  1. 国語特別クラス
  2. 英語の授業
  3. IBDPコース

の三点についてお話します。

国語特別クラス

茗溪学園高校の「国語特別クラス」とは、「海外生特別選抜帰国生入試A方式」での受験合格者を対象とする特別な授業のことで、ここでは少人数体制で古典と現代文の授業を受けることができます。入試についてはこの記事の最後のセクションで詳しく説明しますが、他の入試は英語に加えて国語や数学が試験科目となるのに対し、A方式では面接+英語と日本語のエッセイが課されます。現代文や数学の筆記試験がない分、国語や日本の数学に自信がないという帰国生でも出願しやすい入学試験となっています。

A方式出願時に海外在住していることが出願資格ということもあり、この入学試験で合格した生徒は英語が得意な一方、今まで十分に国語を学ぶ機会を持たなかったという方も多いようです。そこで茗溪学園高校では、この方式で入学した学生に対して国語の現代文と古文を少人数制で受けることできるようにしています。

このような細やかな支援対策をしてくれるのは、生徒本人にも、保護者さんにとっても安心ですよね。

今まで異なる環境で学習を進めてきた多くの帰国生にとって、同じような経験を持つ同級生達とじっくり丁寧な授業を受けられるという点はとても魅力的だと思います!

英語の授業

帰国生にとって、帰国後の英語の維持・向上はとても大事なことですよね。茗溪学園高校の英語の授業では、一般生・帰国生の別を問わず、英語力が高い学生は英語特別クラス」にて授業を受けることができます。

校内で行われる選抜試験で一定の点数を取得することが授業の参加要件で、選抜されると週6時間ある英語の授業のうち4時間がこの特別クラスでの授業になります。英語特別クラスでは、外国人教員と一緒に

  • ディスカッション
  • エッセイ
  • プレゼンテーション

などを行い、より実践的な英語学習に取り組むことが出来るようになっています。

この英語特別クラスでは、海外で使われている教科書を使用するので、生徒は日本にいながら英語力の向上を見込めますし、特別クラスを受けている英語力の高い同級生と授業内でコミュニケーションをとることで、良いコミュニティを形成することもできるのではないかと思います。

IBDPコース

茗溪学園高校は2017年度にIBディプロマ・プログラムコース」(以下IBDPコース)を開設し、海外大学を目指すための国際統一カリキュラムを一部のクラスで取り入れています。

具体的には、

  • TOK (知の理論)
  • EE(課題論文)
  • CAS(創造性、活動、奉仕)

などのカリキュラムを通じて、大学や社会に出たあとにまで役立つ総合的な能力を磨きます

茗溪学園ではこれらのコースを2年間履修することができ、最終試験で良い成績を修めると「国際バカロレア資格」を取得できます。国際バカロレア資格を持っていると、海外大学の受験でも有利に働きますので、海外大学に興味のある方は是非このコースを取ってみるのがおすすめです。

英語と日本語、双方の授業が組み込まれたバイリンガルなカリキュラムなので、英語力の向上はもちろんのこと、しっかりとした日本語のハイレベルな教育を受けることができます

この他にも、茗溪学園では数学が苦手な学生に対する補修授業や、帰国生向けの「適応カウンセリング」も行っています。久しぶりの日本の学校、慣れない環境は不安なことも多いでしょうから、こうした手厚いサポート体制が整っている学校は非常に魅力的に見えますね!

日本にいながら英語で他科目の授業を受けることができるこちらのIBコース。帰国生には非常に魅力的なクラスですが、その分入学試験ではしっかりとした英語力が問われます。詳しくは受験情報の項目にて後述しますが、IBコースを受験したいという方はハイレベルな英語試験に加えて数学の筆記試験なども課されていますので、早いうちから対策を行っておきましょう!

弊社TCK Workshopでは、指導経験豊富な講師陣が、皆様の学校選びから筆記試験および面接対策までしっかりとサポートさせていただきます!「今の英語力でIBコースの授業についていけるかな……?」など、無料学習相談にて一人ひとりのお悩みを解消します。是非お気軽にお問い合わせください。

茗溪学園高校の大学進学実績

さて、偏差値はおよそ50−52前後と言われる茗溪学園高校ですが、2020年の大学合格実績を見てみましょう。

2020年卒業生数263名

国公立大学68名
早慶上理ICU84名
GMARCH111名
海外大学42名(一般生6名+IB生36名)

国公立大学、早慶上理ICUに合格している方もとても多く、高い合格実績を持っているのがわかりますね。

海外大学合格者がなんと42名もいます!!

42名の海外大学進学者のほとんどはIB生で、具体的には、UC大学のIrvineとSan Diegoキャンパス、他には Boston UniversityやUniversity of Sydneyなどに合格しています。

2019年までの累計を見ると、茗溪学園出身UWC留学者の大学進学実績で、

  • ハーバード大学
  • MIT
  • コーネル大学
  • ペンシルベニア大学
  • ケンブリッジ大学
  • オックスフォード大学

などの名門大学に進学した学生もいるようです。

海外大学に進学したいと思う方には、とても魅力的な合格実績ですよね!海外留学は考えてもいなかったという方にとっても、将来の選択肢が広がるよい学校なのではないかと思います。

茗溪学園高校の受験情報

最後に、茗溪学園高校受験情報です。

今回は、帰国生特別選抜IB入試海外生特別選抜帰国生入試 (A方式+B方式)海外生特別選抜IB入試4種類を紹介します。

各入試によって出願資格が変わってくるので、詳細は募集要項をお読みください。

帰国生特別選抜(併願第 1 回・併願第 2 回)

資格:現地校・国際校に在学1年以上、または海外在住2〜3年以上

試験科目

試験科目英語 (50分):100点
日本語エッセイ(30分):30点
本人面接・保護者同伴面接 (各15分)

*英語:英和、和英、英英、辞書持ち込み可

*英検レベル:準1級程度のレベル

*本人面接:日本語・数学の試問含む

帰国生入試は日本で試験が行われます。日本語エッセイ面接にて行われる日本語と数学の試問に注意して対策をしましょう。

英語の試験時間が50分と英語を重視した試験構成になっているので、英語に自信がある方にはこちらの試験おすすめです。英検準1級程度の問題が出題されるので、英検を取得していない場合には特に対策が必要です。

また、この他に

IB入試(IBDPコース・専願/併願)

資格(専願):合格した場合は入学確約できる者

試験科目

試験科目英語 (50分):100点
日本語エッセイ(専願のみ)もしくは国語 (50分):100点
数学 (50分):100点
本人面接・保護者同伴面接 (各15分)

IB入試では、英語に加え、国語、数学が50分ずつ出題されますので、各教科の受験対策が大切になります。専願の場合は、国語の試験の代わりに日本語エッセイの試験とすることも可能です。IB入試は、日本での受験および海外からの受験の両方が可能です。

また、専願の場合、出願資格として、合格した場合は必ず入学する必要があるので、茗溪学園高校のIBコースに進学したいと強く思っている方向けの入試となっています。

海外生特別選抜 帰国生入試

海外生特別選抜では、A方式B方式の2つの種類があります。海外生特別選抜は帰国生入試と違って、出願時に海外の学校に在学している方を対象としています。こちらは、日本に帰国する必要はなく、海外から受験するという形式になっています

A方式

資格:出願時に海外の学校に在学している者、現地校・国際校に在学経験がある者

試験科目
試験科目英語 (50分):100点
日本語エッセイ(30分):30点
本人面接・保護者同伴面接 (各15分)

*英語:英和、和英、英英、辞書持ち込み可

B方式

資格:出願時に海外の学校に在学している者

試験科目
試験科目英語 (50分):100点
国語 (50分):100点
数学 (50分):100点
本人面接・保護者同伴面接 (各15分)

B方式は筆記試験として国語と数学のテストがあるので、海外で十分日本の教育を受けていない方はしっかりと対策を練る必要があるでしょう。

海外生特別選抜 IB入試

資格:出願時に海外の学校に在学している者

試験科目
試験科目英語 (50分):100点
日本語エッセイ(A方式のみ)(50分):100点
国語(B方式のみ) (50分):100点
数学 (50分):100点
本人面接・保護者同伴面接 (各15分)

最後に、海外生特別選抜のIB入試について紹介します。こちらの試験は上記のIB入試(IBDPコース)と殆ど同じ試験科目になっていますが、海外に在住している方を対象としています。この試験もA方式とB方式に分かれており、数学と英語、面接などは双方に共通、A方式の場合は日本語エッセイ、B方式の場合は国語の試験が課されます

出願時に海外の学校に在学しているということは、日本の国語や数学を長い間受けていないということですので、しっかりと受験対策を行っておきましょう。

どの試験でも、TOEFL・TOEIC・IELTS・SAT・英検・漢検・数検等の資格を取得している場合は出願の時に提出しましょう。

多くの入試があり、選ぶのが難しいかもしれませんが、出願資格をみて、海外生特別選抜に受験できるかできないかをみると少し簡単になると思います!茗溪学園高校は入試方法が多いので、早めに自分にあった入試を選択して受験対策をはじめたいですね。

海外にいながら日本の学校の入学試験対策を一人で行うのは難しいという方も大勢いらっしゃると思います。弊社TCK Workshopでは、無料学習相談を始め、様々な帰国生向けの中学受験対策を行っております。「エッセイの書き方が分からない」「日本の数学の試験が不安」などありましたら、是非お気軽にご相談ください!

茗溪学園高校のまとめ

茗溪学園高校帰国生受け入れ支援体制大学進学実績そして受験情報はいかがだったでしょうか?海外大学に42名受かっていることや、過去にはハーバード、MIT、コーネルなどに合格している生徒がいるのをみて驚いた方もいるかと思います。様々な入試方法があるので、自分に合った試験を選ぶことが出来るというのも魅力的ですね!

茗溪学園高校の特徴
  • 国語や数学の特別クラスなど、帰国生向けの手厚いサポートが充実
  • 英語特別クラスやIBコースで英語力の向上も!
  • 名門海外大学の進学実績あり国内難関大学への進学者も多数
  • 様々な入学試験で自分に合ったテストを受けられる!