はじめにー英検1級ライティング対策
英検1級の出題では、お子様にとってはとても難しい、もしくは触れたことの少ないトピックが多く、それはライティングでも同様です。
ライティングでは、文章に入れるべき「ポイント」としてのキーワードが与えられるだけで、他に概念の説明などはもちろんありません。ですので、本番で自分の力だけでライティングに取り組めるよう、なるべく沢山の過去問を用いて様々なトピックの背景知識やアイディアに触れ、慣れながら学んでいきましょう。
今回は英検1級ライティング対策として、2020年度 第1回 英検1級のライティングのTOPIC(トピック)の確認と、その回答の仕方を考えていきます。
2020年第1回 英検1級ライティングTOPIC
早速ですが、以下のTOPICについて、どう回答しますか?
- TOPIC : <Agree or Disagree> Improving relations with other Asian nations should be a priority for the Japanese government.
(日本政府にとってアジア諸国との関係性を向上させることが優先事項である:賛成か反対か)
どのように回答を考えるのか?
今回のTOPICのキーワードは
- 「Improving relations with other Asian nations」=「アジア諸国との関係を向上させる」
なぜアジア諸国との関係性をよくしなければいけないかを考えてみましょう。
日本は中国、韓国、北朝鮮、台湾などの国々のご近所さんですが、文化的共通点は大きいものの、様々な歴史的背景などから複雑な関係が続いています。
この質問の問い方「関係性を向上させることが優先事項である(かどうか)」からも、現在の日本と近隣諸国の間のむずかしい関係が存在することがわかりますね。
近隣諸国との関係を大切にすると無駄な争いを防げたり、協力し合えたりとメリットが多そうですが、そもそもなぜ現状が「むずかしい」状態なのかは、高校生でもなかなか詳しく説明できる生徒さんは多くありません。
国際問題は複雑で様々な見解があるためご家庭で話し合われる機会も少ない場合もありますね。もしくは、帰国生のご家庭だからこそ、国際関係についてはご家族の生活にも場合によっては影響することとして、ホットトピックとして話題にされていますでしょうか。
日本のニュースを追っていると、最近で目につきやすいのは
- 北朝鮮との拉致問題・ミサイル問題
- 韓国との慰安婦問題
- 中国との領土問題
などでしょうか。
ご家庭や学校などで話題に出たことのないトピックは、本番で出された際には、お子さまの今までの知識の応用が難しいので、日頃から子ども新聞などを読むことを工夫したり、英検のトピックでブレインストーミングをする、海外ニュースを一緒にみて話し合ってみる、ような働きがけや対策が大切です。
ちなみに、今回のテーマの場合、圧倒的にAgreeの方が答えやすいです。
なぜなら、Agreeを選んだ場合には
- 「日本はアジアのご近所さんと仲良くするとどんないいことがあるか」
を答えられれば大丈夫ですし、例えアジア諸国との国際情勢に詳しくなくても、その項目を引き出しやすいからです。
プロ講師の回答案を紹介!
関連するトピックやキーワードに分けて詳しく説明していきました。
「プロ講師である私であれば、こういう風に回答案を考える!」という構成案を紹介します。
Agreeの場合の構成
Agree(賛成)の場合:日本はアジアの国々と仲良くすると経済的・文化的発展が見込める
- アジアの国々で経済的に連携すると輸入輸出がしやすくなる
- アジアの国々で仲良くすると留学や国際交流をしやすくなる
- アジアの国々と仲良くすると経済力や労働力など協力して新しいものが作れる
Disagreeの場合の構成
Disagreeの場合には、アジアの国々との関係をよくする必要が特段ない、または別の国との関係をよくするべきなどの意見で書くことも考えられます。
Disagree(反対)の場合:日本はアジアの国々との関係よりもアメリカなどの他の国々との関係を強化するべきである
- 戦争から守ってくれるアメリカとより仲良くなるべき
- 日本はアジア以外の国々への輸出が多いのでそれらの国々との関係性を強化するべき
- 日本がアジアの中でより力をつけるためにも他の先進国と連携するべき
英検1級ライティング(2020年1回)のまとめ
英検1級のライティング対策として、2020年第1回のトピックとその回答の構成案などを取り上げていきましたが、いかがでしたか?
様々な意見のあるTOPICなのでもちろんどちらでも回答できますが、TOPICの書き方の「関係性を向上させることが優先事項である!(賛成か反対か)」とされている場合、Agreeの意見の方が通常はアイデアが出しやすい傾向にはあります。(反対意見が多く出せそうであれば、もちろん反対意見でも構いません。)
英検の資格は、日本に帰ってきたときに英検1級を受けるためにも、早めの準備をしていきましょう。準1級や2級から順を踏んで挑戦していくことも、問題や形式慣れのためにも大切です。 早めの英検の資格取得ができれば、
- 急な帰国になった場合でも焦らずに対策できる!
- 対策のウェイトが大きくなる数学・国語に勉強時間を使える!
といったように、効率の良い受験対策を進められるようになります。