はじめにー英検1級ライティング対策
英検1級の出題では、お子様にとってはとても難しい、もしくは触れたことの少ないトピックが多く、それはライティングでも同様です。
ライティングでは、文章に入れるべき「ポイント」としてのキーワードが与えられるだけで、他に概念の説明などはもちろんありません。ですので、本番で自分の力だけでライティングに取り組めるよう、なるべく沢山の過去問を用いて様々なトピックの背景知識やアイディアに触れ、慣れながら学んでいきましょう。
今回は英検1級ライティング対策として、2019年度 第3回 英検1級のライティングのTOPIC(トピック)の確認と、その回答の仕方を考えていきます。
2019年第3回 英検1級ライティングTOPIC
早速ですが、以下のTOPICについて、どう回答しますか?
- TOPIC:Can renewable energy sources replace fossil fuels?
(再生可能エネルギーは化石燃料を置き換えられるか)
どのように回答を考えるのか?
今回のTOPICのキーワードは明記されていませんが、
- environment
- possibility
- benefit
でしょう。
賛成(Agree)・反対(Disagree)のどちらの立場でも、上記のキーワードが議論のポイントになります。
まずはじめに「再生可能エネルギー」と「化石燃料」の特徴や違いを考えましょう。
「再生可能エネルギー」は太陽光発電や水力発電、バイオマス発電などの材料が「復活可能」なものを指します。これらは近年注目されている発電方法で、環境に優しく「持続可能」なエネルギーとして知られています。
「持続可能」とは「ずっと続けられる」という意味です。
一般的に「化石燃料」と言われる石油、石炭、天然ガスは人類史よりも長い時間をかけて作られたものなので、いつかは、なくなってしまうと言われています。
つまり、
- 「化石燃料」は使い続けられないので持続可能ではありません
また、「化石燃料」を使用すると二酸化炭素をはじめとする排気ガスが発生したり、「化石燃料」採掘のために環境に大きな負担がかかるため「ずっと続ける」ことは難しそうです。
「再生可能エネルギー」は「クリーンエネルギー」などとも言われ、良いイメージがありますが、まだ世界で多く使われているのは石油、石炭などの「化石燃料」ですね。
なぜ再生可能エネルギーは普及が遅れているのかを考えてみましょう。
「再生可能エネルギー」普及の大きな問題として以下のような点があげられます。
- 環境に頼るため、つくれる電力の量が安定しない
- 発電機の普及のためには膨大なお金がかかる
- 電力を溜めたり遠くに送ることが今の技術では難しい
他にも様々な理由がありますが、主に上の理由をおさえておくと環境系の問題に対応しやすくなります。
このように、「再生可能エネルギー」は確かに環境には良いものですが、まだ現在の私たちの生活では、「化石燃料」に代わる生活の主流のエネルギー源にすることができていない、という状況です。
そのため、TOPICに賛成の意見であれば、「再生可能エネルギー」が
- 「環境に優しいため大切で」
- 「実用化も近い」
というポイントを含めて書けると良いでしょう。
では早速、回答の構成例を見てみましょう。
プロ講師の回答の構成案を紹介!
さて、関連するトピックやキーワードに分けて詳しく説明していきました。 「プロ講師である私であれば、こういう風に回答案を考える!」というライティングの構成案を紹介します。
Agreeの場合の構成
Agree(賛成)の場合:再生可能エネルギーは化石燃料を置き換えられる
- 再生可能エネルギーは環境に良い影響を与える
- 再生可能エネルギーの技術は進歩し今では効率よく発電ができる
- 再生可能エネルギーは以前と比べ安価になっているため数年の内には化石燃料を置き換えられる
Disagreeの場合の構成
Disagree(否定)の場合:再生可能エネルギーは化石燃料を置き換えられない
- 再生可能エネルギーは天候などに左右されるため安定しない
- 再生可能エネルギー発電も実は環境破壊や二酸化炭素排出の可能性がある
- 再生可能エネルギーは実用化できるまで数十年は必要なので日本には適さない
英検1級ライティング対策(2019年第3回)のまとめ
英検1級のライティング対策として、2019年第3回のトピックとその回答の構成案などを取り上げていきましたが、いかがでしたか?
今回のような「環境問題」はお題として、英検ライティングでは大変よく取り上げられるトピックです。
盛んな議論が行われている問題なのでどちらでも回答可能ですが、Agree/Disagreeの両サイドの意見とも、3つの意見や深みのある意見を出すのは難しいので、日頃からニュースを見ながら「何をしたいのか」「なぜそれができないのか、実現するにはどのような問題が考えられるか」など沢山の質問や考えてみたり調べる習慣をつけるといいですね。
英検の資格は、日本に帰ってきたときに英検1級を受けるためにも、早めの準備をしていきましょう。準1級や2級から順を踏んで挑戦していくことも、問題や形式慣れのためにも大切です。 早めの英検の資格取得ができれば、
- 急な帰国になった場合でも、焦らずに中学・高校受験対策ができる!
- 受験対策のウェイトが大きくなってくる数学・国語に勉強時間を使える!
といったように、効率の良い受験対策を進められるようになります。