現在、MYP(ミドル・イヤーズ・プログラム)を終え、IB(国際バカロレア)のDP(ディプロマ・プログラム)の取得準備を進めている方、もしくは高校から新しくIB教育を受けてみようと考えている方。IBには2種類の証明書があることをご存知ですか?

それは

  1. IB Diploma
  2. IB Certificate

の2種類です。基本的に、IBの教育を受けよう!と決めた生徒は、2年間DPを通して勉強し、指定の単位数と成績のラインを満たし、EEやCAS、TOKの課題もこなします。全ての基準を満たした生徒は、最終的にDiplomaという修了資格を得ることができます。

IB Certificateは、IBの合格した科目だけに与えられる修了証明書です。Diplomaとは違って、最終試験で合格した科目ごとの証明書がもらえるので、コアの6科目の中で不合格が出てしまうと、自動的にCertificateを受けることになって、Diplomaはもらえません

今回、この記事では以下の3点について詳しく説明していきます!

IB Certificateについてのご紹介
  • IB Diplomaの取得条件・IB Certificateについて
  • IB Certificateを選択する理由
  • IB Certificateのメリット・デメリット

IB Diplomaの取得条件・IB Certificateについて

まず、IBのDiplomaをしっかりと取得するための条件というのはどのようなものなのでしょうか

IBDPのコースは、6つの選択科目課題論文(EE)知の理論(TOK)課外活動(CAS)から成っています。

6つの教科グループから選んだ科目のうち、3つ(または4つ)をHigher Level、残りをStandard Levelで取ります。

成績は、6つの選択科目は 各7点満点で、合計で24点以上取得していれば合格とみなされます。EEとTOKは合わせて最大3点の加点が可能で、CASは加点対象とはなりませんが、IBDPのDiplomaを取得するには必要です。

6つの選択科目は、2点未満のスコアは不合格とされ、IBのDiplomaは与えられず、合格とみなされた科目のみに【IB Certificate】(修了証明書)が与えられます

これが、一番大きなIB DiplomaとIB Certificateの違いです。

IB DiplomaとIB Certificateの違い
  • IB Diplomaは『IBDPのプログラムの選択科目の合格基準点を全て満たした人に与えられる修了資格
  • IB Certificateは、『IBDP全体の合格基準には到達できなかったけれど、合格できた科目にだけ与えられる修了証明書

ここでひとつ注意しなくてはならないことがあります。IBのDiplomaは一種の資格なので、これを利用して大学の入試等に使用することができます。しかし、CertificateはDiplomaとは違って、合格した科目にだけ与えられる『修了証明書』なので、入試に使える資格とはなりません。あくまでも、『IBのカリキュラムのこの科目をやりましたよ』という証明でしかないので、大学入試用の資格・証明書には使えません。

IB Certificateを選択する理由

「IB Diplomaではなく、Certificateを取ろう!」と決める理由には、どのようなものがあるでしょうか?

ひとつは、最後に貰える修了証明書(資格)が違うだけで、カリキュラムはIBDPのものと同じなので、Diploma取得を目指している生徒と同じ、質の高い教育を受けることができるということです。Certificateを取得する生徒も、Diplomaを取得する生徒も、受ける教育や挑む最終試験は同じです。

もうひとつは、IBのカリキュラムを受けながらも、EEやTOK、CASの活動など、荷が重い課題はやらなくていい、というポイントです。IBのカリキュラムを提供している学校にいて、IBの科目授業は受けたいけれどEE・TOK・CASの活動は大変だな、そこまでやる自信はないな、という人は、IBの教育をしっかり受けてみたい教科だけ、IB Certificateの取得を目指して頑張ってみるのもひとつの手かもしれませんね。

IB Certificateのメリット・デメリット

さて、ここまでIB CertificateとDiplomaの違いなどを説明してきましたが、DiplomaではなくIB Certificateを取得するメリット・デメリットはどのようなものなのでしょうか?

IB Certificateのメリット

やはり一番大きなメリットは、EEやTOK、CASなどの荷がとても重い課題をやらずに、IBの科目やカリキュラムをしっかりと受けることができる、というところです。

最終試験もIBのDiplomaを目指している人と同じものを受けるので、勉強不足に終わることはまずないでしょう。

IB Certificateのデメリット

しかし、せっかくIBの教育を提供している学校に通うのに、Diplomaを取らない、というのはもったいない、という意見もあると思います。

Diploma取得のための勉強量、そしてEE・TOK・CASの作業量は本当に大変なのですが、その分しっかりとDiploma資格を取得できれば、入試、そして大学入学後もずっと役に立ってくれます

世界のどこに行っても通じる一生ものの教育、資格という面で、やはり取れそうなのであれば、IB Diplomaに挑戦してみるのも、大変有意義かと思います。

まとめ

いかがでしたか?

IB CertificateとDiplomaの一番大きな違いは、必要な作業量最終的に渡される修了証明書と修了資格の違いです。

IB Certificateは、IBのカリキュラムで選択した科目で合格した分の修了証明書、というものです。

IB Diplomaは成績の判定も厳しく、選択している科目以外にEEとTOKのレポート、CASの活動と報告レポートと、とにかくやることが多いです。しかし、その代わり大学の入試などにも通用する修了資格が取得できます。

IBDPのカリキュラムは乗り切るのが非常に大変と言われていますが、高校を卒業してからもずっと自分の役に立ってくれる勉強、学生生活を経験することができます。IB Diplomaに挑戦するか、Certificateにするかは、しっかりと自分のやりたいこと、出来ることを考えて選択したいですね。

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