A-level Mathは理系進学を目指す学生にとって必須ともいえる科目です。特にEdexcelのPure Mathematicsでは、限られた時間で高度な計算力と論理的思考力が求められ、独学では難易度の高さを痛感する人も少なくありません。

本記事では、**2023年6月実施のEdexcel A Level Pure Mathematics Paper 1(8MA0/01)**を分析しながら、頻出単元と得点力アップに直結する復習法を解説します。
また、**実際に「どこでつまずきやすいのか?」「どう対策すべきか?」**を明らかにしながら、TCK WorkshopのA-levelサポートについてもご紹介します。

Edexcel AS Level Pure Maths Paper 1 (8MA0/01) June 2023 徹底解説と分析

A Level Maths の学習を本格的に始めた受験生、また保護者の皆さまにとって、過去問の活用は合格への近道です。本記事では、2023年6月に実施された Edexcel AS Level Pure Maths Paper 1(8MA0/01)を全問解説付きで振り返り、出題傾向や学習上の注意点を徹底分析します。特にExaminer’s Report(採点官の講評)をもとに、つまずきやすいポイントや失点の原因を明確に解説します。

全体講評:基本〜応用までバランスの取れた良問揃い

この試験は、基礎問題から応用問題までバランスよく出題された良問構成でした。得点差がつきやすい問題も含まれており、理解の深さや処理力が問われた印象です。特に以下の点が顕著でした:

  • 対数(Q9)や証明(Q17)など、形式的理解に依存しがちな分野での失点
  • “show that” 問題での途中式の省略による失点
  • 計算機使用不可の場面での計算力不足(Q2、Q15)
  • モデリング・説明問題(Q3b、Q7c)での論理的記述力の差
  • 不等式領域(Q8)や円の条件設定(Q6)といった応用幾何問題での理解不足

問題別解説と分析

Q1: 微分と増減区間の判定

受験生の多くが得点できた“優しめのスタート”問題。微分のルールは理解されていたが、分数係数の計算で符号ミスや処理ミスが頻出。また、増減区間をxの範囲で正しく記述する必要があり、ここで不等号の整合性(<, ≤ など)を欠いた答案が目立った。グラフをスケッチした受験生ほど正答率が高かった。

Q2: 指数方程式と二次方程式の融合

設問では途中式の提示が求められていたが、多くの受験生が電卓に頼って直接解を出し、最初の2マークを落とした。特に「uで解いてからxに戻す」手順の省略、「-5の平方で得られる無効解の除外漏れ」が共通の減点ポイント。

Q3: コサインルール+モデルの妥当性

(a)ではコサインルールを使う意図は分かっていたものの、三角形のラベリングミスにより誤った式を立ててしまうケースが多発。逆にベクトルアプローチを選んだ受験生は高得点傾向。 (b)では「直線距離で移動するのは非現実的」という常識的理由が最も好まれた。スピードや時間の話に逸れた受験生は失点。

Q4: 逆数関数と領域の記述

(a)では典型的な1/x型グラフの形は多くが把握していたが、漸近線の位置が軸からずれていたり、1象限しか描いていない解答が減点対象。 (b)は難所で、x<0の部分を考慮できなかった生徒が多数。特にx=0を含めた「x≤0」の表記は誤答。集合記号(∪、∩)を使った受験生は記述ミスが多く見られた。

Q5: 面積計算(積分)

正しいxの上限(x=5)まではたどり着けても、積分区間や矩形からの引き算で誤答が多発。特に「曲線下の面積 – 矩形」という構成理解が不十分で、正負のサインミスや逆引き算で不正解になるケースが目立った。

Q6: 円の幾何と条件設定

(a)の平方完成で中心座標を出す部分は高正答率。 (b)は幾何的にx軸と接しない条件をどう設定するかがカギ。代数的アプローチで判別式を使った解法より、図を描いた受験生の方が早く・正確にkの範囲を導出できていた。

Q7: モデル構築と妥当性の判断

(a)では傾きの符号ミス(8と-8の混同)に注意。1リットル=8kmという比をもとにモデルを立てられたかが肝。y=mx+c形式でなくy∝xとした受験生は限定点止まり。 (b)ではモデルの適用で単位漏れが多く、最後の1点を落とすケースが散見。 (c)は「10Lの差」が意味を持つことを論理的に述べる必要があり、“差があるから使えない”だけでは得点できなかった。

Q8: グラフ領域の不等式

直線と放物線で囲まれた領域の不等式記述。yの不等式で表現すべきところをx軸方向の領域(例:3 < x < 10)で表す誤答が目立ち、数学的な表記法(y ≤ ○)の理解が不足していた。

Q9: 対数方程式と二次方程式

logの基本法則(掛け算→足し算、べき乗の扱い)が理解できていない答案が多く、分数式をそのまま使い誤答。解を出した後に定義域確認ができず、log5(0.111…)のような不正解を採用したケースも多かった。

Q10: 直線の幾何と面積

(a)では垂直条件と点を通ることの“両方”を示す必要があり、1つだけしか満たせなかった答案が減点。 (b)はベースが18、高さがy座標と見抜けるかが重要。余計なピタゴラスの使用でミスが起きやすかった。

Q11: 指数関数と微分

(b)では成長率=微分と気づけなかった受験生が多く、単純にt=4を代入して誤答。正しい単位変換(m→cm)も見落とされやすかった。

Q12: 三角恒等式と方程式

(a)(b)は教科書的理解で突破可能だったが、(c)ではグラフの周期と変域の扱いが必要で、30個の解を導くためには「5倍された周期」がポイント。そこまで到達できた受験生はごく少数。

Q13: ベクトルと比の問題

(a)(b)は定番問題として比較的簡単。だが(c)では“AB=BC”と誤解したり、点の位置関係を正しく図示できなかった生徒は苦戦。図が描けた生徒の正答率が圧倒的に高かった。

Q14: 二項展開と係数

(a)では展開不要な項まで書き出して時間を浪費したケースが多発。必要な項だけをピンポイントで出せた答案は模範的。

Q15: 連立方程式と因数分解

(a)ではy=3を得た後の「コメント」が書かれていない答案が失点。 (b)では(×電卓)の注意書きを無視した解答が多数。与えられた因数で割り切り、正しく因数分解・因数選択ができた生徒は少数。

Q16: 微分→積分→関数の復元

f'(x)が与えられ、f(x)を復元する典型問題。定数の処理や代入の符号ミスが多く、stationary pointに関する理解(導関数=0)が曖昧な生徒は苦戦

Q17: 整数問題と証明

(a)では条件(正の整数、q > p)を満たさない反例が多く、採点基準を満たせず失点。 (b)では2n表記にして代入後、結論をしっかりと書いたかが得点の分かれ目。結論文を省くと満点に届かない。

まとめ|A Level対策で求められる“型+思考力”

この2023年6月試験は、基本的な技術(微分・積分・方程式)を正確に使えることが前提で、そのうえで思考力や記述力、さらには解答の妥当性を吟味する力が問われました。Examiner’s Reportでも繰り返し強調されていたように、

高得点への鍵
  • 途中式を明確に書く(特にshow that 問題)
  • 電卓に頼らずに解法プロセスを見せる
  • 式の意味・グラフとの対応を意識する
  • 記述式で論理の通る説明を行う訓練

といった力が、高得点へのカギとなります。

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