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TCK教育通信TCK BLOG

指導を通して感じた想いやお役立ち情報を皆様にお届け致します。

はじめに

この記事を書いた人
岡留 智史 TCK Workdshop プレミアム講師

大学生時代から始めた家庭教師が天職だと感じ、国内の受験指導に加えてインターナショナルスクールに通うお子様の理数専門家庭教師として十数年に渡り指導を続けている。

いよいよ新学年が始まり、ついにMath新カリキュラムが始まりました。夏の間も予習をしたいという生徒達へと一緒に新Mathカリキュラムを指導していました。

まず一つ言いたい。oxford出版の教科書ですが、誤植が多過ぎる。考えられないくらい間違いが多い。途中式、答え、とにかくミスが多くて、使っていて非常にストレスがありました。

Amazonで8~9千円もして届くまでに3週間くらいかっかたのに…。自分たちのようにプロが見れば「あ、間違えている」で瞬時の判断で済むんですが、子供たちが見たら「あれ?なんでだろう…」って平気で自分が間違えているという前提で、1,2時間ウジウジと考え込んでしまうんですよね…。

教科書や問題集の答えが間違えているのは軽い罪ですよ。海外の参考書アルアルですが。今回のはひどい。あまりにも多いので、購入される方は気を付けてくださいね。早いうちに改訂されるといいのですが。

Analysis and Approaches HL について

さて、今回はAnalysis and Approachesです。

担当している生徒様の中には、AAのHLを履修する子がいます。今までで言う「Math HL」というところでしょうか。数学が得意、好き、理数系に強い関心がある、といった層の生徒達が履修するものです。間違いなく10年生の時点で数学で良い成績を納めていないと履修は難しいでしょう。

AI HLと違うのは、pure mathematicsな部分が強いという点でしょうか。概念的な理解に加えてゴリゴリの計算や式の証明などについても深く言及されたりしています。これをみると、日本の高校数学にも相当するようなレベル感の問題もチラホラと見当たります。

ですので、AA HLにするか、AI HLにするか迷う場合は、計算力に自信があるかないかでまず考えてみてください。AAでは間違いなくある程度の計算力は求められます。計算ミスが多い、ケアレスミスが多過ぎる、電卓無しじゃやってられない、という生徒たちにはAAはお勧めしません。

従来のMathとAnalysis and Approaches HLとの変更点

さて、従来のカリキュラムからの変更点について説明しようと思いましたが…ほとんど無いんです。変更点が。新Mathの中で最も変更点が少なく、正統派ストロングといった具合です。

新しく入ってきた章立ては下の2つ。

  • Reasoning and Proofs(論理と証明、命題論理)
  • Linear Algebra(線形代数)

論理の部分は難しく感じる人が多いかもしれませんが、恐らくAA HL履修する子達は難なくクリアするのではないでしょうか。Linear Algebraは大学レベルの話ですと非常に高度な数学になりますが、連立方程式の解法に留まるので、むしろ簡単です。

  • Mclaurine Series
  • Differential Equation

上記の2つは、従来のOptionのCalculusの分野なので、強制的にコアトピックスに入ってきたということでしょう。特にあたらしいものではありません。Calculusが苦手だと後半戦が辛くなるかもしれません。微積分については深い理解が求められます。

まだ、学校にも新しい教科書が届いておらず、現場の先生が従来の教科書やその他代用の利くもので対応していると言う生徒達の声が多いので、この先どうなっていくのかなぁと心配ですが、初年度の進み具合やMOCKのレベル感が気になるところです。

Analysis and Approaches SL について

いよいよ最後、Mathematicss Analysis and Approaches SLについてみて見ましょう。恐らくですが、履修者が少ない?と思う科目です。なぜなら、Math AA SL取るならAI HLを取る子が多いのでは?そして、SLにしたいならばAI SL取るのでは?と個人的には思ってしまうからです。

従来のMathとAnalysis and Approaches SLとの変更点

AA HLのレビューの時にAA HLは従来のMath HLに比べて変更点が少ない点を指摘しましたが、AA SLも同様でした。これまでのMath SLと取り扱う内容はほとんど変わりません。

Vector(ベクトル)が無くなります。また、積分の応用の回転体の体積も無くなっています。

  • Proof(論理、証明)
  • Regression(回帰分析)

新しく追加となったものが、上記の「Proof(論理、証明)」と「Regression(回帰分析)」です。

Proof(論理、証明)は、場合によっては難解と感じる生徒が多いかもしれませんが、そこまで深くつっこんだ問題は扱いませんのでしっかりと類題を繰り返し練習すれば十分に対応できるかと思います。

Regression(回帰分析)についても、名前はとても難しそうですが、ほとんど電卓やエクセルなどで計算させるので、何も心配いりません。中学校からよくでてきたline of best fit(直線による近似)のことですので、海外カリキュラムを長く経験している人からすれば楽勝チャプターです。

細かい話まで突っ込むと非常に難解ですが、そこまでの学習は、本カリキュラムでは扱いません。Scienceを履修している場合は必ず扱う分野ですので、例えばlab reportやIAなどには役立ちます。

それ以外は今まで通り。Function(関数)、trigonometry(三角比、三角関数)、Calculus(微積分)の基礎、statistics(統計)とprobability & distribution (確率と分布)がまとまったスタンダードな数学セットとなっています。

従来のmath SLの過去問題なども十分に練習教材としては使えるので、Mockの対策などに活用してもよいかと思います。今回の変更でMathが二つにわかれましたが、総じてやはり変更点の大きかったAI HLが生徒たちの中でどう受け入れられていくのか。気になるところです。

最後に

Analysis and Approachesの変更について、最後にまとめてみましょう。

Analysis and Approaches HL

  • 新しい章立てとして「Reasoning and Proofs(論理と証明、命題論理)」「Linear Algebra(線形代数)」が追加
  • 従来のOptionのCalculusの分野である「Mclaurine Series」「Differential Equation」もコアトピックスに入る

Analysis and Approaches SL

  • 「Proof(論理、証明)」と「Regression(回帰分析)」が追加
  • Vector(ベクトル)と積分の応用の回転体の体積が履修からなくなる

カリキュラムが変更された初年度は、いろいろと現場の先生も対応しきれない部分があり、振り回されがちです。先生とのコミュニケーションを密に取るなかで、自分でもきちんとリサーチして、学ぶべきことを整理して、対策をしていきましょう。

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