IBDP取得を目指すみなさんは、科目選択にお悩みではないでしょうか。IBDPにはたくさんの科目があり、組み合わせも無数にある分、悩み始めると止まりませんよね?
- 「IBは大変と聞くし、できるだけ負担を減らしたい!」
- 「できることなら楽な科目を選びたい!」
と思っていませんか?この記事はそんなあなたのための記事です!
ズバリ聞きたい!「楽できる科目はどれなの?」
結論から言います。
IB DPに、楽できる科目はありません!
どの教科でも、IAなどの提出課題や最終試験を確実にこなす必要があります。特に、提出課題の締め切りは重なることがほとんどです。
課題をため込むと、後にツケが回ってきて、後々苦い思いをすることになります(筆者も経験済みです……)。IBDPはマラソンに例えられることもあります。IBDPと、ペースを乱さずにゴールに向かって走り続けるマラソンって少し似ていませんか?
楽をして走れるマラソンがないのと同様に、IBDPも決して「楽」ではないんです。
IBでは、課題と日々の学習を計画的に、着実にこなすことが一番の近道だと筆者は考えています!
「楽な科目」はないの?
IBは楽ではありません。しかし、IB経験者として、楽できた科目はなくても、「他の科目と比べて楽」と感じた科目はあったといえます。
ただし、教科の好みも、勉強の長所短所は人それぞれですし、楽と感じる基準は人それぞれ。「学校内の都市伝説や先輩の話を鵜呑みにせずに、しっかりと根拠に基づいた検討を重ねて自分が比較的楽と感じる科目を探してほしい」というのが筆者の願いです。
ここでは、自分に合った「楽な科目」を探すポイントを4つ紹介します!
とはいえ、IBを実際に始める前から一人でしっかりとリサーチをするのは難しいという場合もあるかと思います。弊社TCK Workshopでは、科目選択からIBDPに向けての下準備、コースが始まってからのサポートまで、経験豊富な講師陣が皆さまの学習をしっかりとお手伝いさせていただきます。まずは無料学習相談から、ぜひお気軽にお問い合わせください!
ポイント1:志望校、学部の募集要項を確認しよう!
楽な科目を探す前に、大学・学部によっては科目とレベルが指定されている場合があることに注意しましょう。
特に、海外の大学を志望する人、また、日本の大学でも東北大学、筑波大学、上智大学(IB入試)などに出願を考えている人は注意です。
まずは、自分の志望校について調べ、大学・学部の募集要項にあらかじめ目を通しておきましょう。IBDPを始めて1〜2年後、いざ出願する時に手遅れになっては困りますよね。
楽な科目を選ぶだとか、そんな話の前に、絶対に志望大学の志望学部を受験するための要件を調べましょう。
ポイント2:好きな科目/興味を持てる科目にしよう!
当たり前と言われてしまえば当たり前ですが、念押ししておきたいところです。
自分が興味を持っている科目は2年間、多少辛いことがあっても、モチベーションを保てます。その教科が「好きか」、「興味があるか」、「自分の進路のために必要か」など。
まずは、その科目に対して自分がモチベーションを保てるかどうか、考えてみましょう!
ポイント3:評価比重がテスト<課題かどうか確認しよう!
「試験で緊張しがちで、本番実力が出せるか不安」「本番一発勝負が怖い」など、試験に不安がある人はいませんか?
そんな場合は、IA(Internal Assessment)などの事前提出課題の比重が高くなるように科目・レベルを選ぶという方法があります!
IBDPの各教科では、IAなどの提出課題と、最終試験によって成績が決まりますが、提出課題と試験成績の比率は科目によって違います。同じグループ内の科目(例:同じ自然科学の科目のphysicsとchemistry)は比重が同じですが、グループ間で比較すると違うんです。
例えば、Physicsでは、事前提出課題で決定する成績は全体の20%です。対して、Visual Artは5月の最終試験が無いため、事前提出課題による成績が100%です。
Physicsの評価比重 | SL | HL |
---|---|---|
Exam Paper1 | 20% | 20% |
Exam Paper2 | 40% | 36% |
Exam Paper3 | 20% | 24% |
Internal Assessment | 20% | 20% |
Visual Artの評価比重 | SL | HL |
---|---|---|
External Assessment:Part1 | 20% | 20% |
External Assessment:Part2 | 40% | 40% |
Internal Assessment | 40% | 40% |
筆者が組んだ履修は、事前提出課題の評価の割合と、試験による評価の割合が約半分ずつ(事前提出課題の割合が高め)でした。
その結果、「試験で少し失敗しても、今までの積み重ね(提出課題)があるから大丈夫」と当日は少し気を楽にして試験に臨めました。
また、手応えが芳しくない日も、「半分の成績はもう決まっているんだから、試験の結果を気にしても仕方ない」と思えば、翌日は気持ちを切り替えることができました。
試験は緊張してしまう、気持ちの切り替えが苦手、という方は是非参考にしてみてください!
ポイント4:SLとHLでどのぐらい単元が追加されるのか確認しよう!
科目選びももちろん大切ですが、IBDPで好成績を修めるためにはレベル選択も重要です!
どの教科でも、HLではより高度な内容を学習しますし、SLと比較すると評価基準も厳しくなります。しかし、SLとHLで取り扱う内容や課題の負担や、テストの種類は各教科で特徴があるんです。
例えば、Japanese A HLでは取り扱う作品数がSLより多く、English B HLでは文学作品を読む必要があります。
Science系科目などでは単元数が大幅に増えます。Economics HLでは、学習範囲が増え、Paper 3というSLには無い種類のテストが追加されます。Art系の科目ではIAなど提出課題の量が増えます。(※ここで挙げたもの以外にも違いがあります。必ず各教科のSubject Guideを参照してください。)
挙げていくとキリがありません。教科ごとに細かな違いがあるんです。
こうしてみると、科目によっては「意外とHLでも負担がSLと変わらないかも」などの発見も得られるはずです。その上で、「私はアウトプットをするより暗記が得意だから、あの教科のHLよりこの教科のHLにアドバンテージがありそう」などと、自分の長所短所と照らし合わせて、レベル選択を考えていきましょう。
経験談になりますが、筆者はEconomics HLを履修していました。HLはSLと比べて負担が増えるのでは?と思う人もいるかもしれません。
確かに、Economics HLでは学習範囲もテストの種類も増えます。
しかし、Paper 3(計算問題重視)が加わることで、Paper 1 やPaper 2(論述式)の比重が自然と減るのです。筆者は英語での論述に苦手意識がありましたが、計算問題は苦ではなかったため、HLが向いていると考えました。
このように、自分が得意なジャンルや、自分の英語の能力などを総合的に考えて、科目、レベルを考えてみましょう!
まとめ
「IB DPで楽な科目はなに?」についてお答えしてまいりましたが、いかがでしたか?
- 「楽ができる科目」はない!
- ただし、「楽ができる科目」はなくても、自分にあった科目はきっとある!「自分が楽と感じる」科目・レベルを選ぶ意識を持つことが大事!
- 楽と感じる科目を探す前に、志望校、志望学部の募集要項を確認して「履修すべき科目」を取ろう!
- IAなど事前提出課題の比率や、各科目のレベルによる差を調べ、自分の特性にあっている「楽と感じる」科目か見極めましょう。
IBDPは「科目選択から始まる」と言っても過言ではありません。これまでのポイントを参考にしつつ「自分が楽と感じる科目やレベルは何か」を考えてみましょう!
とはいえ、初めにも申し上げた通りハイレベルなカリキュラムで知られるIBにて好成績を収めるのは簡単なことではありません。IBを始めてみたはいいけれど学校の先生と相性が悪い、授業だけではついていけないなど様々なケースがありますし、IBを始める前に予め準備をしておきたいという方もいらっしゃるのではないかと思います。弊社TCK Workshopでは、指導経験豊富な講師陣が、皆さまのIB対策から大学選びまでしっかりとサポートさせていただきます。
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