新形式ライティング、どう対策する?
2023年に導入されたTOEFL Writingの新形式「Academic Discussion(アカデミック・ディスカッション)」は、これまでのライティングと大きく異なり、チャット形式での回答が求められます。

これまで通りのエッセイじゃダメなの?

どんな採点基準なの?

語数はどのくらい書けばいいの?
こういった疑問を持つ受験生は非常に多く、実際にスコアが伸び悩むケースも。この記事では、Academic Discussionの概要から、採点ポイント、そして得点アップの具体的対策まで、網羅的に解説します。
Academic Discussionとは?新形式の全体像

チャット風の“対話型ライティング”
Academic Discussionでは、教授の問いかけに対して、生徒2人の意見が提示され、それを踏まえて自分の意見を書くという形式になっています。
- 制限時間:10分
- 目標語数:100〜150語(公式では明示されていないが、多くの高得点者は150語前後)
- 構成:
- 他の生徒2人の意見を要約・言及
- それに対する自分の立場や意見を明確に提示
- 必要に応じて経験・理由・具体例でサポート
- 他の生徒2人の意見を要約・言及
従来のIndependent Taskとの違い
従来のエッセイ形式(300語程度・25分)のIndependent Taskと比べて:
従来形式 | Academic Discussion |
パラグラフ形式のエッセイ | チャット形式の簡潔な意見文 |
構成に明確な型がある | 柔軟な構成(だが論理性は必要) |
自由なトピック | 他人の意見に反応が必要 |
よりフォーマル | 口語的でもOK(カジュアルすぎはNG) |
【→ 新形式への切り替えで点が下がった?その理由と対策を解説
話せる英語でも書けない?帰国子女が直面するTOEFLライティングの盲点】
実際に出題された例題の紹介
以下は実際にETSの練習問題で扱われたトピックの一例です:
トピック:「大学進学前にギャップイヤー制度を導入すべきか?」
- 生徒A「人生経験が増える。視野が広がる」
- 生徒B「お金がかかるし、学業のモチベーションが下がる可能性がある」
このような意見に対して、自分の立場を明確にしながら、要約+意見+理由をセットで展開していきます。
採点基準を正しく理解しよう(ETS公式に基づく)

Academic Discussionの採点は、以下の4項目に基づいて評価されます:
1. 内容の充実度(Content)
- 質問に答えているか?
- 他の意見に適切に言及しているか?
- 賛成・反対・中立、いずれもあり得るが、論点の明確さが重要
2. 展開の論理性(Development)
- 論理的なつながりがあるか?
- 自分の経験や例でサポートされているか?
- 単なる主張だけでなく、なぜそう思うのかを説明できているか?
3. 言語の多様性(Language Use)
- 文法や語彙の正確性と多様性
- 同じ構文や語彙の繰り返しを避ける(例:「good」「I think」ばかり使わない)
4. 構成力と文の流れ(Coherence & Cohesion)
- スムーズなつながりと明快な論理展開
- 接続詞(however, therefore, becauseなど)の活用
- 文法の誤りやぎこちない言い回しが少ないか
実践対策:スコアアップのための5つのポイント
① 読解力+要約力を磨く
Academic Discussionでは、他生徒の意見を正しく読み取り、的確に要約する力が不可欠です。
- “He argues that…” “She believes that…” などで引用しつつ、自分の言葉で要約
- 完全に同じ言い回しはNG。言い換え表現(paraphrasing)を意識しましょう
② 自分の立場は一貫して
- 完全賛成/完全反対/部分的に賛成+補足意見のいずれでもOK
- ただし、「どの立場か」が読み手に伝わらなければ減点対象です
③ 経験や例を使って説得力UP
- 自分の経験を交えるとトピック・ディベロップメントの評価が上がる
- “For example, when I…” などの導入が自然
④ 表現の幅を持たせる
- 同じ主語・構文の繰り返しは避ける
- 例:I think → I believe / It seems to me that / In my view, …
- “This idea is problematic because…” “Another perspective is…” など
⑤ 語数は「100語以上150語前後」を目指す
- ETS公式では100語以上が最低ライン
- ただし、論理展開と具体例のバランスを考えると150語前後が理想
無理に語数を増やすと逆効果です。意味のない水増し表現は採点でマイナス評価になり得ます。
【→ スコア4.0〜4.5で止まっている人必見の改善策とは。TOEFLライティングスコアが伸び悩む理由と脱出法】
よくあるミスとその改善策

よくあるミス | 改善アドバイス |
他の意見を要約しすぎて自分の意見が薄い | 要約は簡潔に、自分の主張と理由に重点を |
語数が少ない(100語未満) | 理由+具体例まで展開することで自然に増える |
文法や語彙のレベルが単調 | 自然な言い換えと文構成のバリエーションを意識 |
TCKのTOEFLライティング講座では?
TCK Workshopでは、Academic Discussionに特化した指導を行っています。
- 生徒2人の意見要約練習
- 経験を絡めた意見展開の練習
- 語彙力・表現の幅を増やすカリキュラム
- 添削とフィードバックで改善サイクルを確立
「何を書けばいいか思いつかない…」という生徒には、構成テンプレートやフレーズ集も提供しています。
今すぐできる3つのアクション
- ETSの公式練習問題を解いてみる
- 自分の意見が一貫しているかを自己チェック
- 添削指導つきのTCKのライティング対策を体験
まとめ
Academic Discussionは、新形式だからこその難しさとチャンスがあります。
求められるのは、「要約力」と「立場の明確化」、そして「表現力」。
書く内容が短くなったからといって、思考の深さが評価されないわけではありません。
むしろ、限られた語数でどれだけ論理的に表現できるかが問われています。