はじめに
首都圏の帰国子女受験で高い人気を誇る かえつ有明中学・高等学校。
2026年度から入試の形式が大きく変わることが発表され、多くの受験生・保護者が注目しています。

これまでの試験とどこが変わるの?

対策の優先順位はどう変わるの?
本記事では、2025年度までの試験内容の全体像と、2026年度から導入される新しい入試制度の変更点を詳しく整理します。
かえつ有明中学・高校とは?

かえつ有明は2006年に共学校化して以来、国際性・帰国子女への手厚いサポートで注目を集めてきました。
生徒の約3割が帰国子女という環境は、帰国生にとって安心できる学習環境です。
- 21世紀型学習スタイル:アクティブラーニングを重視
- 理系教育の充実:理系進学を見据えたカリキュラム
- 国際性教育:Honorsクラス(オール英語授業あり)、Advancedクラス(ネイティブ教員による授業選択可)
こうした特色から、帰国子女受験の第一志望校・併願校として人気を集めています。
2025年度までの試験内容
かえつ有明の入試は、英語試験が中心となる「Honors選考」「Advanced選考」、そして「レギュラー選考」に分かれて実施されていました。
英語試験(Advanced選考)
- 筆記:会話文、リーディング問題、整序問題など(英検2級〜準1級レベル)
- エッセイ:20分のフィクショナルエッセイ(例:「空き家に入ったら秘密の部屋を見つけた…」続きの物語を書く)
- ペアワーク:2人組でのディスカッション(写真説明・意見交換・共同プランニング)
👉 難易度は「標準〜やや高め」で、時間配分に苦労する受験生が多いのが特徴です。
英語試験(Honors選考)
- 筆記:長文読解(物語文)、難度の高い語彙文法、論理問題(算数的要素を含む)
- エッセイ:40分で社会・哲学的テーマを扱う課題型エッセイ(5パラグラフ構成が求められる)
- グループワーク:映像を見て複数人で議論し、意見をまとめる形式
👉 難易度は「英検準1級レベル」。深い思考力・論理性が重視される傾向です。
日本語作文
- 形式:課題文型(約400字)
- 特徴:文章を読んで要約+自分の意見を述べる形式
- テーマ例:海外生活の経験、日本社会での気づき、価値観に関する考察
帰国子女にとって「日本語なら大丈夫」と油断しがちですが、論理的にまとめる力が合否を分けます。
志望理由書
- 準備必須。学校研究と自己分析の不足は減点対象。
- 「他校でも通用する理由」ではなく「かえつ有明だからこそ」の志望動機が求められます。
2026年度からの試験変更点

2026年度入試から、かえつ有明の試験制度は大幅に刷新されます。
1. 選考方式の統合
これまで別々だった Honors選考とAdvanced選考が統合され、
新名称「HonorsAdvanced選考」として実施されます。
- 実施回数:年2回(11月・12月)→受験機会が増えることでチャンスが広がります。
2. 英語試験の変更
- グループワーク廃止 → ペアワークに統一
- 難易度はAdvancedとHonorsの中間レベル
- 長文読解は物語文中心
- 語彙・並べ替え・スペリング問題が強化
- 長文読解は物語文中心
- 英語エッセイはPersuasive WritingとEmail問題の2つで思考の深さを重視
3. 英語重視の傾向が継続
日本語作文は大きな変更はありませんが、合否の比重は引き続き英語試験が重くなります。
変更点の意義
かえつ有明の試験改革は、帰国子女を含む幅広い受験生に「挑戦の機会」を広げつつ、思考力をさらに重視する方向性といえます。
- チャンス増加:実施回数が増え、日程選択がしやすい
- 実践力重視:ペアワークへの一本化で「協働力+発信力」を評価
- 英語難易度の最適化:中間レベルで幅広い層に対応しつつも、上位層の差も測れる設計
まとめ|変更点を理解して次の一歩へ
2026年度からの変更は、受験生にとって「試験科目の削減」ではなく「評価軸の整理」と捉えるべきです。
- HonorsとAdvancedが一本化 → 出願しやすくなる
- ペアワーク統一 → 協働的に考える力が必須
- 英語の読解・エッセイは引き続き合否のカギ
この変更を知った上で、次のステップは 具体的な対策方法と受験スケジュール作り。
後半記事では、「英語・日本語・志望理由書の対策ポイント」と「小6からの学習スケジュール」を徹底解説します。