帰国生が英語試験対策で苦労するポイント

帰国子女高校入試の英語試験に出題される問題の形式は様々です。

  • 読解問題
  • 文法問題
  • 英作文

など、日本の高校受験生が当たり前のように普段から対策している内容でも、帰国生の生徒さんに取っては、現地校やインターナショナルスクールでの英語試験と異なり、戸惑ってしまう生徒さんも少なくありません。

とはいえ、帰国子女高校受験で求められる英語レベルそのものは、海外で学校生活を送られている生徒さんに取っては、決して高いとは感じないはずです。内容的に決して難しくないからこそ、問題形式にしっかりと順応して、本番試験では高得点を狙いにいく必要があります。

Reading comprehension、Essay、それぞれ対策の難しさがあり、これらは受験する学校の傾向に合わせて準備を重ねておくべきですが、その中でも帰国生の生徒さんは文法問題に苦労されているケースが多いです。

多量の英語を日常的に浴びることで、耳や口から習得してきた、いわゆる感覚的な英語は、細かなロジックを必要とする文法問題には弱いです。(私たちも日本語の細かな文法を説明しろ、と言われてもなか難しいことがあるのと同じですね。)

ただ受験の英語や日本の高校のカリキュラムひいては日本の大学受験では、英語学習における英文法の割合が高く、高校受験でも出題配点は高くなります。

今回はその中でも、帰国生の生徒さんが最も苦労するタイプの文法問題、誤文訂正問題に焦点を当てて、洗足中学校で2019年に出題された問題を解説していきます。

今回の一問:洗足女子学園中学 帰国生入試 2019年の過去問から

  • We asked passers-by to write the alphabet, but none could write as neat as Martha.

さてどこが間違っているかわかるでしょうか?

ぜひ一度手をとめて考えてみてください。制限時間は1分です。

受験英語では、「誤文訂正問題」と言われるジャンルの問題になりますが、このタイプの問題を正確に解答するには、

  • 文法・語法の正確な知識

が必要です。

まずは必要最低限の文法・語法の知識を身につけ、その上で、誤文訂正問題に出題される問題ポイントを身につける必要があります。

誤文訂正問題は、すぐにコツをつかむ生徒さんもいる一方で、最後の最後までポイントに気づけない生徒さんも多く、得意不得意が明確に別れる分野ですので、受験を検討している学校で出題がある場合は早め早めに対策することが得策です。

原級をつかった比較級について

今回の問題では、「~と同じくらい…だ」ということを表す、原級を使った比較について理解している必要があります。

形としては、

  • as+形容詞(原級)+as
    例)He is as tall as I am. (彼は私と同じくらいの身長だ)
  • as+副詞(原級)+as
    例)He runs as fast as I do. (彼は私と同じくらい速く走る)

となります。2つのものを比較して差がない場合に使用されます。

今回注目すべきは、as neat asの箇所です。

このフレーズは動詞write(書く)を修飾しているのですが、2つのasに挟まれた形容詞neat(きちんと)が動詞write(書く)を修飾する副詞の形をしていないことが誤りとなります。

したがって、

  • neat → neatly

が正解となります。

誤文訂正問題対策はお早めに!

いかがだったでしょうか?

前述した通り、誤文訂正問題は得意不得意のわかれる、つまり英語の得意な生徒さん同士の戦いでもある帰国子女入試において点数の差がつきやすい単元ともいえます。

文法や語法の知識は一度身につけてしまえば、読解問題やEssayでも利用でき、結果的に英語力の全体的な向上につながります。

  • 受験校に誤文訂正問題が出題されるひと
  • これまであまり文法学習をしてこず、感覚的に英語を学んできたひと
  • 高校受験で英語を武器にしていきたいひと

どれかに当てはまる人は、ぜひ文法をしっかりと学んで、誤文訂正問題を得意にしてください。