渋谷教育学園幕張中学校・高等学校(通称:渋幕)の帰国生入試は、高い英語力を前提としつつも、単なる知識のテストではなく、「自調自考」の精神に裏打ちされた思考力と表現力を総合的に問う、戦略的な対策が不可欠な入試です。特にエッセイと面接の配点比重が高く、筆記試験のアドバンテージだけでは合格を勝ち取ることが難しい構造になっています。

高い英語力があるけど、それだけで大丈夫?

プリエッセイで何をアピールすべきか?
このような悩みを抱えるご家庭も多いのではないでしょうか。
本記事では、渋幕帰国生入試の試験構成と配点比率を分析し、筆記、エッセイ、面接の各セクションで高得点を叩き出すための具体的な対策を解説します。さらに、合格を確実にするための時期別のロードマップも提示し、効率的かつ戦略的な準備を進めていくことをおすすめします。

TCK Workshop プレミアム講師。渋谷教育学園幕張高校(渋幕)、早稲田大学国際教養学部(SILS)卒業。 母校である渋幕の入試を知り尽くしたスペシャリストであり、昨年度だけで「8名」を渋幕合格へ導いた圧倒的な指導実績を持つ。 ボストンでの滞在経験と自身のアカデミックな英語力を武器に、最難関校の英語エッセイ・面接指導において、合格ラインを確実に超えさせる実践的な指導を行う。
この記事は、TCKworkshop主催のウェビナーを基に作成しています。TCKworkshop公式Youtubeチャンネルでは、指導経験豊富な講師が実際の指導を通して蓄積した帰国生の受験、英語学習などについての情報をお伝えしておりますので、ぜひご覧ください。
帰国生入試の全貌:配点比率から見る戦略
筆記・エッセイ・面接のバランスを理解する

渋幕の入試において、筆記のレベルが高いのは前提です。合否を分けるのは、エッセイと面接の合計40〜60%にも及ぶ高い配点比率でいかに他の受験生と差別化できるかという点です。早くから自己分析と論述構成の訓練を積むことが重要になります。
渋幕の帰国生入試は、筆記(英語)・リスニング、エッセイ、そして面接という構成です。合格者平均点が80〜85点と高い得点率が求められますが、その配点比率に最大の特徴があります。
| 試験項目 | 配点比率 (100点満点中) |
| 筆記(リスニング・文法・語彙・読解) | 50〜60% |
| エッセイ | 20〜30% |
| 面接 | 20〜30% |
筆記試験の点数が最も高いのは事実ですが、エッセイと面接の配点が合計で40〜60%を占めるため、この二つのセクションで自分の経験と個人の考えを論理的に表現し、高い評価を獲得する戦略が合否の鍵を握ります。
筆記試験対策:体系的な学習で得点力を強化する
英語の4技能を問うアカデミックな出題
渋幕の英語筆記試験は、リスニング、文法、語彙、読解と幅広い英語運用能力を問うアカデミックな内容です。
1. リスニング・読解対策
リスニングはアカデミックな内容のパッセージを聞き、4択問題を解く形式ですが、パッセージが非常に長い上に音声は1回しか流れないという厳しさがあります。日頃からTOEFLなどの長文リスニング素材を活用し、長い英語の情報を集中して聞き取る練習を積んでおくことをおすすめします。
読解は、フィクションとノンフィクション(スピーチ含む)が組み合わされて出題されます。英検やTOEFLのような形式ですが、文章のジャンルやトーンについて問われるなど、やや専門的な知識を要する設問が含まれます。単に内容を理解するだけでなく、高い思考力と深い理解力が求められています。
2. 文法・語彙対策:体系的な知識の補強

帰国生は文法を感覚的に理解していることが多いため、体系的な文法ルールを知らずに失点するケースが目立ちます。過去問を徹底分析し、出題される文法事項を網羅的に学習することが、筆記試験での点数安定につながります。
文法セクションでは、文章中の下線部の訂正が必要か判断し、適切な選択肢を選ぶ形式です。海外生活が長く体系的な文法学習が手薄になりがちな帰国生にとって、意外と点数を落としやすい部分になります。過去問演習を重ね、出題傾向を掴んだ上で、文法ルールの理解を深めることが重要です。
語彙は英検の2級から1級以上のレベルの難しい単語も出題されます。単語帳での学習に加え、日頃の読書や語源理解などを通じて、総合的なボキャブラリーの力を高めていくことをおすすめします。
TOEFL対策の考え方については、年齢別の対策も含めた以下の記事を参考にすることをおすすめします。
エッセイと面接で圧倒的な差をつける戦略
エッセイ対策:30分で400〜500語を書き切る構成力
渋幕のエッセイは30分で行われ、自分の経験や意見について書くトピックが多いのが特徴です。例えば、「一年で自分にとって最も大事な日はいつですか?」といった、個人の体験や考えを深くアピールできるテーマが出題されます。
求められる要素は、ユニークな体験を基に自分の考えを論理的に表現する力です。合格者の傾向として、400から500単語程度の量が必要とされると言われています。30分という短い時間でこの量を書き切り、かつ内容を充実させるためには、以下のトレーニングが必須です。
1. 短時間でのアイデア出しと構成案作成の訓練
エッセイ試験では、まずトピックを見てから5分以内にアイデアを絞り込み、論理的な構成案を立てる訓練が不可欠です。本論で何を書き、どんな具体例を使うかを瞬時に判断できるようにしましょう。
2. 個人的な体験に基づいた主張の深掘り
単に意見を述べるだけでなく、海外での生活や学習を通じて得た個人的な体験を織り交ぜることで、「自調自考」の精神に裏打ちされた説得力のある論述に昇華させることが求められます。過去の経験を整理し、テーマに応じて活用できるストックを作っておくことをおすすめします。
3. 継続的なアウトプットトレーニング
短い時間で必要な語数を書き切るには、手を止めずに書き続けるフィジカルトレーニングも必要です。時間を計って過去問や類題に取り組む練習を積み重ねましょう。
面接対策:プリエッセイを軸とした自己アピール戦略

面接は、プリエッセイに書かれた内容を深掘りする場です。そのため、プリエッセイは単なる出願書類ではなく、面接で何をアピールし、何を深掘りしてほしいかを戦略的に仕込むための「台本」として捉えることが成功の秘訣です。
面接はグループ面接(5〜6人程度)ですが、質問は一人ずつ順番に聞かれます。面接は基本的にプリエッセイを元にした質問がされるため、プリエッセイで書いた内容を深掘りされることになります。
1. プリエッセイ作成の戦略化
プリエッセイのトピックは毎年10月頃に公開されます。出願までの2、3ヶ月間で、面接で自信を持って話せる個人的な体験や考えを意図的に盛り込みながらプリエッセイを完成させる必要があります。単なる事実の羅列ではなく、自分の価値観や将来の展望が伝わる内容にすることを意識しましょう。
2. 想定問答集の作成と模擬面接の実施
プリエッセイの内容を軸に、「なぜそう考えたのか?」「その経験から何を学んだか?」といった深掘り質問に対する英語と日本語での想定問答集を作成しましょう。また、本番さながらの模擬面接を通じて、先生側に自分のユニークな部分をバンと伝えられるよう、自信を持って表現する練習を積むことが大切です。
3. 差別化を図るアピール
高い英語力を持つ受験生が多い中、面接では他の生徒と差別化を図ることが求められます。自分にしか言えない特別な経験や考えをしっかりと見つけ、素直に、自分らしく渋幕で学びたいことや将来の夢を伝える準備をしましょう。
合格を掴むためのロードマップ
渋幕合格を確実にするためには、戦略的なタイムラインを設定し、早めに対策を始めることが成功の鍵となります。
| 時期 | 対策内容 |
| 小学6年生になる前 | 英語基礎力の完成:英検準1級または1級の取得を目標とし、筆記試験対策の土台を固めます。 |
| 小学6年生の夏休みまで | 早期のエッセイ・面接準備:自己分析を徹底し、エッセイのアイデア出しや論理構成の練習を開始します。学校別の練習問題を使った対策も始めます。 |
| 10月〜直前期 | プリエッセイ作成・面接練習の本格化:10月公開のプリエッセイトピックに基づき、面接戦略を練りながら作成。模擬面接や過去問演習を重ね、本番に向けた準備を徹底します。 |
TCK Workshopの渋幕帰国生入試対策特別指導
TCK Workshopでは、渋幕の帰国生入試で求められる「論理的なエッセイ構成力」と「面接での強固な自己アピール力」を養成するための、専門性の高い個別指導を提供しています。
渋幕特化型 英語・エッセイ・面接総合対策授業
エッセイ指導では、30分で400〜500語を書き切るための時間管理術と、個人的な体験に基づいた深い洞察を示すための論理構成を徹底的に指導します。面接対策では、プリエッセイの内容を徹底的に深掘りし、あらゆる角度からの質問に対応できる想定問答集の作成と、本番さながらの模擬面接を通じて、自信を持って自分を表現する力を鍛えます。
合格の鍵は、英語力のアドバンテージを活かしつつ、エッセイと面接で圧倒的な差をつけることです。この「内容重視型の対策」を体系的に行うことをおすすめします。
まとめ
- 入試はエッセイと面接の配点比率が非常に高く、この二つで差別化を図る戦略が必須です。
- エッセイは、30分で400〜500語の要求に応えられるよう、短時間でのアイデア出しと論理構成のトレーニングが求められます。
- 面接は、プリエッセイの内容を軸に、自分にしか言えないユニークな経験を自信を持って伝えられるよう、入念な準備を行うことが成功に直結します。
- 対策は小学6年生の夏までに開始し、プリエッセイが公開される10月以降は面接練習に集中できるよう、戦略的なロードマップを組むことをおすすめします。

