ICU高校(国際基督教大学高等学校)の入試直前、多くの帰国生が最も不安を感じるのが「面接」です。「どんなことを聞かれるの?」「どこまで深く話せばいいの?」という疑問は、準備を進めるほど大きくなるものです。

ICU高校の面接は、単なる質疑応答ではなく、あなたの「人柄」や「価値観」を知るための「対話」の場です。だからこそ、想定される質問を事前に把握し、自分自身の言葉で語れるように準備しておくことが、合格への最短ルートとなります。

本記事では、TCK Workshopの指導実績に基づき、ICU高校の面接で頻出する質問を「50本ノック」形式で厳選しました。それぞれの質問に対し、面接官が何を知りたがっているのか(意図)と、どう答えれば評価されるのか(対策)をセットで解説します。このリストを「ネタ帳」として活用し、万全の状態で本番に臨んでください。

大谷先生

講師:大谷 真幸愛

 TCK Workshop プロ講師。上智大学文学部哲学科卒業。高校1年生から3年半を「アジア最後のフロンティア」と呼ばれるミャンマーで過ごす。 哲学科で培った高度な論理的思考力を指導に活かし、志望理由書、小論文、面接など、「自身の考えを言葉にする力」が問われる受験科目を専門とする。また、帰国後の国語(現代文、作文)指導にも定評がある。

    面接対策の基本:回答を組み立てる3つのルール

    ICU高校の面接対策を行う生徒のイメージ

    質問リストに入る前に、すべての回答に共通する「ICU高校に響く話し方」の基本ルールを3つだけ確認しておきましょう。これらを意識するだけで、回答の説得力が格段に上がります。

    結論ファーストで話す:


    短い面接時間で自分を伝えるため、「意見(結論)→理由→具体例」の順で話す構成を徹底することをおすすめします。

    「プロセス」を語る:


    単に「優勝した」「成功した」という結果だけでなく、困難に直面した時に「どう考え、どう乗り越えたか」という努力の過程を詳しく話しましょう。

    一貫性を持たせる:


    過去(海外経験)、現在(志望理由)、未来(入学後の目標)の3つが一本の線でつながるようにストーリーを構成することが重要です。


    【Part 1】志望理由・将来のビジョン(10問)

    このセクションは、あなたがICU高校を志望する「必然性」を問う質問です。面接官は、あなたが学校の教育理念(リベラルアーツ、多様性など)を正しく理解しているか、そして入学後にどのような成長を遂げたいと考えているかを確認します。

    大谷先生

    「ICU高校が好きだから」という感情だけでなく、学校のカリキュラムや部活動について具体的にリサーチし、「この学校の〇〇という環境が、私の人生には不可欠です」と言い切れる強さを持つことをおすすめします。

    No.質問例面接官の意図と対策の視点
    1なぜICU高校を選んだのですか?志望度の高さとマッチングを確認します。他の帰国生受け入れ校ではなく、なぜICUなのかを「教育理念」や「校風」と結びつけて具体的に語りましょう。
    2ICU高校で最も興味のある授業や活動は何ですか?入学後の意欲を測ります。シラバスや部活動一覧を調べ、具体的な名称を挙げて「そこで何を学びたいか」を伝えましょう。
    3卒業後の進路(大学や将来の夢)はありますか?長期的なビジョンを確認します。現時点で決まっていなくても、どのような分野に関心があり、社会にどう貢献したいかという「方向性」を示すことが大切です。
    4自分の特徴(長所・短所)を教えてください。自己分析能力を見ます。長所はICUでの生活にどう活かせるか、短所はそれをどう克服・改善しようとしているかという「前向きな姿勢」で締めくくりましょう。
    5日本に帰国するにあたり、楽しみだったこと/不安だったことを教えてください。環境変化への適応力を見ます。不安を正直に認めつつ、それを乗り越えるためにどのような準備や心構えを持っているかを伝えると好印象です。
    6帰国が決まったとき、どのような気持ちでしたか?率直な感情と切り替えの早さを見ます。ネガティブな感情があったとしても、そこからどう気持ちを整理し、帰国受験に向き合ったかというプロセスが重要です。
    7あなたがICU高校に入った暁に、発揮できる能力について教えてください。学校への貢献意欲を測ります。海外で培った語学力、多様性受容力、リーダーシップなどが、クラスや行事でどう役立つかを具体的にイメージさせましょう。
    8自由時間や放課後は何をして過ごしていますか?知的好奇心とバランス感覚を見ます。勉強以外の趣味や活動についても、熱意を持って語れることが「人間的な魅力」として評価されます。
    9尊敬する人は誰ですか?価値観の根源を探ります。有名人でなくても構いません。「なぜ尊敬するのか」という理由に、あなた自身のポリシーを反映させることがポイントです。
    10大学は日本の大学に行きたいですか?海外の大学に行きたいですか?将来の視野を確認します。どちらが良い悪いではなく、その選択があなたの将来の目標にどう繋がっているかを論理的に説明しましょう。

    【Part 2】海外経験・異文化理解(20問)

    ICU高校の異文化理解のイメージ

    ICU高校の面接で最も重視されるパートです。単なる滞在歴ではなく、異文化の中で「何を感じ、どう行動し、何を学んだか」という内面的な成長が問われます。

    大谷先生

    エピソードを話す際は、「大変だったこと」だけで終わらせず、その経験が今の自分の価値観(例:多様性を大切にする、意見の違いを歓迎する)にどう影響しているかまで深く掘り下げて話すことが重要です。

    No.質問例面接官の意図と対策の視点
    11滞在国で一番頑張ったことはなんですか?物事に取り組む姿勢を見ます。結果だけでなく、目標達成のために工夫した点や、継続した努力のプロセスを具体的に描写しましょう。
    12海外生活で一番つらかった、または大変だった具体的なエピソードを教えてください。レジリエンス(立ち直る力)を測ります。困難な状況において、自分なりにどう解決策を見出し、乗り越えたかという「行動力」をアピールしましょう。
    13海外生活で学んだことはなんですか?経験の言語化能力を見ます。「視野が広がった」といった抽象的な言葉ではなく、具体的な出来事を通じて得た教訓を自分の言葉で語りましょう。
    14滞在国と日本で大きく違いを感じたことを教えてください。観察眼と異文化理解力を見ます。表面的な違いだけでなく、人々の考え方や社会システムの背景にある違いについて考察できると評価が高まります。
    15住んでいた場所を紹介してください。説明能力と適応力を見ます。その土地ならではの魅力や特徴を、聞いた人がイメージできるように分かりやすく伝える表現力が求められます。
    16現地のお友達とはどのようなことをして遊んでいましたか?現地コミュニティへの融合度を見ます。言葉の壁を超えてどのように交流を深めたか、具体的なエピソードを交えて話しましょう。
    17海外で一番お世話になった人を教えてください。感謝の心と対人関係を見ます。その人との関わりが、あなたの成長にどのような影響を与えたかを具体的に述べましょう。
    18日本人が海外で住むことのメリット・デメリットを教えてください。客観的な視点を見ます。自分の置かれた環境を客観視し、冷静に分析できる知性を示しましょう。
    19仲の良いお友達を一人紹介してください。他者紹介を通じた人物像を見ます。友人のどんなところが好きか、尊敬しているかを話すことで、あなたが大切にしている価値観が伝わります。
    20あなたはお友達といるとき、どのような立ち位置ですか?集団内での役割を見ます。リーダー、サポーター、ムードメーカーなど、自分を客観的にどう捉えているかを正直に話しましょう。
    21英語以外に頑張ったことはなんですか?好奇心の幅広さを見ます。スポーツ、芸術、ボランティア、他の言語など、学業以外での熱中体験をアピールしましょう。
    22放課後はどのようなことをして過ごしていましたか?時間の使い方と自律性を見ます。習い事やクラブ活動など、自ら進んで取り組んだ活動について話すと良いでしょう。
    23海外生活で1番の思い出を教えてください。感受性と記憶の定着を見ます。楽しかった記憶の中に、どのような学びや発見があったかを盛り込むと深みが出ます。
    24通っていた学校はどのような学校でしたか?環境説明能力を見ます。学校の規模、生徒の雰囲気、カリキュラムの特徴などを整理して伝えましょう。
    25滞在国の学校と日本の学校はどのような点で違うと感じましたか?教育環境への洞察を見ます。先生と生徒の関係性や授業スタイルなど、具体的な比較を通じて自分の意見を述べましょう。
    26今通っている学校の授業で一番好きな授業はなんですか?またそれはなぜですか?知的好奇心の方向性を見ます。「面白いから」だけでなく、授業内容のどの部分に興味を持ち、どう探究心を刺激されたかを説明しましょう。
    27学校でスポーツ活動はしていましたか?協調性と体力を見ます。チームスポーツであれば協調性を、個人競技であれば自己研鑽の精神をアピールできます。
    28学校生活で一番楽しかった行事について教えてください。学校行事への参加姿勢を見ます。準備段階での協力や、当日の達成感など、周囲と協力した経験を話すと好印象です。
    29通っていた学校の嫌なことはありましたか?ネガティブな事象への対処を見ます。不満を言うだけでなく、その状況に対して自分がどう対処したか、どう気持ちを整理したかという建設的な話をしましょう。
    30将来働いてみたい国はどこですか?またそれはなぜですか?グローバルなキャリア観を見ます。具体的な国名とその理由を、社会情勢や文化と絡めて論理的に説明しましょう。

    【Part 3】英語力・学習姿勢(10問)

    ICU高校では高い英語力が求められますが、それ以上に「学び続ける姿勢」が評価されます。結果(スコア)だけでなく、そこに至るまでの努力や、言語学習に対する自分なりの価値観を語れるようにしましょう。

    大谷先生

    「英語が話せるのは当たり前」と思わず、苦労して習得した過程や、英語を使って「誰と何をしたいか」という英語学習を続ける自分の中の意味を伝えると、面接官の共感を得やすくなります。

    No.質問例面接官の意図と対策の視点
    31英語を習得するために、どのような努力をしましたか?学習プロセスと継続力を見ます。単語の暗記法や、現地の人と話すために自分に課したルールなど、具体的な工夫を話しましょう。
    32英語はどのくらいまで話せるようになりましたか?自己評価の客観性を見ます。「日常会話は問題ない」「ニュースの議論ができる」など、具体的なシチュエーションで説明すると伝わりやすいです。
    33英語を習得する上で、一番お世話になった人は誰ですか?対人関係と学習環境を見ます。ESLの先生や友人など、具体的なエピソードを交えて感謝の気持ちを伝えましょう。
    34英語が上手になるための秘訣はなんだと思いますか?学習メソッドの言語化を見ます。「間違いを恐れない」「とにかく真似る」など、自分の経験から得た「極意」を自信を持って語ってください。
    35英語は好きですか?内発的動機を見ます。単なる教科としてではなく、コミュニケーションツールとして英語をどう楽しんでいるかを伝えましょう。
    36高校に入ってからも英語の勉強を続けたいですか?向上心を見ます。現状に満足せず、さらに高度なアカデミック英語や文学に挑戦したいという意欲を示しましょう。
    37英語で一番苦労したことは何ですか?課題解決能力を見ます。発音、文法、スピードなど具体的な壁と、それをどう乗り越えようとしたか(または現在進行形で努力しているか)を話しましょう。
    38英語以外に興味のある言語はありますか?言語への関心を見ます。滞在国の現地語や、これから学びたい第三言語について触れ、言語学習への意欲を示しましょう。
    39読んでいる英語のニュースや書籍はありますか?知的習慣を見ます。具体的なタイトルやメディア名を挙げ、その内容について自分の意見を言えるように準備しておきましょう。
    40英語の学習で、親御さん以外で最も影響を受けた人は誰ですか?ロールモデルの有無を見ます。憧れの人物や影響を受けた友人の話をすることで、目指しているレベル感が伝わります。

    【Part 4】自己PR・価値観(10問)

    ICU高校の面接に向けて自己理解を深めるイメージ

    最後に、あなたという人間の「核」となる部分への質問です。ここでは、優等生的な回答よりも、「あなたらしさ(オリジナリティ)」と「誠実さ」が重要になります。

    大谷先生

    「座右の銘」や「社会問題」についての質問は、正解があるわけではありません。自分の経験や考えに基づき、自分の言葉で堂々と語ることが、ICU高校が求める「Critical Thinker(批判的思考ができる学習者)」としての資質を証明します。

    No.質問例面接官の意図と対策の視点
    41自分のモットーや好きな言葉はありますか?行動指針を見ます。その言葉を選んだ理由と、その言葉に支えられた具体的な経験を結びつけて話しましょう。
    42友人からあなたはどのような人だと言われますか?客観的な自己像を見ます。「明るいと言われるが、実は慎重な面もある」など、周囲の評価と自己認識を対比させると深みが出ます。
    43チームで意見が対立した時、あなたはどのように行動しましたか?協調性と調整力を見ます。自分の意見を押し通すだけでなく、相手の意見をどう聞き、どう合意形成を図ったかというプロセスが重要です。
    44失敗から学んだ最も重要なことは何ですか?成長意欲を見ます。失敗を隠さず、そこから得た教訓を次の挑戦にどう活かしたか、ポジティブに転換して話しましょう。
    45リーダーとはどのような存在だと思いますか?リーダーシップ観を見ます。「ぐいぐい引っ張る」だけでなく「下から支える」「聞き役に回る」など、あなたなりのリーダー像を定義してください。
    46社会問題で最近最も関心を持った出来事は何ですか?社会への関心度を見ます。ニュースの内容説明だけでなく、「自分はそれについてどう考え、どうあるべきだと思うか」という意見を必ず付け加えましょう。
    47あなたが考える「多様性」とは何ですか?ICUの核心的な価値観への理解を問います。きれいごとではなく、異文化の中で肌で感じた「分かり合えなさ」や「それを乗り越えた喜び」といった実体験ベースで語りましょう。
    48併願校はありますか?正直さと志望順位を確認します。正直に答えて構いませんが、必ず「ICU高校が第一志望である理由」を付け加え、熱意を再確認させましょう。
    49最後に何か伝えたいことはありますか?最後のアピールチャンスです。面接で言い足りなかったことや、改めて「どうしても入学したい」という熱い想いを簡潔に伝えましょう。
    50試験が終わったら、まず何をしたいですか?素顔と次の目標を見ます。リラックスした回答で構いませんが、高校入学に向けた準備など、前向きな姿勢をちらりと見せると好印象です。

    まとめ

    ICU高校の面接は、あなたの「英語力」だけでなく、海外経験を通じて培った「人間力」を見る場です。

    • 想定質問にどう答えるかを何度もシュミレーションして自分の言葉で語れるようにする。
    • 「過去・現在・未来」を一貫したストーリーで繋ぐ。
    • 結果だけでなく、困難を乗り越えた「プロセス」を大切にする。

    この3点を意識して準備を進めれば、面接官との対話はきっと楽しいものになるはずです。

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    TCK WorkshopのICU高校直前対策プログラム

    • 自己PRカードの徹底分析: 提出書類を基に、面接官が質問するであろう「過去の深掘り」と「将来への展望」を共に考え、回答を構築します。
    • 面接シミュレーション: ICU高校の過去の質問傾向に基づき、緊張感のある模擬面接を繰り返し実施あなたの「軸」がブレていないか、フィードバックで修正します。
    • 「自分の言葉」での言語化トレーニング: 自分のエピソードを「意見・理由・具体例」の3段構成で論理的に、かつ熱意をもって伝える訓練を行います。

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