前回の記事では、三田国際IC中学受験のReadingの解き方について解説しました。

実は、英検1級やTOEFL100点超えの生徒でも、対策なしでは苦戦するのがこのReasoningセクションです。三田国際ICコースの入試は時間配分が非常にシビアで、英語力だけで乗り切れる簡単な問題ではありません。

本記事では、TCK Workshopオリジナルの模試問題を使用し、直前期からでも点数を確実に積み上げるための解法テクニックを解説します。Reasoning問題の点数を直前で上げたいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。

産屋敷先生

講師:産屋敷二コラ
TCK Workshop 特別講師。カナダ生まれ、Capilano University(カナダ)、南山大学卒業。指導経験豊富なバイリンガル講師として、英検・TOEFL・IELTSなどの英語資格対策から、SAT/SSAT、IB French ab initioといった海外カリキュラムまで、幅広い言語教育と帰国生受験対策を専門とする。

    この記事は、TCKworkshop主催のウェビナーを基に作成しています。TCKworkshop公式Youtubeチャンネルでは、指導経験豊富な講師が実際の指導を通して蓄積した帰国生の受験、英語学習などについての情報をお伝えしておりますので、ぜひご覧ください。


    なぜ英語ができる子でもReasoningで苦戦するのか?

    三田国際のReasoning問題を解く子ども

    三田国際ICコースは、帰国生入試において非常に人気が高く、難易度も上昇している学校の一つです。特にICコースの入試問題は、単に英文を読解できる能力だけでなく「思考力」と「処理速度」が複合的に求められる傾向があります。

    時間配分が合否を分ける

    近年、三田国際の入試は、時間配分がシビアであることが大きな特徴です。英語力だけで乗り切ろうとすると、簡単な問題で時間を使いすぎてしまい、最後まで解ききれないというケースが多発しています。

    産屋敷先生

    多くの生徒さんが「英語の問題だから英語力でなんとかなる」と誤解していますが、これは本質的に「英語で出題される算数・理科」です。数学的な解法の型(Formula)を身につけていないと、文章を読んでいるだけでタイムオーバーになってしまいます。時間配分を意識した戦略的な取り組みが重要です。

    過去問不足による対策の遅れ

    受験対策における最大の問題は「過去問が入手しにくい」ことです。このため、多くの受験生が、どのような問題が出るのかを正確に把握できないまま本番を迎えてしまいがちです。

    そこで、本番までに特化した対策を行うことが重要になります。直前期においては、やみくもに難しい数学を解くのではなく、三田国際の出題傾向に合わせた「類似問題」を使って、効率的に解法パターンを頭に入れることが、短期間での得点アップにつながります。


    サンプル問題で解説!直前で点数を上げる解法テクニック

    三田国際中学試験の時間制限のイメージ

    直前に点数を上げるためには、問題の意図を正確に理解し、正しい手順で迷わず計算を完了させる練習が不可欠です。ここでは、TCK Workshopが作成した「三田国際ICコース対策模試」の中から、合否を分ける典型的な問題を2題ピックアップし、その解き方を徹底解説します。

    Reasoning問題は、一見複雑な文章で構成されていますが、問われているのは基本的に算数の基礎的な概念です。直前対策では、「この文章は何算をするべきか?」「どの数値を分母に置くべきか?」という着眼点を養うことをおすすめします。

    Question 1:価格の変化率(Percent Increase)の正確な求め方

    まずは、物の値段の増加率(変化率)に関する問題です。計算の手順を間違えやすいポイントが含まれています。

    問題

    Last month I bought 30 cans of Soda for $12. This month I spend $12 on 5 fewer cans of the same Soda. By what percent to the nearest tenth did the price for a can increase since last month?

    解法のステップ

    この問題で求められているのは「1缶あたりの価格が何パーセント上がったか」です。以下の手順で情報を整理していきましょう。

    1. 先月の単価(Original Price)を出す
      先月(Last Month)は$12で30缶買えました。
      計算式:12 ÷ 30=0.40
      単価:1canに付き0.40(40セント)になります。
    2. 今月の単価を出す
      今月(This Month)は、「5 fewer cans(5缶少ない)」、つまり25缶しか買えませんでした。しかし支払った金額は同じ$12です。
      計算式:12 ÷25=0.48
      単価:0.48(48セント)になります。
    3. 価格の差(Difference)を求める
      値上がりした差額を出します。
      0.48 – 0.40 = 0.08
      つまり、1缶あたり$0.08の値上がりです。
    4. 変化率(Percent Increase)を計算する
      価格の増加率を調べる時に重要なのは、「増えた分の価格($0.08)」を「元々の価格($0.40)」で割ることです。
      計算式:0.08÷ 0.40=0.2
      0.2をパーセンテージに直すと20%になります。

    答えは「nearest tenth(小数第一位まで)」ですが、20%(0.2)はそのまま適用できるため、20%増えたというのが正解です。

    産屋敷先生

    価格の増加率や変化率を求める問題では、分母に必ず「変化する前の元の数字(Original Value)」を置くことが鉄則です。この着眼点を持てば、計算を間違えることはありません。

    帰国子女の中学受験における算数対策についてさらに詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にすることをおすすめします。

    Question 2:速さと時間(Speed & Time)から出発時刻を逆算する

    次は、速さと時間の関係を問う問題です。情報の整理と、時間の引き算がポイントになります。

    問題

    John rode his bicycle at a constant speed of 15 km per hour. At 2:30 P.M. John traveled 52.5 km. At what time did John start riding his bicycle?

    解法のステップ

    この問題は、まず「何時間乗っていたか」を求め、次に「到着時刻からその時間を逆算する」という2段階の手順が必要です。

    1. かかった時間(Duration)を計算する
      速さの問題では、時間は「道のり ÷ 速さ」で求められます。
      計算式:52.5÷ 15= 3.5
      Johnは3.5時間(3時間半)自転車に乗っていたことになります。
    2. 出発時刻を逆算する
      到着時刻が2:30 P.M.なので、そこから3.5時間、つまり3時間30分を巻き戻します。
      2:30 P.M.から3時間30分を引くと、11:00 A.M.になります。

    答えを書く際は、PMだけでなくAMの表記を忘れないようにすることが重要です。この問題の正解は11:00 A.M.です。

    産屋敷先生

    3.5時間という小数点の時間を、「3時間50分」と勘違いしてしまうミスは非常によく発生します。小数点の「.5」は60分の半分、つまり30分であることを常に意識しましょう。また、時刻の逆算では、午前(AM)と午後(PM)の境目を確認することが重要です。

    帰国生入試の全体像や、三田国際学園中学の最新情報について知りたい方は、こちらの記事もご確認ください。


    模試を活用して直前期の得点を最大化する

    三田国際の対策をう親子の様子

    三田国際ICコースの対策において最も効果的なのは、本番と同じ形式の問題に触れ、自分の弱点を洗い出すことです。TCK Workshopでは、三田国際の出題傾向を徹底分析して作成した「三田国際ICコース対策模試」をご用意しています。

    模試の集中活用で対策を特化させる

    模試は全10回分ございます。過去のバックナンバー(実施済みの回)も利用できるため、直前期に集中的に10回分解き、出題パターンと解法を体に染み込ませるという使い方は、非常に有効です。本番までに特化した対策を行うことで、他の受験生よりも優位に立てることが期待できます。

    充実した解説サービス

    模試は受けて終わりではありません。教材には採点サービスもついており、現在の位置を正確に確かめることができます。さらに、模試の問題だけでなく、傾向の分析や、どう解けば特典をたくさん取れるかといった実践的な内容について、詳細に解説する授業や解説ビデオも用意しています。

    夏期・冬期集中講座も実施中

    三田国際の夏期・冬期集中講座実施しております。6日間にわたって、模試を解き、その解説や傾向分析を行うことで、すべてのセクションの徹底対策を行います。

    このように、必ず最初に内容を抑えて、三田国際の対策に特化した対策を行うのがベストです。
    下記ボタンから特別講座のご案内ページをご覧ください。

    学校別対策に最適!TCKの特別講座
    各種特別講座はこちら
    ビデオ講座、模試、夏期講習etc

    合格へのロードマップを作成

    TCK Workshopでは、三田国際ICコースの入試を熟知したプロ講師が、Reasoning問題の解法指導から時間戦略の構築まで、合格に特化した個別指導を提供しています。

    お子様の現在の学力や出願時期に合わせた最適な学習計画を知るために、まずは無料教育相談をご利用いただくことをおすすめします。専門的なアドバイスを受け、合格に向けた一歩を踏み出しましょう。

    どんなことでもOK!まずはお悩みをお聞かせください。
    無料学習相談はこちら
    経験豊富な学習相談員が対応!

    まとめ

    三田国際ICコースのReasoning攻略を直前期に進めるための重要なポイントは以下の通りです。

    • 解法の型を身につける: Reasoningは「英語で出題される算数」です。英語力に頼るだけでなく、今回解説したような数学的な解法のパターンを習得することが重要です。
    • 計算の基準を間違えない: 増加率を問う問題では、分母に「元の数値」を置くなど、計算の基準を正確に理解しましょう。
    • 時間管理を徹底する: 3.5時間を3時間30分と正確に認識するなど、時間の単位変換とAM/PMの表記に細心の注意を払いましょう。
    • 実戦形式に慣れる: 模試を繰り返し解き、シビアな時間配分と出題形式に慣れることで、本番での得点力を高めることができます。

    直前期の対策次第で、点数はまだまだ伸ばすことが可能です。まずは現状の実力を正確に把握し、戦略的に学習を進めていきましょう。


    関連記事

    三田国際学園中学や帰国生入試の対策については、以下の記事もぜひ参考にしてください。

    帰国子女の中学受験において、英語と並び合否を左右する算数・数学の対策について詳しく解説しています。