海外での生活を送りながら、日本の高校受験、特に都立高校の最高峰の一つである都立国際高校を目指して努力を重ねてこられた生徒様、そしてそれを支えてこられた保護者の皆様、本当にお疲れ様でした。2026年2月18日、東京都教育委員会より令和8年度の帰国生徒対象入試の合格状況が発表されました。この結果は、これから受験を迎える後輩の皆様にとっても、非常に重要な指針となります。

都立国際高校は、その名の通り国際教育の拠点として、帰国生から絶大な人気を誇る学校です。しかし、単に英語ができるだけでは合格を勝ち取ることは難しいのが現状です。今回の入試結果を詳細に分析し、どのような準備が必要だったのかを、帰国生指導の専門家であるTCK Workshopの視点から詳しく解説していきます。合格を手にした後の手続きについても触れていますので、ぜひ最後までご覧ください。

豊田先生

講師:豊田 鈴

TCK Workshop トッププロ講師。同志社大学グローバル地域文化学部卒業。 バイリンガル講師としては非常に珍しく、古文・漢文まで指導可能な「国・英のスペシャリスト」。 英語エッセイや志望理由書の添削はもちろん、帰国生が最も苦労する「日本語の古典」を分かりやすく解きほぐす指導に定評がある。
また、学習指導の枠を超えた「丁寧な学習相談・カウンセリング」も多くの保護者から絶賛されている。

    2026年度都立帰国生入試の全体像と国際高校の結果

    豊田先生

    入試結果の数字を見る際は、単なる倍率だけでなく、その裏にある受験者の層や試験の難易度を想像することが大切です。都立国際は特に、準備の質がそのまま結果に繋がる傾向が強い学校だと言えます。

    まずは、今回発表された2026年度(令和8年度)の入試結果を、主要な4校(国際・三田・竹早・日野台)に焦点を当てて表で確認してみましょう。

    2026年度 東京都立高等学校海外帰国生徒対象入試 合格状況

    学校名科名対象募集人員応募人員受検人員合格人員
    三田普通科帰国生徒18241818
    竹早普通科帰国生徒13241914
    日野台普通科帰国生徒13191813
    国際国際科日本人学校出身15151010
    国際国際科外国の学校出身25362323
    国際計国際科小計40513333
    4校合計841188878

    この表から分かる通り、海外帰国生徒対象入試を実施した4校の全体では、118人が応募し、最終的に88人が受検、78人が合格を手にしました。

    都立国際高校の結果を詳しく見ていくと、非常に興味深い傾向が見て取れます。日本人学校出身者の枠では、募集15人に対し受験者が10人で、全員が合格となりました。一方、現地の学校(インターナショナルスクール等)出身者の枠では、募集25人に対し23人が受検し、こちらも受検者全員が合格するという結果になっています。

    ここで注意が必要なのは、応募人員と受検人員の差です。国際高校の場合、応募したものの受検しなかった生徒が一定数存在します。これは、早慶などの私立最難関校や、国立附属校との併願の結果、そちらで先に合格を決めた層が動いた可能性が考えられます。つまり、国際高校の合格ライン自体が下がったわけではなく、依然として非常に高い学力・英語力を持った生徒同士の戦いであることに変わりはありません。

    また、在京外国人生徒等対象入試における国際高校の結果も併せて確認しておきましょう。こちらは募集25人に対して80人が応募、74人が受検し、合格者は25人でした。実質倍率は約2.96倍と、非常に厳しい競争となったことがわかります。

    驚異の倍率4.90倍!国際バカロレア(IB)コースの分析

    豊田先生

    IB(国際バカロレア)コースは、都立国際の中でも特に入学後の学習密度が濃く、高い自己管理能力が求められます。倍率の高さは、その質の高い教育を公立で受けられるという期待の表れと言えるでしょう。

    続いて、1月26日に公表された国際バカロレア(IB)コースの受検状況を見ていきましょう。こちらは一般の帰国生枠とは比較にならないほどの激戦となっています。

    2026年度 国際バカロレアコース 受検状況

    区分募集人員受検人員受検倍率
    日本人生徒15674.47倍
    外国人生徒5316.20倍
    合計20984.90倍

    全体倍率4.90倍という数字は、都立高校入試の中でも際立って高いものです。特に外国人生徒枠の6.20倍という数字は、非常に狭き門であることを物語っています。IBコースは英語での授業が中心となるため、語学力はもちろんのこと、批判的思考力や論理的構成力が厳しく問われます。この高い壁を突破するためには、早期からの戦略的な準備が不可欠です。

    外国人生徒と日本人生徒の違い

    豊田先生

    入試区分における「外国人生徒」は、主に国籍で判断されます。日本国籍をお持ちの帰国生の皆様は、どれほど長く海外に住んでいても「日本人生徒」の枠で受検することになりますので、まずはご自身の国籍に基づいた区分を確認することが大切です。

    都立高校の入試、特に国際高校のIB(国際バカロレア)コースで使われる区分の定義は以下の通りです。

    入試区分ごとの対象者まとめ

    区分名称主な対象者備考
    日本人生徒日本国籍を持つ生徒海外から帰国する日本人、国内に住む日本人の両方を含みます。
    外国人生徒日本国籍を持たない生徒(外国籍)在留カードなどで外国籍であることを証明できる生徒です。

    つまり、海外に長く住んでいて英語が母国語に近い状態であっても、日本国籍をお持ちであれば日本人生徒としての受検になります。先ほどの表でIBコースの日本人生徒枠の倍率が4.47倍と高かったのは、日本国内から志望する生徒だけでなく、世界中から帰国する日本人の優秀層がこの枠に集中するためです。


    帰国生(日本国籍)が受けるのはどの枠?

    豊田先生

    帰国生の皆様が「外国人生徒」の枠で受けられないことを不安に思う必要はありません。都立国際高校には、日本国籍を持つ帰国生のために用意された「海外帰国生徒対象入試」という専用の枠があり、そちらでこれまでの海外経験を正当に評価してもらうことができます。

    日本国籍を持つ帰国生のお子様が都立国際高校を志望する場合、主に以下の2つの選択肢があります。

    1. 国際バカロレア(IB)コース(日本人生徒枠)

    この記事の前半で解説した、倍率4.47倍の非常に厳しい枠です。国籍が日本であれば、国内生も帰国生も同じこの枠で競うことになります。

    2. 海外帰国生徒対象入試(国際科)

    いわゆる「帰国生入試」です。こちらは、日本国籍を持つ生徒の中でも、海外在住期間などの条件(一般的には継続して2年以上など)を満たした生徒だけが受けられる試験です。

    この記事の最初の表で、合格率が高かった(受検者全員が合格していた)のは、この「帰国生専用の枠」のことです。

    三田・竹早・日野台の合格状況から見えること

    豊田先生

    国際高校以外の都立校も、帰国生にとって非常に魅力的な選択肢です。それぞれの学校に特色があり、今回の結果からも、学校ごとの人気や受検生の動向が読み取れます。自分の個性に合った学校選びが、充実した高校生活の第一歩です。

    今回の発表では、国際高校以外の学校の結果も示されています。

    三田高校は募集18人に対し、応募24人、受検18人で18人が全員合格となりました。竹早高校は募集13人に対し受検19人で14人が合格、日野台高校は募集13人に対し受検18人で13人が合格という結果です。

    これらの学校でも、応募者数に対し実際の受検者数が減っているケースが見受けられます。これは都立国際と同様に、併願私立校への進学を決めたことによる辞退者が一定数いることを示唆しています。しかし、竹早高校のように募集人員を上回る受検生がおり、不合格者が出る厳しい戦いとなっている学校もあります。都立の帰国生枠は非常に限られているため、第一志望とする場合は、早い段階から過去問演習を繰り返し、各校の出題傾向に合わせた対策を行うことが大切です。

    【関連記事】帰国受験の併願校についてはこちらもご覧ください。

    TCK Workshopができるサポート

    私たちTCK Workshopは、世界中にいる帰国生の皆様をオンラインでサポートしています。都立国際高校をはじめとする帰国生入試は、情報収集が難しく、海外にいると孤独な戦いになりがちです。TCK Workshopでは、下記のようなサポートを行う個別指導を実施しています。

    ・個別の志望校対策カリキュラムの作成

    ・英語エッセイ・小論文の徹底添削

    ・日本語面接および英語面接の模擬練習

    ・国数英の基礎学力および応用力の強化

    特に入試直前期の追い込みや、海外での学習と日本の入試準備のバランスに悩まれている場合は、ぜひ一度ご相談ください。プロの講師が、お子様の現在の実力を正確に把握し、合格までの最短ルートを一緒に描きます。

    合格の可能性を最大限に引き出すために、まずは無料の教育相談をご利用いただくことをおすすめします。

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    帰国生入試は、お子様が海外で培ってきた経験を正当に評価してもらえる素晴らしいチャンスです。そのチャンスを確実に形にするために、私たちTCK Workshopが全力でサポートいたします。一緒に目標の学校への扉を開きましょう。

    参照

    公式ソース(東京都教育委員会)