前回までの記事では英語のエッセイの構成について大きく3つに分けて説明をしました。
本日はそれを踏まえてエッセイの内容の決め方について考えていきます。
構成についてあいまいなところがある方、まだ構成についての記事を読んでいない方は、ぜひそちらの記事を先にご覧ください!
エッセイの内容の決め方
さて、エッセイの型を学んだら、次は内容の決め方を見ていきましょう。
そもそも、エッセイの型を学ぶ理由は読者にとって読みやすい文章を書くためであり、エッセイを書くときに内容にフォーカスしやすくするためでもあります。
せっかく型をを学んだのですから内容もしっかりと考えていきましょう!
といっても、いきなり何かを書き始めるわけではありません。
Body paragraphのところで少し述べましたが、エッセイは書き始める前の準備がとても重要です。
よいエッセイが書けるかどうかは書き始める前にすでに決まっているようなものなのです。
エッセイを勉強し始めたばかりによくある失敗が、書く内容についてしっかりプランを立てずに書き始め、書いている途中で何を書いたらよいかわからなくなるというものです。
エッセイは書く前に情報やデータを集めたり、それをもとに自分の主張を決めたりするわけなので、書き始めるときにはすでにどのような構成で何をどの順番で書くかが決まっていなければなりません。
ですので、自信を持ってエッセイを書き始められるようエッセイの内容の決め方を見ていきましょう。
質問・テーマをしっかり理解する
では、エッセイの内容を考えるときに最初に意識しなければいけないことはなんでしょうか?
それは
提示された質問やテーマをしっかり理解することです。
エッセイはどのようなことについて書くかを指定されるので、まずはその質問やテーマについての理解を深めましょう。
本で調べたり、新聞を読んだり、インターネットで調べたりすることで知識を深めることができます。
その学んだ知識をもとに、提示されたテーマの背景にどのような関心や問題が存在するのかを把握し、さらにそれに関する情報・データを集めてから自分の主張を決定しましょう。
例えば、「都市部の子どもの安全」に関してどのような問題やデータが見つかるでしょうか。
監視カメラ、警察官の数、地域社会での関わり、通学路の車の多さ、電車に乗って学校に通う子どもの数、朝と夜の街の雰囲気… などいろいろな視点で情報を集め、どのような主張をするかを考えましょう。
主張を決めたら、改めて自分が集めた情報やデータをふりかえり、どれをどの順番で提示すればよいか考えます。
2つのタイプのエッセイ
エッセイの内容を決めるときにもうひとつ気をつけなければいけないことがあります。
それはエッセイには主に2つのタイプがあるということです。
それぞれのちがいを確認していきましょう。
Critical questions
これははっきりと1つの答えがない問題に対し、自分の意見を主張するタイプです。
このタイプのエッセイは以下のような指示に従って書くことが多いです。
- To what extent … 「どの程度において」
- Critically evaluate … 「を評価せよ」
- Examine …「を考察せよ」
どれも数学のようにひとつの答えがでない問題に対し、根拠を持って自分の意見を主張するものです。
「ひとつの答えがない」ということは様々な主張があり得るということで、自分の主張だけでなく他の意見・主張も把握しておかなければいけません。
他の意見もあるなかで、自分はこのように主張すると言えなければならないということです。
このように多面的な視点で物事を考えたうえで意見を主張するときにおすすめなのが、具体的な主張を2つの視点で分析することです。
一番わかりやすいのは、その主張の長所と短所を両方考えることです。
例えば、「日本の英語教育を評価せよ」という課題が出たら、それについて長所・短所の両方を上げてみます。そして、具体的な教育法や生徒の様子まで考えてみましょう。
- 長所
文法の教育がしっかりしている
フォーマルで正しい英語が身につきやすい
- 短所
話す機会が少なくスピーキングの能力が向上しづらい
日常会話で多用される表現をあまり教えてもらうことができない
これらをまとめて、どのような主張ができるでしょうか。
例えば、
日本の英語教育は基礎となるフォーマルな英語を身につけるのに役立つ一方で、日常で実際に使用される英語をカバーしていないため効率的な英語教育とはいえない。
とすることができるかもしれません。
ここでは、結論としては「日本の英語教育は効率的でない」と言っています。
Introductionのところで説明したように、あいまいな主張は避けるべきです。
ですので、
「日本の英語教育は基礎となるフォーマルな英語を身につけるのに役立つが、日常会話の表現が身につかないので、いいところも悪いところもある。」
と書かないようにしましょう。
実際に、よいところも悪いところもあるのですが、まずははっきり書くということを心がけましょう。
そして、これはBody paragraphで述べたことですが、エッセイは客観的であるべきです。つまり、自分だけが勝手にそう思っているのではなく、いろいろなデータなどが自分の意見をサポートしているというように書くのがポイントです。
これにはちょっとした表現のコツがあり、
- I think that 「私はこう思う」
という表現をなるべく避け
- As these data show 「このデータが示すように」
- it can be argued that 「ということが主張できる」(「I (私)」が入っていない)
というような表現を使うとよいとされています。
- 唯一の正しい答えは存在しない
- 具体的な施策や主張を2つの視点(賛成・反対など)に分類してアイディアを出す
- データや根拠で主張を客観的にする
Descriptive questions
2つ目のタイプのエッセイはあるものや出来事を説明することが求められるDescriptive quesrtionsです。
このタイプのエッセイの課題は以下のような言葉を含んでいることいがおおいです。
- How … 「どのように」
- Explain … 「を説明せよ」
- Identify … 「を定義せよ」
これは「どちらの方がよい」といった主張をするというより、あるものや出来事の全体を説明することを求められていることが多いです。
さらに、大きなカテゴリーをテーマごとに分けて説明することが求められることもあるので、課題をしっかり確認しましょう。
例えば、
「How did the Revolutionary War shape the American Identity? (アメリカ独立戦争はどのようにアメリカのアイデンティティ確立に影響を与えたか。)」
という課題が出たとしましょう。
この課題に対しては、「American identity」についてリサーチし、様々な定義を比較議論することが大切です。
もちろん、課題に「the Revolutionary War」と入っているので、この点を確認することも大切です。
特に、「the Revolutionary War」と「American identity」の間の因果関係をしっかり見極めるようにしましょう。
「独立戦争があったから〇〇という結果が生まれた」というような関係のことです。
このタイプのエッセイでは、それぞれの視点や定義の細かいちがいがしっかり説明できていることが重要なので、それぞれを時間をかけてリサーチするようにしましょう。
- 全体の説明をする / それぞれのカテゴリーに分けて説明しなければいけないこともある
- 因果関係を意識してエッセイを展開する
- 様々な視点や定義を深掘りして、そのちがいを説明する
英語エッセイの書き方 まとめ
いかがでしたか?
英語エッセイの書き方について、4つの記事に分けて説明してきましたが、エッセイの書く内容をどのように決めたらよいか少しは理解できましたか?
エッセイは時間をかけて自分で書いていくしか上達の道はありません。
しかし、やはりどのようなエッセイが評価されるか、自分の書いているエッセイのどこを改善できるかを自分で判断するのはとても難しいものです。
エッセイは客観的な視点で定期的にチェックしてもらうことが重要ですし、そのフィードバックが成長を加速させます。
弊社ではエッセイ経験豊富な講師がエッセイの内容の決め方から、話の展開の仕方など様々な点からアドバイスをすることが可能です!