海外での生活を経て、日本での進学を検討される際、公立校でありながら世界基準の教育を受けられる学校として、さいたま市立大宮国際中等教育学校(以下、大宮国際)への注目が非常に高まっています。2019年の開校以来、埼玉県内初の公立国際中等教育学校として、国際バカロレア(IB)の理念に基づいた教育を実践してきました。

大宮国際は、単なる進学校という枠を超え、社会とつながる学びを重視している点が大きな特徴です。特に帰国生の皆さんにとっては、海外で培った多角的な視点や高い語学力を最大限に活かしつつ、日本の教育課程もしっかりとカバーできる理想的な環境と言えます。この記事では、大宮国際の教育方針からカリキュラム、そして帰国生入試の具体的な対策まで、専門的な視点から詳しくお伝えします。

豊田先生

講師:豊田 鈴

TCK Workshop トッププロ講師。同志社大学グローバル地域文化学部卒業。 バイリンガル講師としては非常に珍しく、古文・漢文まで指導可能な「国・英のスペシャリスト」。 英語エッセイや志望理由書の添削はもちろん、帰国生が最も苦労する「日本語の古典」を分かりやすく解きほぐす指導に定評がある。
また、学習指導の枠を超えた「丁寧な学習相談・カウンセリング」も多くの保護者から絶賛されている。

    入試情報は変更される可能性があるため、出願前には必ず各校の公式サイトで最新の募集要項をご確認ください。

    さいたま市立大宮国際中等教育学校の基礎情報

    相吉先生

    大宮国際は、公立校でありながらIB教育を本格的に受けられる非常に貴重な選択肢です。学費を抑えつつ、世界基準の探究学習を希望されるご家庭にとって、これほどバランスの良い環境は他に類を見ません。

    大宮国際は、大宮駅からバスで約15分ほどの落ち着いた住宅街に位置しています。中庭を囲む開放的な校舎は、前期課程(1〜3年)と後期課程(4〜6年)の生徒が自然に交流できるよう設計されており、学びのコミュニティとしての温かさが感じられます。

    特別選抜(帰国生枠)については、さいたま市内だけでなく埼玉県全域から受験が可能である点も、大きな魅力の一つと言えます。

    項目内容
    所在地〒331-0052 埼玉県さいたま市大宮区三橋4-96
    電話番号048-622-8200
    アクセス大宮駅西口より西武バス「二ツ宮」「指扇駅」行、大宮国際中等教育学校下車 徒歩3分
    生徒数全校で約925名
    帰国生割合各学年1割程度の特別選抜枠に加え、一般選抜組を含めると学年の約1.5〜2割
    導入プログラム1〜4年:IB MYP(中等教育プログラム) / 5〜6年:IB DP(ディプロマプログラム)等
    入試形式特別選抜(帰国生・外国籍生徒等):第1次(適性検査D・集団面接)、第2次(適性検査E・集団活動)
    通学区域特別選抜は埼玉県全域、一般選抜はさいたま市内

    社会を変える力を育む教育理念と先生方の想い

    相吉先生

    先生方は生徒を指導の対象としてだけでなく、より良い社会を共に創るパートナーとして接しています。この信頼関係が、生徒たちの主体的な行動を引き出す原動力になっています。単に大学に入るための勉強ではなく、その先の人生でどう社会に貢献するかを問い続ける姿勢は、帰国生の皆さんが持つポテンシャルを大いに刺激することでしょう。

    大宮国際が掲げる合言葉は、ここで学ぶ世界の未来のつくり方です。これは、生徒たちが日々取り組んでいる学びが、自分自身の成長だけでなく、より良い社会の実現に直結しているという意識を持つことを目的としています。校訓であるGrit(やり抜く力)、Growth(成長し続ける力)、Global(世界に視野を広げる力)の3つのGを軸に、生涯にわたって学び続ける力を養います。

    関田晃校長先生は、開校当初から一貫して社会とのつながりを重視した学びを提唱されてきました。当初は保護者の方から、従来型の基礎学習や大学受験への不安の声もあったそうですが、現在では生徒たちが自律的に学び、自分の進路を社会貢献の文脈で語れるまでに成長しています。沼尾悠教頭先生も、若い教員たちが率先して生徒を社会とつなげるプロジェクトを立ち上げる姿に、同校の教育の成果を実感されています。

    国際バカロレア(IB)教育と独自のコース制

    相吉先生

    大宮国際のIB教育は、単なるプログラムの導入に留まりません。学校全体の文化としてIBの学習者像が根付いています。英語をツールとして使い、論理的に思考し、行動に移すというプロセスは、海外のインター校や現地校で学んできたお子様にとって、最も力を発揮しやすい環境であると言えます。

    大宮国際の教育システムは、他校にはない非常にユニークで柔軟な構造を持っています。1年生から4年生までは全員がMYP(中等教育プログラム)を履修し、5年生からは自身のキャリアイメージに合わせて3つのコースに分かれます。

    全員が探究の基礎を学ぶMYPの4年間

    1年生から4年生までは、全員がMYP(Middle Years Programme)を履修します。この期間は、すべての教科において自分たちが学んでいることが社会にどう役立つのかを常に確認しながら学習を進めます。これはIBの大きな特徴であり、知識を単独のものとして捉えるのではなく、現実世界の問題と結びつけて考える習慣を養います。

    授業形態も特徴的で、4クラスを6グループに分けた少人数授業が行われています。これにより、教員と生徒の距離が近く、活発な議論が生まれやすい環境が保たれています。また、英語教育についてはAll Englishでの授業が行われるだけでなく、毎朝15分間の英語トレーニングが継続的に実施されており、実践的な運用能力を磨くことができます。

    5年生・6年生からの高度なコース選択

    5年生からは、生徒の興味や将来の志向に合わせて以下の3つのコースに分かれます。

    グローバルコース(IBDP)

    国際バカロレアのディプロマプログラム取得を目指すコースです。日本語DPを主軸としつつ、数学や美術などは英語で学ぶイマージョン形式を採用しています。世界基準の評価を得て、国内外の難関大学を目指す生徒に適しています。

    STEMコース

    テクノロジーや理数系の知識を駆使して、社会課題への解決策を探究するコースです。データ分析やプログラミングをツールとして使いこなし、将来のイノベーターとしての素養を磨きます。

    リベラルアーツコース

    文理の枠を超えて幅広く学び、人間や社会への深い洞察を深めるコースです。多様な学部への進学に対応できる柔軟性があり、自分の興味を多角的に掘り下げたい生徒に選ばれています。

    どのコースを選んでも、大宮国際が大切にしている探究の姿勢は共通しています。大学入試においても、こうした探究活動の実績は総合型選抜や学校推薦型選抜において大きな武器となります。

    自律的な活動を象徴するSA(サービス・アズ・アクション)

    大宮国際を語る上で欠かせないのが、生徒会活動に代わるSA(Service as Action)という仕組みです。従来の形骸化しがちな委員会制度を廃止し、生徒が必要だと感じたプロジェクトを自ら立ち上げる組織運営を行っています。

    組織は、学校運営に関わるCore SAと、生徒が自由に立ち上げるAdvance SAに分かれています。例えば、地域の課題を解決するためのアプリ開発や、校則の改正案を論理的なエビデンスに基づいて提案する活動など、生徒たちは自分たちの手で環境を変えられるという実感を持ちながら活動しています。これは、社会に出た際に必要となる、異なる価値観を持つ人々と折り合いをつけながら物事を進める力を養う場となっています。

    帰国生の受け入れ体制とハイレベルな英語環境

    相吉先生

    帰国生の皆さんがクラスにいることで、授業内でのディスカッションの質が格段に上がります。一般生の刺激になりつつ、帰国生自身も日本の視点を取り入れることで、より深みのある考察ができるようになります。英語力に関しても、英検1級レベルを保持する生徒が珍しくないほど、切磋琢磨し合える環境が整っています。

    大宮国際では、全校生徒の約15パーセントから20パーセントが海外生活経験者という、公立校としては極めて高い帰国生比率を誇ります。しかし、クラス編成においてはあえて帰国生だけのクラスを作らず、一般生と混合の編成にしています。これは、帰国生がクラスの学びを牽引し、一般生がそれに応えるという相乗効果を狙っているためです。

    英語の授業に関しては、習熟度別のクラス分けをせずとも、帰国生がロールモデルとなることで全体のレベルが底上げされています。週4時間のLearning Acquisitionに加え、イマージョン授業であるEnglish Inquiryが週2時間用意されており、探究的な英語学習が可能です。また、日本語の習得に不安がある生徒に対しては、1年生の国語などの授業にサポーターの教員が入るなど、個別の状況に応じた丁寧なフォローが行われています。

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    帰国生入試(特別選抜)と編入学の合格戦略

    相吉先生

    大宮国際の入試で問われるのは、知識の再生ではなく、与えられた情報をどう料理するかという知性です。適性検査では、正解のない問いに対して自分なりの根拠を示せるかどうかが合否を分けます。特に集団活動では、リーダーシップだけでなく、他者の意見を引き出すフォロワーシップも重要視されます。

    大宮国際を受験するためには、「入学時までに保護者とともに指定の区域内に居住し、入学後もそこから通学すること」が条件となります。

    大宮国際の帰国生入試は、特別選抜として実施されます。通学区域が埼玉県全域に広がるため、さいたま市外にお住まいの帰国生でも埼玉県内に在住していれば受験が可能です。

    選抜段階検査内容
    第1次選抜適性検査D:日本語または英語の問題文を選択可能(50分)
    集団面接:日本語と英語それぞれで質問(15分)
    第2次選抜適性検査E:作文形式。日本語または英語を選択、一部で英語使用指定(45分)
    集団活動:協調性や課題解決力を評価(30分)

    適性検査では、難解な先取り知識は必要ありません。与えられたデータや資料を正確に読み解き、自分の考えを根拠を持って表現する力が求められます。学校側が求める生徒像は、コミュニケーション能力があり、多様な友人と協働できるお子様です。社会に出た際に、異なるタイプの人々と力を合わせられる素養があるかどうかが、選考の大きなポイントとなります。

    また、4年生の9月には編入学試験も実施されます。数学の学力検査や日英両言語での作文・面接が課されるため、標準的な学習内容をしっかりと定着させておくことが大切です。

    まとめ

    さいたま市立大宮国際中等教育学校は、以下のようなお子様にぴったりの学校です。

    • 国際バカロレア(IB)の探究的な学びに魅力を感じる
    • 英語をツールとして使い、社会課題の解決に挑戦したい
    • 生徒主体の自由で活気ある校風の中で、自分らしさを発揮したい
    • 埼玉県に在住予定で、公立校の費用負担で世界水準の教育を受けたい

    TCK Workshopの大宮国際対策

    大宮国際の入試は、単なる暗記では太刀打ちできません。日頃からニュースに関心を持ち、自分の意見を論理的にまとめる練習を積み重ねることが合格への近道です。

    TCK Workshopでは、大宮国際の適性検査対策や、IBプログラムにスムーズに馴染むためのアカデミック・ライティング指導など、個別のニーズに合わせたオンライン個別指導を行っています。お子様の海外での経験を、大宮国際での学びにどうつなげていくか、一緒に計画を立ててみませんか。まずは無料教育相談にて、現在のお悩みや目標をお聞かせください。

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    参照

    さいたま市立大宮国際中等教育学校 公式サイト
    さいたま市立大宮国際中等教育学校 2026年度 生徒募集要項