海外で生活し、現地校やインターナショナルスクールで英語を学んできた帰国生の中には、「英語は話せるし、読むことにも困らないのに、入試の英文法問題になると点数が取れない」という悩みを抱える方がいます。
日常生活で身につけた英語と、帰国生入試で求められる英語には、意外な違いがあります。特に、英文法の知識を使って正誤を判断する問題や、正確な英文を書く問題では、「英語を感覚的に使えること」とは別の力が必要になります。
そこで今回は、帰国生が英文法でつまずきやすい理由と、帰国生入試に向けた効果的な英文法対策について解説します。
帰国生入試では学校によって英語の出題内容が異なるため、まず志望校の最新の入試要項や過去問を確認することが大切です。たとえば洗足学園中学校では、現在も帰国生入試の過去問題としてA方式・B方式の英語問題を公開しています。
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TCK Workshop プレミアム講師。獨協高等学校を経て、早稲田大学国際教養学部(SILS)卒業。 オーストリア・ドイツへの留学経験を持つ国際派でありながら、中学・高校入試の全科目(英・国・数・社・理)を指導できる稀有な「オールラウンダー」。 SILSで培った広い教養と論理的思考力を活かし、SAT対策や大学入試の小論文・志望理由書指導において、合格を引き寄せる「書く力・考える力」を徹底的に鍛え上げる。
帰国生入試で英文法が重要な理由
「英語が話せるなら、英文法の勉強はそれほど必要ないのでは?」と感じる方もいるかもしれません。しかし、帰国生入試では、日常会話だけでは測れない英語力が求められる場合があります。
TCK Workshopでは、渋谷教育学園幕張中学校・高等学校、頌栄女子学院中学校、洗足学園中学校を対象とした文法問題対策講座を実施しており、現地校やインターナショナルスクールで英語力を伸ばしてきた生徒でも、文法問題で得点を落とすケースがあることを紹介しています。
また、洗足学園中学校は2025年度の入試問題として、帰国生入試のA方式・B方式の英語問題を公開しています。過去問を確認すると、志望校がどのような英語力を求めているのかを具体的に把握しやすくなります。

「話せる英語」と「正確な英語」は別の力
海外生活の中で身につけた英語は、会話や学校生活を通して自然に伸びていきます。
一方、入試では「なぜこの表現が正しいのか」「文のどこに誤りがあるのか」をルールに基づいて判断する力が必要になることがあります。
例えば、会話では意味が十分伝わる表現でも、入試問題では文法上の誤りとして扱われることがあります。

海外で自然に英語を身につけてきたことは、帰国生にとって大きな強みです。その一方で、感覚で使ってきた英語を、入試で使える「分析できる英語」に整理していく段階も必要になります。
帰国子女が英文法でつまずきやすい3つの理由
1.英語を「感覚」で身につけている
海外で長く生活していると、英文法を一つひとつ日本語で説明されなくても、自然と英語を使えるようになります。
これは大きな強みですが、文法問題では「なんとなく聞いたことがある」という感覚だけでは判断しにくい問題もあります。
実際、TCK Workshopの過去問解説でも、帰国生は日常的に大量の英語に触れている一方、細かな文法ルールを問われる問題では苦戦するケースが紹介されています。
2.現地で使われる英語と入試英語に違いがある
海外の学校や日常生活では、コミュニケーションを成立させることが重視されます。
そのため、「意味が伝わる」「周囲も同じように使っている」という表現が身についていても、入試で求められる正確な英文とは異なる場合があります。
TCK Workshopが2026年に実施した文法問題対策でも、冠詞、前置詞、可算・不可算、語句の並列など、細かなルールを分析する力が取り上げられています。

3.自分の間違いを説明できない
英文法の学習では、「答えが合っているか」だけでなく、「なぜその答えになるのか」を説明できるかどうかもポイントになります。
正解を選べても、理由を説明できなければ、少し形を変えた問題で迷ってしまうことがあります。
逆に、主語と動詞の一致、品詞、修飾関係、時制などのルールを理解していれば、初めて見る問題でも判断するための軸を持ちやすくなります。
帰国生入試に向けた英文法の勉強法
まずは志望校の過去問で現在地を確認する
英文法の勉強を始める前に、志望校の過去問を一度確認してみるとよいでしょう。
「英文法が苦手」と思っていても、実際には冠詞が弱いのか、前置詞が苦手なのか、動詞の使い分けで間違えるのかによって必要な対策は変わります。
洗足学園中学校のように、学校が過去の帰国生入試問題を公開しているケースもあります。まずは実際の問題に触れ、どのような形式で文法が問われているのかを把握することが対策の出発点になります。
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「正解」ではなく「なぜ正解なのか」を確認する
問題演習では、丸付けをして終わりにせず、間違えた理由まで確認することが大切です。
例えば、「動詞の形が違う」と分かったら、なぜその形になるのかまで説明できる状態を目指します。
さらに、同じ文法項目で過去にも間違えていないかを振り返ると、自分の弱点が見えやすくなります。

英文法は、一度間違えた問題を覚えるだけではなく、「自分はなぜ間違えたのか」を言葉にしてみることで理解が深まりやすくなります。正解を増やすだけでなく、間違い方を減らしていく視点も持っておくとよいでしょう。
英作文にも文法学習をつなげる
英文法は、文法問題だけのために学ぶものではありません。
帰国生入試では、英作文やエッセイが課される学校もあります。実際に英語によるエッセイや自己PRでは、正しい英文を書くことに加えて、自分の経験や考えを論理的に構成する力が必要になります。
そのため、英文を書いた後に「文法的に正しいか」を確認する習慣をつけておくと、文法問題と英作文の両方に学習をつなげやすくなります。
特に、
・冠詞
・単数・複数
・時制
・前置詞
・主語と動詞の一致
・代名詞
・語順
など、自分が繰り返し間違える項目を記録しておくと、復習の効率も高めやすくなります。
帰国生の英文法対策は「感覚」を「ルール」に変えることから
海外で身につけた英語力は、帰国生にとって大きな武器です。
ただし、帰国生入試では、英語を自然に使えることに加えて、英文を正確に分析したり、文法的な誤りを見つけたり、自分の考えを正しい英文で表現したりする力が求められる場合があります。
だからこそ、「英語が話せるから文法は必要ない」と考えるのではなく、これまで身につけてきた英語の感覚に、文法という論理的な軸を加えていくことが対策につながります。
まずは志望校の過去問を確認し、どのような英文法が出題されているのかを把握する。そのうえで、自分がどの分野で間違えているのかを分析し、「なぜ間違えたのか」まで振り返る。この繰り返しによって、感覚だけに頼らず、入試問題を論理的に解く力を身につけやすくなります。
TCK Workshopでは、帰国生入試の英語対策について、一人ひとりの海外経験や現在の英語力、志望校に合わせた学習相談を受け付けています。英文法のどこから対策すればよいか分からない場合も、まずは現在の課題を整理するところから始めてみてはいかがでしょうか。
まとめ
帰国生入試の英文法対策では、「英語を話せるか」だけではなく、「英文を正確に分析できるか」という視点が重要になります。
海外で自然に身につけた英語力を土台にしながら、志望校の過去問で出題傾向を確認し、自分の文法上の弱点を把握する。そして、正解だけでなく「なぜその答えになるのか」まで説明できるようにすることで、文法問題だけでなく英作文にも学習をつなげやすくなります。
帰国生入試に向けて英文法に不安を感じている場合は、まず現在の英語力と志望校の出題傾向を照らし合わせ、自分に必要な対策を整理してみるとよいでしょう。
