はじめに
帰国子女高校受験生に人気のある慶應義塾湘南藤沢高等部ですが、従来の入試では数学は一般入試と同じ問題が課されていたため、一般生徒と同じようにハイレベルな問題を解く能力が必要となります。
慶應義塾湘南藤沢高等部 2019年の問題構成はこのようになっています。
大問1 | 大問2 | 大問3 | 大問4 | 大問5 | 大問6 |
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計算問題 4問 | 小問集合 3題 | 確率 小問3題 | 関数と図形 小問3題 | 平面図形 小問3題 | 立体図形 小問2題 |
SFCの問題は図形問題が非常に多く、関数の問題も結局図形問題であり、小問集合も合わせれば多いときには実に60%は図形問題となることもありました。
そんな慶應義塾湘南藤沢高等部ですが、2022年入試から入試が変わります。
数学は60分から45分へと時間が短縮されるということで、問題数が少なくなるのか…?
まだ前例がないわけですから対策に頭を悩まされているかたも多くいらっしゃるかと思います。まず、安全策としてはこれまで同等の対策をしておくべきとするのが無難です。これまでの過去問題を演習することで十分に入試内容の変化に対応できることでしょう。
今回は慶應義塾湘南藤沢高等部 2019年の過去問から問題をピックアップして解説をしていきます。
慶應義塾湘南藤沢高等部 帰国生過去問 2019年 数学 大問2(3) 解説
二次方程式は特に重点的に練習を!
少し乱暴な言い方ですが、高校入試の問題は基本的に最終的には二次方程式となるのが落ちです。
小問集合や計算問題を除けば、二次方程式単体で問題が出ることは無く、図形問題、関数の問題、文章題、確率などさまざまな問題を解く上で立式をした結果二次方程式が出てくる、といった具合です。
そう、中学3年間で学ぶ最重要事項と言えば、一次方程式の解き方、二次方程式の解き方の2つ。
これらをマスターすれば、基本的にはどんな問題も解く準備ができているという事になります。これより複雑な関数や、その他の関数については高校数学の範囲となり入試問題では出てきません。
- 「一次関数・方程式が苦手」
- 「二次関数・方程式が苦手」
は高校入試においては一発アウトとなり得るほど重要範囲です。
「まず何から復習したらよいのか…?」ということであれば一次関数と二次関数を徹底的にマスターしましょう。
そうすると結局二次関数を解くためには平方根と因数分解を勉強することとなります。全てが繋がっているんですね。慌てずに一つ一つ片付けていきましょう。
有理数解と無理数解
「有理数と無理数とはそもそも何?」と聞かれても説明できない生徒が多いです。専門用語なので知らず知らずと問題を解く上で使っているのですが、できればちゃんと意味も覚えておきましょう。
いずれ高校や大学に入り学習する上で用語の理解がないと教科書や講義がわからなくなってしまいますから…
- 無理数はシンプルに言うと有理数にならないルートの数です。
- 有理数は分数で書き表せる数のこと。
二次方程式を解の公式を使って答えを出したときに、ルートの中身が平方数にならずにルートが残ることがありますね?
この時に必ず無理数の解となり、それらは±のペアになって出てきます。
ですから、今回の問題も一つの解がでれば、自動的にもう一つの解も求められるということです。
解と係数の関係について
中学数学では「解と係数の関係」を習わないと聞きますが高校入試においては絶対必要な知識ですので、遠慮せず学んでください。
高校入試において中学では学ばないけど高校では学ぶ、といった裏技的なものが非常に多く存在します。
これらの多くは知っていると解くスピードが圧倒的に変わる何とも魅力的なものばかりです。
あまり本質を理解せずにむやみやたらにい使うことはお勧めいたしませんが、今回の「解と係数の関係」に関しては、難関校狙いであれば誰もが知っている数学のツールですので是非復習してマスターしておきましょう。
帰国生入試の数学は一般入試と一緒
多くの学校では数学の問題は一般入試と同じ問題となります。
過去問題の対策はもちろん重要ですが、同レベルの高校などの過去問題などを利用することでより多く演習を重ねることが可能になります。傾向分析や過去問題演習は是非第三者の協力を活用しましょう。