帰国生が英語試験対策で苦労するポイント

帰国子女高校入試の英語試験に出題される問題の形式は様々です。

読解問題、文法問題、英作文 など、日本の高校受験生が当たり前のように普段から対策している内容でも、帰国生の生徒さんにとっては、現地校やインターナショナルスクールでの英語試験と異なり、戸惑ってしまう生徒さんも少なくありません。

とはいえ、帰国子女高校受験で求められる英語レベルそのものは、海外で学校生活を送られている生徒さんに取っては、決して高いとは感じないはずです。

内容的に決して難しくないからこそ、問題形式にしっかりと順応して、本番試験では高得点を狙いにいく必要があります。

Reading comprehension, Essayそれぞれ対策の難しさがあり、これらは受験する学校の傾向に合わせて準備を重ねておくべきですが、その中でも帰国生の生徒さんは文法問題に苦労されているケースが多いです。

多量の英語を日常的に浴びることで、耳や口から習得してきた、いわゆる感覚的な英語は、 細かなロジックを必要とする文法問題には弱いです。

(私たちも日本語の細かな文法を説明しろ、と言われてもなか難しいことがあるのと同じですね。)

ただ受験の英語や日本の高校のカリキュラムひいては日本の大学受験では、英語学習における英文法の割合が高く、高校受験でも出題配点は高くなります。

今回はその中でも、帰国生の生徒さんが最も苦労するタイプの

  1. 文法問題
  2. 誤文訂正問題

に焦点を当てて、渋谷教育学園幕張高等学校で2013年に出題された問題を解説していきます。

今回の一問は渋谷教育学園幕張高等学校の2013年の過去問から

  • With a dishwasher, daily chores have never been more easier than they are now.

さてどこが間違っているかわかるでしょうか?

ぜひ一度手をとめて考えてみてください。制限時間は30秒です。

受験英語では、「誤文訂正問題」と言われるジャンルの問題になりますが、このタイプの問題を正確に解答するには、文法・語法の正確な知識が必要です。

まずは必要最低限の文法・語法の知識を身につけ、その上で、誤文訂正問題に出題される問題ポイントを身につける必要があります。

誤文訂正問題は、すぐにコツをつかむ生徒さんもいる一方で、最後の最後までポイントに気づけない生徒さんも多く、得意不得意が明確に別れる分野ですので、受験を検討している学校で出題がある場合は早め早めに対策することが得策です。

比較級の使い方は身についていますか?

本問題は誤文訂正問題の問題パターンの中では難易度は最低ランク、必ず得点しなければいけない問題です。

いくつか誤文訂正問題に取り組んでもらう際の確認事項がありますが、その一つが「比較級を使用する時のルール」です。

比較級のルールもたくさんありますが、一番大切なことは比較級を作る時には、二つの方法があります。

〈比較級を作る方法〉
  • その1:形容詞あるいは副詞の語尾にerをつける
  • その2:形容詞あるいは副詞の前にmoreをつけるサンプルテキスト

形容詞あるいは副詞にerをつけた場合には、比較級を表す言葉と一緒に使用することができないんです。補足ですが、副詞や形容詞にerをつける際に、語尾を変えなくてはいけない場合もあるので要注意です。

本問題の正解はなんでしょうか?

正解は

  • With a dishwasher, daily chores have never been easier than they are now.

ですね。

ポイントは二つあります。

  1. 副詞・形容詞を比較級に変換する方法
  2. 「比較級に変えた形容詞・副詞」と「比較級を表す単語」は一緒に使えない

今回は、比較級を作る時の2つの方法を踏まえると、easyという形容詞はeasierへと変わります。そのため、比較級を表すmoreは不要であり、一緒に使うことはできないんです。

最上級との違いまでしっかりと把握できているとなおさら良いですね!というのも、最上級と比較級を作る方法は似ているので、間違えやすいんです。ここで押さえておきましょう!

〈最上級を作る方法〉
  • その1:形容詞あるいは副詞の語尾にestをつける
  • その2:形容詞あるいは副詞の前にmostをつけるサンプルテキスト

比較級・最上級を使用するだけでなく、英文の比較級と最上級を見分けなくてはならないこともありますよね!

見分ける際には、形容詞・副詞の語尾あるいは形容詞・副詞の前に何がきているかを注目してください。

誤文訂正問題対策はお早めに!

いかがだったでしょうか?

前述した通り、誤文訂正問題は得意不得意のわかれる、つまり英語の得意な生徒さん同士の戦いでもある帰国子女入試において点数の差がつきやすい単元ともいえます。

文法や語法の知識は一度身につけてしまえば、読解問題やEssayでも利用でき、結果的に英語力の全体的な向上につながります。

  1. 受験校に誤文訂正問題が出題されるひと
  2. これまであまり文法学習をしてこず、感覚的に英語を学んできたひと
  3. 高校受験で英語を武器にしていきたいひと

どれかに当てはまる人は、ぜひ文法をしっかりと学んで、誤文訂正問題を得意にしてください。